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【2018年4月版】世界史関連の新刊30冊まとめ

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4月度発売の世界史の情報まとめ 

今月から、出版各社から発売される世界史関連の新刊書籍を月イチでまとめていこうと思います。

ふらりと本屋に立ち寄って気になる本を探すという楽しみはありますが、事前に当たりをつけて確実に面白い本を見つけませんか?

今月は2月下旬〜4月中旬発売の世界史関連本を、ぼくが「面白そう!」と思ったもののみピックアップします。


1. アイルランド革命 1913-23 第一次世界大戦と二つの国家の誕生

岩波書店 小関隆著 (4/11発売)

イギリス支配下の連合王国から帝国自治領へ──20世紀初頭にアイルランドが経験した変化は「革命」と呼ぶに値する。大戦を経て生まれた二つのアイルランドは現在も存続しており、その起源はここにある。大戦前夜からイースター蜂起、独立戦争、内戦を経て自由国(後の共和国)が成立するまでを描く本格的通史。

第一次世界大戦から、イースター蜂起を経て第二次世界大戦後のアイルランド独立戦争、そして内戦にいたる一連の流れがまとまっています。アイルランドの通史って個人的に良書に出会ったことがないです。超欲しい。

 

2. 標準世界史地図(2018―2019年版)

吉川弘文館 亀井高孝,三上次男,林健太郎,堀米庸三編(2/8発売)

世界史を多方面から一望できるような独創的な編集をし、政治史上の地図に経済史・文化史等の地図をも配置すると共に、東西の史的交渉にも重点を置き、現代の激動する世界図を増補した、現在望みうる最高の世界史地図。

眺めるだけでも楽しい。こういう本の方がずっと印象に残りやすいんですよね。ワクワクします。サンプルはこちらからご覧ください。

ぼくはこれさっき買いました。

 

3. 世界一おもしろい国旗の本

河出書房新社 ロバート・G・フレッソン著, 小林玲子翻 (3/25発売)

星や太陽、十字架に武器……世界の国旗には、どれも長い歴史が刻まれている。国旗のデザインを通して世界各国を深く楽しく学べる新感覚の国旗絵本。オリンピックやサッカー観戦にもお役立ち!

 こういうのってお子さん向けにいいと思うんですよね。ぼくが子どもの頃持ってたやつは、ソ連とかユーゴスラビアとかあったので、取っておけばよかったなと思ってます。

 

4. 大都会の誕生――ロンドンとパリの社会史

筑摩書房 喜安朗著,川北稔著 (4/9発売)

都市型の生活様式は、歴史的にどのように形成されてきたのか。この魅力的な問いに、碩学がふたつ都市の豊富な事例をふまえて重層的に描写する。

実は都市の歴史はいま一番勉強したい分野なんです。

なので、世界史の主役と言っても過言ではないロンドンとパリの歴史は抑えておきたいです。

 

5. スパイス三都物語 ヴェネツィア・リスボン・アムステルダムの興亡の歴史

原書房 マイケル・クロンドル著 木村高子,田畑あや子,稲垣みどり翻 (3/9発売)

スパイスの貿易で発展したヴェネツィア、リスボン、アムステルダムの三都を舞台に、実際に現地を訪れて現地の料理と史跡を調査し、スパイスにまつわる社会文化、政治性を都市の興亡を通して描く歴史ノンフィクション。

「現地の料理と史跡を調査」ってところが凄くいい。

こういう、書いてる本人が一番楽しそうにしてる本って絶対面白いはず。

  

6. フィレンツェ史 上 (ちくま学芸文庫)

筑摩書房 ニッコロ・マキァヴェッリ著,在里寛司,米山喜晟翻訳(4/10発売)

権力闘争、周辺国との駆け引き、戦争、そして政権転覆。マキァヴェッリの筆によりさらにドラマチックに彩られるフィレンツェ史。文句なしの面白さ!

マキアヴェリの著作の邦訳版です。

これは読んだことないのでマジで読みたい。読みたい本リスト入りです。

 

7. 世界がわかる地理学入門――気候・地形・動植物と人間生活

筑摩書房 水野一晴著(4/5発売)

気候、地形、動植物、人間生活……気候区分ごとに世界各地の自然や人々の暮らしを解説。世界を旅する地理学者による、写真や楽しいエピソードも満載の1冊!

