高崎白衣大観音
「観音山」と呼ばれる丘の頂上に立つ白衣観音像は、上毛カルタに「白衣(びゃくい)観音慈悲の御手(みて)」の札で紹介され、群馬県民には広く親しまれています。地元では「白衣」を「びゃくえ」ではなく「びゃくい」と読むのが一般的になっています。
この像は市内の実業家井上保三郎氏が昭和9(1934)年の陸軍特別大演習の際、昭和天皇に単独で拝謁できたことを機に、観光都市高崎の建設・陸軍十五連隊戦死者の慰霊・社会の平安などを祈願して建立したものです。
像の原型は、鋳金工芸家森村酉三氏が制作し、完成した原型を池袋にあったアトリエから、日本橋の井上工業東京支店まで自転車で運んだのが、当時井上工業に入社して間もない田中角栄元首相であったという逸話が残っています。
2年余りの歳月をかけて、高さ41.8メートル、重さ5.985トンの鉄筋コンクリート製としては日本一の大観音像が完成しました。
昭和11(1936)年開眼供養が行われ、それ以来私たち高崎市民を暖かく見守り続けているのです。
なお、「観音山」という名前の由来は、この白衣大観音にあると思われている方が多いのですが、実際はこの丘に平安時代初期に建立された清水寺が、本尊に千手観音をまつっていたことに由来しているようです。
文化財情報
- 指定種別:国登録有形文化財
- 名称:高崎白衣大観音像(たかさきびゃくいだいかんのんぞう)
- 指定年月日:平成12年10月18日
- 所在地:高崎市石原町 地図(地図情報システムを新しいウインドウで表示)
- 国指定文化財等データベース