初防衛戦を前に、村田諒太が安倍政権の国民栄誉賞に異論!「政治的な広告価値があるかどうかで判断している」
書籍でも見られる知性はインタビューでも遺憾なく発揮されていた(画像は幻冬舎『101%のプライド』)
今夜、初めての防衛戦に臨むボクシングWBA世界ミドル級王者・村田諒太。周知の通り、村田選手といえばロンドン五輪で金メダルを獲得後にプロ転向。昨年挑んだ初の世界戦では不可解な判定で王座獲得ならずも、ダイレクトリマッチは7回終了後TKO勝ち。リングで顔をくしゃくしゃにしながら涙を流したのも記憶に新しい。
そんな村田選手が、発売中の「週刊新潮」(新潮社)4月19日のインタビュー記事に登場し、注目すべき発言をしている。先日、安倍政権はフィギュアスケートの羽生結弦選手に対し国民栄誉賞を授与することを決定したが、こうした動きについて強く疑義を呈したのだ。
「リオで多くの金メダリストが誕生しましたが、レスリングの伊調馨選手以外、国民栄誉賞は与えられなかった。ところが、平昌では目立ったからと、羽生結弦、小平奈緒両選手が検討されると報じられました(実際の授与決定は羽生のみ)。企業や政治的に広告としての価値があるかどうかで判断しているようだった」
たしかに国民栄誉賞の基準が恣意的であるとの村田選手の指摘はもっともだ。とりわけ、安倍政権は政治利用が露骨で、国民栄誉賞を乱発してきた。
今回の羽生選手についても、2月17日に羽生選手が金メダルを決めると、安倍首相はその夜、マスコミをかき集めて羽生選手へ祝福の電話をする姿を報じさせ、すぐに国民栄誉賞授与の検討に入った。しかし、平昌五輪で羽生選手と同じくオリンピック連覇を成し遂げたアスリートは他にも何人もおり、しかもオリンピック選手で国民栄誉賞を受賞したのは女子レスリング3連覇の吉田沙保里選手、4連覇の伊調馨選手だけ。そのため、政府内部でも「栄誉賞授与を正当化する理由付けが難しい」との声が出て、菅義偉官房長官も「今すぐではなく、さまざまな要素を考えていく必要がある」と慎重姿勢だった。
ところが、である。それからわずか数日後、安倍政権は、羽生選手への国民栄誉賞授与を異例の早さで決定。その第一報は3月2日の読売新聞で、記事には「政府関係者が1日、明らかにした」とあった。3月2日といえば、朝日新聞が財務省の森友文書改ざん問題をスクープした日。新たな不正発覚から目をそらすために、政権が読売にリークしたのではないかと取りざたされたのだ。
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