警察官をクビになった話 中編

 

 

  

「警察を辞めてくれないか?」

唐突にそんな事を言われたので酷く動揺しました。

f:id:Haruosan:20171231140748j:plain

「や・・辞めたくありません!」 

 私はうろたえながらも、すぐに返事をしました。

 

そこから小一時間ほどお説教がありました。

 

しかしこの時の内容は他愛も無い話で・・・

「しっかりしてくれ!」という程度のモノでした。

 

私は申し訳ない気持ちで一杯で・・

ただただ頭を下げ続けました。

f:id:Haruosan:20171231170245j:plain

問題はこの個室への呼出の後に起こりました。

同期からのイジメが、

急激にエスカレートしていったのです。

 

数日後・・・部屋に戻ると・・・

私の目覚まし時計が床に叩きつけられていました。

 

f:id:Haruosan:20171231170700j:plain

確か・・これが始まりでしたかね・・・?

 

今度は私の持ち物が少しづつ消えていきました。

(いいさ・・大したことじゃない・・・・)

私は何も言えず我慢し続けました。

 

しかし黙っていてもイジメは終わりません。

 

ある日・・高校時代から付けている

『日記』が無くなっている事に気が付きました。

 

部屋のロッカーのカギが開けられていたのです・・

(これは・・・まさか・・)

嫌な予感がしました。

f:id:Haruosan:20171231173241j:plain

 

早足で共有の娯楽の部屋に行くと

同期達が私の日記を読み上げて笑っていました。

f:id:Haruosan:20171231173753j:plain

これはなかなかツライ・・・参りました。

 

彼らはナゼこんな事を始めたのでしょうか?

原因の一つは『私が教官に呼び出されたこと』

なのだと私は思います。

f:id:Haruosan:20171231133611j:plain

 

 私が個室に呼び出され、教官に「辞めろ」

促された話を知らない同期は居ません。

 

朝から晩まで生活を共にする警察学校では、

殆どの情報が筒抜けです。

 

「警察官としてふさわしくないのだから、

イジメて辞めるように仕向けても問題無いだろう」

 

「教官に目を付けられているから何をされても

 どうせ密告することは出来ないだろう!」

 

みなそんな考えだったのでは無いでしょうか?

f:id:Haruosan:20180101061950j:plain

 

ただ・・厳しい訓練の中での集団生活ですから、

みんな強烈なストレスを溜め込んでいたのです。

 

こういう特殊な状況が、

彼らに異常な行動をさせていたのだとも思います。

f:id:Haruosan:20171231124457j:plain

 まぁ・・たぶんですけど。

 

 

警察学校の教官達も当然イジメに気づきます。

しかし・・・止めてはくれません。

 

イジメが過激になればなる程・・・

私の目には教官達が焦っているように見えました。

 

理由は・・・なんとなくわかって頂けると思います。

 

f:id:Haruosan:20180101062537j:plain

イジメがエスカレートし始めると・・・・

教官達からの呼び出しの回数が劇的に増えました。

教官達もエスカレートしていったのです。

 

毎晩のように私は個室に呼び出されて、

「警官を辞めろ!お前には向いていない!」

と叱責され続けるようになったのです。

 

「お前はバカだ!」

なんていう汚い言葉も飛び出します。

f:id:Haruosan:20171231170245j:plain

しかし私は・・・・

どうしても警察官を辞めたくありませんでした。

 

毎晩毎晩・・・・ひたすら謝り続けました。

f:id:Haruosan:20180101063202j:plain

 

私は幼いころからずっと警察官になりたかったのです。

幼稚園の頃には「おまわりさんになりたい」

周りに言っていた記憶があります。

f:id:Haruosan:20171229170206j:plain

10数年間ずっと憧れ続けた警察官に

やっとの思いでなれたのです・・・・

 

辞めたいワケが無いのです!

 

しかしいつまでも状況は変えられず・・・

厳しい訓練がを終わった後、毎晩のように

個室に呼び出されて数時間叱責され続けます。

 

f:id:Haruosan:20171231170245j:plain

 

ある日・・・ようやく上司の叱責が終わり、

フラフラの状態でお風呂に入ろうとすると・・・

f:id:Haruosan:20180101202146j:plain

 

総代(同期のリーダー的役割をする人)

がお風呂に向かう私の前に立ちふさがりました。

 

「風呂を使う時間は過ぎているだろ?」

と言われると確かにその通りなのですが・・・

 

f:id:Haruosan:20180101201822j:plain

 

私は教官達に個室で叱責され続けていたのです。

決められたお風呂の時間に入浴出来ません。

 

そのことを説明したのですが・・・・

「警察官ならルールを守れ!」

と取り合ってくれません。

 

なぜこんな事をするのか?

(まさか教官達と示し合わせて、

 私を追い詰めようとしているのか?)

 

なんて・・・疑心暗鬼にもなりました。

f:id:Haruosan:20180101202610j:plain

しかし何があろうと、

警察官を辞めろと言われようと、

「辞めません、頑張らせて下さい!」

と教官達に毎日頭を下げ続けました。

f:id:Haruosan:20171231170245j:plain

すると教官達もシビレを切らしました。

どうやっても私が辞めないからです。

 

そしていつもの通り・・・

訓練を終えてから個室に向かうと・・・

なんと!そこには父が居たのです。

f:id:Haruosan:20180101203932j:plain

あああ・・・・そういう手を使うのか・・・

私は恥ずかしい気持ちでイッパイでした。

 

 

 

🔻後編につづく

 


 

 

Add Startyun55515argentum0x20FD51
  • おやすみん (id:oyasumin-seijin)

    はるおさんの記事をいくつか拝見しましたが、壮絶過ぎてびっくりしました。
    今までどん底の経験をされている方は、その分大きく花開く強さがあります。
    はるおさんが少しでもより良い人生を歩めるように、応援しています!

  • cranky

    記事読みました。こんなこと、許されて良いのでしょうか。この感情をどこにぶつけていいのか分かりません。
    本来、警察とは何なのでしょうか?私たちの想像と現実があまりにもかけ離れている存在だと感じます。
    私たちが思い描く警察を目指すためなったものの、現場の陰湿な世界に染まってしまうのはなんとも悲しいことです。
    なんと声をかければ良いのか正直戸惑いますが、はるおさん、本当にお疲れ様でした。私も公務員を目指していますが、きっと試験を受けるにとても勉強なされたと思います。
    知人にも警察の者がいますが、寮での生活も想像以上に大変だったかと思います。こういった正義感を持つ方に警察になってほしかった、と一市民は思います。

  • ハルオサン (id:Haruosan)

    crankyさん>お気遣いありがとうございます。上司の辞めさせ方はひどかったなー(笑)とは思いますが、私は警察官になるべき人間ではなかったと思っていますよ!

    おやすみ星人さん>コメントありがとうございます!全てもう終わった話ですから!水に流してそれなりに生きていければ十分です。応援に感謝いたします。

  • もっと読む
コメントを書く