家庭向けの人型AIロボット、仮想的に自由に遠隔地へ行けるVRウェア、100歳でも登山できる補助外部骨格など、2030年代までに実現を目指す技術が実生活に溶け込んだ近未来を描く小説を、総務省が4月17日に公開した。
作成したのは、総務省の若手職員26人(平均年齢約29歳)が構成する「未来デザインチーム」。「新時代家族 ~分断のはざまをつなぐ新たなキズナ~」と題するこの小説は57ページで、2030年~2040年ごろの家族のつながりや仕事の在り方を描いている。
例えば、作中人物のケンスケの家庭には人型ロボット「アイコ」が導入され、夫婦や息子たちの生活をサポートすることで生活に余裕を持たせている。各家庭への電力は人工衛星からの無線送電でまかなえ、アイコも災害時などに備えて人工衛星からの充電で動作できる。出勤や登校はVRを用いたバーチャル出勤・登校が認められ、移動時間の節約による兼業など自由な働き方を可能とする。定年退職後に大学へ通い、80歳で現役として働く「先輩社員」や、足腰を補助する外部骨格を装着してハイキングする100歳の高齢者など、生き生きとした「人生100年時代」も作中に描く。
小説が描く近未来のイメージは、総務省が2017年11月から開催している「IoT新時代の未来づくり検討委員会」の中間とりまとめとして公表した情報通信政策ビジョン「未来をつかむTECH戦略」に基づくもの。
未来をつかむTECH戦略では、作中に描いた未来の姿から逆算し、「革新的サービスを創出するデジタル人材の育成」「時代遅れの制度・慣習等の見直し」「幅広いシニア層に向けた新産業創出」などを現在の社会で実行していくべきだとしている。
小説の制作に当たっては、アイシン精機、ヤフー、富士通、IoTデザインガール(地域へIoTを普及する総務省主導団体のプロジェクト)などが協力した。
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