人事の仕事をしていると、転職エージェントの方と会話をする機会も多くなります。
彼らの仕事も結構大変なもので、せっかく優良求人を紹介しても、面接がダメで落とされてしまうと、これまでの労力は水の泡。
転職エージェントの場合、紹介だけでなく入職まで決まらないと報酬が支払われないので、面接が苦手な転職希望者は、ほんとにむかつくそうです。
あなたは自分の面接力に自信を持っていますか?
そこで今回は現職の転職エージェントから聞いた、面接で落とされる人の特徴をランキング形式で紹介し、人事視点で各項目の理由や対策を解説していこうと思います。
簡単な私のプロフィールはこちら。
筆者のプロフィール
年齢 | 31歳 |
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現職 | ベンチャー企業の人事 |
転職回数 | 2回 |
経歴 | 新卒で入社した上場企業から中小企業へ転職。 ブラック気質に嫌気が差し、友人の紹介からスタートアップ企業へ転職、現在、人事・総務として邁進中。 |
目次 [表示]
1位 自己プレゼンテーション力が低い人
面接は自分という商品を相手に売り込むプレゼンです。
別に初対面の人と、明るく楽しく話せる能力が必要なわけではありません。
重要なのは要点をまとめて、自分の魅力を伝える力です。
しかし新卒時の就活以来、面接を受けてこなかった人の多くは、この自己プレゼンテーション力が欠如しています。
短い時間で1から10まで説明しようと思わない
「では、これまでの職務経歴を教えてください」
面接官がこう質問した場合、あなたに喋ることが許される時間は長くて45秒程度です。
それ以上長くなると、面接官の立場からするとイライラしてきます。
大体、職務経歴書を見れば、あなたがどんな会社で働いて、どんな仕事をしてきたかは把握できます。
それでも質問するのは、書面では書き記せなかった経験・スキルや、強調したいポイントを知りたいからです。
こういった質問の意図を理解せず、1から10までこれまでの経験を語ろうとする人は、その時点で採用熱はかなり下がってしまいます。
概要⇒細部⇒ベネフィット、の順番を忘れずに!
職務経歴を説明する際には、すべてを細かく説明する必要はありません。
まずは新卒から現在までの概要を簡単に説明し、そこから最もアピールしたい仕事について、フォーカスしてください。
もし他に気になるようなことがあれば、面接官から質問をするので、最初からすべてを説明する必要はありません。
そして最後に、過去の経歴から会社にもたらすことができる「ベネフィット」を明確に提示しましょう。
×「2000人規模の案件に携わった経験から、スタートアップの仕組みづくりに尽力してきた」
〇「2000人規模の案件に携わった経験から、今後の新しい事業の立ち上げ時の仕組みづくりにも貢献できます」
志望意欲・やる気が感じられない人
本人にやる気があったとしても、伝え方が悪いせいで、どうしてもやる気がないように見えてしまう人は多いです。
最近では事前に用意できる「志望動機」や「自己PR」などの項目ではなく、面接中の態度や「転職理由」「職務経歴」など、様々な項目から転職者の意欲を評価する傾向が強いです。
そのため前職の条件が不満というだけで辞めた方や、異業種から未経験で転職をする方は、伝え方やマインドの部分を、しっかり準備しておきましょう。
「条件を良くしたいから」というだけで転職するのは危険
転職理由に「年収を増やしたい」「充実した福利厚生に魅力を感じた」などと書いている人は、人事からすると一気に採用する気を失くします。
前職よりもいい条件を求めるというのは、転職では当たり前のことです。
せっかくのアピールの場で、分かり切ったことを言われても、何も心には響きません。
また待遇さえよければどんな仕事でもいい、という人は少数派だと思います。
なぜこの業種・職種・会社への転職を決めたのか。
転職理由が条件で止まっている人は、仕事への意欲が低いと判断されてしまいます。
3位 チャレンジ精神・知的好奇心のない人
