日本教職員組合
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日教組と北朝鮮
日教組は支持政党である日本社会党が朝鮮労働党との関係を強化した1970年代から北朝鮮との連帯を強調し、訪朝団の派遣を積極的に行い、北朝鮮の指導者を賛美してきた[57]。
指導者・幹部による北朝鮮礼賛
1971年から1983年まで委員長だった槙枝元文は1972年4月の「金日成誕生60周年」に際して訪朝し、同国の教育制度を絶賛した[58]。同年、制度検討委員だった岩井章も北朝鮮における思想教育について感銘を受けたと述べた[59]。
槙枝は、最も尊敬する人物として金日成をあげ、1991年(平成3年)には北朝鮮から親善勲章第1級を授与されている[60]。日教組のトップとして「金正日総書記誕生六〇周年祝賀」に参加して、「わたしは訪朝して以降、『世界のなかで尊敬する人は誰ですか』と聞かれると、真っ先に金日成主席の名前をあげることにしています。(中略)主席に直接お会いして、朝鮮人民が心から敬愛し、父とあおぐにふさわしい人であることを確信したからでした」と述べている[61]。
主体思想との関連
北朝鮮の公式政治思想である主体思想を信奉する団体日本教職員チュチェ思想研究会全国連絡協議会では日教組関係者が歴代会長職を務めており、2006年には福島県教組委員長、日教組副委員長を歴任した同会の清野和彦会長一行が朝鮮総連中央会館を訪問し、朝鮮総連の徐萬述議長から同会の主催で行われる「日朝友好親善を深めるための第30回全国交流集会」に送られてきた朝鮮対外文化連絡協会名義の祝旗を伝達されている[62]。
北朝鮮による日本人拉致問題への対応
日朝首脳会談への評価
日教組は2002年の日朝首脳会談を受けて「拉致問題を含めた懸案事項については、日本の国民感情からも直ちに納得できるものではないが、日朝の首脳が国交の樹立への交渉再開に合意したことを評価したい」とする声明を発表し、「日本が侵略、植民地支配を行ってきた国々とのあいだで共有できる歴史認識の確立、それらの国々の個々人を含めた戦後補償の実現、アジアの平和共生のための運動を引き続き推進していきたい」とコメントした[57]。
拉致問題に対する姿勢
2003年1月25日から28日にかけて奈良県で開催された第52次教育研究全国集会では、北朝鮮による日本人拉致問題を主題にした報告は皆無で、「北朝鮮の国家犯罪は過去の日本の朝鮮統治で相殺される」とする認識が目立った[63]。日朝関係への言及が多い「平和教育」の分科会では、「小泉内閣は拉致問題を最大限利用し、ナショナリズムを煽り立てながら、イラクや朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を壊滅しようとしているブッシュに付き従って参戦しようとしている」(東京教組)、「いたずらに拉致問題や不審船問題を取り上げ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)にたいする敵意感を倍増させている。真相究明・謝罪・補償を訴えることは被害者家族の心情を考えれば当然のことだが、そこで頭をよぎるのは日本の国家が1945年以前におこなった蛮行である。自らの戦争加害の責任を問わずしてほかに何が言えようか」(大分県教組)などの発言があった[63]。
また日教組は、拉致問題を扱った教科書について「北朝鮮敵視」であると批判した[64]。
北朝鮮および朝鮮総聯の教職員との交流
日教組は2003年度の運動方針に、北朝鮮の官製教職員団体である朝鮮教育文化職業同盟との交流を掲げていた[57]。
日本国内では、朝鮮総聯の傘下団体である在日本朝鮮人教職員同盟(教職同)とも連携しており、交流集会・研究会を共催している[65]。
2007年2月24日に開催された「第8回日本・朝鮮教育シンポジウム」において、日教組の代表は「日教組は嫌がらせから在日朝鮮人生徒を朝鮮学校の教員とともに守っていきたい」と述べた[65]。
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- ^ 平成28年労働組合基礎調査の概況 附表2 労働組合及び労働組合員の状況 厚生労働省 2013年6月25日
- ^ [1]“英語より韓国語、中国語教育を!” 子に自虐史観を植え付ける「日教組」集会レポート
- ^ 文部科学省の調査によれば、教職員組合加入者(教職員全体の半数弱)全体の中で日教組組合員の占める割合は約6割、新採用教職員の中で教職員組合に加入する者(新採用教職員全体の4分の1強)のうち日教組の占める割合は約8割である。
- ^ a b c SAPIO2008年11月26日号[要ページ番号]
- ^ 文部省が根拠とする国歌国旗法は定義法であり、首相答弁でも強制はされないとされている
- ^ a b 毎日新聞 2006年12月17日付記事より[要ページ番号]
- ^ 日本の労働運動史参照。
- ^ EI教育インターナショナルの概要
