河野太郎外相と中国の王毅外相は15日、都内で会談し、日中両国の首脳の往来を実現し、関係改善を進める方針を確認した。まず5月に予定する日中韓首脳会談にあわせた李克強(リー・クォーチャン)首相の来日を調整する。
年内の安倍晋三首相の訪中、その後の習近平(シー・ジンピン)国家主席の来日も検討し、信頼関係の再構築を目指す。
会談は1月の河野氏の訪中以来、2カ月半ぶり。河野氏は会談後、記者団に「前向きな雰囲気のなかで意見交換した。ハイレベルの往来をしっかりやることで一致した」と話した。王毅氏も記者団に「関係を改善したいという日本政府の方針を確認した」と述べた。
北朝鮮の非核化に向け、両国で緊密に連携することも確認した。国連安全保障理事会の制裁決議を完全に履行する方針で一致した。中国側は3月に実施した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との中朝首脳会談について、日本側に説明した。日本側は日本人拉致問題の解決に向け中国の協力を要請した。
沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中の対立に関し、河野氏は「東シナ海の安定なくして真の関係改善はない」と強調した。関係改善を阻害するような事態の再発防止を求めた。米中間の貿易摩擦も話題にのぼり、自由貿易体制を維持する重要性を両国で確認した。