プロポーズ大作戦 #02[再][字][多] 2018.04.10
すごく熱量のある面白い作品になるのでぜひまずは見て僕、三枝健人と一緒に悩んでもらえたらいいなと思います。
よろしくお願いします。
(妖精)
男の名前は岩瀬健。
結婚式場に現れた哀れな男である。
これまで何百という結婚式を見てきたが新婦に対してここまで後悔している男はまれである。
そもそもこれほど悔いている人間というものは式に参加しないものだ。
幼なじみであるがゆえ彼女への思いをずっと伝えられなかったツケが皮肉にもこんな形で巡ってくるとは。
しかも二人を祝福するスピーチまで任されてしまうとはつくづく哀れな男である。
男はスライド写真を見ながら過去をやり直したいと強く願った。
見るに見かねたわたしは写真の時代に戻ることを許可した。
「わたし」とは無論この教会に住む妖精である
過去に戻ったはいいものの変わったことといえば写真の彼女の表情が少し和らいだ程度。
期待はずれも甚だしい
(健)変わってる!
(健)《同じ写真に2回飛ぶことは不可能…。
ってことは違う写真ならまた行けるってこと?》《これ何の写真だっけ?しかもあいつ何であんなに怒ってんだ?》
この男一体どうなってしまうことやら
(礼)こんなにずっと一緒にいるのにケンゾーは何も分かってないよ何も分かってない《「分かってない」って何だよ?》《多田さんになら分かってもらえんのかよ?》《ああ…。
やっぱりやり直してえなぁ》《もう一度やり直したい。
あのころに戻ってもう一度…。
もう一度…》・『ハレルヤ・コーラス』わっ!出た!
(妖精)ハハハ…。
よく気づいたな。
1回しか呼べないと思ってあきらめる人間多いんだ。
「気づいた」とかじゃなくてホントに戻りたいなって思って。
はいはい。
で?なぜこの写真に戻りたいと思ったのか理由を聞かせてもらえるかな?実はよく覚えてないんです。
(妖精)覚えてない?でもすごく気になるんですよ。
21世紀にそんなあいまいな答えが通用すると思ってんのか?とにかく…。
めちゃめちゃ気になるんすもん。
(妖精)バカ!バカはバカでもめげないバカは嫌いじゃない。
そんな「バカバカ」言わなくたって。
ああ。
勘違いしてほしくないんだがこれは過去を巡る観光ツアーなんかじゃない。
分かってます。
でもちゃんと後悔しないようにやり直したいだけなんです。
礼があんな顔してんのに…。
このまま終われません。
(妖精)でも何であんな顔してるのかその理由はさっぱり分からない。
いやまあ…。
そうなんですけど。
ふっ。
まあいっか。
その理由を知らなければまともに後悔することすらできないもんな。
じゃあ…。
ただし!俗説と違って運命はちょっとやそっとのことで変わるもんじゃない。
分かってます。
でも今回は絶対に頑張ります。
安易に「頑張る頑張る」って口にするヤツほど頑張らないってのが俺の統計で出てる。
そのデータ当てにならないことを僕が証明してみせます。
フフフ…。
うーん。
ローストビーフもらうぞ。
あっその肉は…。
「求めよさらば与えられん」はい!何だっけ?はい!何だっけ?ハレルヤ〜チャンス!ぬおおおーっ!・『ハレルヤ・コーラス』あっ痛い!
(男)健…。
健…。
うわぁー!うぉー!うわぁー!抜けないー!痛ってぇー!痛い。
痛い…。
お尻。
(幹雄)なんて声出してんだよ!?
(エリ)今さら何驚いてんの?
(尚)つーかお前自分で作ったのにびびりすぎだわ。
(礼)二人ともさっきから何やってんのよ?暗幕外してって頼んだでしょ。
(尚)健が全然やんないの。
違う。
鶴が全然やんないの。
ケンゾー。
違う。
抜けない。
言い訳はいいからさっさとやってよね。
(エリ)やってよね。
(伊藤)片づけをしろ片づけを。
いつまでも学園祭気分でいたら終わらないぞ!