ああ、こういうの大好物です。超読みたい。

地形や気候によって歴史って大きく変わってくるんですよね。こういう本があれば世界史の見え方も変わってきそうです。

 

8. イランの歴史――イラン・イスラーム共和国高校歴史教科書

明石書店 八尾師誠翻(4/5発売)

イランの中等教育課程の歴史教科書。現代のイランの国民国家がいかに形成されてきたのか、その歴史を古代からイラン・イスラーム革命をへて20世紀末まで、各時代の指導者の系譜、政権の交代、社会・経済・文化状況などに関連して詳述する。

世界史好きにはお馴染み(?)の、世界の教科書シリーズのイラン篇です。

日本人や西洋人が書いたイランの歴史とは違う、イラン人がイラン人に教える歴史ということで、こちらで目次が見れますが、非常に網羅的にまとまっています。 

 

9. 古代ローマ帝国期における北アフリカ

関西学院大学出版界 井福剛著 (4/10発売)

「ローマ的なるもの」とは何か。ローマ帝国支配期のカルタゴ周辺地域では、どのような状況で異種混淆的文化が生じたのか。文化論的転回および新しい文化史の分析概念である表象と実践から考察。

表紙の遺跡はチュニジアのドゥッガ遺跡ですね。行ったことあります。ヌミディア王マシニッサの時代に栄えた町で、現在も当時の街並みが想像できるほど綺麗に残っています。

フェニキア人の王国カルタゴのローマ化というのがテーマらしく、古代の文化混交はかなり興味深い。目次はこちらから。

 

10. 紛争終結後のカンボジア 国軍除隊兵士と社会再統合

世界思想社 牧田満知子著 (4/3発売)

二〇世紀を震撼させた悲劇以後も長期にわたる内戦を経験したカンボジア――平和構築と除隊兵士の地域社会への再統合をめざした支援の実際と、当事者たちのその後は。紛争終結国の貧困削減と自立支援に向け提言を行うとともに研究上の課題を示す

 現代カンボジア史はポルポトによる自国民大虐殺の悲劇を経験し、そしてベトナム軍の侵攻、クメールルージュとの内戦と悲劇を経験しています。今は独裁下が進みこれまたきな臭くなってきているカンボジア。ポスト内戦以降の歩みを知るには重要な書と思います。

 

11. モンゴル時代の「知」の東西

名古屋大学出版界 宮紀子著 (3/9発売)

日本からヨーロッパまで ——。世界史上、空前のレベルで展開したユーラシアを貫く 「知」 の交流。百科事典や辞書・地図から宗教・政治・経済の諸制度まで、モンゴル帝国によるダイナミックな革新と統合の実像を、多言語の文献・美術品・出土文物を駆使して描き出す記念碑的労作。

 モンゴルによるユーラシア大陸侵略は、古い秩序を破壊し新たな秩序をもたらした巨大なディスラプション(破壊的想像)だったという見方が強まってきています。TPPやAIIBのような国の枠組みを超えた制度の構築に時代の流れが向かう現在、かつてのモンゴルの取り組みが再評価されている向きもあるのでしょう。

一方で、それが新たな帝国の構築への布石となっていくのでしょうか。

 

12. 図説 ルイ14世 太陽王とフランス絶対王政

  河出書房新社 佐々木真著 (3/27発売)

「朕は国家なり」という言葉で有名な「絶対王政」を象徴する、ルイ14世。バレエや芸術を愛し、ヴェルサイユ宮殿を作った「太陽王」! その知られざる素顔を明らかにするはじめての一般書。

 個人的にこのルイ14世という男は好きになれないんですが、どのようなコンテキストでこのような嫌なヤツが作られていったのかというのは興味があります。

読んで見たいけど、本棚には置きたくないな…。

 

13. マリー・アントワネットの最期の日々

原書房 エマニュエル・ド・ヴァレスケル著 土居 佳代子翻 (3/26発売)

なぜマリー・アントワネットは裁かれねばならなかったのか。膨大な史料を読み解いて、「裁かれた王妃」の歴史に、新たな光をあてる名著! 「どう書くべきかを知っている素晴らしい歴史家」 (フィガロ) いわれる著者の、最も豊かで、最も文学的な本。

