ダメな管理職ほど「決断のスピード」が遅い

「速く決める」ためのシンプルなしかけとは?

仕事のスピードの差はどこから生まれるのでしょうか(写真:Yagi-Studio / iStock)
4月より新年度を迎えたこの時期、新しく管理職になった人も多いのではないでしょうか。
ですが、「管理職1年目」には失敗がつきものです。特に、プレイングマネジャーの場合、部下を管理しながら自らの成果も求められるため、仕事量が急激に増えるケースがほとんどです。
日米両方のグローバル企業での豊富なマネジメント経験を基に、『管理職1年目の教科書』を上梓した櫻田毅氏が、高速で仕事を処理し、かつ確実に成果を出す外資系マネジャーの仕事術を紹介します。

私が日本の企業から米国系のグローバル企業に転職したときに受けた最大の衝撃は、圧倒的な仕事のスピードです。同じような転職経験のある知人たちに聞いても、ほとんどの人が「日本と米国企業の大きな違いはスピードだ」と言い切ります。「どれぐらい違うの?」と尋ねると、「日本企業に比べて3倍は速い」と答える人が多く、なかには「10倍!」という声もありました。

この差を生んでいる最大の要因については、ほぼ全員が「決断のスピードの違い」だと答えています。仕事は基本的には「決めて実行する」の繰り返しであることを考えると、「速く決める」ことで仕事全体のスピードが増すのです。そこで今回は、私が勤めていた米国企業で経験した、決断のスピードを高めるためのシンプルな仕事術を紹介します。

「いつまでに決めるのか」を徹底する外資系

米国の資産運用会社で私の上司だったCEO(最高経営責任者)のM氏から頻繁にされた質問は、「By when?(いつまでに?)」 です。「期限のない仕事など、ソーセージのないホットドッグと同じでありえない」とM氏が言ったかどうかは覚えていませんが、仕事と期限は必ずセットにすべしということです。

『管理職1年目の教科書』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

しかも、最終的な仕事の締め切りだけでなく、その過程で発生する「決める」という行為に対しても「By when?」の嵐です。

櫻田「では、このミニ・プロジェクトのデッドライン(期限)は90日後で」

M氏「それで頼む。で、最初にやることは?」

櫻田「まず、必要なメンバーを決めることですね」

M氏「By when?(いつまでに?)」

櫻田「で、で、では今日中に」

M氏「OK、決めたらメール頂戴」

櫻田「イエッサー!」

と、このような感じです。

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  • NO NAMEb9774511b776
    速いのも大事だけど、ブレないで欲しいのよ。

    昨日はOKと言ったのに今日はNGと言われたら、部下は何を信じて動けばいいのやら。
    up8
    down0
    2018/4/17 09:35
  • NO NAME8d019b7ece94
    速ければいいという物ではない。
    もっと言えばちゃんとデッドラインが決まっていればそれに合わせて動けばいいし、情報、準備をすればいい。
    たまに速くするのはいいけど、”普通に考えたらそういう判断はしないだろ。”といいたくなるような人間がいるし、その準備さえしてないから尻ぬぐいばかりしさせられる人がいる。
    一番最悪なのが世間で言う”無能な働き者”の典型例だろう。
    up6
    down0
    2018/4/17 09:58
  • NO NAME5d7500ed543b
    昔は早く決められた、失敗もあったが、低いポジションにも決定権が降りていた。
    会社が大きくなると、段々と決める手続きが煩雑となり、決定権を持つポジションが上げてられてきた。今は稟議書だらけでその時々の判断は出来なくなった。
    いろいろ面倒になった原因には海外からやって来たISOの影響もありそうだが、今は早く決定しろと言われるわけだな。
    up6
    down0
    2018/4/17 09:58
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