ドラマスペシャル CHIEF〜警視庁IR分析室〜[解][字] 2018.04.15
(銃声)
(携帯電話の着信音)はい俺だ。
(浅倉香澄)主任すぐに戻ってください。
昼飯ぐらいゆっくり食わせろよ。
(香澄)もうランチは済んだじゃないですか。
「本屋さんでお茶を飲みながらくつろいでいるのはわかってるんですよ」「なあ…何が楽しいんだ?」「防犯カメラで上司を監視して。
昼ぐらい自由にさせろよ」
(香澄)私だってお昼時間に主任の事なんか捜したくありませんよ。
「なんだ急ぎの用か?」主任さっき捜査一課長に連絡するように言いましたよね?あっいや…今しようと思ってたところだよ。
そうは見えませんけど。
「俺の心の中までは見えないでしょ…」とにかく大至急連絡してください。
はいはいわかった。
わかったよ。
(携帯電話の着信音)なあ…なあお前しつこいと嫌われるぞ本当。
(新田幸彦)「しつこくて悪かったな深町」あっ…一課長…。
(新田)至急俺の部屋に来てくれ。
大至急だ!
(山崎誠)深町を呼んだんですか?こういう仕事はあいつらにやらせりゃいい。
情報分析室は捜査一課の下請けだからな。
(香澄)主任ちゃんと本庁に向かってますね。
事件で呼ばれたのよ。
私たちの出番だわ。
被害者は東金太吉68歳。
東金建設の社長だ。
東金はおとといの深夜西新宿の路上で胸に2発撃たれて死んだ。
(銃声)拳銃は38口径の回転式でマエはない。
目撃者は1人。
小田切というタクシー運転手だ。
(山崎の声)そいつが現場近くで休憩していたところ…。
(銃声)
(バイクのエンジン音)犯人見てるんですか?ああ。
今はそいつの目撃証言だけが頼りなんだが警察には協力したくないと言いやがった。
協力したくない?
(新田)小田切は半年前女房の捜索願を出したんだが相手にされずそれを根に持ってるんだ。
警察が女房を捜してくれるんだったら捜査協力でもなんでもすると言ってる。
フフ…いい度胸してますね。
警察相手に取引ですか。
(新田)深町…お前たちも一応捜査一課の所属なんだ。
本部を助けると思って手を貸してくれ。
一応ね…。
要するにその家出した女房を捜し出せばいいわけですか?いや女房は家出したわけじゃない。
えっ?死んでるんだ5年前に。
死んでる?
(小田切直人)妻は死んでなんかいません!あれは絶対に千春だったんです。
妻は生きているんですよ!ええ…でもね小田切さん。
奥さん5年前に静岡県の沼津市で車を運転中に海に転落して亡くなってるんですよね?あなたも遺体の確認をされたそうじゃないですか。
確認したといっても2日も海につかってたんですよ。
変わり果ててじっくり見るなんてとても…。
私にとっては最高の妻でしたからね。
ショックで生きる気力もないっていうか…。
抜け殻のような毎日でした。
ところが半年前たまたま仕事で東京に出てきたんですが…。
(小田切の声)間違いなく千春でした。
すぐにタクシーを降りて辺りを捜しました。
それこそ一晩中新宿の街を捜したんですよ。
警察にも相談したんですが相手にしてもらえなくて…。
それで一度沼津に戻って…。
で東京に引っ越してきたんです。
奥さんを捜すためにですか?もちろんですよ。
全てをなげうってでも絶対に見つけ出すつもりです。
タクシーの運転手になったのもあの辺りを流していればいつかまた千春に出くわすんじゃないかと。
死んだ人間が生きてるわけはない。
そう何度も自分に言い聞かせましたよ。
でもねあれが千春じゃなかったら一体誰だっていうんですか?この世に千春が2人いるっていうんですか?そんなわけはない。
あれは絶対に千春なんです!主任事件ですよね?お前…本当仕事熱心だな。
みんな待ってるんですよ。
情報分析室の存在をアピールできるチャンスを。
フッ…みんなとは限んないぞ。
(加治武男)勘弁してくれよ。
死んだ人間捜せっていうのか?誰もそんな事言ってないでしょ?目撃者の証言を得るためには必要な仕事なんです。
(壁をたたく音)なんだ?
(香澄)小田切千春。
確かに5年前に静岡県沼津市で死亡してますね。
(加治)ほーら見ろ。
(稲見彰)捜査終了ですかわずか5秒で。
イッタ…。
よく聞きなさい。
ねっ。
小田切さんが見たっていうこっちの女性の身元を突き止めて死んだ奥さんとは別人だってわからせるのが私たちの仕事。
わかった?はいわかりました。
要するに捜査本部の下請けだろ?加治さん…。
おっと…。
下請けだろうとなんだろうと私たちの腕の見せどころじゃないですか。
本来情報分析室は捜査一課の司令塔的ポジションになるはずなんです。
そんな重要なポジションならなんでこんな雑居ビルに…。
だから私たちの能力を上の連中に見せてやるしかないんですよ!はいはいわかりました。
あれ?主任は?
(香澄)はい。
静岡方面へ移動中。
沼津…?じゃああいつまた1人で勝手に…。
(野崎辰平)こちらです。
(野崎)ここです。
確かに遺体は激しく損傷していましたが小田切千春さんに間違いなかったです。
…というと?服装も所持品も本人のものだとご主人に確認してもらいました。
それに当時一緒に働いていた女性が千春さんが車に乗るのを目撃しているんです。
あの我々の捜査に何か問題でもあるんですか?あっいえ…。
情報分析室ってあまり聞いた事がないんですが我々の捜査に何か落ち度が?いやいやとんでもない。
ただ5年前の事故の情報を欲しかっただけなんで。
本当ですか?ええもちろんです。
どうもありがとうございましたお忙しいところ。
お送りしなくてよろしいですか?大丈夫です。
ちょっとまだ見て回りたいので。
それじゃ。
主任!来るなら来ると一言言ってください!悪い悪い。
ちょっと言いそびれちゃってさ。
なんかこうタイミングがねあれしちゃって。
どうしてそう子供みたいな言い訳するんですか?そんな怖い顔するなよ。
5年前の事故の現場確認しときたかったの。
まさか千春さんが生きてると思ってるんじゃないでしょうね?可能性ゼロじゃないだろ。
えっ?一課長は小田切さんが見た女性を捜せって言ってるんだ。
それが絶対に千春さんじゃないとは言い切れないだろ?何かつかんだんですね?お前が来るの待ってたんだよ。
ですよね。
ああですよ。
でもよくここがわかったな。
GPSで。
あれ?電源切ってるはず…。
もう1台持ってるじゃないですか。
プライベートで使ってるガラケーのほう。
えっそっちも?