(エリ)はい。
はーい。
来て早々これかよ!?・
(オープニングテーマ)
(健)懐かしいー。
(礼・エリ・幹雄・尚)最初はグー!ジャンケンポン!
(礼・エリ)イエーイ!
(幹雄)よし!イエイ!
(尚)うるせえうるせえ。
クソ。
いくぞ。
ほら。
1!2!
(幹雄)もっとちゃんとあおげよ。
やってんだろうがお前!3!4!5!《うわっこれ…。
バースだよランディ・バース。
この下敷き今どこにしまってあるんだっけ?》ほい!ほいってお前…。
ほっ!ケンゾーってさこのおじさんの下敷き小学校のころからずーっと使ってるよね。
(尚)バースさまに向かってなんて口の利き方をしてんだ!?お前。
だってよく知らないもん。
わたし最近までこの人ジョン・レノンだと思ってた。
(幹雄)一応言っとくけどセ・リーグにもパ・リーグにもビートルズってチームはない。
それぐらいは知ってます。
しかし年々バースを知らない子供たちが増えてると思うと切なくなってくるよ。
バースってさどんなふうに打つの?
(尚)じゃあ阪神が最後に優勝した85年。
伝説のバース掛布岡田のバックスクリーン3連発んとき!やります!
(礼・エリ)イエーイ!《そっか。
まだ星野監督で優勝する前なんだ》いくぞ!わぁー!そっくりー!
(幹雄)ちょっと待て。
お前知らないだろ?もう1回。
よっ!わぁー!そっくり!格好いい!よっ!もう1回!
(伊藤)鶴!てめえこの野郎!鶴てめえこの野郎!鶴てめえ…。
鶴てめえこの野郎!お前ら!休憩ばっかしてると終わんねえぞ!吉田と岩瀬。
はい。
(伊藤)暗幕だけ先に視聴覚室に返してこい。
(二人)はい。
(生徒)おい待てよ!
(礼)あっ。
(健)よいしょ。
あっ。
いいよ。
俺持つから。
ありがと。
《もしかしてさい先いいんじゃねえの?》何ニヤニヤしてんの?してねえ。
変なこと考えてたんだ?考えてねえ。
ハハハ。
どうせ何も考えてないかエッチなこと考えてたかどっちかしかないでしょ。
うるせえ。
フフフ。
《今んとこ機嫌よさそうだよな》そうだ!わたしコーヒー牛乳でいいや。
コーヒー牛乳!?とぼけないでよ。
えっ?「えっ?」じゃないでしょ。
もう最悪。
ちょっと何が?何が?ああー。
ジュース賭けたでしょ。
エリがミス立修に選ばれるかどうかって。
ミス立修?
(幹雄)投票したのが自分だけってある意味神業だよな。
つーか何でお前らは俺に投票しないんだよ!?まあ俺らからも圧倒的に人気がなかったんだろうな。
何だ!?それは!お前おい!商品券も接待もなしで投票してもらおうなんて甘いんだよ。
友達だろ!仲間だろお前!鶴ちっちゃい。
わぁーホント。
うるせえなお前この野郎!いやホントは鶴に投票しようと思ったんだけどエリがさ…。
えっ?エリが何て?鶴の票が上がるとミスコンの品格が落ちるからやめてくれって。
(生徒たち)かわいいー!
(尚)ふざけやがってこの野郎!
