第193回国会 内閣委員会 第13号
平成二十九年六月十六日(金曜日)
午前十時二分開会
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委員の異動
六月十三日
辞任 補欠選任
櫻井 充君 神本美恵子君
六月十四日
辞任 補欠選任
こやり隆史君 野上浩太郎君
六月十五日
辞任 補欠選任
矢田わか子君 櫻井 充君
六月十六日
辞任 補欠選任
石井 準一君 自見はなこ君
野上浩太郎君 中西 哲君
櫻井 充君 矢田わか子君
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出席者は左のとおり。
委員長 難波 奨二君
理 事
上月 良祐君
高野光二郎君
相原久美子君
西田 実仁君
委 員
有村 治子君
石井 準一君
江島 潔君
岡田 直樹君
岡田 広君
山東 昭子君
自見はなこ君
豊田 俊郎君
中西 哲君
野上浩太郎君
和田 政宗君
神本美恵子君
櫻井 充君
矢田わか子君
里見 隆治君
田村 智子君
清水 貴之君
山本 太郎君
委員以外の議員
発議者 礒崎 哲史君
発議者 舟山 康江君
衆議院議員
内閣委員長 秋元 司君
国務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(少子化
対策、男女共同
参画)) 加藤 勝信君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(地方創
生)) 山本 幸三君
内閣官房副長官
内閣官房副長官 萩生田光一君
副大臣
内閣府副大臣 松本 洋平君
文部科学副大臣 義家 弘介君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 長坂 康正君
事務局側
常任委員会専門
員 藤田 昌三君
政府参考人
内閣府大臣官房
総括審議官 井内 正敏君
内閣府地方創生
推進事務局長 佐々木 基君
内閣府地方創生
推進事務局審議
官 藤原 豊君
外務大臣官房参
事官 高橋 克彦君
農林水産大臣官
房総括審議官 山口 英彰君
農林水産大臣官
房審議官 池渕 雅和君
農林水産省政策
統括官付参事官 小川 良介君
国土交通省自動
車局長 藤井 直樹君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の
一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
)
○国家戦略特別区域法の適用の停止等に関する法
律案(礒崎哲史君外三名発議)
○青少年が安全に安心してインターネットを利用
できる環境の整備等に関する法律の一部を改正
する法律案(衆議院提出)
○マイナンバー制度の中止・廃止に関する請願(
第一二五号外三六件)
○特定秘密の保護に関する法律の撤廃に関する請
願(第二四三号)
○特定秘密保護法を速やかに撤廃することに関す
る請願(第二四四号外一件)
○保育の拡充等に関する請願(第三八六号外一五
件)
○児童福祉としての保育制度の拡充に関する請願
(第五〇七号)
○子供のための予算を大幅に増やし、安心できる
保育・学童保育の実現に関する請願(第五四一
号外四七件)
○プライバシー権侵害のマイナンバー制度を中止
することに関する請願(第一〇四二号外一四件
)
○レッド・パージ被害者の名誉回復と国家賠償に
関する請願(第一二二五号外六件)
○慰安婦問題の解決に関する請願(第一三二七号
外一一件)
○国民の権利と安心・安全を守る公務・公共サー
ビスの拡充に関する請願(第一四七四号外三一
件)
○国民の安全・安心を切り捨てる地方分権や道州
制を行わないことに関する請願(第一五九六号
外二八件)
○自動車運転適性運用基準の見直しに関する請願
(第二〇八八号外二〇件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
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○委員長(難波奨二君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、こやり隆史君及び矢田わか子さんが委員を辞任され、その補欠として野上浩太郎君及び神本美恵子さんが選任されました。
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○委員長(難波奨二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案及び国家戦略特別区域法の適用の停止等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房総括審議官井内正敏君外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(難波奨二君) 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案及び国家戦略特別区域法の適用の停止等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
○櫻井充君 おはようございます。民進党・新緑風会の櫻井でございます。