(エンジンをかける音)どこ行きます?次あそこだ。
国道沿いのガソリンスタンド。
了解。
ちょ…お前運転荒いよ!えっ?これ安全運転ですから。
安全運転じゃないから!行くぞ〜!
(稲見)小田切が死んだ奥さんを目撃したのってこの辺りですよね?半年前じゃ防犯カメラの映像なんかどこにも残ってやしねえな。
たった数カ月で証拠が消えていくんですから防犯カメラも万能じゃありませんね。
ああ…。
(稲見)あっ加治さん。
(加治)おお〜。
(加治)おい!森島。
(森島大輝)ああ…先輩。
ここで何を?聞いてねえのかよ。
お前らの下請け仕事だよ。
ああそれはどうも〜。
それじゃ頑張ってください。
お前交通課の女と付き合ってんだって?やるよな〜。
課長の姪っ子に手ぇ出すなんて。
(森島)ちょっと待ってください先輩。
課長はまだ知らないんです。
くれぐれも変な噂流さないでくださいよ。
それはお前次第だな。
(西村剛)先行くぞ!すぐ行きます。
ちょちょ…頼みましたよ?先輩。
捜査本部の連中でしたね。
ああ。
現場近くで聞き込みしてるとこ見ると射殺事件の捜査はまだ進んでないようだな。
以前小田切さんが経営されてたお弁当屋さんで働いていらっしゃいました?
(樋口麻友)ああ…。
(麻友)もうお弁当屋さんはとっくに辞めたしあの頃の事聞かれても…。
あの鈴木千春さんの事なんですけど。
あの人?
(鈴木千春)こちらのお店は雰囲気もいいですし制服もかわいいので。
大歓迎ですよ。
うちなんかでよかったらぜひ明日からでも。
(小田切)よろしくお願いします!小田切さんに気に入られちゃって結婚までしたみたいだけどなんかさ…。
フフッ…嫌いだったんだ?っていうかあの人隠し事が多くて。
隠し事?だて眼鏡だったの。
本当は視力がいいのに。
それくらいは…。
それになんかこっそり不倫してたみたいで。
不倫?超おいしいらしいから楽しみだね。
(女性)えっそうなの?私食べたかったんだ。
(女性)どうしたの?どんな男だったの?おじさんよ。
60過ぎかな?髪も白かったし。
東金太吉さんの写真。
あっはい。
もしかしてこの男?ああこんな感じ。
よく似てる。
小田切の女房が生きてる?いえその可能性があると言ってるんです。
もしかしたら東金殺しに関係しているかもしれません。
おいおい…飛躍しすぎだろう。
5年前小田切千春さんが沼津でトウガネという男と会っていたのは事実なんです。
それが東金太吉とは限らないだろう。
写真を見せたら似てると言ってました。
お前ら小田切の女房が東金を殺したとでも言いたいのか?一課長こそ飛躍しすぎですよ。
いいか小田切はただの目撃者だ。
その女房が生きていようが死んでいようがもうどうでもいい。
どうでもいい!?東金の周辺から被疑者らしき男が浮上したんだ。
外国人による犯行の可能性が高くなった。
外国人?つまりもう小田切の目撃証言は必要なくなったという事ですか?ああ。
小田切の件はキャンセルだ。
ご苦労さん。
ご苦労さんって…。
こっちは沼津まで行ってきたんですよ!誰もそんな事頼んでないだろう!5年前の死亡事故を洗えなんて俺は一言も言っていない。
わかってんのか?よーくわかりました。
主任…。
失礼します。
おい行くぞ!ええっ…?捜査をやめるんですか?やめないよ。
これは俺たちの仕事だ。
でも「よくわかりました」って…。
「課長の言っている事はよくわかった」って言ったんだよ。
何がキャンセルだ。
ふざけやがって…。
あの豚野郎!お前…口悪いな!
(香澄)小田切千春旧姓鈴木千春。
6歳の頃に両親を火災で亡くし長野県諏訪市にある児童養護施設さくら寮に引き取られる。
中学卒業後上京し工場の組み立て作業員ファミレスの調理係ラブホテルの清掃員…。
どこで調べたんだ?これ。
税務署の納税記録。
(稲見)まさかハッキング?許可は取ってます。
本当かよ?続けて。
旅行会社の経理係などを経て事故の2カ月前静岡県沼津に移り住んだようです。
そして小田切に見初められて結婚した。
その直後事故死…。
問題はなぜ沼津に行ったのかよね…。
まあとにかく彼女の過去を一つ一つ洗うしかないな。
俺と泉本で明日渋谷の旅行会社あたってみよう。
はい。
加治さんと稲見池袋のファミレスお願いします。
了解。
(八木沼修)鈴木千春さん…ですか?ええ。
当時の事を知りたいんですけれどもこちらの社員の方でどなたか親しかった方とか…。
ああ…加藤くんちょっと。
(加藤)はい。
5年くらい前鈴木千春さんっていたよね?ええ。
退社された理由とかそのあとの事とか何かご存じありませんか?さあ…ちょっと私は…。
プライベートの事は知らないよな。
そうですね。
彼女あんまり友達とかいないタイプだったと思うんですけどね。
…えっ?えっ?これ鈴木さんですか?違うの?いや似てますけど…。
ちょっと待ってください。
(加藤)あった!
(加藤)これが鈴木千春さんです。
えっ?主任…。
こっちが正真正銘の鈴木千春さん。
(稲見)本当だ。
確かに別人ですね。
(加治)小田切が結婚した女性は鈴木千春じゃなかったって事ですか?ええ。
で沼津で死んだ女性はどっちだったんです?こっち。
この本物の鈴木千春さんのほうだ。
歯医者にカルテが残ってて静岡県警に遺体の歯型と照合してもらったらぴったり一致した。
そうすると小田切が結婚した女は一体誰だったんですか?それはまだわからないです。
でも似てるっちゃ似てますね。
この2人には必ず接点がある。
だからこの鈴木千春さんの過去を洗っていけばこの女の正体もわかるはずです。
(迫田純一)まったく残念です。
東金氏は人情に厚く現地でも慕われていました。
恨みを買うような人物じゃないんですが…。
ああどうぞ。
ああ失礼します。
東金建設ではアジアからの労働者も数多く雇っていたようですが何かその辺でトラブルとかお聞きになっていませんか?さあ…下請けの会社の事までは…。
やっぱり犯人は外国人なんですか?やっぱり?ああいや…。
噂ですけどね辞めていった外国人ともめてるとか。
(秘書)失礼します。
社長そろそろお時間です。
わかった。
ちょっと雑誌の取材を待たせてるんですがよろしいでしょうか?我々はもう失礼します。
(迫田)どうもお役に立ちませんで…。
うちの新田がよろしくと申しておりました。
新田さん?捜査一課長の新田です。
ああ…。
こちらこそよろしくお伝えください。
失礼します。
外国人とのトラブルの線に絞ってよさそうだな。
(工藤健吾)はい。
ベトナム人?
