wolf of actor’s blog

俳優になる方法 俳優の生活 実体験からお答えします

第44話 アメリカ俳優修業 いざアメリカへ! 甘くないぞアメリカ(笑)

俳優の今の現状を何とか打破するべく、とりあえずアメリカへ行こうと思い、デビューからお世話になっていた芸能プロダクションも退社した僕。思い立って一ヶ月未満で渡米したわけですが、まさに珍道中となるのでした( ゚Д゚)

いきなり予想外なアメリカ俳優修行。えっ!3ヶ月しか滞在できないの??

さぁ円満に所属していた芸能プロダクションを辞め、急ピッチでアメリカへ渡航する準備を始めたわけですが、まずはパスポートを取得しに池袋サンシャインシティへと赴きます。「えっ!今日その場でパスポートもらえないの!?マジかよ!」すみませんがそんなレベルでした。海外旅行も行ったことないですからね、仕方ないといえば仕方ない。

そしてこのころからポチポチとインターネットを使って自宅で留学などを調べるわけですが、役者の学校的なものは何やら手続きが非常に面倒そうな印象。しかも当時日本でも食えない役者ですから、使えるお金など微々たるもの。授業料とか払えないなこれ。。。

そこで至った結論は「ふん!演技の学校なんて行かんでいいわぃ。レオナルドディカプリオだって演技の学校とか行ってないもんね!」ある意味消去法ですね。そしてとても潔く前向きですね。バカだなぁこの頃の俺(笑)行ってから考えればいい精神でその辺は深く考えませんでした。

ただ本気で予想外だったのが、アメリカで就職とか学校に行くわけじゃないから、なんと3ヶ月しか滞在できないこと。うそ~!どうやら働くこともできないようで・・・。これは大きく予想が外れました。予想というか特に何も予想していなかったんですよね、好きなだけ滞在していつでも帰ってくればいいかぁみたいな。観光ビザでは3ヶ月が限界なんですね。

とは言ってもだからと言って中止するわけにもいかない!ずっとやってきた映画館のアルバイトも辞めて、何よりお世話になった芸能事務所だって辞めたんです。うち、へこたれへん!!

しかし思ったほどこのことに関しては思い悩みませんでしたね。法律ですから!illegalなことはできません。どうにもならなことは悩まない!大切ですね(*^-^*)

 

いざアメリカへ俳優修業へ!しかし、いきなりまさかの入国できない事態へ・・・( ;∀;)

諸々の準備を済ませ、いざアメリカへと旅立つわけですが、お金を両替したりクレジットカードを作ったりいろいろやることありましたね~。でも行きたくて行くわけですから別段面倒くさいとは思いませんでしたが('ω')

そうそう、海外旅行保険の為にアメリカンエキスプレスのクレジットカードをこの時作ったんです。アメリカンエキスプレスのクレジットカードには海外旅行保険が付いてるんですよ。今もそうなんですかね?

そしていざ旅立ちの時となるわけですが、成田空港へは前回も書きましたが兄が車で送ってくれました。国内便は乗ったことがあったので飛行機は初めてではなかったけど、海外へと飛び立つ飛行機は初めて。未知の世界に向かうわけですからフツフツと沸き上がるものがきっとあったことでしょう。この時の感情までは覚えてない(笑)

 

飛行機の中もそこまで覚えてないんだけど、隣に座っていた中国系のビジネスマンのおじさまと話して仲良くなったんですよ。この頃の僕は自分で言うのもなんですが非常に人懐っこかったんです(笑)人見知りもMマネージャーに怒られ続けたおかげでこの頃には直っていましたし。やっぱり無駄な事ってないんですね(;´Д`)その中国系のビジネスマンと英語でお話ししてたわけですが、僕は日本の俳優だよってことも話したんです。有名とは言ってないんで嘘はついてません。かなりお話したので、メールアドレスを交換することになったんです。僕は名前とメールアドレスを紙に書いて渡して、その男性は名刺を渡してくれて。

9時間とか10時間ぐらいかかったのかなシアトル・タコマ空港まで。いよいよアメリカの地を踏む瞬間が近づいてくるわけですが、到着間近に飛行機内にアナウンスが入りまして。最初僕は英語だし全然気にも留めてなかったんですが、横の仲良くなったビジネスマンが僕の書いた紙の名前を見ながら「Hey!boy!君のことを言ってるぞ」と言ってきたので、注意深く聞いてみると、出口でキャビンアテンダントさんに言って案内されたルートで出てきてください、的なことを言っていました。実は僕の母親の友人がこのタコマ空港の荷物紛失などの問い合わせに対応する従業員さんで、僕に飛行機の便を知っていたのですぐ会えるようにわざわざアナウンスを頼んで入れてくれていたんです。僕としては「ありがたいなぁ」っていうぐらいだったんですが、隣の仲良くなったビジネスマンは急にテンションが上がりまして( ゚Д゚)簡単に言うと、僕の名前が呼ばれてみんなと違う出口から出て下さい的なアナウンスだったので、僕が日本でかなり有名な俳優だと勘違いしたんですね、普通に出たら人集まっちゃってまずい的な(笑)もちろんそんなこと一切ないんですけどね!!

ただ、この日本でかなり売れてる有名な俳優という勘違いは何度かアメリカで遭遇します。日本の俳優を知らないからそう思っちゃうんでしょう。

 

所持金が少なすぎて入国審査にひっかかる!!