- ^ Education International
- ^ “教職員団体への加入状況に関する調査結果について” (プレスリリース), 文部科学省, (2008年12月25日) 2010年6月17日閲覧。
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- ^ グランドプリンス新高輪は、自民党が党大会の会場にも利用している。2008年にも、1月17日に党大会を開催したばかりだった。この時も右翼団体の街宣車が会場にやって来たが、それを理由にプリンスホテルが自民党の利用を断ったことはない(もっとも、右翼団体が、日教組に対しては自民党より遙かに力を入れているという事情はある)。
- ^ 読売新聞2008年2月3日
- ^ 『朝日新聞』2月2日、『毎日新聞』2月2日、『中日新聞』2月2日、『読売新聞』2月3日、『産經新聞』2月10日
- ^ 日教組ホテル利用拒絶に関する会長談話 日本弁護士連合会
- ^ 日教組・第57次教育研究全国集会(全体集会)中止の決定についての談話
- ^ 旅館業法は、伝染病や違法行為の恐れがある場合を除いて、ホテルは宿泊を拒否できないと定めている。
- ^ 西村幸祐 (2010年3月9日). “【民主党を支援する日教組の暗部】善意の寄付でマネーロンダリングか”. 夕刊フジ (産経新聞社) 2010年3月11日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “日本教職員組合ホームページ 子供救援カンパの使途”. 日本教職員組合. (2009年6月3日) 2010年7月2日閲覧。
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- ^ “北教組、違法献金事件で支部にかん口令”. 読売新聞. (2010年3月6日) 2010年3月7日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “東京教組が“病休指南”手当減額一覧”. 産経新聞. (2009年12月20日) 2010年5月1日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 例えば、「大分県教育委員会汚職事件」の直後であったからか、大分県が組織率が高い県であることとを結びつけて、勉強しない先生の子供でも教師になれるなどとも批判した。
- ^ 【主張】中山国交相辞任 信頼失う言動くり返すな 産経新聞[リンク切れ]
- ^ 「水差された」自民議員怒り…中山国交相は辞任後も持論[リンク切れ]読売新聞2008年9月28日22時54分
- ^ 「発言として、はなはだ不適切。閣僚になられたら、されない種類の発言だ」と麻生太郎(時の内閣総理大臣)は述べた。[2] 朝日新聞2008年9月28日[リンク切れ]
- ^ 保守系雑誌の正論2008年9月号では日教組にメスを入れろとの、日教組に対する批判もある。その中で大分県は日教組の影響が強い県としている
- ^ 共同通信2008年9月27日
- ^ 9月29日10時19分時事通信配信[リンク切れ]
- ^ 「日教組強いと学力低い」中山説、調べてみれば相関なし 朝日新聞2008年9月27日[リンク切れ]
- ^ 組合と学力に関連性はあるか? 低学力地域は日教組票多く MSN産経ニュース2008年10月8日[リンク切れ]
- ^ Okumura's Blog 2008年10月11日 日教組票と学力 コメントでは産経の記者に対する批判も見られる2008年12月30日閲覧
- ^ “【正論】初代内閣安全保障室長・佐々淳行 日教組よ、まず「自己批判」せよ”. 産経新聞. (2008年10月21日)
- ^ 佐々淳行 『連合赤軍「あさま山荘」事件』 文藝春秋、1996年6月、181-183頁。ISBN 4163517502。
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- ^ 大野敏明 (1996年2月2日). “日教組の「自衛官の子いじめ」 「人権」はなかった…”. 産経新聞(東京夕刊)
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- ^ a b 『産経新聞』 2003年1月20日朝刊 『25日から日教組強研集会 「拉致めぐる」報告なし 戦争責任と相殺論目立つ』 ‐ 事前に公表された各分科会の報告書から。
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- ^ “ラブホ、W不倫…日教組の岡本泰良委員長 雲隠れのち辞任 報道後は姿見せず”. 産経新聞. (2016年11月7日) 2017年11月11日閲覧。
- ^ 豪遊W不倫の日教組委員長、辞任必至 タクシー代私的流用報道「指摘通りです」[リンク切れ]
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