連続テレビ小説 カーネーション(5)「あこがれ」[解][字] 2018.04.13
女やからて大目には見んど。
(教師)女は常に男の一歩あとを歩き男を引き立てる。
それが女の役割です。
(たたく音)
(小原善作)これが男の力じゃ。
お前はどうあがいたかて女なんじゃ。
女が男と張り合うてどないすんじゃい!
(テーマ音楽)・「小さく丸めた躯は今」・「悲しみ隠し震えて」・「命を表しているのね」・「重く濡らした瞼は今」・「よろこび映す日の為」・「心を育てているのね」
(鳥の鳴き声)どりゃ〜!うりゃ行け行け!行け行け!そりゃ!かかってこんかい!行け行け!
(小原糸子)
何で女に生まれてしもたんやろ?
(吉田奈津)「男子と女子は生まれながらにして体も違い性質も違っています。
それで見てもその務めがおのずから違う事は明らかであります。
強い事は男子の持ち前で優しい事は女子の持ち前です」。
(教師)はいそこまで。
では次…。
はい!せっかくやから是非小原さんに読んでもらいましょうか。
小原さん。
はい。
「我らの父は一家の長として家族を率い外でいろいろな仕事をして働いています。
母は」。
もっと大きな声で!「母は主婦として内にいて父を助け家を整え我らの世話をしています。
男子と女子がその務めを全うすれば家も栄え国も栄えます」。
(教師)はいそこまで。
吉田さんはどうですか?女子の務めはできそうですか?はいできます。
さて小原さんはどうでしょう?は?小原さんは女子の務めができそうですか?どうですか?返事がないですね。
小原さん。
(安岡勘助)あイタタタタタ…!何をしてるんですか?頭頭!何してるんやもう!見せてみい。
ソーリャソーリャソーリャソーリャ!
(安岡泰蔵)誰や!?何や糸ちゃんか。
どないしたんや?だんじり乗りたいんや。
乗れ。
降りる。
おおきに。
気ぃ済んだか?ただいま。
・お帰り。
トメ子おばちゃん来てんの?
(トメ子)離縁や離縁しちゃる!
(吉田志津)あんなそもそも男ちゅうんはそんなもんやねん。
あんただけとちゃう。
女はみんな我慢してんねん。
嫌や!何で女ばっかり我慢せなあかんのんな!ここ見てや!こんなに腫れてんやで。
どれ…ふ〜ん。
(トメ子の泣き声)
(せきばらい)
(吉田克一)おい。
(泣き声)旦那迎えに来よったど。
はよ帰らせよ。
そんなすぐよう帰さんわ。
まだ今泣いて離縁やちゅうて騒いでるとこやし。
離縁?アホか!また殴られたんやて。
知るかいな。
適当に言うてな追い払え。
なっちゃん。
何?結婚なんかなするもんやあらへんのやで。
女ばっかり損するんやから。
今日修身で習うたとこや。
え?「女子は男子をよう助けて仲良うしたら家も国も栄える」て。
仲良うでけたらな。
そやけどそんな簡単に仲良うでけへんもんやねん。
何で?何でて…何でやろ?
(泣き声)おい。
(小原千代)え?何で糸子は外へ遊びに行かへんねん?は?いやいやいつも帰ってきたらビャ〜ッ飛び出していくやないかい。
何で2階でへばってんねや?こんな天気もええのに。
さあ〜。
わいにしばかれてしょぼくれてんのちゃうか?ああそうですわきっと。
何?ちょ…ちょっと待て。
「そうですわ」はないやろ!え!そもそもやなお前がこうしっかりしてへんさかいにこないな事になんのや!
何で女に生まれてしもたんやろ?女は男より弱ぁてだんじりも曳かれへん。
やりたい仕事もな〜んもでけへん
お前がぼ〜っとしてるさかい。
女が大人になったら年がら年中家おって一日男に叱られて。
それが済んだら台所でいわしばっかり炊くんや
熱っ!
