【その小手打ちの「打突力」 絶対の得意技】西村英久選手
皆さんこんばんは。一の太刀でございます。
関東では桜が咲き春爛漫です。すっかり暖かくなりました。
では剣道のお話です。本日は「西村英久選手を好き勝手に分析」です。私の「独断と偏見にとんだ分析」です。
西村英久選手の剣道
西村選手…ここ数年でも大変勢いのある選手の一人ですね。
2015年、2017年の全日本剣道選手権を制したその強さは凄まじいものであります。
西村選手の剣道ですぐに思い浮かぶのはまずは「小手技」そして「竹刀を払う技」「引き面」あたりでしょう。
わかっていてもやられてしまうという感じの正に「必殺技」と呼ぶにふさわしい、西村選手の代名詞となるものですね。
その得意技を武器にいかなる相手にも圧力をかけ続け、一本を取ってしまうようにみえます。
また、あの肉厚のある身体で数年前の全日本選手権準決勝では中大の梅ヶ谷選手を吹っ飛ばしていました。その状況の良さや相手が軽量とはいえ相当のウェイトトレーニングを積んでいる梅ヶ谷選手を軽々と。パワーは間違いなくありそうです。
しかし、あまり「力技」を使わない剣道をされています。
また、鍔迫り合いなどからの「技の出しどころ」「使うべき機会」を良く心得ているようにみえますね。
「よくああいった技がうまくきまるな」というシーンが多い様に感じます。
「足さばき」も身軽です。
ステップを踏むような前後への動きが素早く、特徴あるバックステップは後ろ足を上げてみえるので前足に重心を乗せて下がっているのでしょうか。
どこかで聞きましたが、「守る時は100%で守り、攻める時は100%の力で攻める」とのこと。
それゆえに、守備力も高く、自分の得意技を決めるまで安定の試合運びが可能となります。
それにしても柔軟性のある今風の剣道といいましょうか
私の印象としては、「試合に勝つ要素をよく知っているのだろうな」というものです。
西村選手の得意技のすべてが、試合に勝つために重要なもののように感じます。
もちろん稽古も凄そうですが。
「出鼻技」「応じ技」で決めることがあまりないことも、西村選手の強さを表しているように感じます。
これらを出すときは「危険」もそれなりにありますよね。その「リスクを負わない」ことが試合の強さにもつながっているのでしょう。
「仕掛けて打つ技」が多いのも西村選手の特徴かと思います。
得意技
西村選手の決め技は圧倒的な精度を誇るものばかり。
■小手技
この代名詞ともいえる技は主に2種類ほどあるようにみえます。
「下から小手」
相手が詰めてきた際や、やり取りの中で生まれた微妙な間合いの際などに相手の剣先の下から潜り込ませて最短距離で打つこの小手は、恐るべきキレを持っています。
2017年の全日本決勝戦、内村選手相手に二本目で決めたのはこの技でしょう。
相手が打って来れば「出鼻小手」として成立するのでしょうが
それより前、「打ち気をだすまさにその瞬間」に打たれているようにみえることも多くあります。
アッと思った時には打たれているような。
まるで精密機械のように正確な打突です。
私もこの「下から小手」を攻撃の生命線としていますが、当然ですが完成度がまるで違いますね…
2017年7月28日 試合で決めた「出鼻小手」追記しました。
皆さんこんばんは。一の太刀です。私は仕事で郊外へ行くこ…
「手元を上げて間合いを詰め、相手が手元を上げたところに小手」
「くの字」防御気味に手元を上げながら踏み込んだり、すすっと間合いを詰めたりしながら相手の手元を上げさせてから打つ小手
これも同年の内村選手戦の一本目で決めている技です。
「くの字」防御についてはこちらです。
皆さんこんばんは。一の太刀でございます。
今週の土曜日である9月2日は東京都剣道大会です。11月3日に開催される全日…
2017年の全日本剣道選手権:決勝戦の動画です。
いかがでしょうか。
二本目の「小手」などは防ぎようがない様に思います。
まさしく「必殺技」と呼ぶにふさわしい威力ですね。
「やり取りの中で発生する絶妙な間合いからの小手」
この「小手」を表現するには難しいのですが、たまに目にすることがあるものです。
印象としては「小手の打突力(キレ)・踏み込みの良さ」などで決めきってしまっているというのでしょうか。
同じタイミングで同じように打突したとしても、他の人のそれであれば恐らく一本とならないようなもの。
そんな状況でも決めてしまうその「小手打ち」は天下一品です。
次の動画は2015年の対山田選手戦での「小手」です。
いかがでしょうか。
個人的にはこの「小手」を一本としてしまう「打突力」に驚きを覚えます。
■引き面
よほどキレがないと一本とならない引き技ですが、西村選手はこの引き面も得意ですよね。たとえ一本とならずとも、鋭い打突で打たれた相手の精神面は変化があるでしょう。
またこれが、憎たらしいほどうまいタイミングで相手に気配を見せない打突をします。
■竹刀を払う技
鍔迫り合いの際、相手が打突してきて間合いが詰まった際などに竹刀を裏交差から払い、相手の「竹刀落とし」の反則にさせることができる技です。
相手としては鍔迫り合いの際は先の「引き面」とこの「払う技」があるので一瞬たりとも気を抜けないでしょう。
この技があるというだけでこちらも相手の精神面に多少なりとも影響を及ぼすことでしょう。
2015年の全日本選手権での安藤選手戦が印象的ですね。この技で2回安藤選手の竹刀を落とし、反則2回で一本として試合を決めてしまいました。
こんな結末もあるのかと思ったものです。
剣暦
全日本学生大会 個人優勝
全日本剣道選手権大会 優勝2回
世界大会 個人三位
他の大会でも優秀な成績を収めています。
分析(トップフォーム)
私がみている西村選手はこんな感じです。
面技:B
小手技:SS
胴技:D
防御力:S
打突スピード:A
その他の技:SS
身体的強さ:A
美しさ:B
攻めの圧力:A
精神力:A
得意技の必殺度:SS
返し技:D
出鼻技:B
突き技:C
■代名詞となる得意技
「下から小手」「攻め入ってからの小手」
「引き技」「竹刀を払う技」
おわりに
小手やその他の技が強烈過ぎて印象が少し薄い感じがしますが、当然ながら「面打ち」も恐ろしいものがありますね。
それがあるからこそ得意の「小手」がより威力を発揮するのでしょう。
余談ではありますが、この4年間の全日本選手権では2回優勝を誇る西村選手ですが、相性的な問題かたまたまかわかりませんが、福岡の國友錬太朗選手に残り2回で対戦し敗退しています。不思議なものです。
それにしても西村選手の試合での安定感は凄いものがありますね。
負けることがあまり想像できません。
年齢も2018年にてまだ29歳のようです。これほどの実力と実績を併せ持つ選手はそうはいません。
これからますます脂が乗ってくるでしょう。
日本代表として世界大会での活躍も期待できますね!!
あの驚くべき「小手」を今後もまだまだみせてくれることを期待しています!
がんばれ!西村選手!
ではまた!
Source: 一の太刀剣道ブログ
【その小手打ちの「打突力」 絶対の得意技】西村英久選手