(山崎)ええ。
東金建設はベトナムからの労働者をたくさん雇ってたんですが何人か行方をくらました奴もいて…。
そいつらみんなバイクに乗れますからね。
バイク?現場で不審なバイクが目撃されてます。
よしすぐあたってくれ。
はい。
あの…ところで深町のほうは?心配ない。
小田切の件はとっくにキャンセルした。
もう深町は捜査に一切関わらない。
ああ…そりゃよかった。
あいつが首を突っ込むと捜査が引っかき回されますから。
ああ…。
(寮長)あっ…。
これが千春ちゃんですね。
(寮長)親御さんを一度に亡くしたのがよほどショックだったんでしょうね。
ここに来たばかりの頃はろくに口も利いてくれなくて…。
ご両親を火災で亡くされたそうですね。
ええ。
(寮長の声)宿泊していたペンションに山火事の火が燃え移って千春ちゃん一人が救出されたんです。
身寄りがなかったのでうちで預かる事になったんですが…。
あの…。
これも千春ちゃんですか?
(寮長)ええ。
あっ…!千春ちゃんが笑ってる。
フフフ…。
笑ってる?あっ…いつも気持ちを抑えてる子でめったに笑ったところを見た事がなかったんで…。
この隣に写ってる子は?ああよく遊びに来てた子ね。
千春ちゃんこの子とだけは仲良しだったわね。
主任…。
うん。
もしかしたらこの子がもう一人の鈴木千春さんなのかもな。
すいません写真を撮らせてもらってもいいですか?
(寮長)ええどうぞ。
(カメラのシャッター音)写真の観覧車は滋賀県にあったびわ湖ランドという遊園地のものみたいです。
現場はもう閉園になってるみたいですね。
了解。
ご苦労さん。
滋賀県か…。
この辺りですね。
この遊園地は閉鎖されて残っていた観覧車も何年か前に撤去されたみたいです。
(はしゃぎ声)わあ高い!イエーイ!イエーイ!よく覚えてるわ。
明日香ちゃんね。
明日香ちゃん?そう若林明日香ちゃん。
うちの息子と同じクラスだったからよく覚えてるわあ。
住所ってわかります?いや今はどこにいるのか…。
確か5年生か6年生の頃お母さん病気で亡くされて引っ越して行きはったんやなかったかしら。
(香澄)若林明日香見つけました。
現在東京に住んでますね。
2年前に結婚して中谷明日香になっています。
(香澄)住所は世田谷区梅丘4丁目28番9号。
あっあれですね。
(中谷明日香)私じゃありません。
こんな写真撮った覚えがないし沼津にも行った事が…。
人違いですか…?ええもちろん。
(中谷圭介)どうしたの?主人です。
あっどうも。
私に似た女性がいてその方の旦那さんが私の事を見間違えたみたいで…。
似てる?似てるかな?眼鏡なんてかけた事ないだろ?そうよね。
鈴木千春さん…。
ご存じですよね?鈴木千春…?子供の頃よく一緒に遊んでたはずなんですけれども…。
覚えてませんか?鈴木千春さんは6歳の頃火災事故で両親を亡くされました。
八ヶ岳の宿泊していたペンションが山火事に巻き込まれて千春さんだけが救い出されたんです。
我々は当時地元の消防団にいた方を見つけ出していろいろ話を伺ったんですけれどね千春さんを救い出したのは実際には消防団員ではなくて…。
(深町の声)あなたのお父さんでした。
若林章弘さん。
お父さんはその後も身寄りをなくした千春さんの事を気遣って何度も養護施設に足を運んだりそれから当時滋賀県にあった自宅のほうに招いたり…。
それはその頃の写真だと思うんですがどうでしょう?ええ…やっと思い出しました。
千春ちゃんとは確か年も同じで自然と仲良くなった覚えがあります。
その写真はお父さんが?そうだと思います。
でももう昔の事なのでよく覚えてませんが…。
千春ちゃん今どうしてるのかしら…。
ご存じないんですか?ええ。
5年前静岡県の沼津で事故で亡くなりました。
そうなんですか…。
同じ5年前にその鈴木千春さんになりすました女性がいましてね。
これがその女の写真です。
彼女は事故で死んだと思われていたんですが我々の調べで生きてる事がわかりまして…。
おっしゃってる事の意味がよくわからないんですけど…。
(中谷)大丈夫?すいませんいきなり妙な話で。
戸惑われるのも当然ですよね。
あっそうだ。
あの表の黒いバイクあれご主人のものですか?
(中谷)ええ。
最近はあまり乗ってないんですが…。
バイクが何か?ああいや別に…。
(明日香)すみませんこのあと予約のお客様がいらっしゃるのでもうよろしいでしょうか?ええ。
お忙しいところありがとうございました。
あっもう一つだけ。
あの若林さん…あなたのお父さんは今どちらに?病気で亡くなりました。
そうですかそれは…。
では失礼します。
失礼します。
(銃声)これ鈴木さんですか?違うの?
(加藤)これが鈴木千春さんです。
千春ちゃんこの子とだけは仲良しだったわね。
明日香ちゃんね。
明日香ちゃん?そう。
よく覚えてるわあ。
住所ってわかります?いや今はどこにいるのか…。
(香澄)若林明日香見つけました。
現在東京に住んでますね。
2年前に結婚して中谷明日香になっています。
ええ…やっと思い出しました。
千春ちゃん今どうしてるのかしら…。
同じ5年前に鈴木千春さんになりすました女性がいましてね。
間違いない彼女だ。
どうして鈴木千春さんになりすましたんでしょうね?なんか身元を隠す必要があったんだろうな。
例えば小田切さんに近づくためとか?どうしてですか?そんなのわかんないよまだ。
とりあえず俺小田切さんに会ってくるわ。
泉本お前しばらく彼女の事張っててくれ。
わかりました。
おいちょっと…鍵!電車で行ってくださいよ!張り込みするだけだろ?俺移動しなきゃいけないんだから。
頼んだぞ。
はい。
妻が生きてる?ええその可能性が出てきたんですが…。
あなたの奥さんの鈴木千春という名前あれ偽名でした。
鈴木千春さんという方実在していてあなたの奥さんはその女性になりすましていたんです。
なりすまし…?どうして?さあ…それはちょっとわからないんですけど。
しかもね5年前沼津で事故で亡くなった女性あれあなたの奥さんじゃなかったんです。
本物の鈴木千春さんでした。
ちょっ…ちょっと待って…。
という事はやっぱり私の妻は生きているんですね?ただ5年前あなたの奥さん東金さんともひそかに会ってたみたいですよ。
(小田切の声)東金?