いよいよ飛行機を降りてアメリカの地を踏んだわけですが、すぐに入国審査が待っています。「SIGHTSEEING!」と言うあれです。もちろんやましいことなど一つもないので特に身構えることなく列に並びます。ただなんであれ少し緊張するんですかね、単純に慣れてないせいですかね( ;∀;)さぁいよいよ僕の番です。。。日本語で書きます。

係の人「ハロー」

僕  「ハ、ハロー」

係の人「目的は?」

僕  「SIGHTSEEINGです!」

係の人「フム。滞在期間は?」

僕  「さ、3ヶ月です!」

係の人「ハン?3ヶ月?長いな。ホテルに泊まるのかい?」

僕  「友人の部屋に泊まる予定です」

係の人「お金はどれぐらい持ってきているんだい?」

僕  「10万円です」

係の人「ホワット?10万円で3ヶ月過ごすのか?」

僕  「クレジットカードもあるので・・・(なにやら雲行きが怪しい)」

係の人「ちょっと別室へ行ってもらうよ」

僕  「えっ!ちょ、ちょまっ・・・!」

そんなこんなで一人別室へ連れてかれました。そしてその部屋では外人さんに囲まれ質問責めに・・・これがめちゃめちゃ長かった!!どうやら滞在期間に比べて僕の所持金が少なすぎるというのがまず問題だったようで。労働ビザじゃないのにアメリカで働く気じゃないかと思われたようです( ;∀;)日本で何をやっていたかも聞かれて、俳優をやっていたと答えたら、こっちでもなにか俳優の仕事をするのか?と聞かれ、そんな予定はないとか答えたりそんな感じだったと思います。埒が明かないままどれだけの時間が過ぎたでしょう。これホントに日本に帰されるんじゃないか・・・本気でそう思いました。質問が続いた後に、トランクの中身を見せなさいの命令が。やましいものなどないのでトランクを開けて中身をすべて出して。もうこの時気を抜くと泣きそうなぐらい不安でした( ;∀;)トランクの底に雑誌が何冊か入っていてそれも出すように言われ出したところ、僕を調べていた外人さん達の目の色が変わりました。まるでマネーの虎の虎たちが美味しいものを持ってきた志願者に出会った時のように。

またもやアメリカで超有名俳優と勘違いされる

その雑誌の正体は、女性自身とか週刊女性とか日本の週刊誌。もちろん僕の趣味ではありません!アメリカにいる母親の友人が日本の週刊誌に飢えてるから持ってきてほしいとのことだったので持ってきた雑誌たちです。もちろん入国審査の外人たちが週刊女性みてテンションあがるはずがありません(笑)当時日本ではペヨンジュンことヨン様がフィーバーしまくっていまして。持っていた雑誌のすべての表紙がヨン様だったのです。何の偶然か僕視力が悪いので普段コンタクトレンズなんですが、飛行機に乗ってる時間が長いので眼鏡をしていたんですね。しかも黒縁とかではなくどっちかというとヨン様っぽい眼鏡を。でも僕はペヨンジュンのファンでも何でもないのでそこまで似てる眼鏡というわけでもありません。もっと言うと僕の顔は藤木直人さんだとか林遣都さんに似てると言われたことはありますが、ペヨンジュンに似てると言われたことは一度もありません(;´Д`)

アメリカ人から見ると東洋人の顔の違いはそこまでわからないのでしょう。それも仕方ないと思います。彼らはものの見事に、日本で俳優をやっていたと言う僕を、週刊誌の表紙を飾りまくっていたペヨンジュンと勘違いしたのです。一気にテンションの上がる彼ら。「お前すごいじゃないか!」「なんだ早く言えよボーイ!」「相当有名じゃないかユー!」そんなことを言いながら盛り上がり出しました(*´Д`)

これはもはや勘違いのままやり過ごしたほうがいいのか・・・?

正直に頑張って説明するべきなのか・・・?

もう英語のやり取りに疲れ、ちゃんと伝わるかも自信が無くなってきた僕は、「日本語を喋れるスタッフを呼んでもらえますか?」とお願いしました。

すると日本人と思われる日本人のスタッフさんが登場。

外人たちはテンション高いまま雑誌と僕を比べてなぜか自慢げにそのスタッフさんに話していました。するとその日本人スタッフさんは腹を抱えて笑い出しました。きっとこんなに笑うの久しぶりだろうなぁと思ってしまうほどに。ひとしきり笑って落ち着いた日本人スタッフさんは外人たちに説明しました。「雑誌の表紙は韓国のスターで彼は日本人よ」と。なーんだぁーみたいに不思議と和やかになる場。その後はそのスタッフさんが外人スタッフさん達に僕を説明してくれて、僕は無事にアメリカに入国することができました。はじめから呼べばよかった・・・(´;ω;`)ウゥゥ

僕がすんごいみすぼらしい服装で行ったのも良くなかったみたいです。あまり治安のいいところではないから綺麗なカッコで来るなって言われたんだもん(-.-)どんな服装かは次回のブログで写真をお見せします。確かにジーパンビリビリに破けてる!!

そんなわけで、決してスムーズではなかったですがなんとかアメリカに入国した僕でした。

次回に続きます・・・。

コンフィデンスマンJP