こんにちは。
本日のブログ記事のテーマはセガのゲーム機「メガドライブ」。「TVゲーム」の代名詞にもなった国民的なハード「ファミリーコンピュータ」の圧倒的シェアにより、ゲームの質は高かったもののこれといった知名度を持つゲームもなかったためにマイナーなポジションに長いこと甘んじていたセガが、満を持して販売したゲーム機です。いとうせいこうのCMで目にした「獣王記」などゲーム画面が、ほぼゲーセンのゲームそのものだったのには本当に驚かされたものでした。
その後、任天堂のスーパーファミコン発売により、またマイナーなポジションに置かれたメガドライブですけれど、ゲームそのもののクオリティーや独創性などは現在でもゲームファンから高い評価を受けています。スーパーファミコンの国内販売数はおよそ1700万台。それに対してメガドライブの国内販売数はおよそ360万台。日本だとその差は大きいけれどもアメリカでの販売数はスーファミ2300万台に対して、メガドラ(海外では『ジェネシス』という名前で販売)の販売数は2000万台と、なかなかいい勝負。それだけに日本で知名度が低いのが実に勿体ない。
そんなメガドライブですが、やっぱり特筆すべきはその拡張性でしょう。精密機器の高性能化に伴う新ハード機の開発というのはいつの時代でもあるもので、そういう時にたいていゲームメーカーは現行のハード機に見切りをつけて、新機を開発。各メーカーも「負けじ」とゲーム機の開発を続けるために、結果として「ゲーム機戦争」といわれるゲーム機の販売競争が1980年代から現在に至るまで繰り広げられています。
その中でメガドライブはけっこう頑張った。スーファミやPCエンジンほか、その後に販売されるソニーの「プレイステーション」などとも戦うため、拡張ハードを次々にリリース。
「メガCD」
カセット形式のソフトより大容量のCD-ROM形式のゲームソフトを遊ぶ外付け機器。
メガモデム
1990年に発売された、電話回線をつないでゲームの配信サービスを行うための外付け機器。ウィンドウズ95の発売により「マルチメディア」「インターネット」などの単語が世間に広まる5年前にゲーム通信サービスを視野に入れていたその先見性には驚き。
16bitのCPUのゲーム機「メガドライブ」を外付けの機器で32bit級のゲーム機にするというコンセプトで作られたムチャクチャな機器。メガドライブとセガサターンの間をつなぐため開発されたけど、性能が中途半端なため、さほど売れなかった印象。だけど後継機セガサターン用のソフトとして94年11月に販売された人気格闘ゲーム「バーチャファイター(CD-ROM)」を95年の10月「スーパー32X(カセットROM)」用ソフトとして開発したのはマジで驚いた記憶があります。
ゲームの主流がROMカセットからCD-ROMへと移行し始めていた大きな転換期にハードの性能差をものともせず孤軍奮闘し続けたメガドライブ。今年の「メガドライブミニ」の発売を機に、セガのゲームに多くの注目が集まったらいいなと思う、今日この頃。
だけど。セガは業績不振でリストラを行う際に、対象社員を「パソナルーム」と呼ばれる隔離部屋へ閉じ込めて仕事をさせない環境に追いやったというクズみたいな会社であり、ゲームだけではなくパワハラにおいても先見性を持っていたということは追記させてもらう。いや、セガのゲームは好きで愛していますよ。だけどもゲームのクオリティーと会社のクズっぷりは別。
セガ社員「隔離部屋」からこうして生還した--鍵をかければ牢屋のような部屋 : 2001-11|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
セガ vs. 任天堂 上 ゲームの未来を変えた覇権戦争 [ ブレイク・J・ハリス ]
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