 マリー・アントワネットって異常に人気ありますよね。

なぜ彼女がここまで人気なのか理解に苦しむんですが、ある種時代のアイコン的存在なんでしょうね。休暇中とか、時間がある時にゆっくり読んでみたいです。

 

14. フランス香水伝説物語 文化、歴史からファッションまで

原書房 アンヌ・ダヴィス,ベルトラン・メヤ=スタブレ著 清水珠代翻 (3/26発売)

シャネルの5番、ゲランのシャリマーなど、フランス香水産業の黄金時代を築いた15のメゾンの代表的香水とその歴史やエピソードを紹介。香水開発の秘話や調香師の技の秘密に迫り、「伝説の香水」と呼ばれる名香の魅力を解き明かす。

これまたニッチなテーマですが興味深いです。香水の歴史なんて調べようと思ったことがないな。知らない分野はどんどん知りたい。読んでみたいです。

でも、本ではその実際の香りが味わえないってのが辛いですね。

 

15. 独ソ占領下のポーランドに生きて――祖国の誇りを貫いた女性の抵抗の記録

明石書店 カロリナ・ランツコロンスカ著, 山田朋子翻 (3/31発売)

ポーランド西部のルヴフ(現ウクライナ領リヴィウ)の大学で美術史の教員をしていた筆者が、1939年のソ連侵攻から逃れた先で、次はナチスに捕らえられ、ドイツの強制収容所で過ごした日々を綴った回想録。ポーランドで大きな反響を呼んだ著書の待望の邦訳。

 ドイツとソ連に抵抗を続けながらも生き延びた、誇り高きポーランド女性の回想録。ポーランドで大反響となった本の邦訳版だそうです。これはかなり読んでみたいです。

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16. ナチズムに囚われた子どもたち

白水社 リン・H・ニコラス著 若林美佐知翻 (3/16発売)

ナチ支配下のヨーロッパにおいて、ヒトラーの人種主義が子どもたちに課した過酷な処遇を、膨大な史料に基づいて包括的に論じる。

 読み進めればどんどん気持ちが沈んでいきそうな本ですが、こういう本こそちゃんと次の世代に残していかなくてはいけないものなんでしょう。

 

17. 文化戦争: やわらかいプロパガンダがあなたを支配する

春秋社 ネイトー・トンプソン著,大沢章子翻 (3/23発売)

大統領選挙キャンペーン、イラク占領から、都市開発、アップルやスターバックスの企業戦術まで。“文化”をまとった飽くなき人心操作術が、社会をここまで変えた―。いまや政治家や企業は、文化を武器にこぞって大衆の感情に訴えようとしている。世論を誘導して儲けようとする産業も、かつてなく増えた。巨大権力の“芸術的手法”は、私たちにどんな影響を与えているのか?世界を動かす力学を考察した、切れ味鋭い社会批評。

 いわゆるプロパガンダや戦略PRの歴史の本です。

これはかなり興味あるので、さっき書いました。

このテーマっていま一番ホットなトピックじゃないでしょうか。

 

18. 図説 中世ヨーロッパの美術

河出書房新社 浅野和生著 (3/23発売)

壮麗な大聖堂や精巧な金銀細工、絵画や写本まで、中世ヨーロッパの人々が生み出した芸術を通して、中世とは何かを問い直す。

 これも最高に面白そう。ルネサンス前の美術ってあまりに宗教ガチガチすぎて、生気がない感じがして日本人には人気がないんですけど、キリスト教文脈から見ると一番興味深いのがこの時代の美術と思います。

 

19. ART GALLERY テーマで見る世界の名画 8 歴史画 人間のものがたり

集英社 高橋達史著 (4/13発売)

西洋絵画の王道といわれてきた歴史画。偉大な英雄像から、悲劇の場面、戦争の悲惨さまで、時代を映し出した絵画に人間の歴史を見る。

これはどストレートなテーマの本ですね。世界史と美術の入門編にはちょうど良さそう。

目次と試し読みはこちらから

 

 

20. 東北アジアの自然と文化 (東北アジア学術読本)

東北大学東北アジア研究センター編(4/16発売)