(幹雄)ちっちゃいのはやめとけ。
うるせえ!ちょっと言ってくる!おい鶴。
鶴。
ちっちゃいんだよこれ。
大きくなるもん!一緒に写真撮ってもらうんだから!エリ!まぎらわすぃー。
(尚)エリ!どわっ!あいつもホント懲りねえよな。
そうー。
(チャイムの音)
(生徒たち)よっしゃ!飯だ飯だ!早く。
飯か。
何だよ弁当ねえのかよ。
《あっ。
そうだ。
俺礼と隣の席じゃん。
完全に恋の波が来てるよこれは。
ビッグウエーブ!》
(礼)はい。
えっ?何?借りたCD。
ああ…。
「ああ…」って何よ?いや別に。
さっきから何なのよ?何でもなか。
コーヒー牛乳だかんね。
分かってるよ。
(エリ)礼!お昼食べよう。
うん。
《モンパチか…。
これバッカみたいに聴いてたな…》・
(尚)健!おい!健!早く行くぞ。
健。
早く行こう。
行くよ。
さあ行こう。
行くぞ。
(幹雄)あっ。
それモンパチの新しいアルバムじゃん。
(尚)あっホントだ。
ねえ貸して。
貸して。
ダメ!鶴には絶対貸さないほうがいいよ。
だって前に貸したCDすっごい傷だらけにされたんだもん。
(尚)ああーそんなんたまたまじゃなーい。
(エリ)あっ!わたしも浜崎あゆみのCD貸したのに松崎しげるのCD入ってたことあんだけど。
でもそれはちゃんと返したじゃん。
精神的なショック考えたことある?
(尚)痛っ。
大丈夫。
鶴には絶対貸さねえ。
(尚)何でそういうこと言うの!?ねえ貸して!ねえ俺にも貸して健!健。
健貸して。
痛い…。
貸さない!
(尚)痛い痛い痛い…。
胸が痛い…。
(幹雄)そんなのいいから早く行こうぜ。
あっそうだ。
行くぞ。
おい健。
どこに?どこに?どこに?
(幹雄)どこって部室に決まってんだろ。
そう飯だぞ飯!おい健行くぞ!あっ。
ちょっと。
先行ってて。
えっ?部室だろ?すぐ行くから。
早く来ねえとなくなるぞ。
色つきも食べちゃうからな!ムホホホホ!なくなる!?色つき!?はっ!?あったーん。
すいません。
これください。
(女)はい!80円!はい。
(女)はい。
コーヒー牛乳買えない。
っていうかよくこんなんで生活できてたな。
・
(健)アンニョンハセヨ。
ごめん。
コーヒー牛乳買えなかった。
買えなかったんじゃないでしょ?しょうがねえじゃん。
別にいいけど。
もともとケンゾーにはなーんも期待してないし。
あらそう。
《待てよ。
もしかしてこれか?礼があの写真で不機嫌なの》
(礼)こんなにずっと一緒にいるのにケンゾーは何も分かってないよ《オーノー!礼が乳製品をこんなに愛してたなんて全然知らなかった。
間違いない。
コーヒー牛乳だ!》あっ痛い!ああ…。
よし。
くさっ!
(尚)バッチコーイ!何じゃ!?こりゃ!
(部員)お疲れっす!
(部員たち)お疲れっす!おいお前早く守備つけ。
守備って…。
って俺そんなことよりさあの…。
(重人)このスタジアムではめんつゆがグローブであり割り箸がバットだ!ソクラテス…。
(重人)流れ落ちるボールから決して目をそらしてはいけない!ああっ!ストライク!んんー。
「んんー」じゃないよ。
幹雄。
500円貸してくれ。
持ってない。
嘘をつけ!
(重人)ストライクツー!頼む!俺の人生かかってんだよ。
何だよ?人生って。
俺の将来がコーヒー牛乳によって決まんだよ!
(尚)おい。
お前まさかコーヒー牛乳飲まなきゃ死んじゃう病か?どんな病気だよ!?
(尚)じゃ何病だ?500円貸してくれ!あっ呼んだ?呼んでねえ。
ふっ!うーっ!靴ひも入れたの誰だ!?おらー!アウト!おおっ。
金なら教室のフランケンにあるんじゃねえ?フランケン?どうしたの?今頭が消えたの。
頭?ごめん。
何でもない。
ああいうのは無視しようね。
無視。
とったどー!売り切れたよ。
売り切れ?売り切れ。
売り切れ!?売り切れ。
ダメだー!ねえよー!
(尚)もうこうなったら作るしかないだろ!どうやって?お前もあったま悪いなぁおい!コーヒーと牛乳を買って混ぜればいいんだろうが!
