アンニョイな夜。子供と老人が布団に入り、我が家には夫婦の時間が訪れる。「久々にどう?」というワタクシの前向きな提案はいつも通り却下され、いぢけながら柿ピーをつまんでいると嫁が不審な動きをする。
ニュースで阪神のメッセンジャーが審判に文句を言って退場になるシーンを、手を叩きながら笑うワタクシの平穏な日常を切り裂くかのように、目の前に差し出された分厚いカタログ。
どうやらランドセルのカタログのようだ。おかしい。娘氏が小学校に入学するのは来年のハズだ。
上質な紙で作られたカタログを、なんじゃこりゃ?といいながらめくると、10万円を超えるいいお値段のランドセルが現れる。
堰を切ったかのように嫁の説明が始まる。
ということで、ピンチを悟ったワタクシは尊敬するD・カーネギー先生の名著「人を動かす」を開くことにした。
議論をすれば損をする。相手の立場で物ごとを考えることは、議論をするよりもかえって興味があり、しかも、比較にならぬほど利益がある。
「人を動かす」210ページより引用
なるほど。今回の会話のようにすでにワタクシは嫁の意見を否定することはほとんどなくなっている。コレでだいぶ夫婦関係は改善されてきた。
もちろん、ワタクシの意見では10万もするようなランドセルを買うことは反対である。そもそも家計にそんな余裕はない。
が、自分の意見を通そうとすることもない。その方がよっぽどマシな結果が訪れることを知っているからだ。
今回も、とりあえずスポンサーのウチのジジババに相談するということで納得してもらった。嫁と対立するよりも、ジジババに孫を抱かせて落とす方が遥かに楽であり、親孝行にもなる。
どの道、愛する嫁と乗り込んでしまったメリーゴーラウンドは止まることもなければ、飛び降りることもできないようだ。ならば、とめどなく楽しくてやるせないほど切ない毎日を送るしかない。
そうして紡がれたワタクシなりのラブソングを必死に歌ってやろうと思う今日この頃である。ララララーララララーラ♪ラララーララーララー♪