昨日阪急電鉄のTwitterアカウントが、バーチャル駅長時代に書いた阪急沿線の喫茶店の記事を取り上げてくれた。
感謝。
今日書くのは毎年4月になると思い出す、閉店した喫茶店の話。
岡山駅から徒歩圏内の場所に「東京」という名の音楽喫茶があった。
1958年に創業し57年間の歴史を紡いできたが、2015年4月30日に閉店した。
2014年8月初訪問。
47都道府県の純喫茶 愛すべき110軒の記録と記憶を見てきたと話すと、シャンデリアの灯りをつけてくれた。
創業者から経営を引き継いだ店主の藤井さんは50代ほどの若い方なので、まだまだ安泰だなと安心していた矢先に閉店の噂を聞いた。
2015年4月初旬に信じられないような気持ちで再び「東京」を訪れると、閉店の知らせがあちこちに掲示されていたので、誤報じゃなかったんだとガックリ肩を落とした。
1958(昭和33)年の創業当時、「東京」は普通の喫茶店だった。
2階にあるビクターLCB-2のステレオは日本に36台しかないうちの4台。
それまではステレオで軍歌やポピュラー音楽をかけていた。
岡山大生がドヴォルザークの「新世界より」のレコードをかけてほしいと持ち込むと、創業者がその美しい響きに衝撃を受けクラシックを流す音楽喫茶に転向。
訪れた日二階で目を閉じて音楽に身を委ねる人がいたが、かつての岡山大生だったかもしれない。
現在「東京」は「炭火焼肉 男前 」という焼肉店に。
「東京」の面影を残すのはシャンデリアのみだ。
Youtubeに「東京」閉店を伝える山陽新聞ニュースと情報番組の動画がUPされている。
Dvořák: Symphony No. 9 "From The New World" / Karajan · Vienna Philarmonic