(幹雄)お前があったま悪いな。
買いに行ったほうが早いだろ。
それだー!おい。
この中で100メートル13秒切ってるヤツ手挙げろ。
(伊藤)すごいなぁ。
お前ら廊下のぞうきんがけやれ。
はい次。
看板の取り外し。
これはいちばん力仕事だな。
(エリ)あれ?健は?
(尚)ああ外に買い物に行った。
えっ?何買いに行ってんの?コーヒー牛乳。
はあ!?
(伊藤)吉田!奥!鶴!幹雄!はい。
よっしゃー。
(幹雄)健何であんなに必死に探してんだろうな?
(礼)どうしても飲みたいんじゃない?
(尚)いやだからって外まで行くかよ!?バカだからしょうがないよ。
(幹雄)あいつさたまに全く理解できないこと言いだすんだ。
(エリ)例えば?
(幹雄)夏の大会のときいきなり「俺未来から来てんだよ」とか言いだすしさ。
何?それ。
(尚)ああそうだ思い出した。
もし俺に打席が回っても三振するって言い張ってた。
アハハハ!そんなのわたしでも言い張れるよ!
(尚)バッカだなぁ。
逆転ホームラン打ってたに決まってんだろ!鶴にわたしの彼氏の球打てるわけないじゃん。
(尚)えっ!?何だって!?
(幹雄)おい!
(尚)いやちょっと…。
今…。
今…。
えっ?「彼氏」って聞こえたんだけど。
彼氏いるの知らなかったの?あー!?嘘!?
(幹雄)へぇー。
あんときのピッチャーとつきあってんだ?わたし強い男に弱いからさ。
あとルックスのいい男にもでしょ?そんなの最低条件だけど。
ああー。
きっついなぁー。
(幹雄)試合にも恋にも負けて惨敗だな。
行こう行こう。
重い。
よし!あああーっ!嘘でしょ?
(エリ)はあーあ。
うん?どうしたの?
(エリ)実は彼氏のことなんだけどさぁ。
順調じゃないの?
(エリ)野球部引退して髪伸ばし始めたんだけどすっごい微妙なの。
フフッ。
伸ばしたら格好いいかもってつきあい始めたのはエリでしょ?
(エリ)いや。
そりゃそうなんだけどさ。
何か昔のプロレスラーみたいな変な髪形してんだよ。
エリはもう少し相手を見てからつきあいなよ。
だってもう今年に入って何人目?わたしから言わせると礼は慎重すぎる。
えっ?もっと思い切ってバット振んないと。
いい球が来るの待ってるだけだったら何にもしないまま青春終わっちゃうよ。
せめて気になるヤツにはサイン送るとかさ。
何かねどんくさいんだよねえ。
おっ?いや。
別に好きってわけじゃないんだけど。
やることが何かずれてるっていうかさ。
(女)いらっしゃい。
やっとめぐり会えたね。
おばちゃん。
コーヒー牛乳1本ください。
(女)ダーメ!何!?うちは風呂に入った客にしか売らないことに決めてんだよ。
どんだけ!嫌ならほかに行きな。
何やってんだ俺は。
痛い!痛いよ。
はあー。
くれ。
はい毎度。
はい。
よっしゃ!ヘヘッ。
ヘヘヘヘヘヘ。
あっ。
「エリーマイデブ」お前デブって何だ?お前デブっておい!健随分遅くねえか?
(尚)ああっ?どっかで捕まってんだろ!知らねえよ!・「幸せなら手をたたこう」ほっ!おっ!足だろ!なんつって。
・
(伊藤)岩瀬君。
先生は何にも分かってねえ。
コーヒー牛乳によって僕の人生が大きく変わろうとしてるんです。
結婚できるかどうかが決まるんですよ!だから見逃してください。
ノー!
(幹雄)そんな落ち込むなって。
(尚)ねえ?健!見てこれ!健。
見てこれ。
健!すごくない?これ!お前これできる?ほっといてくれ。
(尚)うわっ!うわーっ!うわあーっ!