20世紀末から21世紀にかけての東北アジア地域の変化を、東北アジア研究センターの歩みとともに俯瞰する。

これはガチめの学術本です。
目次は以下の通り。
1 自然(湖沼環境:強酸性湖潟沼のユスリカ
人工衛星を用いた渡り鳥の移動経路と生息環境の調査
中国からの大気汚染を可視化する ほか)
2 人文(ロシアの中の日本文学
仙台城石垣の調査・保存・復元をめぐって
世界最高確率で発生する宮城県沖地震に備えて ほか)
3 学際(地域研究のすすめ―競争の原理から共生の原理へ
人道的地雷探査装置の開発
北東アジア経済圏の発展に向けて ほか)

 

21. 寒冷アジアの文化生態史 (東北アジアの社会と環境)

古今書院 高倉浩樹著 (3/3発売)

先史時代、シベリアに人類は進出し環境に適応した結果、様々な先住民が今も寒冷アジアに暮らしている。自然科学から考古学・文化人類学まで分野を横断し、文化と環境の両面から考察することで、従来の研究ではわからなかった人類文化史を提示する。

これも歴史というより文化人類学なんですが、 ロシアの進出以前のシベリアの歴史はポッカリと空いた空白地帯に近く、こういう分野からのアプローチが必要と思います。個人的にこの辺りあまり知らないので読んでみたい。

 

23. 図説 ケルト神話伝説物語

原書房 マイケル・ケリガン著 高尾菜つこ翻 (3/26発売)

陰謀や魔法、家族の不和、巨人や怪物、英雄や戦士‐‐そんな数々の物語に彩られたケルトの神話は、「マビノギオン」やアルスター物語群、フィン物語群といった写本に取り込まれ、ときには大きく形を変えて受け継がれてきた。 180点を超える図版とともに、魅惑的な古代の営みを伝える神話物語。

 ケルト神話って聞くだけでワクワクして手元に置いておきたくなります。ウィスキー飲みながら夜にゆっくり読みたいです。

 

24. ソヴィエト・ロシアの聖なる景観 社会主義体制下の宗教文化財、ツーリズム、ナショナリズム

北海道大学出版 高橋 沙奈美著(2/28発売)

1953年からペレストロイカ開始までの後期社会主義時代を中心に、社会主義体制下のロシア正教に対する社会心性・宗教性を、教会・修道院建築、イコン、フレスコ画他の美術作品の処遇から叙述する意欲作。ロシア語アーカイブ資料やインタビューなど貴重な資料も提供する。

ソ連時代の宗教の処遇を美術品や建築からアプローチするという。これは居間に置いて少しずつ、2ヶ月くらいかけてじっくり読んでみたい。

 

25. 織田信長: 近代の胎動 (日本史リブレット人 45)

山川出版 藤田達生著(3/29発売)

天下統一を目前に死した織田信長。本能寺の変の真相を再検討することで、信長による天下統一の思想や政策、それにより生じた派閥抗争、足利義昭との対立などを解説し、信長政権という歴史的転換の本質に迫る。

 今さら感あるんですけど、ぼくは山川の世界史ブックレットの大ファンなので、どういう切り口で織田信長を描いてくれるのか楽しみです。

 

26. ロベスピエール: 世論を支配した革命家 (世界史リブレット人 61)

山川出版 松浦義弘著(3/29発売)

何をどのように語り、それは革命期の人びとにどう受け止められたのか。フランス革命以来つねに賛否両論を巻き起こし、恐怖政治と結びつけられてきたロベスピエールの生涯をたどる。

 ロベスピエールもまた奇妙な人物ですね。フランス革命を代表する男ですが、こうして一人の個人としてピックアップしたことはないので、是非読みたいです。

 

27. 水中遺跡の歴史学

山川出版 佐藤信著(3/29発売)

日本や世界における水中遺跡の調査・研究・保護の現状を解説し、保存・整備・活用など今後の諸課題について考えるとともに、歴史学としての位置付けを探る。2016年史学会大会シンポジウムをもとに編集。

 こらは大好物です。遺跡でも、水中にあるというだけでどうしてワクワク感が増幅するのでしょうね。

中身は水中遺跡の保存や整備、活用など、学術的な内容となっています。

 

28. 帝国とナショナリズムの言説空間

御茶の水書房 神奈川大学人文研究所 永野善子著 (4/11発売)

