【NQNニューヨーク=戸部実華】16日の米株式相場は反発した。ダウ工業株30種平均は前週末比212ドル90セント(0.9%)高の2万4573ドル04セントで終えた。米英仏によるシリア攻撃が終了したとの見方から、中東情勢を巡る不透明感が後退した。発表が本格化している米企業決算への期待も買いを後押しした。
トランプ米大統領が前週末のシリア攻撃後、「任務は完了した」とツイッターに投稿した。軍事行動が拡大せず、株式相場への影響は小さいと受け止められた。ダウ平均は一時は上げ幅を前週末比300ドル超に広げる場面もあった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前週末比49.635ポイント(0.7%)高の7156.285で終えた。マイクロソフト、アルファベット(グーグル)、アマゾン・ドット・コムやアップルといった主力株が上昇した。
業種別S&P500種株価指数は全11業種が上昇した。「電気通信サービス」「素材」「公益事業」の上げが目立った。
ドラッグストアのCVSヘルスやウォルグリーン・ブーツ・アライアンスが上昇。アマゾンが大病院向け医薬品販売を棚上げすると伝わり、競争激化の懸念が薄れた。運輸のJBハント・トランスポート・サービシズが発表した好決算を手掛かりに、フェデックスなど運輸株や空運株が連れ高した。
米新聞大手のトロンクが大幅高。ソフトバンクグループが買収を検討しているもようだと伝わった。アナリストが投資判断を引き上げた会員制卸売のコストコ・ホールセールも高い。製薬大手のメルクは、がん免疫薬の臨床試験で好結果が出たと発表し、3%近く上げて終えた。
ダウ平均銘柄では医療保険のユナイテッドヘルス・グループ、通信のベライゾン・コミュニケーションズ、建機のキャタピラーも高かった。
一方、がん免疫薬でメルクと競合するブリストルマイヤーズ・スクイブは8%安。アナリストによる投資判断の引き下げが伝わった食品のJMスマッカーも下げた。ダウ平均銘柄ではゼネラル・エレクトリック(GE)、スポーツ用品のナイキ、映画・娯楽のウォルト・ディズニーが安い。