転職エージェントを利用すると、転職に関わる作業の大部分を代行してくれるので、非常に便利なサービスです。
仕事をしながらだと時間がありませんが、エージェントに代行してもらえばスムーズに転職を進めることができます。
そういった便利さもあって徐々に人気が高まっていますが、あまりに過信してしまってもいけません。
ここでは、転職エージェントを利用するときの注意点を解説します。
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大手の転職エージェントだけに頼るのは危険
まず、転職エージェントに登録するなら、大手の総合型エージェントだと考える人が多いと思います。
「マイナビエージェント」や「Typeの人材紹介」、「リクルートエージェント」などが有名ですね。
もちろん、大手のエージェントだと求人数が多いですし、サービス内容も充実しているでしょう。
優秀なキャリアアドバイザーも、かなりたくさんいるはずです。
でも、大手の転職エージェントには、意外な落とし穴があります。
登録者が多いのでライバル争いがある
大手で有名なエージェントには、たくさんの登録者が集まっています。
数百人の求職者が毎日のようにやってくるので、それだけライバルも増え続けることになりますね。
もちろん、スキルの高い人に優先して良い案件が紹介されますから、明確な強みを持っていないと厳しい戦いになるでしょう。
転職エージェントは、人材が採用されたら紹介料を受け取る成果報酬のビジネスです。
だから、内定をもらえそうな人材をフィルタンリングして、優先的に求人を紹介していきます。
キャリアアドバイザーは、常時100~200名の求職者を担当しているので、すべての人に平等に対応するわけではありません。
見込みの薄そうな人は、放置される可能性もあるんですね。
売上重視のエージェントでは、求職者の足切りが頻繁に行われています。
大手だからといって、万全なサポートが受けられるわけではないので注意してください。
求人の多さ=応募できる数ではない
大手の総合型の転職エージェントの最大の魅力として、求人情報の多さがあります。
あらゆる業界の非公開求人を大量に保有しているので、仕事選びの選択肢が格段に広がるわけです。
でも、求人が多いからといって、そのすべてに応募できるわけではありません。
キャリアアドバイザーは、面談を通して求職者のレベルを判断します。
そして、確実に内定が取れそうな求人だけをピックアップして、紹介してくるわけですね。
なぜなら、内定が決まって入社が完了しないと、企業からの紹介料がもらえないからです。
企業に応募しても、落ちてしまったら売上はゼロになります。
そのため、無駄撃ちを防ぐために、紹介される求人は絞られるということです。
実際のところ、大手の転職エージェントに登録しても、2~3件の求人しか紹介されなかったというケースはよくあります。
その案件が自分のニーズにピッタリ合っていれば良いのですが、必ずしもそうとは限りません。
求人数が多いからといっても、ほとんど紹介されないことがあるので注意が必要です。
企業に対する知識が乏しい場合がある
転職エージェントのキャリアアドバイザーは、企業の採用担当者と何度も打ち合わせをしています。
そのため、その企業の社風や業務内容、求める人材像など、詳しい内部情報を知っているわけです。
このような情報を知ることができるので、入社後にギャップを感じることが少なくなります。
ただし、大手の転職エージェントでは、アドバイザーが企業の情報を十分に持っていないかもしれません。
なぜなら、規模の大きなエージェントでは、分業制であることが多いからですね。
つまり、「企業への営業担当」と「求職者へのアドバイザー」が別になっているということです。
営業とアドバイザーの連携が噛み合っていないと、必要な情報が伝達されない可能性があるんですね。
そうなると、求人を紹介するときに、ミスマッチが生まれるかもしれません。
このようなミスを避けるためには、理想的な求人を見つけた時に、企業の営業担当とも面談の場を設けてもらうことです。
実際にその企業を見てきた人間から聞くことで、正しい情報を得ることができるでしょう。
転職エージェントは複数登録して比較するべき
これまで説明したように、大手の転職エージェントであっても、少なからず弱点があります。
ですから、複数のエージェントに登録して、それぞれの特徴を比較してみることが大切です。
大手の総合型エージェントから業界特化型エージェントまで、実際に登録してみて自分の目で確かめるようにしてください。
最も大切なことは、自分に合ったキャリアアドバイザーを見つけることです。
自分と相性の良いアドバイザーと出会うことができれば、転職に成功できる可能性はグッと高くなります。
最低でも、2~3社のエージェントに登録してみるべきですね。
以下に、おススメのエージェントを紹介します。
リクルートエージェント
業界最大手のリクルートエージェントです。
人材業界で50年以上もの実績があるため、全国の様々な企業と太いパイプを築いています。
保有している求人の90%が非公開となっており、その数は10万件以上です。
業界でもトップクラスの求人数ですから、自分に合った企業と出合える可能性は高いでしょう。
また、キャリアアドバイザーの質が高いのも特徴ですね。
全国に470名のアドバイザーが在籍しており、各業界・業種に精通している人材が豊富です。
最新の業界情報や転職動向にも詳しいですし、過去に膨大な転職実績もあるので、的確にキャリア相談に乗ってもらえます。
土日祝や平日20時以降も対応可能なので、仕事が忙しくても利用できますよ。
リクルートエージェントは、確実に登録しておいてください。
楽な転職.com
