「ドクロ」を漢字で書こうとしています。
ぼんやりとイメージはできるのにどうしても具体的に思い出せないことがある。漢字とか、駅の順番とかだ。普段はスマホで検索して「そうだったそうだった」で済ましてしまうものだが、これって、他の人と相談すれば大体分かるんじゃないだろうか。
1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。
前の記事:「靴下で神経衰弱をすれば、もっと靴下のことを理解できるかもしれない」 人気記事:「何も作らないベルトコンベア」 ぼんやり分かるけど具体的には分からないものがあるなんかぼんやり正解が見えるのだが、どうしても具体的に思い出せないこと。そんなもやもやを抱える3名が集まりそれぞれの「ぼんやり」を持ち寄れば、足りない部分を補完し合って正解が導き出せるのではないか、という試みである。
ぼんやり分かるけど具体的に分からないもの。例えばこういうことだ。
筆者が1人で考えるとこうなった。下の、2重線が引いてあるものが最終的な解答です。
これが特にひどい。自分で見ても意図が分からない。
正解はこれ。「あーー!」となる。
「初めまして」ではないのだが、即答できたかというと絶対無理だ。法事でしか会わない親戚ぐらいのぼんやりさだ。目を離したらまた忘れてしまいそうである。
特に「薔」の真ん中のところとか、「薇」の真ん中の下の「几」みたいなようでちょっと違うやつのところとか、かなり記憶に濃く残っていないと答えられないだろう。 でもこれをたまたま誰かが当てずっぽうで書いたり、自分がいい加減に書いたパーツを誰かが見出してくれれば、どうなっていたか分からないぞ、と思うのだ。 3名ずつのチームでやってみようこういうぼんやりした考えごと、やはり人に相談できれば正解に近づくんじゃないかという感触がある。これを3人のグループでやってみよう。集まったのはこちらの6名だ。ちょうど2チームできた。
デイリーポータルZのライター6名。背景はぼんやりした何か。
上の3名をくまさんチーム、下の3名をきりんさんチームとします。
『3人寄れば文殊の知恵』とも言う。大人が3人で相談すれば大体のことは分かるはずだ。それではやってみよう。
江ノ島さん、井口さん、北向さんのくまさんチーム。
ネッシーさん、與座さん、トルー(筆者)のきりんさんチーム。
後ろに色々なものが置いてあるが、そういうレンタルスペースで撮影を行った。紙とペンしか使わない催しなのにもったいない気もするが、漢字や駅名が思い出せそうで思い出せない、整理のつかない我々の頭の中を象徴していると思いながらご覧ください。
「バラ」と同じく、見れば分かるけど書けない漢字だ。でも見れば分かる、ということは3人でそれっぽい漢字を書き続ければいつか誰かがピンと来るかもしれない。できる気がする。3人も大人がいるのだ。
制限時間は5分。開始と同時にネッシーあやこさんがドクロの絵を描いた。
漢字の元祖は象形文字である。そういうアプローチもいいかもしれない。とにかく開始と同時にそれっぽい文字をたくさん書いてみる。 何も打ち合わせていないのに「とにかく数を出そう」という気持ちが全員にあった。
くまさんチームも同じく、各々が思う「ドクロ」を書き出していく。
江ノ島さんが「骨」を3つ重ねていた。多分違う。正解は分からないのだが違うことは分かる。
「轟」みたいな漢字が頭の中にあったのだろう。この後も「嬲」のように「骨」を「男」2つで挟んだ漢字を書きながら考え込んでいた。
他のみんなも、もやの中を手探りで歩く。これも何か違う。
なんか違う。
なんか違う三銃士。
解答発表なんか違うなんか違うを繰り返して、制限時間の5分が経った。
それぞれのチームに、
チームとしての解答を出してもらう。
くまさんチームの解答はこちら。
なんか言いたいことは分かる。急いで書いたので分かりにくいが1文字目は「骨」の隣に「蜀」だろう。
きりんさんチームの解答はこちら。
当時はいい線いってるぞ!と思って出したが、今見ると「複雑にしとけばいいだろう」という投げやりな姿勢も見られる。しかしどちらもチームも、ドクロの「ロ」は「路」の字が入っているだろうと予想した。それぞれ当てずっぽうに書き出したが、結局は一番説明の付きやすいパーツを選んだのだ。 そして、気になる正解はこちらである。 「あーーーー!」となった。
またである。また、法事でしか会わない親戚がいた。「そうそうそうそう」と思うが、じゃあ制限時間内に書けただろうかと考えると、絶対に書けない自信がある。「これは書けないぞ」という確かな手応えがあるのだ。「髏」の右側なんてひどい。こんなのパッと思い出せるわけがない。
と思って自分たちの用紙を見返すと、
それっぽいパーツを與座さんが書いていた…!
これである。これに誰かがハッとすれば正解できたのだ。絶対無理だと思っていたが思わぬところに道はひらけていた。3人いれば光明が見えるのだ。 勝者は「髑」を見つけたくまさんチーム。勝利の証に、ぼんやりした花で飾りをつけました。
3人で相談すると、正解が近づく感じがするし何より楽しい。いつも1人ぼんやり悩んでいたことが人に話せるのが嬉しいのだ。問題を変えてもう少しやってみよう。
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