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いまさらながら、脳内汚染という本を読みましたが、あれは科学的に正しいのでしょ...

gho********さん

2010/11/1016:23:03

いまさらながら、脳内汚染という本を読みましたが、あれは科学的に正しいのでしょうか?

トンデモ本といっている人もいるようですが、その批判がゲーム中毒の人間の屁理屈・合理化から来たものとすれば

これが正しいのかもとか思ってみたり・・・

かなりヘビーなゲーム愛好家の自分(自分で言うのは

バカみたいで恥ずかしいですが)も、ここで質問し、批判的な回等がくることにより合理化ができることを、少なからず望んでいるよう

な気もしますし・・・

確かにメディアの発達により犯罪増加というのも納得できる理屈ですよね?

脳科学についてほとんど知識がないので、詳しい方教えてください。(できれば中立意見で

あと、この本に上げられていたヘビーなゲーマーの例(?)に、幼少期のころから、一部違いはあれど、

ほとんどの部分が自分の人生を書かれているくらいに一致していました。

これは占いのような、人間の性格などの複雑性を利用したものでしょうか?

それとも、単純にこの本が正しいから的中しただけでしょうか?

また、この本の前に読んだ元FBIの心理プロファイラーの書いた本にはサイコパスの犯罪に麻薬が関与しているときが多いが、

直接原因ではないことが多いと書いていました。これが正しいならば、少なからぬ原因はあっても筆者の

ゲーム=情報の合成麻薬 これの影響で凶悪犯罪増加の直接原因というのは間違いなのでしょうか?

長文が苦手なので、文章としておかしいところも多々あると思います。

その場合は不明瞭な点を指摘していただければ、補足で修正します。

補足なるほど、そうでしたか。某百科事典サイトで、同氏のことを調べ、そのついでに、小説のこともしりましたが、ホラーだとかなんとかだと書いていたので、矛盾していると思い混乱していました。
これ以上は望みすぎかもしれませんが、もしその論文の日本語訳を紹介しているサイトがあれば教えてくれませんか?

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aki********さん

編集あり2010/11/1222:20:26

完全に間違いです。

まず、その「ゲーム=麻薬」のウソから説明しておきましょう。
岡田尊司氏は、ゲームをやると脳内のドーパミンが大量に出る。一方、麻薬を打ったときにも放出される。だから、同じである、という形で論を進めます。実験の内容は次のようなものです。

イギリスの研究者グループが行った実験。
8人の男性に戦車を操るゲームをさせた。このとき、プレイヤーには、成績に応じて賞金を出す、という形で行った。その結果、脳内のドーパミンを放出するとされる部位の活動が活発になっていた。
一方、覚醒剤を注射したときにも同じ部位が活発になる。覚醒剤を摂取したとき、ドパミンが放出されることが明らかになっている。なのでドパミン放出の計測方法として確立できたと言えるはず。

という内容です。
戦車ゲームをテレビゲーム一般にすり替えることは出来ません。成績に応じて賞金が出るわけですから、普通に遊ぶのとは桁違いに興奮することでしょう。
また、覚醒剤も、実験のために注射するわけですから、身体に害が及ぶ(依存症になるよう)ようなことは出来ません。
こういうものは、元の論文を読めばわかるのですが、そういうものを一切無視して物語を作り出しているわけです。

ちなみにドパミンというのは、心地よい、楽しい、と感じるような状況で分泌される物質であり、それが放出されるからダメ、なんていうことはありません。
それに、岡田尊司氏の主張では、ゲームと覚醒剤しかないわけですから、他の行動との比較もありません。

そもそも、ゲームが進化しているのに、犯罪は増えていません。
岡田尊司氏は、増えているかのように装っていますが、殺人事件は減少の一途をたどっているのです。2009年の殺人事件は、戦後最少記録です。
ゲームがなかった1960年、少年による殺人事件は438件、1970年は198件、2009年は50件です。少子化、というのはあるにせよ、人口比でも減少しています。

少年犯罪の増加、というのは、1997年から警察が方針転換をし、例えば、万引き犯が捕まえようとした店員を押しのけた、なんていうような場合、それまでは「窃盗及び暴行」だったのを、「強盗」として扱うようになりました。
これは、少年による強盗の件数の変化を見ればわかります。
もし、岡田尊司氏の主張が正しいとすれば、1990年くらいから徐々に増え続けていく、という変化をするはずです。
ところが、実際には、次のような変化を示しています。

95年 873件
96年 1082件
97年 1701件
98年 1566件
99年 1644件
00年 1668件

96年から97年にかけて一挙に激増して、その後は横ばい、という奇妙な変化になっているのがわかります。映像技術は、どんどん進化しているわけですから、増え続けるはずです。
ちなみに、『脳内汚染』が発表された05年には1172件、09年は696件です。
映像技術に加え、インターネット、携帯電話などが90年代よりも発達しているわけですから、岡田尊司氏の論によれば増えるはずですが、減っています。

ちなみに、岡田尊司氏は、暴力的な映像などを見ると犯罪に走る、などと言っていますが、これは強力効果論と言うもので、心理学研究では否定されている理論です。
さらに、岡田尊司氏は、小笠原慧というペンネームで小説家としても活動しているのですが、その小説では登場人物が無残に殺害されたり、強姦される様を生々しく描く、という極めて暴力的な内容となっています。岡田尊司氏の小説家デビューは00年で、脳内汚染よりも前ですが、05年以降に発表された小説でも、同様の内容です。
つまり、思い切り、自分の言っていることと行動が矛盾しているのです。

この書は、日本神経科学会という学会で、森昭雄氏の「ゲーム脳」と並んで、名指しで「こういう本は、脳神経科学に対する信頼を損なう本だ」と批判されるくらいにデタラメな書です。
他にも色々とダメなところをあげれば数えられますが、とりあえず、このくらいで。


追記
その論文の日本語訳については、ちょっとわかりません。
小説の中で、どういう描写をしているのか、については、以下のサイトを参照ください。

http://ameblo.jp/fuyugare/entry-10107171681.html
http://takotakotakoyaki.blog52.fc2.com/blog-entry-2489.html

ゲームの暴力描写により、子供が暴力的になる、という一方で、暴力描写の多い小説を綴っているのが明らかになると思います。

他に、脳内汚染について、論文を引用された人物の批判としてこんなものも。

http://higeoyaji.at.webry.info/200602/article_17.html

質問した人からのコメント

2010/11/15 16:09:47

詳しい御回答ありがとうございました。
これを読んでから不安になってました。
影響を受けやすい・自分でものを考えられないバカな僕は、あなたの回等で助かりました。

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