(尚・幹雄の笑い声)
(幹雄)ちゃんと落ち込んでなきゃダメだって。
(尚)うわっ硬ぇ!指硬ぇこれ健!びびりすぎ。
こら鶴!こら!ユーたち最低だね。
(尚)なあ!早く次のヤツやろう。
次のヤツ。
ねえ。
(幹雄)バーカ。
健にしか通用しないって。
(尚)早く次のヤツ!話は終わってないよ!ったく。
収穫はこの傷だけですか。
何で片づけサボってたのよ!?別にサボってたわけじゃねえよ。
外に買いに行ってたんでしょ?いいって言ったのにさ。
悪ぃ。
結局買ってこれなかった。
えっ?やっぱりサボってただけじゃん。
そんな言い方ねえだろ?こっちは必死になって。
銭湯まで行ったんだから。
フフッ。
銭湯!?バッカじゃないの?ごめん。
いくら口で言ったって買ってこれなきゃ全然意味ねえし。
結果出さなきゃ意味ないし。
マジごめん。
(ため息)でもうれしいよ。
気持ちだけもらっとくよ。
うん。
フフッ。
ありがとう。
気持ちはちゃんとこちらに配達されました。
お疲れさまでーす。
《今ありがとうって笑った?笑ったよな!?イエス!イエース!》見てろよ絶対いってやるからな。
よっしゃいくぞ。
とう。
とう!おーいったおら!
(尚の騒ぐ声)うん?どうしたの?いや何もない。
《気のせいか》ってかすっげえ働いたから腹減ったな。
俺も昼から何も食ってねえから腹減ったわ。
はーい!わたしケーキが食べたいでーす!
(幹雄)じゃあ賭けようぜ。
ビリが駅前のケーキおごるってのはどう?別にいいけど。
(尚)何で決める?それでいいじゃん。
ああ。
(幹雄)じゃあ決まりだな。
どう?いいよ。
(エリ)何かさぁこういうことしてると学園祭もホントに終わっちゃうんだなぁって感じしない?そうだね。
ちょっとさみしいかも。
(尚)そんなもん昨日とっくに終わってんだろうが!
(幹雄)バーカ。
空気読めよ。
今は何か気の利いた青春のフレーズを言って盛り上がるとこだろ。
いいって。
別にそういうの求めてないし。
(尚)求めてないし。
アーハッハハ。
(健)
高校のころ時間だけは常にあり余っていてそれが無限に続く気がしていた
(エリ)ピュー。
(尚)俺が飛ばしてやる。
よっしゃ。
よし。
礼と一緒にいる何げないこの日常がやがてかけがえのない思い出に変わってしまうなんて6年前には知るはずもなかった
(尚)おっ。
何だ?二人して。
上じゃない?上から。
アーユーレディー?
(三人)イエーイ!
(尚)よーしいくぞ。
(四人)せーの!おおー。
ホントに引っかかったね。
先生!ケンゾーが学園祭のゴミをベランダから捨てました!
(幹雄)やめとけって言ったんですけどねえ。
何!?
(エリ)最低でーす!
(四人)行ってらっしゃいませ。
おみゃあらなぁ!今度は何だ?紙飛行機を飛ばさないと結婚できないって話か?いや俺じゃないっすよ。
あいつらっす。
(伊藤)人のせいにするな!お前の心の曇りは何だ!?先生の心はどしゃ降りだ。
(四人の笑い声)
(伊藤)お前にはがっかりだよ。
喝!人の話を聞け!鶴!鶴こら!どんだけ鶴。
いねえし。
《思い出が一瞬にしてよみがえってきた。
そういえばこういうヤツらだったんだ》
(尚)健はいいよなぁ。
(エリ)どうして?
(尚)だってさ俺らの中でいちばん誕生日早いじゃん?だから何かいっつも得してる気がすんだよね。
(幹雄)普通あんな簡単に引っかかんないだろ?