(深町の声)ええ。
東金太吉さんです。
あなたが目撃した殺人事件の被害者。
ちょっと…何を言ってるんですか?私の妻は東金さんなんか知りませんよ。
名前も知らないし会った事もないんですよ。
そんな話妻から何も聞いてないし東金さんからも何も…。
えっ?東金さんから?あなた以前から東金さんとお知り合いだったんですか?小田切さん…。
正直に話してもらわないとあなたが疑われますよ。
は…はい…。
東金さんとは確かに面識がありました。
ずっと前に一度か二度。
やっぱりあなたが殺したんだ。
私じゃない!なんで私が犯人にされなきゃならないんですか!私は犯人を見てるんですよ!黒いバイクに乗ってサオマイのタトゥーをした男ですよ!サオマイ?なんですか?サオマイって。
小田切さん。
星です。
赤い星のタトゥーがこの辺に…。
犯人の顔は見たんですか?
(小田切の声)見てません。
黒いシールドで目も覆われていたので…。
(携帯電話の着信音)失礼。
はいはい俺だ。
…えっ?わかった。
すぐ戻る。
ああお待たせしました。
(長峰卓也)どうも。
総理補佐官の長峰です。
ああ…。
どうぞおかけください。
ちょっと浅倉お前お茶くらい出せるだろ。
ああいえお気遣いなさらずに…。
2人だけで話せませんか?5分だけでも。
浅倉悪いがちょっと外してくれ。
はい。
でご用件は?今警察改革の一環として内閣直属の情報収集チームを作るプランがあるんですがその任務をあなたに任せようと総理に進言しようと思いましてね。
私にですか?どうして?捜査一課でのあなたの活躍にはずっと注目していたんです。
うん…。
こんな吹きだまりのような場所で…。
フフフ…。
ああ失礼…。
埋もれているような方ではない。
吹きだまりですか…。
いやいやいや…。
あなたは違いますよ。
捜査一課長も一目置いてるからこそ大切な事案を任せたんじゃないですか?ん?大切な事案?西新宿で起きた拳銃射殺事件の捜査にも参加されてると聞いたんですが。
(銃声)ああいえいえ。
あれは人捜しを頼まれてるだけです。
我々は捜査には関与してないんですよ。
それが本当なら随分もったいない話だ。
あなたの能力を活用しないなんて宝の持ち腐れですよ。
まあすぐに結論を出す必要はないのでちょっと考えてみてください。
わかりました。
では…。
(稲見)あっあっあっ…!加治さん加治さん長峰卓也ですよ!総理補佐官の。
(加治)へえ〜。
お前詳しいな。
えっまさかうちに来たのかな…。
(加治)そんな偉い奴がうちに来るわけねえだろ。
(稲見)いやちょっと…すごいっすよ加治さん!あっ主任。
長峰卓也が何しに来たんですか?偵察にでも来たんだろ一課長か誰かに頼まれて。
総理補佐官がわざわざ来るなんてやっぱり俺たち注目されてんだな〜。
どんな奴なんだよ?長峰卓也って。
(ノック)
(加治)おっ。
(香澄)国土交通省の元官僚衆議院議員当選5回。
国交大臣政務官などを経て現在総理補佐官。
それよりあの小田切さんの件どうなった?小田切は沼津の運送会社に勤めてたんですがどうも放浪癖があるようで…。
放浪癖?バックパッカーですよタイとかインドとか…。
特にベトナムが長かったみたいで。
ベトナム?どこかのツアー会社の現地支店でドライバーをやってたらしいんですが…。
あの鈴木千春さんが働いてた旅行会社あそこベトナム中心にやってたツアー会社ですよ。
(加治)本当ですか?うん。
確かバックパッカーの利用客も多いって…。
なるほど。
小田切と鈴木千春にも接点があったって事ですね。
断定はできないけど…。
小田切さんそういえば犯人のタトゥーの事なんかサオマイとか言ってたな…。
私は犯人を見てるんですよ!黒いバイクに乗ってサオマイのタトゥーをした男ですよ!サオマイ?ええ。
明けの明星金星の事ですよ。
ベトナム人にとっては愛着の深い言葉みたいですね。
小田切さん犯人がベトナム人だって感じてたのかもしれないな。
捜査本部も被疑者外国人って見てますから。
ちょっと本部の動き探ってみますか。
お願いします。
(稲見)加治さん俺も。
(加治)邪魔だよ!何張り切ってんだよ!?
(香澄)総理補佐官にアピールしたいんじゃないんですか?余計な事言うな。
稲見忘れるなよ俺たちの仕事は殺人捜査じゃないんだから。
はい。
あっ旅行会社行くんだったら俺も一緒に行きます。
やだ必死。
(稲見)うっせえな!小田切…小田切…。
(八木沼)あっ確かに…。
小田切直人。
やっぱりありましたか。
(八木沼)ベトナムの現地で採用したドライバーですが2週間ぐらいで辞めちゃってますね。
2週間?
(八木沼)ええ。
確か日本に戻ってすぐ謝りに来た奴じゃなかったかな…。
謝りにですか?あの辞めた理由は…?そこまでは…。
あのこちらに鈴木千春さんも勤めてたんですよね?稲見。
鈴木千春さんが何か関係あるんですか?小田切直人と何か…。
いえいえ全然。
それとこれとはまた別なんで。
しゃべりすぎだ。
え?余計な情報を与えるな。
すみません。
(携帯電話の着信音)はいはい。
中谷明日香に不審な動きはありません。
バイクも同じ場所に止まったままです。
「他には?」そろそろ代わってもらえません?美人だと目立っちゃうんで。
稲見。
はい。
泉本と交代だ。
はい。
ルアン。
ルアン?ルアンって男を捜してるんだ。
知ってるか?ルアン…。
ホンビエットホンビエット。
ルアン。
ホンビエットホンビエット。
誰かいるだろ日本語しゃべれる奴。
君日本人?