近年、歴史研究の分野で注目されている「グローバル・ヒストリー」の手法を意識しつつ、植民地近代性とポストコロニアル批評の議論の展開を念頭に入れながら、帝国論とナショナリズム論の国際比較および各地域間の相互連携について学術的研究を行うことをめざした共同研究の成果。

かなり骨太な学術研究です。図書館にあったら借りたいかな。

目次は以下の通り。東南アジアが多いですね。

第1章 文学(者)による文化工作・建設戦―上田廣「黄塵」の意義
第2章 サイパン戦秘史にみる人種差別とナショナリズム
第3章 香港における入境管理体制の形成過程(一九四七~五一)―中国・香港間の境界の生成と「広東人」
第4章 タイにおける王党派思想とナショナリズム
第5章 分断される国家と声でつながるコミュニティ―タイにおける政治的対立と地方コミュニティラジオ局
第6章 フィリピン革命史研究再訪―近年のフィリピンにおける研究潮流を背景として
第7章 米国帝国下のフィリピン・ミンダナオ島開発とフィリピン人エリート―一九二〇年代のゴム農園計画を中心に
第8章 キプシギス人の「ナショナリズム発見」―ケニア新憲法と自生的ステート=ナショナリズムの創造
第9章 ボリビア「複数ネーション国家」の展望―アフロ系ボリビア人の事例から

 

29. イスラーム神学における信の構造:イーマーンとイスラームの意味論的分析

慶應義塾大学出版会 井筒俊彦著 (2/20発売)

イスラーム思想史・神学史を考える上で最も興味深い7世紀末から18世紀にいたるまで、個人的・実存的な「信じること」や「信仰」のあり方が、いかに理性のフィルターを通し、概念化されていったのかを辿る。ときに学派間に烈しい議論をまきおこしながら、精緻な理論へ練り上げられていった、1000年にわたる壮大な神学論争を、意味論的手法を用いて鮮やかに分析、生き生きと描出する。

 神学論争は学者同士のマウントの取り合いで不毛みたいな風潮ありますけど、イスラムの人々からすると「生きること」を定義することと同義で大変重要な意味を持つものです。目次はこちらから。

 

29. 英米哲学入門 ──「である」と「べき」の交差する世界 (ちくま新書)

筑摩書房 一ノ瀬正樹著(4/5発売)

私が生まれる前にも世界は本当にあったの? 因果関係って実はいっさい存在しない? 哲学の根本問題を経験や言語を足場に考え抜く、笑いあり感動ありの入門講義。

 こういう哲学入門書大好き。

Aを証明するためのBではなくて、そもそもAって何?と問う感じです。学生の時に読んだら大変刺激を受けそう。

 

30. 戦前期外地火災保険特殊地図集成 戦前期台湾火災保険特殊地図集成〈1〉台北・基隆・台中・彰化

柏書房 辻原万規彦,青井哲人編集 (3/10発売)

いままで存在が知られていなかった外地の「火災保険特殊地図」(1933~34年、地図研究所作成)が、編者によって千代田区立日比谷図書文化館で発見された。従来の外邦図は縮尺が小さく、詳細なデータは読みとれなかったが、保険料率算定のために作製された大縮尺(1/1200~1/2000)の火災保険特殊地図には、住居の所有者や建物の構造や名称、用途、道路の幅員や消火栓の位置などが詳細に記載されている。そのため、かつての市街地の復元や現状との歴史的比較が可能となり、広範な研究分野で活用可能なきわめて貴重な情報源となる。 台湾編と樺太編をあわせて全3回での復刻を予定。第1回には台湾編①として台北・基隆・台中・彰化を、第2回には台湾編②として台南・嘉義・高雄・屛東・花蓮港を収録する。

 誰が買うねんと思わせる戦前の日本領台湾の市街地図。目次を見るに相当膨大な資料です。こちらからご覧ください。

さすがに買えないけど、図書館にあったら読みたい。

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まとめ

というわけで、こんな感じで月イチで最新歴史書籍の紹介を今後入れていきます。

個人的にライフワークとして新刊チェックやってたんですが、どうせなのでコンテンツ化いたします。

気になるものがありましたら、こちらのページからクリックしてお買い求めくださると、ぼくが新たな本を買えることができます。すごく嬉しいので、どうぞよろしくお願いします。