新しく会社へ入ってくる人へ求めるのは、圧倒的なチャレンジ精神と知的好奇心(向上心)です。
新しい環境のやり方に順応し、これまでの経験を活用してくれる方でなければ、中途採用から活躍するのは難しくなります。
そのため面接の最中で、未経験の業務やスキルが求められたとしても、意欲を見せることが大切です。
「やりたい」「やる気はあります」と抽象的な表現はNG
採用されれば何でも良いと考えている人は、こちらの要望にすべて「やりたい」「やる気はあります」と答えてきます。
しかし口だけでは誰でもそんなことは言えますし、本当にやる気があるのであれば、面接の前からすでに行動を起こしているはずです。
業務上、必要な資格やスキルが分かっているのであれば、面接の前からアクションを起こしてください。
そして期限を設けて、いつまでに業務に対応できるのかまで答えてくれると、面接官からの心証はかなり良くなります。
4位 忍耐力がない人
これまでの職務経歴や面接中の態度を見て、「忍耐力がなさそう」と判断した人は、容赦なく面接で落とします。
企業からすると、中途採用であっても長く働いている人を求めています。
中途採用の場合、すでに「仕事を辞める」という経験をしている分、ストレス耐性に弱いのでは?という疑問は常に付きまといます。
転職回数が多い人は素直に反省の意思を示しましょう
20代で3回以上、30代で4回以上、40代で5回以上転職をしている方は、すぐに辞める人だと評価されやすいです。
そのため過去の転職理由はなるべくポジティブに伝えて、今後はこの会社でキャリアを積み上げていきたい、と真摯に伝えてください。
以前働いていた会社がどんなにブラック企業だったとしても、悪く言ってはいけません。
人事からすると、何も調べずにブラック企業に入る方が悪い、としか思いません。
しかし「あの頃は軽い気持ちで転職をしており、反省している」と伝えて貰えれば、大きなマイナス点にはなりません。
5位 当事者意識のない人
中途採用で入ってくる人、特にミドル層の人たちには、近い将来管理職に就いてもらうことを想定しています。
そのため当事者意識や責任感のない人材は、面接で落とされる可能性が高いです。
面接中は様々な角度から質問を行い、あなたに当事者意識があるか判断します。
しっかりとマインドセットをしておき、他人任せな印象を持たれないようにしてください。
転職理由を人・会社のせいにする人は最悪
「せっかく案件を取ってきたのに、技術部と折り合いがつかなかった」
「会社の上層部の考えが古く、やりたいようにやれなかった」
転職理由でこんなことを言われたら、その場で帰ってもらうレベルです。
「あなたは技術部との問題を解決するために、何をしたのか」
「あなたは上層部を説得するために、どんな行動、実績を挙げてきたのか」
少しきつめの口調で↑のような質問をすると、答えられないような人ばかりでした。
あなたが会社を辞めるのは、あなた以外に理由は存在しません。
転職をしたとしても、嫌な部分は必ず出てきます。そんなとき自分で解決しようと働きかけない人材は、会社の癌でしかありません。
普段から人のせいにするのが癖になっている人は、今日から当事者意識を強く持つ必要があるでしょう。
一つの会社の面接で失敗すると今後にも影響を与えます
記事の冒頭でも伝えましたが、転職エージェントと企業の人事は密に連絡を取っています。
エージェント経由の人材を面接したあとは、大体10分後にはエージェントと電話をしています。
その際、面接でとことんダメだった人は、容赦なくエージェントにクレームを言いつけます。
人事も良い人材を確保するために必死です。質の低い人材を紹介するエージェントからは、紹介を受けたくありません。
そして企業からクレームの入った人材は、エージェントの中でも×がつき、良い求人を紹介してもらえなくなります。
しかし繰り返しになりますが、面接で必要なのは圧倒的なプレゼン能力ではありません。
- これまでの実績を端的に伝えること
- チャレンジ精神・好奇心を持つこと
- 当事者意識を持つこと
この3点を守ることができれば、面接でもいい結果を残すことできるでしょう。