今週の注目レース
東京競馬場 2000m(芝)馬齢 (牝) 3歳オープン
昨年のフローラSで重賞初制覇を果たしたチェッキーノは、次走のオークスで優勝馬シンハライトからクビ差の2着に好走した。およそ1か月後の“本番”を占うべく、各馬のレースぶりに注目しておきたいトライアル競走だ。なお、このフローラSは2011年以降の6回中4回で3連単の配当が10万円を超えており、2011年と2014年には“100万馬券”となるなど、波乱の決着が多い点も特徴の一つと言えるだろう。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬30頭は、いずれも“JRAの芝1600~2000mのレース”において優勝経験がある馬だった。1600m未満や2000mを超える距離のレース、ダートのレースでしか優勝経験がない馬は評価を下げたいところだ。〔表1〕
優勝経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 10-10-10-111 | 7.1% | 14.2% | 21.3% |
なし | 0-0-0-33 | 0% | 0% | 0% |
“JRAの芝1600~2000mのレース”において優勝経験があった馬をさらに分類すると、“500万下から上のクラスの芝1600~2000mのレース”で優勝経験があった馬は3着内率35.1%とより優秀な成績を収めている。〔表2〕
優勝経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 6-5-2-24 | 16.2% | 29.7% | 35.1% |
なし | 4-5-8-87 | 3.8% | 8.7% | 16.3% |
さらに、“JRAの芝1600~2000m、かつ単勝1番人気だったレース”において優勝経験があった馬も、3着内率が34.0%に達している。まずは、「500万下から上のクラス」もしくは「単勝1番人気」という条件を満たした上で芝1600~2000mのレースを勝ったことがある馬に注目してみよう。〔表3〕
優勝経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-5-3-33 | 18.0% | 28.0% | 34.0% |
なし | 1-5-7-78 | 1.1% | 6.6% | 14.3% |
過去10年の前走の着順別成績を調べると、前走で「10着以下」だった馬は3着以内に入った例がない。また、前走で「3着以内」だった馬の3着内率が22.8%なのに対し、「4着以下」だった馬の3着内率は11.0%にとどまっている。波乱の決着も珍しくないレースだが、前走で大敗していた馬はやや評価を下げたい。〔表4〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 6-3-3-41 | 11.3% | 17.0% | 22.6% |
2着 | 2-2-2-17 | 8.7% | 17.4% | 26.1% |
3着 | 1-2-0-13 | 6.3% | 18.8% | 18.8% |
4着 | 1-0-0-14 | 6.7% | 6.7% | 6.7% |
5着 | 0-0-2-10 | 0% | 0% | 16.7% |
6着 | 0-1-2-10 | 0% | 7.7% | 23.1% |
7着 | 0-1-0-9 | 0% | 10.0% | 10.0% |
8着 | 0-0-1-4 | 0% | 0% | 20.0% |
9着 | 0-1-0-3 | 0% | 25.0% | 25.0% |
10着以下 | 0-0-0-23 | 0% | 0% | 0% |
3着以内 | 9-7-5-71 | 9.8% | 17.4% | 22.8% |
4着以下 | 1-3-5-73 | 1.2% | 4.9% | 11.0% |
過去10年の3着以内馬30頭中18頭は、前走の単勝人気が「3番人気以内」だった。一方、「4番人気以下」だった馬は3着内率が12.2%にとどまっている上、優勝を果たしたのは2008年のレッドアゲートが最後、2着となったのは2012年のアイスフォーリスが最後である。臨戦過程を比較する際は、前走の着順だけでなく、そこでの単勝人気もチェックしておくべきだろう。〔表5〕
前走の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3番人気以内 | 9-5-4-58 | 11.8% | 18.4% | 23.7% |
4番人気以下 | 1-5-6-86 | 1.0% | 6.1% | 12.2% |
過去10年の枠番別成績を調べると、最も3着内率が高いのは「3枠」、2番目に高いのは「1枠」となっている。また「1~4枠」の3着内率が21.5%なのに対し、「5~8枠」は同13.7%にとどまっている。それほど差は大きくないが、「3枠」を筆頭として内寄りの枠に入った馬が好走するケースが多くなっている。〔表6〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 2-1-1-16 | 10.0% | 15.0% | 20.0% |
2枠 | 0-2-0-18 | 0% | 10.0% | 10.0% |
3枠 | 2-3-4-10 | 10.5% | 26.3% | 47.4% |
4枠 | 2-0-0-18 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
5枠 | 0-2-1-17 | 0% | 10.0% | 15.0% |
6枠 | 1-2-0-17 | 5.0% | 15.0% | 15.0% |
7枠 | 0-0-3-23 | 0% | 0% | 11.5% |
8枠 | 3-0-1-25 | 10.3% | 10.3% | 13.8% |
1~4枠 | 6-6-5-62 | 7.6% | 15.2% | 21.5% |
5~8枠 | 4-4-5-82 | 4.2% | 8.4% | 13.7% |
なお、単勝オッズが10倍以上だった馬の枠番別成績を調べると、「1~4枠」の馬は3着内率が13.6%、「5~8枠」の馬は3着内率が2.8%となっている。前評判が低い馬を比較する際は、内寄りの枠に入った馬をより重視した方が良さそうだ。〔表7〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 0-1-0-15 | 0% | 6.3% | 6.3% |
2枠 | 0-2-0-13 | 0% | 13.3% | 13.3% |
3枠 | 0-1-3-9 | 0% | 7.7% | 30.8% |
4枠 | 1-0-0-14 | 6.7% | 6.7% | 6.7% |
5枠 | 0-0-0-15 | 0% | 0% | 0% |
6枠 | 0-0-0-15 | 0% | 0% | 0% |
7枠 | 0-0-1-20 | 0% | 0% | 4.8% |
8枠 | 0-0-1-20 | 0% | 0% | 4.8% |
1~4枠 | 1-4-3-51 | 1.7% | 8.5% | 13.6% |
5~8枠 | 0-0-2-70 | 0% | 0% | 2.8% |
過去8年の優勝馬は、いずれも“JRAの芝1600~2000m、かつ単勝1番人気だったレース”において優勝経験がある馬だった。また、この8頭は「前走の着順が4着以内」だった点、「前走の単勝人気が3番人気以内」だった点も共通している。〔表1〕~〔表5〕で挙げた傾向を重視して絞り込むべきだろう。〔表8〕
(伊吹雅也)
※表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | “JRAの芝1600~2000m、かつ単勝1番人気だったレース”における最高着順 | 前走の 着順 |
前走の 単勝人気 |
---|---|---|---|---|
2009年 | ディアジーナ | 1着(菜の花賞) | 2着 | 1番人気 |
2010年 | サンテミリオン | 1着(中山・3歳新馬) | 3着 | 1番人気 |
2011年 | バウンシーチューン | 1着(中山・3歳未勝利) | 1着 | 1番人気 |
2012年 | ミッドサマーフェア | 1着(君子蘭賞) | 1着 | 1番人気 |
2013年 | デニムアンドルビー | 1着(阪神・3歳未勝利) | 1着 | 1番人気 |
2014年 | サングレアル | 1着(阪神・2歳新馬) | 4着 | 2番人気 |
2015年 | シングウィズジョイ | 1着(中京・2歳未勝利) | 1着 | 2番人気 |
2016年 | チェッキーノ | 1着(中山・2歳未勝利) | 1着 | 3番人気 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。