(エリ)でもさあそこまで無警戒だとこっちも「祝ったぁ」って気になるよねえ。
ちょっと鈍すぎると思わない?だって自分の誕生日なんだよ。
まあ確かにな。
鈍すぎるよ。
『小さな恋のうた』《6年前の自分がもっと礼のことを考えてあげられてたらなぁと思う》《隣にいた礼をもっともっと笑わせることができてたらなぁと思う》《いつも言い合いばかりして決まってお互い不機嫌になっていた》
(礼)言い訳はいいからさっさとやってよね
(健)あらそうもう最悪《これまでの不機嫌な顔を全部笑顔に変えられたらなぁと思う》《そうすれば…》《そうすれば…》《そうすれば…》《でも本当に本当にこれでよかったんだろうか》《思い出していた。
あの日礼が不機嫌になった理由を》
(健)グッモーニン。
アンニョンハセヨ!
(西尾)ヨッ!
(尚)やっと来たか我ら主役
(エリ)遅いぞ
(幹雄)黒板にも気が付かないかと思ったよっていうかさこんなドッキリなんてしてくれなくていいからプレゼントくれ借りたCD
(尚)ねえ。
貸して貸してダメ!《それは過去に見た覚えのないものだった》何だ?これ。
《結局俺は何にも分かっていなかったのかもしれない》《そこにはランディ・バースが立っていた。
6年前には気づくことができなかったランディ・バースのフィギュアが見つけられるのを待ちわびていたように立っていた》《過去の自分に無性に腹が立った》《たまらなく会いたくなった。
礼にたまらなく会いたくなった》グッモーニン。
アンニョンハセヨ!
(西尾)ヨッ!
(尚)おっ。
やっと来たか哀れな主役。
(エリ)遅いぞ。
(幹雄)黒板にも気が付かないかと思ったよ。
んなわけねえだろ。
健座れば?ああ。
(エリ)じゃあわたしは何か食べようかなぁ。
おなかすいたし。
(尚)あっ。
俺もおなかが減った。
(幹雄)あっ。
ちょっとおなか痛い。
おなか…おなか痛いよ。
痛い痛い。
ああー。
(西尾)大丈夫か?ハハハ。
あんなのお前普通分かんねえぞ。
俺だから分かったようなもんだけど。
ちょっと。
それ。
何?これ。
引換券。
うん?いや。
ほら。
あしたの俺がさ覚えてねえかもしんねえし。
フフフッ。
いらねえならいいよ。
もらっといてあげるよ。
あしたさぁ。
うん?あした朝いちで学校に行ったほうがいいかもしんない。
何で?黒板に礼の秘密を暴露しといた。
はぁ!?嘘!いやマジでマジでマジで。
はっ?ちょっと何?それ。
だって俺はね紙飛行機を飛ばしてめちゃめちゃ怒られたんだよ?ううん。
ちょっちょっ。
全然意味分かんない。
いや。
紙飛行機飛ばしてめちゃめちゃ竹刀で…。
(三人)・「ハッピーバースディトゥユー」
(西尾)おい。
うちはホントは持ち込み禁止なんだぞ。
(尚)恩着せがましいぞ!
(幹雄・エリ)・「ハッピーバースディディア」
(三人)・「健」・「ケンゾー」
(エリ)アハハハ。
(四人)・「ハッピーバースディトゥユー」
(エリ)おめでとう!
(クラッカーの音)
(エリ・尚)イエーイ!おめでとう!
(幹雄)健おめでとう!
(伊藤)しかしよりによってお前が教師を目指すとはなぁ。
まああしたから2週間気負わずに頑張ってみろよ。
(男)はい。
お前。
そんなんで教育実習務まんのか?何だ?この落書きは。
もう。
(男)あっ。
僕やります。
(伊藤)おう頼むよ。
(エリ)早く。
イチゴについちゃうよ。
(幹雄)いくよいくよいくよ。
(エリ)早く!いやー!アハハハ!
(尚)いやー!おっしゃ!
(エリ・尚)おめでとう健!お前ら最低だよ!
(西尾)今日は健が誕生日だから特別に写真撮ってやるよ。
(エリ)おおー!太っ腹だねえ。
(西尾)よし撮るぞ。
健。
今日ホント特別だからな。
イエイ。
(西尾)おい。
そこのちっちゃいのもっと入って。
ちっちゃいのって呼ぶな!