(エンジン音)
(バイクの走行音)何やってんですか?先輩。
お前かよ脅かすな。
ようこの日系のベトナム人もう確保したのか?駄目です。
捜査情報は漏らせません。
ふーん。
じゃあお前の情報は漏らしてもいいんだな。
あっいや…。
あっちょっ…。
(加治)グエン・ディック・ルアン28歳。
母親が日本人で星野ルアンという日本名も持っています。
東金建設で作業員として働いていたようですが現在捜査本部で行方を追ってます。
この男が東金殺しの被疑者なんですか?ええ。
東金氏と言い争ってるのを何度か見かけたそうです。
それに首に赤い星のタトゥーが…。
(香澄)主任。
中谷明日香の父親ですが5年前にベトナムで死亡していたみたいです。
えっ?ベトナム?現地の食品工場の工場長をしていたようです。
自殺としか書いてありません。
ベトナムの日本人向け新聞記事です。
主任。
詳しく調べてくれ。
はい。
(キーボードを打つ音)父が病気で死んだと言ったのは妙に詮索されたくなかったからです。
お父さん自殺なさったそうですけど…。
刑事さん…。
一体なんの捜査されてるんですか?父がベトナムで死んだ事が何か問題なんですか?実は小田切さんがあなたのお父さんと同じ頃にベトナムにいたんですよ。
小田切さん?ええ。
ほらあなたがあの…鈴木千春さんになりすまして近づいた男性です。
あなたのお父さんはベトナムで自殺なさいました。
でもその死には謎が多い。
そこであなたはその秘密を握っている小田切さんに近づいた。
違いますか?疑われてるんですねやっぱり。
はい。
主任。
どうしたら私を信じてもらえるんですか?小田切さんに会ってください。
えっ…?もしあなたが小田切千春さんでないという事が証明されればそれで全て解決するんです。
そうすればあなたにもうご迷惑はかけません。
わかりました。
えっ?いいですよ。
その方にお会いしましょう。
ルアンと東金がもめてたのは事実なんだな?
(ヴァン・ビン)はい。
(西村)なんでもめてたんだ?タオが死んだ事で…。
(西村)タオ…。
誰だ?それ。
タオルアンの妹。
(山崎)ルアンの妹?ええ。
ベトナムでナイトクラブのホステスをしていたらしいんですが5年前店の中で不審な死を遂げているんです。
(工藤)小田切の口座を調べたところその直後に東金建設から500万振り込まれてました。
(山崎)どういう事だ?口止め料じゃないですかね。
東金がルアンの妹を殺しその秘密を小田切に知られたか…。
小田切は金をもらっていながらルアンとグルになって東金を殺したって事か?
(銃声)
(工藤)管理官。
よし。
とにかく小田切を任意で引っ張れ。
抵抗するようだったら逮捕しろ。
(西村・森島・工藤)はい!会ってもらいたい女性?ええ。
参考人の女性なんですが今こちらに向かってます。
おっと…。
ちょっと待ってください。
(加治)どうしたんですか?
(工藤)お前らこそ何やってんだ?小田切の身柄を本部で預かる事になった。
(稲見)いやちょっと待ってください。
連行するなら令状見せてください。
中にいるんだな?
(加治)いやちょっと…!どけっ!
(工藤)どけっ!おらっ!
(携帯電話の着信音)はいはい俺だ。
えっ…?小田切が消えた!?わかった。
主任バイクがありません!ご主人どちらに?いえわかりません。
ああ浅倉至急バイクの追跡頼む。
ナンバーは世田谷「あ」の44−24だ。
はいわかりました。
(香澄)築地付近でバイクを発見。
(香澄)晴海通りを勝どき方面に向かっています。
了解。
泉本勝鬨橋だ。
はい。
(香澄)バイク勝鬨橋を通過。
(香澄)路地に入りました。
(香澄)ああ駄目です。
見失いました。
永代橋方面に向かってると思います。
主任あのバイク!行こう。
間違いないな。
捜すぞ!はい!
(銃声)行くぞ!はい!中谷さん!しっかりして。
もう大丈夫ですから。
大丈夫。
大丈夫ですよ。
浅倉救急車手配!頑張って!永代橋高架下!大丈夫です。
すいません空けてください。
(明日香)あなた!
(看護師)すいません通ります。
あっ先生…。
命は助かります。
弾は貫通してました。
少し休まれたほうが…。
深町さん全てお話しします。
(山崎)拳銃で撃たれて運ばれた方はこの階ですか?
(看護師)あっはい。
現在手術中ですけど…。
泉本先行っててくれ。
はい。
深町…。
お前らが小田切を逃がしたおかげで2人目の被害者が出たんだぞ。
捜査本部はルアンとかいうベトナム人を追いかけてたんじゃないんですか?ルアンと小田切は共犯だ!小田切がベトナムにいた事は知ってるのか?ツアー会社の運転手でしょ?いやナイトクラブのリムジンを運転していたんだ。
ナイトクラブ?ああ。
その店で若いホステスが不審な死を遂げた。
それがルアンの妹だったんだ。
事故死として処理されてるようだが恐らく東金が殺したに違いない。
東金さんが?つまりルアンは妹の敵を討ったっていうわけだ。
じゃあなんで関係のない中谷さんを襲ったんですか?それはこれからだ。
いずれにしろ女房が何か知ってるだろ。
彼女ならいませんよ。
どこに隠した?あの女は殺人事件の重要参考人なんだぞ!下請けのお前らが口を挟むヤマじゃない!だったら下請けなんかに頼らずに自分たちで捜し出したらどうですか?ああ。
そうさせてもらう。
(西村)ああちょっと…。
(西村)中谷明日香はどこだ?はあ?
(森島)質問に答えろ!中谷明日香はどこだ?交通課の彼女にでも捜してもらえばいいじゃないですか。
えっ?なんで…。
何?交通課の彼女って…。
おお…。
(森島)先輩!
(加治)あ?どうした?あ?
(明日香)5年前ベトナムで父が死んだという連絡が来て私はすぐに現地に飛びました。
ところがそこで父は殺人の容疑者だったと言われたんです。
ナイトクラブで若いホステスが殺された夜駐車場から逃げる父の姿が目撃されたというんです。
(明日香の声)そして容疑をかけられた父はアパートの5階から飛び降りたと…。
地元の警察は父の犯行だと断定して捜査を終了してしまいました。
私は必死に警察から情報を聞き出そうとしたけどわかった事は父を目撃したのは小田切という日本人だという事だけでした。
日本に戻った頃千春から連絡がありました。
彼女が勤めていた旅行会社にベトナムで働いていた男が現れて…。
(小田切)すいません…。
(八木沼)ちょっと待っててください。
あっもしもし小田切ですが。
もう二度とベトナムには行きませんよ。
若林さんみたいに死にたくはありませんからね。
地元の沼津で店でも始めようと思ってるんですけどね何しろお金がなくて。
ええ。
それは口止め料と解釈していいんですね?
