ウラ話

化粧品売り場のプロが明かす、笑顔の裏で考えていること〜フルメイクして、チーク1個購入じゃ割に合わない・・・!

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お化粧品売り場の美容部員って素敵ですよね。凛としていてキラキラしていて、毎日ばっちり化粧を施してカウンターに立っています。でもそのウラで、結構毎日色々な事を考えてお仕事をしているんです。

お客様の靴、バックをチェック

美容部員になりたての頃は裏表もなくとびきりの笑顔で精一杯の接客をしていますが、年月が経ち経験が積み重なると変わります。まずはお客様がお金に見えてくるのです。近づいてくるお客様の出で立ちを瞬時にチェック!何をしているかと言うとお客様の持ち物の高級さ加減を見ます。高い靴を履いているか高級バックを持っているか、高い物を身に着けているお客様であればあるほど接客に熱が入ります。それだけお金を落としてくれる可能性が高いからです。

ちょっと高い美容液や化粧水をお勧めしてみたり、美容部員はお客様のお顔だけでなく全てを見極める目を養う様になっていきます。もし丁寧な接客を受けたいのであれば高級そうな物を身に着けて百貨店の化粧品フロアを歩いてみてください。そしてそれぞれのブランドで立ち止まり商品を見つめてみて下さい。もしかしたらいつもより丁寧な接客に出会えるかも。

フルメイクして、チーク1個購入じゃ割に合わない

次に美容部員は一人のお客様に長時間かかりっぱなしになる事をあまり好まない傾向にあります。お客様の回転数をあげたいのです。私が勤めていたブランドは特にそういう傾向が強かったのです。もちろんタッチアップから始まりお席にご案内してメイクをしてととても大切な時間ですが、これだと1人にかかる時間が多くなりすぎる。だからと言って1人が購入する金額はある程度上限があります。接客時間と購入金額が比例しない事も日常茶飯事なのです。

「フルメイクをしてください」とお客様にお願いされても購入品がチーク1個では割に合わないのです。一番ベストなのは言葉のみで接客を行い商品購入に繋がる方が理想的なのです。もちろん言葉のみで接客を行い購入点数が多くなれば満点です。経験が積まれていくと言葉だけで満点に持って行くことができるのです。

だからといってお客様の方が遠慮する必要はありません。フルメイクをしてほしいと思うならはっきりとその旨を伝えて下さい。そこでどれだけの購入につなげる事ができるかは美容部員の腕次第なのです。フルメイクでチーク1個だけ・・これは美容部員の接客技術がお客様にとってそれだけの魅力でしかなかったという事なのです。

300人の顧客の好みを覚える

次に美容部員の記憶力です。美容部員は記憶力が高い方が多いのです。働くうちに記憶力が良くなっていくように思います。私が働いていたブランドのチーフは300人ほどの自分の顧客の好みやスキンケアのシリーズを覚えていました。それだけ一生懸命お客様の事を考えているのです。

最初はただ目の前の「売る」と言う事に必死になる毎日ですが経験を積んでいくと自分自身の顧客作りについて考える様になっていきます。自分自身を目当てに買いに来てくれるお客様を沢山作る事が大切なのです。その為には顔を覚えてもらう必要がある、その為にはお客様と会話をする、コミュニケーションを図る事が非常に重要です。

ちゃんと顧客作りを考えている美容部員は覚えないとと必死にならなくても自然と顧客情報を覚えていきます。お客様の顔を見ただけで「あの商品を用意しなくちゃ!」「あのシリーズを利用されているからこの美容液を提案してみよう!」と瞬時に浮かぶ様になります。

もし通われているブランドがあって同じ美容部員さんに長い間接客されているはずなのにいつも初めましての様な感じで、色々な事を覚えてくれていない、同じ質問をいつもされる、そういった美容部員さんはイマイチさんかも知れません。お客様の事を大切に考えてくれている美容部員に出会いたいですね。

キレイなお姉さんとお話したいだけのおじいちゃんに気に入られると・・・

次は困ったお客様についてです。化粧品フロアはある意味「女の園」の様な独特な空気感だと思います。男性だけではなかなか立ち入る事ができないそんな雰囲気をぷんぷんと醸し出しています。だけど高齢の男性、つまりおじいちゃまに関しては醸し出す雰囲気をものともせずフロアにこられます。全然かまわないのです。男性用の整髪剤やスキンケアも当然販売していますのでむしろウエルカムです。

ですが「綺麗なお姉さんとお話しをしたいだけ、むしろそれが生きがいなんです」と言うおじいちゃまが結構いらっしゃいます。このパターンは正直困るのです。特に顔なじみになってしまい気に入られてしまうと大変!1時間2時間とずっとおしゃべりの相手をしないといけなくなるのです。美容部員側としてもニコニコと話しを続けるおじいちゃまに対して悪いことをされている訳ではないので邪険に扱う訳にもいかず、そういう時に限って他のお客様が来店されなかったり、来店されていてもおじいちゃまが待っていたりとなかなか対処に困ります。

そしてそういうおじいちゃまは色々なブランドに顔をだしている事が多く、各ブランドの美容部員事情にえらく精通してしまっているので沢山の噂話をお持ちの事が多いのです。余計に邪険に扱えない・・おじいちゃまできればもう少し空気を読んでくれたらありがたいです。

ノルマが未達で給料が下がることはないが・・・

次に美容部員のノルマについてです。私が勤めていたブランドは「ノルマがありません」がウリの一つでした。結構ノルマがないですよとうたっているブランドは多いと思います。実際は少なくとも私が勤めていたブランドはノルマの様なものがありました。ノルマが未達でお給料が下がる事はないのですが、限定商品などが販売されると1人何個は販売していきましょうと言う目標の様なものを設定されます。

目標だけなら構わないのですが順調に売れていない美容部員には上司からのお叱りがプレゼントされます。他の有名ブランドはノルマがそのままお給料に反映される所もあるそうなので、まだマシですがやはり売れないと肩身の狭い思いをしてしまいます。下っ端美容部員からすると「ノルマあるじゃん」と言う気持ちになります。だからノルマがないから大丈夫だと思って入社すると結構痛い目を見る事が多いのでこれから美容部員を目指す方はお気を付け下さい。

まとめ

色々と書きましたが美容部員って綺麗な格好をして立っているだけではないのです。さまざまな事を考えながらお客様と向き合っています。毎日色々な事が巻き起こります。これは私が実際働いて感じた事で全てではありません。違う事もあるかもしれませんが美容部員の一面として捉えてくれたら嬉しいです。

でも一つだけ言える事、もし綺麗になりたいんです!て言う願望があるなら美容部員になって下さい。毎日綺麗を心がける仕事です。綺麗じゃないと売れません。美容部員は自分自身が広告塔、売り物です。だから何が何でも綺麗になれます。綺麗になりたい人にはお勧めの職業です。

 

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