『パシフィック・リム:アップライジング』がいよいよ劇場で公開された。ペンタコスト一家の新たな冒険はファンの間で賛否両論を巻き起こしているが、一つだけ確かなことがある――『パシフィック・リム』を素晴らしいと思っていようがなかろうが、本作には「なんだこりゃ!」レベルの深刻な疑問が残されている。一つ一つ振り返ってみよう。

以下、『パシフィック・リム:アップライジング』のネタバレに注意!

なぜスクラッパーをあんなに素早く東京に運ぶことができたのか?

ケイリー・スピーニー演じるアマーラは、本作の冒頭でガラクタで作った小型のイェーガー、スクラッパーを披露する。オープニングシーンの後スクラッパーはしばらく姿を消すが、多くの観客が予想した通り、最終バトルで再登場する。

ただ問題は、最終バトルが中国にあるイェーガー基地からはるかに離れた東京で行われたということだ。本作の主人公たちは、富士山に迫る怪獣を食い止めるため、即席で作ったロケットブースターでイェーガーを東京に飛ばしているくらいだ。だが、そのイェーガーたちがピンチに陥ると、スクラッパーは普通のヘリコプターに運ばれて東京にやってくる。そもそもスクラッパーはイェーガーよりもよっぽど離れた場所にあったであろうことを考えると、さらに奇妙なことだ。なんと言えばよいのだろう……スクラッパーはすごいってことだろうか。

そうそう、それに彼らはどうやってあんなに早くロケットブースターを準備することができたのだろう。彼らの基地がドローンに破壊されたばかりであることを考えると驚異的だ。これがチームワークの力ということだろうか。すごいぞ、チームワーク。

ハーマン、本当に東京で暴れても大丈夫なの?

最終決戦が始まる前、バーン・ゴーマン演じるハーマン・ゴットリーブ博士は東京の居住者は全員、地下シェルターに避難したので安全だと説明する。だが、彼はどうやってそれを確かめることができるのか? 怪獣が襲ってきた時、自宅で眠っていた人は? 病院の患者は? 高齢者は? なんにしろ、善良なるハーマンは敵となったニュートンが東京を歩き周っていることに気がついていないので、彼は間違っていたようだ。

なぜスタッカー・ペンタコストに息子がいることを我々は知らなかったのか?

最もシンプルな答えは「後付け設定だから」だが、『パシフィック・リム:アップライジング』が前作の出来事と直接繋がっていることを考えると、『パシフィック・リム』でスタッカーが子供の名前を一度も口にしないのはかなり不自然だ。ジェイクは父親と複雑な関係にあったこと、彼が環太平洋防衛軍(PPDC)を離れた1年後にスタッカーが死んだことを明かしており、時系列としては筋が通っている。しかし、スタッカーが近しい人々に息子のことを一度も口にせず、あとに残される息子のことを鑑みもせずに自己犠牲を選ぶのは不自然だ。

富士山と東京ってそんなに近かったっけ?

『パシフィック・リム:アップライジング』の最終決戦は、富士山を目指すKAIJUとそれを食い止めようとするイェーガーを描いている。しかし、本作によると、富士山のふもとは東京の中にあるらしい。これは無茶苦茶な設定である。証明しよう。

近未来の東京がどうなっているかはわからないが、少なくとも今の東京と富士山の間には相当な距離があり、本作で描かれるようなバトルは不可能だ。唯一ありえる説明は、『パシフィック・リム:アップライジング』の時代までに東京が異常に拡張しているということだが、本作の中ではそのような説明はなされておらず、単なる間違いである可能性が高い。

残りのイェーガーパイロットはどうなった?

本当にすべてのイェーガーパイロットは中国にある基地に集まっていたのだろうか?ニュートンのイェーガーがPPDCの基地シャッタードームを攻撃した時、多くの人々が死に、ジェイクと訓練生が駆り出されることになった。確かに前作の『パシフィック・リム』では、シャッタードームはKAIJUの攻撃に対抗する唯一の防衛戦線だった。しかし、PPDCには『アップライジング』の出来事まで10年間も組織を立て直す期間があった。防衛力を一箇所に集めておくのはあまりにも愚かだし、他の基地は本当に一つもなかったのか? 他にもパイロットがいたとしたら、人類の命運を握る戦いをなぜ子どもたちに任せなければならないのか?

以上が我々が最も気になった『パシフィック・リム:アップライジング』の5つの疑問点だ。あなたが疑問に感じたことは? ぜひコメントで教えて欲しい。

『パシフィック・リム:アップライジング』についてさらに詳しく知るには、IGN JAPANのレビューを読もう。