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【国際】化学兵器 証拠示さぬまま強行<解説> トランプ米大統領は十三日、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したと断定して、化学兵器禁止機関(OPCW)の現地活動を顧みずに、英国とフランスと共同軍事作戦に踏み切った。国連安全保障理事会の決議もなく、法的根拠を欠いたまま、強大な軍事力を背景にした「力による平和」を強行した。 米国務省のナウアート報道官は十三日の会見で化学兵器使用について「アサド政権の仕業」と断言。サンダース大統領報道官も「アサド政権に責任があると確信している」と強調したが、明確な証拠は示されていない。 シリアや後ろ盾であるロシアは化学兵器の使用を「でっち上げ」と主張し、反体制派からもアサド政権が使用したことに疑念が浮上していた。OPCWなど国際機関による調査結果を待たず、軍事行動を急いだのは拙速とのそしりを免れない。 米国は二〇〇三年のイラク戦争で、大量破壊兵器を保有していると主張し、安保理決議のないまま、攻撃を開始。だが、開戦の理由とした大量破壊兵器は最終的に見つからず、非難された過去がある。 国連憲章では、主権国家への武力行使に関しては、国連安保理の承認がある場合や自衛権行使の場合に認めている。米国は自衛権の行使を主張するとみられるが、正当性を疑問視する声や国際法違反との指摘が出る可能性がある。 (ワシントン・後藤孝好) 関連記事ピックアップ Recommended by
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