(明日香)千春の情報で小田切は沼津にいる事がわかりました。
(鈴木千春)ホステスを殺したとか自殺したとか絶対あり得ない。
お父さんはきっと殺されたのよ。
私もそう思う。
だったらお父さんの汚名を晴らしてあげないと…。
このままじゃあまりにかわいそうだわ。
でも…。
お父さんは明日香だけのお父さんじゃない。
私にとってもお父さんなの。
本当のお父さんなの。
(明日香の声)幼い頃に家族を失った千春にとって父は大切なかけがえのない存在だったんです。
わかった。
やろう。
じゃあ私が小田切に接近して真相を突き止める。
駄目よ。
危険すぎる。
だって…!わかった。
私がやる。
(明日香の声)私は小田切の店にパートの店員として潜り込みました。
万一身元を調べられても大丈夫なように千春の名前を借りて…。
(小田切)あなたのような方ならもっといい条件の仕事がたくさんあるんじゃないかと…。
いえこちらのお店は雰囲気もいいですし制服もかわいいのでぜひこちらで働きたいと思いまして。
だったら大歓迎ですよ。
うちなんかでよかったらぜひ明日からでも…。
よろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いします。
鮭弁お待たせしました。
はいできたよ。
はーい。
お待たせしました。
(明日香の声)開業資金の500万が東金建設から出ている事がわかりました。
それが小田切の言う口止め料だったんです。
私はすぐに東金に電話をしました。
東金は最初は警戒していましたが私が素性を明かすとすぐに沼津に飛んできました。
(東金太吉)小田切は嘘はついちゃいない。
事件があった夜ナイトクラブの駐車場であなたのお父さんを見たのは事実なんだ。
それってどういう事ですか?そこに行く目的は女だ。
他には何もない。
若林さんも男一人で寂しかったんだろうな。
(明日香の声)知りたくない話でした。
でもそれがたとえ事実だとしても父が人殺しまでするはずはない。
東金は何か秘密を隠してるはずだと…。
(明日香)小田切にお金を払ったのはなぜですか?わからない。
頼まれただけだ。
誰に頼まれたんですか?東金さん。
許してくれ…。
あなたのお父さんには本当に申し訳ない事をしたと思っている。
(明日香)東金から真実を聞き出そうと思いました。
でも…一緒にいるところを麻友さんに見られて…。
(明日香の声)私はもう店に長くはいられないと思い小田切から情報を聞き出そうと焦りました。
ところが…。
千春くん…。
君と一緒に店の事業を拡大しようと思っている。
真剣に考えてるんだ。
君を幸せにしたい。
小田切から結婚を…?もちろん断るつもりよ。
でもお父さんの潔白を晴らすにはもっと小田切から情報を…。
駄目よ!正体がバレたら小田切に何をされるか…。
もうここまでにしましょう。
千春…?ごめん。
私が小田切に接近するとか言い出さなかったらこんな事には…。
(千春)「一度撤退しよう」「小田切の前から姿を消すしかないわ」
(明日香の声)私は千春と一緒に逃げる計画を立てて荷物をまとめました。
でもその当日仕事で東京へ行っていたはずの小田切から突然電話がかかってきて…。
(携帯電話の着信音)はい。
「もしもし小田切です」「あと1時間ぐらいでそっちに着くから会ってくれないか?どうしても話したい事があるんだ」はい…。
(明日香の声)千春は大雨の中私の車と荷物を取りに行って…。
(雷鳴)海に落ちてしまってたんです。
それを知らずに…私は千春に何度も電話をかけたけど繋がらなかった。
駅で千春を待っていたけど最終電車が来たので飛び乗ってしまったんです。
2日後千春が死んだ事をニュースで知りました。
名前は…小田切千春になっていました。
小田切が勝手に婚姻届出してたんです。
勝手に?みんな私が悪かったんです。
私が千春を死なせてしまったんです。
父だけでなく千春も失ってもう生きる勇気もなくなりました。
死ぬ事ばっかり考えてた私を支えてくれたのが中谷でした。
(明日香の声)そんな時偶然また東金に…。
どうした?
(明日香)私は主人に全てを打ち明けました。
小田切との事も全て…。
わかった。
俺が東金と話してくる。
大丈夫?任せておけって。
(明日香の声)ところが主人が東金に会う前日…。
(銃声)東金が殺されてしまった…。
恐らく犯人は中谷さんが東金さんと連絡を取った事を嗅ぎつけたんだろうな。
中谷さんの口も封じなければならないそう思ったんだな。
という事は主人が撃たれたのも私のせいですね…。
明日香さんそれは違います。
決してそんな事はありません。
(加治)グエン・ディック・ルアン28歳。
この男が東金殺しの被疑者なんですか?ええ。
東金氏と言い争ってるのを何度か見かけたそうです。
現在捜査本部で行方を追ってます。
(西村)タオ…?誰だ?それ。
(山崎)ルアンの妹?
(西村)ええ。
ベトナムでナイトクラブのホステスをしていたらしいんですが…。
東金がルアンの妹を殺しその秘密を小田切に知られたから…。
(ドアをたたく音)
(ドアをたたく音)
(ヴァン・ビン)ルアン!
(工藤)警察だ!
(ドアの開く音)
(加治)主任!ルアンが逮捕されました。
ルアンが?
(加治)ええ。
無実を主張しているようですが外のゴミ箱から拳銃も見つかったらしくて。
(稲見)それじゃアウトですね。
タトゥーの件もありますからね。
ねえ。
はい?これ見て。
えっ!?お前これいつ入れたの?バレたらクビですよね。
シールよ。
えっ?シール…。
今本物そっくりに転写できるやつがあるの。
つまり犯人はルアンに罪をかぶせるためにわざとこのタトゥーで偽装したって事か?拳銃が外のゴミ箱から見つかったっていうのも怪しいわよね。
まあな。
ああ…。
明日香さん。
これ中谷さんのスマホです。
これで犯人と連絡を取ってくれませんか?
