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週刊現代 北朝鮮

朝鮮労働党幹部が激白「拉致被害者は返せない。なぜなら……」

訪朝を画策する安倍総理へのメッセージ

北朝鮮の積極外交が止まらない。日本は「バスに乗り遅れる」のか、それとも金正恩委員長の攻勢は、トランプ大統領に一蹴されてしぼむのか。平壌で朝鮮労働党幹部に、北朝鮮のホンネを聞いた。

『労働新聞』が日本大批判

電撃的な中朝首脳会談が終わったかと思いきや、今月27日には南北首脳会談が開かれ、来月には米朝首脳会談が予定されている。

風雲急を告げてきた北朝鮮を巡る情勢だが、いま金正恩政権は何を考えているのか。
昨年、3度にわたって「週刊現代」で掲載した、北朝鮮の朝鮮労働党幹部インタビューの最新版をお届けする。

――3月29日、朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は、日本の安倍晋三政権を痛烈に批判する記事を、2本も掲載した。

一つは、「自滅を促している愚かな仕打ち」というタイトルで、「日本が拉致問題を声高に叫ぶ裏には、朝鮮半島を再度、侵略しようという野望と、森友学園問題から世間の目をそらそうという安倍政権の野望が潜んでいる」と非難している。

もう一つは、「おこがましく遊びまくっている戦犯国家」というタイトル。「国連人権理事会で、日本がわが国の人権問題を取り上げるのは、かつて20万人もの性奴隷(従軍慰安婦)を作った、島国国家の鉄面皮的性格の発露だ」とこき下ろしている。

 

どちらも長文の記事だが、こうした激しい日本批判は何を意味するのか?

「周知のように今年に入って、朝鮮半島情勢は、劇的に変化してきている。

わが国は、核実験とミサイル実験を一時的にストップし、平昌冬季オリンピックに参加。元帥様(金正恩委員長)は北京を訪問し、この後、北南首脳会談と朝米首脳会談も控えている。ロシアのプーチン大統領と会うのも、時間の問題だ。

そんな中で、日本の安倍政権だけが、まるで冷戦時代に取り残されたかのように、やれ圧力強化だ、経済制裁だとほざいている。

そこで、わが国の人民だけでなく、アジアに住む誰もが感じていることを、『労働新聞』が代弁したのだ」

――金正恩委員長は、安倍総理と日朝首脳会談を行う意思はないのか。また日朝両政府は、水面下での接触を行っていないのか。

「水面下での接触はある。正確に言うなら、日本側から一方的に、安倍総理が平壌を訪問したいと願い出てきているのだ。

だが、平壌まで来るのは勝手だが、来て何をするのかが問題だ。安倍総理が元帥様の前で、前世紀の35年にわたる植民地支配や性奴隷、徴用工などの問題を謝罪し、わが国に相応の賠償を行うと宣言するのであれば、歓迎するが」

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