警察学校には「交番での現場研修」がありました。そこで私が実際に見た超田舎の警察官の日常を少しお話したいと思います。あくまで私の体験だけなので、警察全体がこんな状態とは限らないので、軽い気持ちで読んで下さい。
警察学校の現場研修のはじまり
警察学校入校後、数ヶ月経つと「現場研修」が行われます。
みなそれぞれ適した地域の警察署の交番へ配属されます。
期間は「1週間」位(だったハズ。)
警察学校の研修は「有能な人ほど都会へ行く」
そう言われています。
まぁ都会の警察署の方が事件が多いし忙しいでしょうからね。
私はモチロン「超田舎」の警察署へ配属された。
山と畑・・・そこは本当に何もない街でした。
何もない交番研修①
まぁ研修に来たからといって何か特別な事件等あるはずもなく
交番で近所の人がくれたスイカを食べたりしていました。
上司からの指示で、食べ終わったスイカのお皿を返しに行く重大任務を完了して交番へ戻ると突然
交番の電話がジリジリと鳴った!!!
(事件かッ!!!!)
上司は電話をとるとこう言った。
「警察署の方に電話してください」
うん
その日も何事もなく1日が終わりました。
何もない交番研修②
その日はまた別の交番に研修へ行きました。
しかしこの交番の周辺も何もない、何もなさすぎる街でした。
交番の周りは民家がチョットと畑、畑、畑、そして畑、あと畑
田舎の警察官はこんなヒマな1日を毎日過ごしているのだろうか?
(何のために研修なんだこれは?)
18歳の私はさすがに嫌気がさしてきていました。
すると、交番の電話がジリジリと鳴った!
近くにいた私があわてて受話器を取ろうとする。
「とるな!!!!!!!」
上司の声が響く。
さらに上司は静かにこう言った
「とらなくていい、めんどくさい事になるだろ?」
私は小さくうなずいた。
(そうか、とらなくていいのか)
電話はしばらくジリジリ鳴り続けた後、切れました。
その日も何もない1日でした。
ねずみとり研修
上司と二人で一時停止違反の取締に行くことになった。
しかしここは「超田舎」
交通量が尋常じゃないほど少ない。
取締りのスポットは
見晴らしの良い巨大な畑に囲まれた道の中央にある「一時停止線」
(ここに停止線必要なのだろうか?)と真剣に疑問に思いました。
上司は「止まらないヤツがいたら教えて」と言いました。
ウトウトしはじめる上司
それを横目に私は真剣に一時停止線を眺め続けました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その日も何もない1日でした。
ついに重大事件発生
その日は25歳前後の若い上司と二人で
夜中にパトカーで見回りに出ることになりました。
すると、どこかから連絡が入り急遽事件現場に向かうことになった。
どうやら女子学生寮に下着泥棒が入ったらしい!
私と上司はすぐに現場に向かった。
あまりにも多すぎる警察官
みんなヒマなのだろうか?
女子学生寮付近には20名以上の警察官が群がっていた。
(いくらなんでも多すぎないか・・・・)
女子寮だから?
そんな風に思ってしまう私の心は汚れているのでしょうか・・。
深夜でしたが、騒ぎを聞きつけて多くの女子大学生が部屋の外に出てきていました。
やはり、みな不安そうな顔をしています。
普段事件もない平和な田舎街ですから、余計に不安に思うのでしょう。
かわいそうに、被害者だろうか?
泣いている女子大生もいました。
出会いは突然に
現場には着たものの、私達がする事は何もありません。
※現場は警察官で溢れているからです。
すると同行した若い上司が近くにいた女子大学生に話しかけます。
「ねぇねぇ、今度合コンしない?」
(ええええええええええええええ・・・・)
私はあまりの不謹慎な発言にビックリした。
現場にいた女子大生達はみな肩を寄せ合って恐怖に震えていたのだ、
(こんな状況でナンパ?酷すぎる・・・)
さすがに私も怒りを覚えました。
しかし!
「えっ?ほんとですか?やりたーい」
女子大生達の反応は予想外だった。
え?さっきまで恐怖で震えて・・・?
合コンと聞いて、沢山の女子大生が若い上司に群がってきた。
女子大生A:「白バイ隊員とかいないんですか?」
女子大生B:「白バイ!かっこいいよねー」
上司:「んー白バイかぁ」笑
女子大生C:「とりあえず連絡先交換しませんか?」
彼らは現場の隅で携帯番号を交換し始めた。
こうして私の警察官としての「何もない現場研修」は終わりました。
チャンチャン