AWSを基盤に用いたレンタルサーバ「Zenlogicホスティング Powered by AWS」提供開始、ファーストサーバ
一般にレンタルサーバやホスティングサーバのベンダは、自社で運用するデータセンターやサーバなどからサービスを提供します。しかしそれらインフラを自社では保有せず、他社のクラウドを基盤としてレンタルサーバなどのサービスを提供するベンダがあります。
ファーストサーバです。
サーバを自社で保有しないレンタルサーバベンダ
同社は以前、自社やグループ会社のデータセンターを用いてレンタルサーバなどのビジネスを展開していました。
ところが2012年にデータ消失を伴う大規模なシステム障害を起こし、それを機に同社は自社でサーバを所有しないという決断を下してプラットフォームの再構築を開始します。
その第一弾として発表されたのが、2015年に開始されたレンタルサーバの新サービス「Zenlogicホスティング」です。
これは当時同社の親会社であったYahoo! JAPANのIaaSクラウド基盤を用いて構築されたレンタルサーバのサービスです(現在の同社の親会社はソフトバンク)。
同社は今年2018年2月、既存顧客の環境をすべてこの「Zenlogicホスティング」へ移行するプロジェクト完了を発表。ついにサーバを持たないレンタルサーバベンダとなったわけです。
そして今回、同社は「Zenlogicホスティング」の新ラインナップとして、Amazon Web Services(AWS)のクラウドを基盤とする「Zenlogicホスティング Powered by AWS」を発表しました。
仮想マシンでユーザーごとに分離されたレンタルサーバ
「Zenlogicホスティング Powered by AWS」は、その名前が示すとおり同社がこれまでYahoo! JAPANの基盤で提供してきたレンタルサーバのインフラをAWSにしたものです。
OSのユーザーアカウントを複数用意することによってサーバを共有するのではなく、ユーザーごとに仮想マシンが割り当てられるため、他のユーザーの負荷による影響を受けにくくなっています。
申し込みから最短5分で利用開始でき、メールサーバ機能も標準で提供されています。
vCPUやディスク容量、ディスク性能の追加向上などクラウドの機能を生かした性能向上が可能で、今後さらにリージョン指定やRDS利用オプション機能などAWSならではのオプションも追加される見通しです。
「Zenlogicホスティング Powered by AWS」は5月16日から提供開始、1vCPU/1GBメモリで基本料金が1カ月契約で10900円など。
「Zenlogicホスティング」は当初から複数のクラウドに対応して設計構築されているため、今後AWS以外のクラウドへの対応も進めていくとのこと。
あわせてお読みください
- 国内データセンター市場規模、2016年は1兆953億円。2020年まで平均7%成長の見込み。クラウドとの接続が競争優位の要因に。IDC Japan
- クラウド専業SIerは従来のSIerとどこが違うのか? 夏サミ2015
- VMware、vCloud Air事業の売却を発表。自社でデータセンターを展開する戦略から撤退、クラウドを仮想化するサービス事業者へ
- Amazon EC2の最新基盤として「VMware Cloud on AWS」や「EC2ベアメタル」の実現にもつながったAWSの「Nitro System」とは?
- クラウドで先行するAWSやAzureに、オラクルはどうやって追いつこうとしているのか。強みは最新設備のデータセンター[PR]
前の記事
オープンソース版Cassandraよりレイテンシ半分、スループット2倍の商用版Cassandra「DataStax Enterprise 6」リリース