妖精いいかげん彼女の気持ちを変えるのはあきらめて自分の気持ちを変えてみたらどうだ?
礼実はねケンゾーのこと好きだったんだ。ずっとケンゾーのこと思ってた時期があったからこそ今の自分があるんだってやっと思えるようになった。わたし多田先生とつきあうことに決めたの。
妖精<男の名前は岩瀬健。過去に戻っても自分の思いを告げられず二人が交際するのを阻めなかった哀れな男である>
幹雄すぐに忘れられないから好きってことなんじゃねえの?
妖精<かの有名なエーブラハムリンカーンはこう言っている。「あなたが転んでしまったことに関心はない。そこから立ち上がることに関心があるのだ」と。失敗にめげず再び立ち上がるのか教訓を得て別の道を目指すのか。それとも自分の不幸を嘆き続けるのか。今この男の真価が問われている>
妖精いちばんつらい道を選んだな。お前のつらい旅もいよいよフィナーレだな。
妖精<そしてついにスライドショーは最後の写真を迎えてしまった。果たしてこの男に幸せは訪れるのであろうか?>
御法川いよいよこのお写真が最後の1枚となります。お二人が結婚を決めた日に撮影された記念すべきお写真であります!
尚えっ!?ええっ!?健なの!?あれ。背後霊だよ。わっ怖い…。
礼こんなにずっと一緒にいるのにケンゾーは何も分かってないよ
健《礼が多田さんとの結婚を決めた日礼に言われた言葉は「何にも分かってない」だった。礼はこの日を境に一度も「ケンゾー」と呼ばなくなった。結局過去に戻ったところで何にも変わらなかった。どんなにあがいたところで何にも変わらなかった。無駄だったんだ…》
これが最後の写真だぞ!彼女の隣に座れるかどうかは分からない。ただ一つだけ確かなことはチャンスはあと1回しか残されていないということだ。
お前にチャンスを与えたことを俺に後悔させないでくれ。
うちの新人の記念すべき最初のお客さまになってはいただけないでしょうか?
男申し訳ないけどホワイトボードって1個あれば十分なんだよね。うちそんなに余裕ないし。安田まあそうおっしゃらずに。
これ以上出世が遅れたらもう子供たちを養っていけないよ。
うちの3つ子ちゃんを犠牲にしてでも行かなきゃいけないことなのか!?
わたしたち家族のしかばねを乗り越えて行けばいいじゃないか…。
エリでもまあ多田先生がいるからさみしいってことはないかな。ちょっと。ちゃかさないでよ。
ひげも生やしたし念願のろくろも手に入れたんだが…。
今日どうにかしないと僕は一生この先幸せになれないんですよ。
食事も満足に与えられずに天国に召されたうちの3つ子ちゃんたちが君の幸せを天国から祝福してくれるだろう…。
今週のノルマが達成できれば何も言いませんよわたしは。
あと2台売れさえすれば君が早退しようが何しようが文句は言いませんよ。
健従来の製品よりもサイズをコンパクトにしまして移動性と機能性を格段にアップさせたのが当社一押しのこの商品。こちらが移動式ミーティングボード!
《カッチーン!でも礼に一刻も早く会うためにも我慢だケンゾー》
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監督お前何桜ヒラヒラ降らしてんだよ!?「ハラリハラリ」って台本に書いてあんだろ!
幹雄ちょうどいいとこに来た。監督!今日手伝ってくれる友達来ました。
安田健お願いします!商品には絶対の自信があります!
健こちらの商品最新の機能が満載でして見やすい使いやすい書きやすい。まさに究極のスーパーホワイトボード!
彼女を奪ってこい」って快く送り出してやれない上司を許してくれ。
実はねうちの女房昔ミスユニバーシアード日本代表だったんだ。
安田周りを見てみろよ。ダメもとでやってることがことごとくダメだったら人生やってらんないけどそうじゃないだろ?ダメもとがたまに成功しちゃうから人生面白いんだよ。
安田ああー!ダメもとってさ俺たちみたいなしがないサラリーマンのためにあるような言葉だよな。
あの。ちょっと心当たりあるんで聞いてみてもいいですか?
うちの会社には必要ねえし。じゃあお前個人で買えよ。
もっとテンション上げろよ!何か久々だな。いつ以来?
あのドントノックニューヨークんときだ。っていうかさお前のせいで過去に戻ってくんのこれが最後なんだから。
せめてホワイトボードぐらい買えよ。全然意味分かんないんだけど。
だからお前が披露宴で用意したスライドショーの写真に戻ってきてんの。
最後がプロポーズの日の写真ってセンスねえからマジで。
ホワイトボードよ!なぜお前は人前にさらされながらもそれほどまでにむくでいられるのか!?」
監督何でうちの現場にホワイトボードがねえんだよ!?
お前のコレコレしてねえぞ。はっ?何で健が分かんだよ?
安田それでしたらこちらに黒板がついてるものもあるんですが。
安田いや。ありがとう。君のお陰でノルマ達成できたよ。
自分の設計図が初めて形になったのがこの建物なんだ。
多田出来上がってく建物を見ながら反省したり納得したり奮い立ったり。いろんなことを気づかせてくれた建物なんだよね。
人生の節目を迎えたとき必ず来るようにしてる大切な場所なんだ。
アナウンス「お客さまがお掛けになった電話は電波の届かない…」
多田そうだね。礼に言われたことを何度も反すうした。「ずっと平行線のままだったよ」って。
多田うん。でもあのひと言がなかったら大学残って講師やろうって思わなかったと思うし。
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礼と結婚したいという思いはこの先何年たっても変わることのない答えなんだ。
もう自分の中では答えが出てるのに礼に伝えるのを先延ばしにしたくなかった。
大学を卒業したばっかりでそんなことすぐ考えられないかもしれないけどもし礼の中でも答えが出せるのであればこの先の人生ずっと共有していきたい。
はあー。ケンゾーの言いたいことすごくよく分かるよ。
まだ22だし建築のこともっと勉強したいからって大学院行ったんだし今すぐ焦ってすることないって。
多田先生だってわたしの知らないことたくさんあると思う。
でも大切なのってこれからその人と向き合っていきたいかってことだと思うの。
もっともっと多田先生のこと知りたいと思うしわたしのことも知ってほしいと思う。
《返ってくる答えは分かっていたはずなのに過去と同じ言葉が思わず口をついて出た》
こんなにずっと一緒にいるのにケンゾーは何も分かってないよ。
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《給料3か月分とはいかなかったけどどうしても買いたくなって初任給全額で勝負をかけた婚約指輪》
《サイズを聞かれて礼の指にはまらないと嫌だったから「いちばん大きいサイズで」と頼んだ》
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《ダメもとはやっぱりダメなまんまで終わってしまった》
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尚えっ?健なの?これ。いや背後霊だ。背後霊。いや怖いこれ。
《結局どうあがいたところで俺と礼は結ばれる運命になかったんだ》
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プロポーズの日の写真が最後だったのが気にくわなかったんだろ?
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