「楽な転職.com」は、2016年にサービスを開始しした新しい転職エージェントです。
働きやすいクリーンな職場を紹介することをコンセプトとしています。
特徴としては、ホワイト企業の求人に特化していることですね。
労働環境が良好で働きやすい会社を紹介してもらえるので、ブラック企業に入ってしまう心配はありません。
- サービス残業や休日出勤をしたくない
- 自由に有給を取得したい
- 厳しいノルマに追われたくない
- セクハラやパワハラを受けたくない
といった考えの人には、ぴったりのエージェントですね。
中小の転職エージェントですが、大手にはないフットワークの軽さがあります。
かなり親身に相談に乗ってもらえるので、ワガママな条件でも聞いてもらいやすいですよ。
選考に通過しやすい求人を優先的に紹介したり、書類や面接対策も行ってくれるので、かなりスピーディーに内定をもらうことができますよ。
フォロー内容には定評があるので、リクルートエージェントと併用して登録することをおススメします。
キャリアアドバイザーとの面談で気を付けること
自分を大きく見せようとしない
面談でのありがちな失敗として、見栄を張ってしまうことがあります。
自分を大きく見せたいという欲求は誰にでもありますから、つい大袈裟なことを言ってしまったりしますよね。
たとえば、実際には普通だったのに、「営業成績はトップクラスでした」などと言ってしまったり。
思ってもいないのに、「残業や休日出勤も喜んでやります」などと言ってしまったり。
このような発言をすると、確かに印象は良くなるかもしれません。
でも、期待値が上がりすぎてしまうため、自分の実力以上の求人を紹介される可能性があります。
そんな会社に入ったとしても、付いていくことはできないでしょう。
周りからは期待外れだと認識されるので、社内でも肩身が狭い思いをすることになります。
それでは、転職の成功とは言えませんよね。
身の丈に合った転職をするためにも、等身大の自分で面談に挑むようにしてください。
転職する意思を明確に示す
今すぐに転職を考えていなくても、「良い求人があれば転職したいです」と伝えるようにしてください。
キャリアアドバイザーは、求職者に内定を取らせることが目的です。
なので、転職の意思を示さないと、積極的に求人を紹介してくれません。
自分の本気度を伝えることが、すごく大切なんですね。
「転職を成功させたい」という気持ちが伝われば、しっかりとサポートしてもらえるでしょう。
本気度を伝えるためのコツとしては、転職理由を明確に伝えることです。
- こんな仕事をしてみたい
- このスキル・キャリアを生かしたい
- こんな経験を積みたい
など、目的を伝えるようにしてください。
転職理由がハッキリしていると、キャリアアドバイザーも求人を紹介しやすくなります。
「この人は目的意識がしっかりしている人だ」という印象を与えられるので、真剣にキャリアの相談に乗ってもらえるでしょう。
合わないキャリアアドバイザーは変更する
実際に面談をしてみると、担当者との相性が良くないと思うことがあります。
話しにくい雰囲気の人だったり、頼りなさそうな感じがしたり、生理的に無理だったり・・・。
どんな理由があっても、合わない担当者に無理に相談する必要はありません。
そういった時には、遠慮なく担当の変更を申し出てください。
気軽に相談できるアドバイザーでなければ、自分の本当のニーズを伝えることができませんし、条件に合った求人の紹介も難しいでしょう。
それだと転職に成功することはできませんから、お互いにとって損失となってしまいます。
だから、早い段階で新しい担当者に変えてもらった方が良いわけです。
自分に合ったキャリアアドバイザーの選び方は、以下のページを参考にしてみてください。
アドバイザーを1度変更して、それでもダメだった場合には、別のエージェントを利用したほうが良いかもしれません。
最終的な判断は自分で行う
どれだけ親身になってサポートしてくれるアドバイザーであっても、最終的な意思決定は自分で行わないといけません。
転職は自分の一生を左右するものですから、それを他人任せにしてはいけないわけです。
複数の企業から内定を受けた場合、転職エージェントが勧めてくるのは年収が高い企業です。
転職者の年収の3割ほどがエージェントの報酬になるので、年収が高いほど望ましいからですね。
もちろん、自分の目的が年収なのであれば良いのですが、別の部分に重きを置いている場合、ゆっくりと考えるようにしてください。
「自分が転職に求めるのは何なのか?」を考え直すことで、間違った選択をすることは無くなります。
キャリアアドバイザーに任せっきりになるのではなく、自分の基準で判断できるようになってください。
複数の転職エージェントから同じ求人に応募しない
複数のエージェントに登録すると、同じ求人情報を紹介されることがあります。
その求人に応募するのであれば、1社からにしてください。
2社以上のエージェントでバッティングすると、後でトラブルになるかもしれません。
仮に内定が出たとしても、後で取消になる可能性があります。
そうなると、転職エージェントからの心象を悪くするので、それ以降の求人を回してくれなくなったりしますね。
自分がキャリアアドバイザーの立場だったら、良い印象を持たないでしょう。
せっかく案件を紹介したのに、別のエージェントからも応募していたら、モチベーションが下がると思います。
社会人としてのマナーでもありますから、転職エージェントに対しては最低限の敬意を払うようにしてください。
以上、転職エージェントを利用するときの注意点を紹介しました。
色々なサービスを受けられるエージェントですが、何でも任せっきりになってはいけません。
キャリアアドバイザーに丸投げするのではなく、自分の考えをもって転職活動をすることが大切ですね。