嫌や!しょうもなさすぎる。
嫌や嫌や!女なんかほんまに嫌や!
(ため息)
何かおもろい事考えよか。
おもろくて楽しなってくるような事
ちょっと貸してみ。
姉ちゃんがええもん描いちゃるわ。
(小原清子)ん?こんにちは〜!へえ。
小原糸子さん宛てのお荷物です。
糸子宛てにお前のおふくろさんからや。
何ぞ送ってきたんちゃうか。
うちから?へえ〜。
はよ持ってっちゃれよ。
後で…これ終わったら。
そんなもんええさかい!はよ持っていっちゃれよ!へえ。
シャ〜ってなっててなここがヒヨヒヨ〜ってなってんねん。
ドレムちゅうんやで。
(3人)ドレム?ほんまはもっときれかったんやけどな。
(3人)ふ〜ん。
(千代)糸子。
神戸のおばあちゃんがあんたに何や送ってきてくれたで。
おばあちゃんが?開けてみいな。
うちが開けてええの?あんたのやさかい。
うわ〜きれいな箱や。
(小原静子)きれえ。
箱や!ええなあ。
(小原光子)きれえ!お母ちゃんおばあちゃん箱くれた!ほんまやきれえやなあ!ぴかぴかや〜!外国のんかな?うれしいな〜!何入れて使おかな!何か入ってる。
(千代)何や糸子箱ちゃうやん。
洋服やて。
「外国のお客さんから頂いたんやけどおばあちゃんとこには男の子しかおらんからうちで着なさい」やて。
うわ〜い!わ〜いドレムやドレムや!あんたらこれがドレムやで!ドレム!ドレム?ドレスの事か?どないしよう!ドレムや!
(千代)ドレスやて。
うちはもううれしゅうてうれしゅうて
何じゃそら?ドレスや!
やっとドレスちゅう名前も覚えて
おばあちゃん見て見て!え?うわ珍しいもんもうたんやな。
ドレスやで!着てみいな。
え〜え〜恥ずかしいなあ〜。
けど着てくるわ!
せやのにほんまに残念やったんは
やっぱしぴったりや〜。
静子に。
ドレスはうちには小さすぎた事です
(静子)きれえなあ〜。
髪もなここにリボンつけたらお人形さんみたいや。
うちかて着れる!入らんもんは入らへんの。
しゃあないやんか。
無理したら破けてしまうやろ。
なあうちも大きなったら着たい。
せやな。
静姉ちゃんにちいちゃなったらあんたが着ような。
うちも。
せやな清姉ちゃんちっちゃなったら光ちゃん着ような〜。
だんじりと一緒や。
手に入りそうで入らへん。
ほんでもよう考えたら1個だけだんじりとちゃうのは女のうちにもいつかは手に入るかもしれへんちゅうところです
2018/04/13(金) 16:20〜16:35
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 カーネーション(5)「あこがれ」[解][字]
河原でのケンカ以来ふさぎこんでいた糸子(二宮星)宛てに祖母・貞子(十朱幸代)からドレスが届く。ドレスは小さすぎたが、だんじりとは違っていつかは手に入る夢だった。
詳細情報
番組内容
善作(小林薫)に殴られて以来、糸子(二宮星)は、女に生まれたことに意気消沈していた。だんじり小屋に行き、泰蔵(須賀貴匡)にだんじりの屋根にこっそり乗せてもらうが、気は晴れない。そんな折、神戸の祖母・貞子(十朱幸代)から糸子に小包が届く。中身は小さなドレスだった。大喜びの糸子だったが、ドレスは糸子には小さすぎた。しかし、だんじりと違って、いつか手に入るかもしれない、と糸子の心は晴れてくるのだった。
出演者
【出演】小林薫,麻生祐未,二宮星,正司照枝,須賀貴匡,十朱幸代,高須瑠香,中村未輝
原作・脚本
【作】渡辺あや
音楽
【音楽】佐藤直紀
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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