私は高校を卒業と同時に
18歳で警察官になりました。
警察官になると・・・・
まず『警察学校』に配属され、
集団生活の中で様々な訓練を受けるのです。
しかし・・まさか ・・わずか半年で
警察官をクビになってしまうとは・・・
警察学校での集団生活では、
誰かがミスをすると連帯責任が基本です。
おっと・・マヌケな新人警察官が、
忘れ物をしてしまいました。
※私です。
警察学校の教官が大声で叫びます。
「全員腕立て!」
30名程の同期が一斉に
連帯責任の罰として腕立て伏せを開始します。
これが・・・なかなかに厳しい。
教官が「良し!」
と言うまで終われません。
まぁどうにかこうにか・・・
連帯責任の罰と授業が終わると・・
「ドンマイ!ドンマイ!」
「気にすんなよ!」
そんな風にミスを犯した私に
同期が優しい声をかけてくれます。
こうやって連帯感が生まれるワケですね。
しかし・・・・
このミスを何度も何度も続けてしまうと・・
どうなると思いますか?
私のミスのせいで同期達は・・
連帯責任として様々な罰を受け続けます。
するともう「どんまい!気にすんなよ!」
なんて言葉をかけてくれなくなるんです。
当たり前の話ですよね?
こうしてマヌケな私は嫌われ、
孤立してしまったのです。
さらにさらに致命的だったのが・・・
私は重度の『コミュニケーション障害』
人を目の前にすると声が裏返りどもり、
あわあわと慌ててしまうのです。
友達の一人も作ることが出来ません。
誤解が誤解を生むばかりです。
男だらけの集団生活の中で、
私の孤立は一層深まるばかりでした。
すると・・・・・
やはり・・・と言いますか・・・
なんと言いますか・・
イジメが始まりました。
机に座っていると・・・・
ゴン!と後ろから殴られたました。
恐る恐る・・・後ろを振り向くと、
数名の同期がクスクスと笑っている・・
最初は軽く叩かれる感じだったのですが・・・
これがどんどんエスカレートしてしまいまして、
何かにつけてゴンゴン殴られるのです。
廊下を歩いていると・・・
キック!!
まぁ・・どこの学校でも職場でも
見かけるような話です。
しかし、こんな状態になってしまったのは・・
何も言い返せなかった私にも非があるのです。
私が黙ってイジメられ続けてしまったのは、
コミュ障やら気が弱かったのもあるのですが・・
一番の理由は罪悪感を感じていたからです。
自分がミスばかりするから嫌われてしまった。
「だから殴られても仕方ない」
「何をされても仕方ない」
さらにそんな風に卑屈に思ってしまったのです。
こういう卑屈な人間は・・
余計に嫌われるんですよね・・
そんなある日の夜・・
警察学校の教官から個室に呼び出されました。
「失礼します!」
そう言って恐る恐る個室に入ると・・・
3人の教官が私を待ち構えていました。
空気が重い。
初老の教官が無言のまま
私の顔をジッと見つめた後・・・・
さわやかな笑顔でこう言いました。
「なぁ警官辞めてくれないか?」
🔻中編に続きます