(明日香)えっ?中谷さんと最後にメールのやり取りした相手がいます。
そいつを呼び出すんです。
今回の一連の事件の発端は5年前のベトナムでの殺人事件です。
真犯人を捕まえれば5年前の真相も明らかになる。
あなたのお父さんの無実を証明する事もできるんです。
はい…。
(加治)主任。
犯人に罠を仕掛けるんですか?ええ。
駄目です!明日香さんを危険な目に遭わせるなんて絶対に反対です!大丈夫だ。
拳銃は一課が押収してある。
2丁あるかもしれないじゃないですか!彼女の安全は絶対に守る。
だったら…私がやります。
明日香さんの代わりに。
泉本お前…。
心配いりません。
私は刑事です。
あっそう?悪いな。
えっ…?よかった。
(携帯電話の着信音)稲見。
(稲見)はい。
泉本に防弾チョッキ用意してあげて。
(稲見)はい。
頑張れよ。
はい…。
…ええ。
ええ。
そうですね。
わかりました。
(加治)「似合ってねえなその格好」防弾チョッキのサイズが合ってないの。
今度特注にしてもらわないと…。
(稲見)「加治さん」俺たちだけで大丈夫ですかねえ?そんな事言ったって応援なんか来てくれねえだろ。
うわっ…。
ああ…ああっ…!うわっ…。
ああ…ああっ…!
(加治)「泉本どうした?」泉本!
(稲見)やっべえ!あっ…ううっ…!
(稲見)おい!おい…!
(加治)コラ!あっ…ううっ…。
(せき込み)遅い!
(加治)誰なんだこいつ!
(稲見)動くな!
(稲見)あっこいつ八木沼です!鈴木千春さんが勤めていたツアー会社の!あれ?主任は?
(稲見)来てないです。
来てない!?はあ?どういう事よ!部下が命懸けてやってるのに…!何やってんだあの野郎!若林明日香…?ええ。
5年前ベトナムで亡くなった若林章弘さんのお嬢さんです。
えっ?それが…小田切千春さんの正体です。
そうだったんですか…。
事件の夜ナイトクラブの駐車場で若林さんを目撃したというのはあれは本当ですか?はい。
私は店に客を運んだあと駐車場で時間を潰していました。
若林さん…。
(小田切の声)驚きました。
若林さんとは日本人の集まりで何度か会っていて…。
(小田切)仕事熱心で生真面目な人だと思っていたからこんな店で遊んだりもするんだなあって…。
(店内の音楽)
(携帯電話の着信音)はい。
(小田切の声)かなり焦った声ですぐにリムジンを裏口に回せと指示されました。
そして…。
(小田切の声)2人の男を速やかにホテルに運ぶようにと…。
2人の男を?仕切りがあったので顔はよく見えませんでした。
ただ駐車場に着いたら東金さんが待っていて…。
誰かに見られたか?いえ誰にも。
あっ…駐車場に若林さんがいましたけど。
若林…?あの食品工場の若林さんか?ええ…。
ホステスが殺された事は次の日知りました。
私の証言で若林さんが犯人にされていて…。
でも東金さんからは余計な事は何も話すな。
リムジンに乗せた2人の事も絶対に話すなと念を押されました。
若林さん本当に自殺だと思いますか?いえ…誰かに殺されたんです。
(小田切)ですから私にも口止め料を…。
これは?
(小田切)殺害現場で東金さんが犯人の証拠を隠そうとして遺体から抜き取ったものだそうです。
東金さんが…。
(小田切)はい。
でも指輪の贈り主は死んだホステスの兄だとわかったのでいつか機会があったら返してほしいと5年前沼津の私の所に置いていきました。
預かってもらえませんか?私も出頭しなきゃなりませんから…。
(香澄)主任。
ん?東金太吉の診断書です。
認知症の治療を受けてたみたいです。
(山崎)お前がそんなに大物だとは知らなかったよ。
ベトナムの闇社会じゃ顔らしいな。
ただの土地成り金ですよ。
これから大儲けするはずだったんだ。
(山崎)大儲け?高速道路ができれば私の土地が高騰して莫大な財産になるはずだったんだ。
あいつさえ黙っていれば…。
あいつ?東金か?ああ。
あいつが5年前の真相を暴露するとか言い出したんですよ。
(東金)5年前の事は墓場まで持っていくつもりだった。
だがこのままでは若林さんが浮かばれない。
娘さんにも申し訳ない。
今さらどうしたんですか?若林さんの娘さんにまた出会っちまったんだ。
明日娘さんのご主人に会う事になっている。
明日…。
ベトナムで女を殺したのは若林さんじゃない。
あいつが接待で連れてきた男だ。
(カメラのシャッター音)
(タオ)何する…!?ああっ…!
(東金の声)そいつが部屋で写真を撮られた事に腹を立て…。
(殴る音)
(東金の声)女を殴り殺しちまったんだ。
その男っていうのは!?さあ…知りません。
知る必要もなかった。
あの事件は闇に葬られるはずだったんだ。
東金さえ馬鹿な事を言い出さなければ…。
東金とルアンが言い争ったりもめてた事は知ってたんだな?
(八木沼)ああ。
(銃声)
(工藤の声)それでルアンに罪をかぶせようと首にタトゥーをつけて似たようなバイクに乗ってルアンになりすましたんだな?中谷まで殺そうとしたのは…!?
(銃声)中谷は東金から5年前の真相を聞いちまったんですよ。
マスコミに売られでもしたらボスの会社がダメージを受けて現地の…。
ちょっと…ちょっと待て!ボスっていうのは建設会社の男か?迫田です。
(山崎)迫田…?迫田総建の迫田社長ですよ。
噂ですけどね辞めていった外国人ともめてるとか…。
全く身に覚えのない事です。
東金さんとは仕事の付き合いしかありませんし事件の事など一切知りません。
事実無根という事ですね?
(迫田)ええ。
まあ5年も前に解決した外国の事件ですし正直うちが再捜査できる事じゃないんですがね。
とにかくもうお話しする事はありません。
これで終わりにしてくれるんでしょうね?うちの上も騒ぎにならないうちに幕を下ろしたいようですがね。
それがお互いのためじゃないですか。
それでは。
やあどうも。
お待たせしました。
どうです?考えて頂けましたか?5年前ベトナムのナイトクラブで若いホステスが殺されました。
その日現地には高速道路を作るための視察団が調査に来ていて当時国交省の政務官だったあなたの名前もありましたよ。
なんのお話ですか?間違いないですよね?
