2011年06月16日(木) 18時30分44秒

アイヌ民族の名誉と尊厳の確立を。 (6/16)

テーマ:議員活動

 8時から、ある政治評論家の方が主催されている朝食勉強会に出席。講師は、西岡武夫参議院議長でした。


 西岡議長の数々のご発言については、鈴木宗男代表も「ムネオ日記」で触れていましたし、このブログでも取り上げさせて戴いております。”モノ言う議長”として、従来の議長像とは違った姿に賛否両論が寄せられています。特に、先日、堂々と菅総理に対して辞任要求を突き付けたことは、大きな話題を呼びました。


 今朝の講演では、「国家が危機に瀕しているときに、三権の長の一人として、何も言わないことは不自然だと考えた。」と、一連の発言は、西岡議長として憂国の情から行ったものであることを話されていました。「議長就任後、これまで『ここは大事』という時に私は発言をしてきた。たまたまその時が重なっただけだ。菅総理は、首相としてすべきことをしていない。だから発言した」とも。


 また、「私の発言に対して相当な批判が寄せられたが、私を批判したマスコミに対談を申し入れても受けてもらえなかった」と、マスコミの対応に対してもチクリと批判をされていました。


 西岡議長は昭和38年に国会議員になられ、そのキャリアは実に50年近くに及びます。日本の政界の様々な事象を経験されてきました。あらゆる出来事を見てきたその眼には、今の政界はどのように映っているのでしょうか。


 昨日の小沢一郎先生もそうでしたが、確かな経験に裏付けられた方のお話には、言いようのない重みがあります。私など比べられる対象ですらありませんが、西岡議長のご見識から、少しでも学び、吸収して行きたいと強く感じました。


 午後3時から、私が事務局長を務めさせて戴いている「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」の総会。



衆議院議員 浅野貴博

                  【司会進行は私】

衆議院議員 浅野貴博  

【福島瑞穂社民党党首、紙智子議員(共産党)、今津寛議員(自民)、鳩山由紀夫会長、平野博文幹事長と、各党会派の議員が出席】


衆議院議員 浅野貴博  

       【加藤忠北海道アイヌ協会理事長も出席されました】


 この議連は、2008年、今津議員が呼びかけ人となって設立された超党派の会です。鈴木宗男代表が中心的な役割を果たし、同年6月6日、アイヌ民族を日本の先住民族とする、あの歴史的な国会決議が実現しました。


 それを受け、政府内に内閣官房長官を座長とする「アイヌ政策のあり方を考える有識者懇談会」が立ち上げられ、現在はそれを引き継いだ「アイヌ政策推進会議」において、アイヌ政策のあり方が議論されています。


 今日取り上げられた課題は、主に


①昨年12月に場所として北海道白老町が内定した、「民族共生の象徴となる空間」の早期建設

②道外アイヌの方々の生活実態調査を踏まえた政策の展開


の二つです。


 ①の象徴空間とは、アイヌ民族の伝統文化や生活様式が体験でき、広く国民の理解を進めるための施設のことを言います。広い公園のような形にして、その中に博物館のようなものを建てるのか、建てるにしてもどれほどの広さのものにし、実際の運営は誰が主体となって行うのか、細かな検討課題は山積しています。


 ②については、これは政権交代後、初めて行われたものです。北海道内のアイヌの方々は、いわゆる和人と比較して、苦しい生活を送っている方が多くいます。厳しい差別にさらされ、高校、大学への進学率も低い水準で留まっています。


 今回調査がなされ、回答をした153世帯、210人の道外アイヌの方々も、おおむね道内アイヌの方々と同じ境遇に置かれているとのことです。調査結果を受け、実際にどのような政策を展開し、格差解消を図っていくのか、これからの大きな課題です。


 また今日は、加藤忠理事長より、大変残酷な、しかし我々が決して目を背けてはならないことについて、お話がありました。アイヌ民族の方々の人骨についてです。


 明治維新以後、和人の研究者が、アイヌの人骨を採集し、研究対象としていたことがありました。アイヌの方の合意を得て人骨を戴いた事例もゼロではないのでしょうが、その多くは、勝手に持ち去ったり、ひどい事例になると、遺族の反対を押し切り、無理やり墓を掘り起したこともあったそうです。


 にわかに信じられない話です。しかし、確かにそんな蛮行がなされたのです。


 その人骨は、現在北大はじめ主に北海道の各大学に保管されているようです。ご遺族の方がわかるものついてはご遺族に返還し、わからないものについては、象徴空間において、十分に尊厳が守られる形で慰霊することが検討されています。


 ここにいる皆さんは、誰でも先祖がいて、今の自分があると考えていると思います。しかし、我々の祖先の多くは、そんな扱いを受けているのです。どうか先祖の名誉、尊厳を返してください。それをしないと、北海道の発展はないと思う。


 加藤理事長は、涙を流し、声を詰まらせながらこう訴えておられました。


 この問題を放置することは、先進国家日本の恥です。文科省としては、そもそも遺骨がどこにあるのかを特定することも困難としているようですが、そこは議連の力、政治の責任でプッシュしていけば良いのです。


 新党大地は北海道の地域政党であり、アイヌ民族政策の充実を一貫して訴えて参りました。平成17年の衆院選、19年の参院選では、アイヌ民族出身の多原香里さんを候補者として擁立しています。国会決議実現に向けて最も汗をかいたのも、鈴木宗男代表です。


 新党大地の存在意義をかけ、この問題に取り組んでいかねばと、私も決意するものです。

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コメント

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2  ありがとうございます。

>北大開示文書研究会さん

コメントありがとうございます。
ウェブサイト、参考にさせて戴きます。
こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

1  引き続きご関心をお寄せください

はじめてコメントします。
「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」のご活動に敬意を表します。ご紹介になった「アイヌ人骨発掘」の問題について当研究会は過日、札幌市内で「さまよえる遺骨たち」というシンポジウムを開催しました。会場で配付した資料や、遺族らの証言記録などを、ウェブサイトに公開しています。ぜひご参考にしていただければと思います。引き続きどうぞ関心をお寄せください。

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