(エリ)早く。
(尚)ちょっともう。
(西尾)はいチーズ。
(シャッター音)ぬおおーっ!・『ハレルヤ・コーラス』
(尚)あっ。
これ健の誕生日じゃん。
(エリ)そうだよ。
だってあのケーキ注文したのわたしだもん。
(幹雄)何だ?あのフィギュア。
(尚)バカお前。
バースさまだよ。
(エリ)あんなの誰があげたの?
(幹雄)俺じゃねえよ。
(尚)うーん俺でもない。
(エリ)でも健幸せそうな顔してるね。
素直だね。
はあー。
《でも結局何も変わんねえし》・『ハレルヤ・コーラス』
(妖精)人が結婚するってことは並大抵のことじゃないってことだ。
そうみたいですね。
(妖精)少なくともバースと出会ったぐらいじゃ結婚なんてできやしない。
おっしゃるとおりです。
でも結構頑張ったんですけどね。
まあ自分で褒めちゃダメなんでしょうけど。
少なくともアイデアには及第点を与えられるものがあった。
コーヒー牛乳も翌日お前がしっかりおごってたしな。
そうなんですか。
(妖精)ただまあ読まれない告白ほど無意味なもんはないからなぁ。
礼あの黒板を読んでないんっすか!?読まれなかった告白は観光地の石碑に書いてある俳句みたいなもんだ。
そんな寂しいことに。
あんまり気にすんな。
まだスライドショー終わったわけじゃないだろ?えっ?じゃあ。
フッ。
(指を鳴らす音)消えちった!
新郎の多田さんが教育実習を終えて学校を去るとき別れがつらくて号泣した。
こんなことになるとも知らずに
・『明日晴れるかな』2018/04/10(火) 15:50〜16:45
関西テレビ1
プロポーズ大作戦 #02[再][字][多]
「コーヒー牛乳で結婚できる!?」
山下智久 長澤まさみ 藤木直人 榮倉奈々 平岡祐太 三上博史ほか
詳細情報
番組内容
披露宴会場に戻った健(山下智久)は、スライドショーの続きを見ていた。いつもの5人で写っている写真だが、満面の笑みを浮かべるエリ(榮倉奈々)、幹雄(平岡祐太)、尚(濱田岳)にひきかえ、礼(長澤まさみ)はふてくされた表情で、健を突き飛ばしている。健が、その時何があったのかを必死に思い出そうとしているとまた妖精(三上博史)が現れて、健は再び高校時代にタイムスリップした。
と、学校は、学園祭の片付けの
番組内容2
最中だった。どうやら、エリがミスコンで優勝して、賭けに負けた健が礼にコーヒー牛乳をおごることになっているようだ。健は購買部でコーヒー牛乳を買おうとするが、ポケットを探ると30円しかない。仕方なく教室に戻ると、礼は不機嫌に。健はあの写真の原因はコーヒー牛乳だと確信。
「オレの将来はコーヒー牛乳で決まる!」とばかりに、コーヒー牛乳を買いに猛ダッシュで学校を出る。ところが行く先々で阻まれて、なかなか
番組内容3
コーヒー牛乳を手に入れられない。結局手ぶらで戻ることになった健だったが礼は意外にも笑顔で迎えた。健はほっとするが、去り際、礼の横顔が寂しげに見えたのが気になる。
実はその日は健の誕生日だった。礼たち4人は、健に内緒で誕生日会を企画していた。そのころ健は、礼に対して素直になれず、言い合いばかりしていた当時の自分を後悔していた。その日礼が返してきたCDを聴いたその時、健はふとあることに気づき…!?
出演者
山下智久
長澤まさみ
*
榮倉奈々
平岡祐太
濱田岳
*
藤木直人 ほか
原作・脚本
【脚本】
金子茂樹
監督・演出
【プロデュース】
瀧山麻土香
三竿玲子
【演出】
成田岳
音楽
吉川慶
【主題歌】
桑田佳祐
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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