(カメラのシャッター音)ちょっと待ってください。
私を疑ってるんですか?はい。
僕に接触してきたのは捜査状況を確認したかったからでしょ?いやそうじゃない。
あなたの能力を高く買っているからだ。
僕があなたの話に乗ればうまく隠蔽できると思ったんだ。
いや…隠蔽って…。
何か証拠でも?5年前に隠蔽した出来事を東金太吉さんが告白してるんです。
東金さんは認知症を患っていました。
ずっと罪の意識に苛まれていて自分の記憶があるうちに全て話してしまいたかったようですよ。
しかし東金はもう死んでいるだろ。
被害者のお兄さんが妹の誕生日にプレゼントしたものなんですけど…。
よーく見たらなんか挟まってるんですよね。
髪の毛かな?すぐにDNA鑑定に回すつもりです。
それだけで私が逮捕できると思ってるのか?5年前の海外の事件だ。
真相なんてわかるもんじゃない。
いいえ。
事実は必ず明らかになります。
あなたがどんなに力で押さえつけようとしても隠しきれるものじゃない。
逃げられませんよ…絶対に。
行ってくれ。
(記者)社長!一体誰をかばってるんですか?
(アナウンサー)「中継です」「たった今迫田総建社長の迫田純一氏が捜査員と共に迫田総建本社から出てきました」「5年前に起きたベトナムのナイトクラブでの…」おい深町!お前一体どこにいるんだ!「ちょっと休暇を取ってるんですけど…」ふざけた事言ってんじゃないぞ!こっちは大騒ぎなんだ!お前が迫田と長峰の過去を暴きたてるからこんな事になったんだ。
どうするつもりなんだ!?「いやいやどうするもこうするも…」「あとは捜査本部にお任せしますよ」「こっちは下請けなもんで」何…!?
(稲見)しそうっちゃしそうですよね。
ちょっと…。
あっ手伝います?あれ?主任は?あっなんか休暇取ったみたいですよ。
休暇って?私は知りませんよ。
主任のベビーシッターじゃないんですから…。
(たたく音)
(加治)ん?主任の居場所わかりますよ。
今ベトナムにいるみたいですね。
(加治・稲見・乃梨子)ベトナム!?あっ…。
そっか…。
そういう事だったのか…。
(船の汽笛)千春は怒ってるかもしれませんね。
5年前父の死の真相に近づきながら千春が死んでしまった事で諦めてしまった。
千春の好きな父を取り戻してあげなければいけなかったのに…。
明日香さん。
あなた名義の預金通帳です。
ベトナムでお父さんと同じアパートに住んでいた自治会の女性が預かってくれていました。
あなたのお父さん事業で失敗して無一文でベトナムに渡ったんですね。
向こうでの暮らしは楽ではなかったようですけど毎月そうやって少しずつでもあなたのために貯金していたんです。
私のために…?ええ。
お父さんずっとあなたの事を思っていたんでしょうね。
明日香さんの事を心の支えにして働いてたんじゃないのかな。
あの観覧車ですね。
ええ。
(若林章弘)よーしいいぞ!
(カメラのシャッター音)もう1枚!
(カメラのシャッター音)おお!ハハハハ…。
(若林)よーし!仲良くね。
(明日香の声)何もかも幸せでした。
あの頃は…。
その写真ね昔の写真じゃないんですよ。
僕が撮ったんです。
ベトナムで。
ベトナムで?ええ。
昔滋賀県にあったそのレインボーという観覧車解体されてベトナムに運ばれていたんです。
向こうで生まれ変わって見事に復活していましたよ。
明日香さん。
ベトナムでの事件の夜あなたのお父さんナイトクラブに遊びに行ったんじゃありませんでしたよ。
見えるんです。
そこの駐車場からその観覧車が。
お父さんそこへ何度も足を運んで観覧車を眺めていたんです。
あなたと千春さんが子供の頃みんなで一緒に眺めていた楽しい時間を思い出してたんでしょう。
(若林)よーしいいぞ!
(カメラのシャッター音)もう1枚!
(カメラのシャッター音)おお!ハハハハ…。
(若林)よーし!仲良くね。
きっとお父さんにとってもその頃の事が忘れられない一番大切な時間だったんです。
深町さん。
やっと…父に会えました。
千春も喜んでると思います。
本当にありがとうございます。
(ため息)どうしたんだよ?それ。
ずっと痛みが取れないんでレントゲンを撮ってもらったらひびが入ってました。
また壁でも殴ったのか?お言葉ですけど八木沼を逮捕する時にやられたんです!ああ…ああっ…!あっ…ううっ…!
(加治)コラ!大変だったんだな。
あのですねかわいい部下が命懸けで…。
(携帯電話の着信音)はあ…どうした?了解。
浅倉か?青山で宝石強盗があったらしいんですけど…。
宝石強盗?手配中の女の服装が彼女にそっくりだって…。
あんな格好の女はここら辺じゃ珍しくないだろ…。
追います。
おーい…。
おいちょっと…ちょっとちょっと!
(大上刑事)身分証明書のようなものは所持していなかったので職業は今のところ不明です。
(牛尾正直)何度も殴られてるようだな。
(下城保)ちょっと!
(牛尾)取り違えられた紙袋の中身は多額の現金だったんじゃないかと。
(山路刑事)あり得ないだろそんな事は!
(多田圭一郎)紙袋の中身をご覧になったんですか?
(藤波孝治)証拠をそろえてから来てください。
(下城加奈子)一生許さない…。
(大上)目撃者が出たそうです。
(牛尾)その人物を突き止めたらまた参ります。
2018/04/15(日) 21:00〜23:05
ABCテレビ1
ドラマスペシャル CHIEF〜警視庁IR分析室〜[解][字]
最新デジタル機器を駆使して捜査する新組織・警視庁捜査一課IR分析室を舞台に、沢村一樹が主任刑事(チーフ)として拳銃射殺事件の逃亡犯を追う!
詳細情報
◇番組内容
最新デジタル機器を駆使して捜査する新組織・警視庁捜査一課IR分析室を舞台に、沢村一樹が主任刑事(チーフ)として拳銃射殺事件の逃亡犯を追う!しかし捜査を進めていくうち、5年前の事件との接点が次々と浮かび上がり…2つの事件が結びつく!!
◇出演者
沢村一樹、伊藤歩、尾美としのり、永瀬匡、小林涼子、河西健司、前田亜季、菅原大吉、升毅
◇脚本
大川俊道
◇監督
和泉聖治
◇音楽
吉川清之
◇スタッフ
【プロデューサー】松本基弘(テレビ朝日)、大川武宏(テレビ朝日)、丸山真哉(東映)、井元隆佑(東映)
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/chief/
☆『日曜プライム』番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/prime-sun/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
福祉 – 音声解説
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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