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乙嫁語り 3巻 異国での恋に異文化の負の一面を見てしまった!
森薫
これぞ文化の違い。
関連記事は以下
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3巻が発売されました。
2巻ラストでアミルさん達と別れて、旅に出たスミス。
私はアミルさん達が主役だと思って読んでたので、
あの展開には驚きました。
スミスが主人公だったのかよ!と。
というわけで今回は、旅に出たスミスが新たな乙嫁に出会います。
それがタラス。
結婚相手を5人も亡くし、義母と二人で暮らしています。
そこへスミスがやってきたからさあ大変!
恋が始まっちゃいます!
正直このタラスはかなり運がないです。
嫁いだ先の5人兄弟が全員死んじゃうってよっぽどですよ。
いくら当時当初の平均寿命が短いだろうとはいえ・・・
しかもその叔父すらかなり嫌な奴で、
そのせいでスミスが捕まるはめになってしまいます。
タラスに関わるとろくなことがないんじゃ・・・
で、この辺りの話から文化や時代の違いを強く感じさせられます。
今までは異国文化いいな~素敵だな~って印象だったのですが、
今回は"理解しがたい怖いもの"って印象を受けました。
まずスミスが捕まったこともそうです。
異国人がうろついて何か調べてる、というだけで捕まってしまい、
本当に処刑されそうな状況になってしまう。
緊迫した時代背景も影響しているとはいえ、正直かなり怖いです。
しかもその状況から救ってくれたのが、
地元有力者の保証。
身分証なんて何の役にも立ちませんでした。
ちなみにここでアミルさんたちが駆けつけてきてくれたのはすごく良かった!
もう出てこないと思ってましたし。
嬉しいサプライズ。
しかも地元有力者から保証されると、みんなの態度が一変するんですよ。
さっきまで自分を捕まえてた人たちが、
らくだも金もくれるし、その人たちの被ってる帽子までくれる。
読んでる自分やスミスにとって、感覚的には理解できない事態が続きます。
そしてそれはスミスとタラスの恋においても同じなんです。
「本気なのは本当です。そのつもりで戻って来ます。それでもいいですか。」
「はい」
お互い想いあって、将来の結婚の約束までしちゃう二人。
ここまではすばらしいラブロマンスなのですが・・・
これがひっくり返るんですよね。
その理由は義母の結婚。
つまり父親のいなかったタラスに父親ができた途端、状況が一変するんです。
二人の結婚なんて絶対無理、という状況になってしまう。
さっきまで後押ししてくれていたみんなも、
「親は親だし親にゃ逆らえんだろ」
「そうですよ。そんなひどい事できないですよ」
それならしょうがない、諦めろ、という態度に。
むしろスミスが責められちゃいます。
こうしてスミスは渋々引き下がりるのですが・・・
納得いかない!なんでダメなのかと!
ただこの3巻から伺えるこの土地の結婚に対する考え方を理解すると、
仕方ないかなぁ、とも思えてきます。
まずp181のカルルクのセリフ。
「相手の人を決めるのは父親の役割なわけで・・・」
結婚相手は父親が決めるもの。
それに逆らうのはありえない、という感覚のようです。
更にp69のタラスのセリフ。
「今からまた別の家に嫁ぐのは難しいと思います。実父も義父ももういませんから。」
父親がいないと結婚することはほぼ不可能、のようです。
お互いの父親同士の交渉で決定されるのでしょうか。
そしてp190のアリのセリフ。金を稼ぐ理由を尋ねられて、
「結納金だよ。結納金にして嫁さんもらう。」
結納金がなければ絶対に結婚できないようなニュアンス。
ここまで来てやっとp43の義母のセリフの意味がわかります。
「あの人は結納金が惜しいだけなんです。手近にただで手に入る嫁がいるから」
結納金を払わないと嫁はもらえない。
でも父親のいないタラスなら結納金を払わなくてもいい。だからお得!
そういうことですよね。
嫌な叔父だな!
こうして見てると相手の父親に金を払って嫁を買う、って感じなんでしょうね。
序盤でスミスが言ってた、
「いやそんな 物ではないんですから」
ってセリフもあながち間違ってなかったと。
買ったものだからこそ、兄が死んだら弟にってなるんでしょうしね。
まあ昔の日本を思えば別段不思議なことでもないんですが、
今回の件みたいにその嫌な一面を見てしまうとちょっと暗い気持ちになっちゃいます。
カルルクとアミルのときの印象とは正反対です。
というわけで今回は異文化に接したときの負の一面を描いたエピソードでした。
とにかくスミスがかわいそう!
あんなに盛り上がったあとで一気に落とされるなんて・・・
結論!タロスに関わるとろくな目に合わない!
ただそんな中にも楽しい場面はいっぱいありました。
特にパリヤさん!
パリヤさんは本当に最高過ぎます。
スミスとタラスの恋を間近で見てるときのこの表情!
赤面進行中!
そして話が進んでくにつれてどんどん赤面していって、
最後にはぶっ倒れちゃう!
かわいすぎる!
4コマのパリヤさんもかわいかったし、
結婚できるかも?ってときの表情もかわいかったし、
とにかくかわいすぎた!!
パリヤさん最高です!
これからもパリヤさんの今後を描いて欲しいですね。
というわけでだいぶいろいろと書きましたが、
内容としては大満足の3巻でした。
次も楽しみだ!
続きは以下
乙嫁語り 4巻 元気過ぎる双子が大暴走!
*掲載画像は紹介作品からの引用であり、著作権は作者および出版社にあります。