
おじいさんの古い古いパンやさん。 今日売れたのは、食パン1こに、クリームパン3こ、メロンパン2こ、ジャムパン1こ、 アンパン1こ、カレーパン1こ…。やきそばパンはひとつも売れませんでした。 店構えも品揃えもどこか懐かしい、昔ながらのパンやさん。 美味しそうなんだけどな。 でも確かに隣町にある人気のパンやさんにはお洒落で華やかなパンたちが並んでいるのです。
売れ残りのパンを捨てることにうんざりしていたおじいさんは、一念発起。 偵察に出かけた後、新しく光り輝くデニッシュパン、ポールを生み出します! ポールはあっという間に人気者。 いつもはじっこに座っていたやきそばパンのピョンタはお店を去ろうとします。 その時、ポールよりも先にピョンタに手を伸ばしたお客さんがいて…!?
売れないと諦めていたパンたちが自信を取り戻した時の顔と言ったら。 その美味しそうなこと!!今でも毎日楽しそうにお店に並んでいるみたいですよ。
ノスタルジックでどこかユーモラス、大事なことを優しく伝えてくれるストーリー。 そして、独特な色彩と愛嬌のあるキャラクターは唯一無二。 この感じ、どこかで見たことあるような…という方もいるのでは? NHKEテレ、朝の人気番組「シャキーン!」のスタッフが結集して出来上がったのがこの絵本なのです。 ポールやピョンタの活躍を楽しみながら、変わらないことの大切さ、変わっていくことの大切さなど 色々なことを感じとってくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

いまにもつぶれそうなおじいさんのパン屋さんに、光り輝くデニッシュパンのポールが来たことから、やきそばパンのピョンタは店を去ろうとします。 ところが、ポールよりもピョンタを選ぶお客さんが現れます。 思いやり、自信を持つことや物の大切さを伝える絵本です。

レトロな色合いに、哀愁漂うパンたち、行儀よく座るやきそばパンの表紙は、まさに昭和の香りが・・・、と図書館で手にとったのは、平成生まれの娘でした(笑)。
個性あふれるパン達の表情がなんともいえません。
それも、やきそばパンって、私の中ではやんちゃなイメージ、メロンパンは現代っ子・・・だったのですが、このお話では、全く逆の個性付けがされていて、そのギャップもまたおもしろく、娘とパン達の表情を細かく観察しながら読みました。
近所にオシャレなパン屋さんができて、すっかり流行らなくなったおじいさんのパン屋さん。幼いころにこのお店に通っていたお母さんが、子どもを連れて、なつかしのパンを買うことがきっかけで、おじいさんをはじめ、パン達に笑顔がもどります。
シンプルなストーリーですが、絵が味わい深いので、親子でじっくり読みいることができました。 (ハリボーさん 30代・ママ 男の子10歳、女の子6歳)
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