まず、文部科学省とそれから内閣府におかれて、メールの再調査をしていただいて公表していただいたことにまずこれは敬意を表したいと、そう思います。まだ全部が、概要が明らかにはなってきていませんが、こうやって再調査していただいたということについては評価をしたいと思います。
それから、これを受けて、今日は午後から予算委員会が参議院側では開かれることになりました。与党の皆さんに改めてこの場で感謝を申し上げたいと、そう思います。ありがとうございます。
さて、この資料の公開の中で、もう一つ新しい問題が生まれてまいりました。それは何なのかというと、ここのお手元の資料にお渡ししましたように、資料四にあるように、ここに生々しくどういう経緯で変わっていったのかということが書かれていて、四つ目ぐらいの段、下から三つ目の段落のところに、「指示は藤原審議官曰く、官邸の萩生田副長官からあったようです。」と、こういうふうに述べられてきております。
そのことについてまずお伺いしておきたいんですが、その前に、資料の二がございます。この資料の二というのは存在が認められてきておりますが、これは一体どこの省庁で作成された文書でしょうか。
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。
御指摘の文書と同内容の文書が専門教育課の共有フォルダに保存されていることが確認されており、文部科学省で作成したものでございます。本文書は、昨年十一月に国家戦略特区諮問会議で追加の規制改革事項が取りまとめられる過程において、内閣府作成の原案に対する文部科学省の修正意見をまとめた資料でございます。
文部科学省といたしましては、獣医師の需給の観点から、特区を所管する内閣府に関係省庁と調整いただきたい旨お願いしてきたところでございます。
○櫻井充君 そうすると、内閣府の原案に対して文部科学省がここで修正を行ったということだと思います。
そしてさらに、資料三になってくると、ここで一部のところ、まず一行目が消され、「広域的に」、「存在し」、「限り」と新しい文言が入ってきているわけですが、ここにペンを入れたのはどこの省庁でしょうか。
○国務大臣(山本幸三君) これは、広域的にという、限りということは、私の指示で内閣府において入れました。
○櫻井充君 なるほど。そうすると、文部科学省、内閣府から来た文書に対して文部科学省が修正して、それを送り返したところ、今度はそこに筆を入れて、内閣府が筆を入れたということでよろしいんですね。
○国務大臣(山本幸三君) そのとおりです。
○櫻井充君 そうすると、これが問題のところになるんですが、資料の四のところにあるように、まず藤原審議官にお伺いしたいと思いますが、藤原審議官、ここについて、そうすると、資料の手直しをされたのは藤原審議官ということでよろしいんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
ただいま山本大臣からもお話がございましたけれども、若干の経緯から申し上げますと、十月二十八日、獣医師系養成大学等のない地域においてという原案を文科省に提示させていただきまして、三十一日に文科省から意見の提出があった次第でございます。また、十一月一日にはワーキンググループ委員と文科省との折衝を行ったということでございます。また、山本大臣が、文科省意見で指摘された日本獣医師会等の理解を得やすくする観点から対象地域をより限定するという御判断をされまして、広域的にや、限ると追記するようにという御指示を受けまして、私が手書きでこの文案に修正を加えた次第でございます。
○櫻井充君 そうすると、ここの手書きは藤原審議官だということが分かりました。
そうすると、ここからです。藤原審議官が、ここ、「曰く、官邸の萩生田副長官からあったようです。」と。このことは事実でしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
今申し上げましたこうした一連の情報でございますけれども、私は直属の部下である担当者にしか伝えておりません。本件メールの作成、送信者に一切伝えていないんでございますが、萩生田副長官云々の話は全くしておりません。
○櫻井充君 この一連のメールの中で、これはまだ見付かっていないと言われているんですが、萩生田副長官御発言概要というところに、まず丸一つ目、問題は、既存の大学・学部では対応が困難な場合にという要件について、これを例えば伝染病研究を構想にした場合、既存の大学がうちの大学でもできますよと言われると困ると、そういうふうにおっしゃっていて、まず、ここのところに、その一行目消してあるところが、既存の大学・学部が対応が困難な獣医師養成の構想が具体化しというところと非常によく似ていることと、それから最後のところで、この概要についてはまだ見付かってはいないと言っていますが、最終的に、私の方で整理しようと、こういうメモがあるわけです。
そうすると、ここの資料四のところのくだりを見てくると、萩生田副長官、副長官の方から何らかの指示があったんではないのかというふうに推察されるんですが、御本人、いかがでしょうか。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 昨年十一月九日の特区諮問会議の取りまとめ文案に私が修正の指示を出したことはなく、昨日文科省が公表したメールの内容は戸惑いを感じております。
○櫻井充君 これは、あとは言った言わない論になってくるんだと思いますが。
もう一つ、ここのその発言概要の中に出てくるのは、四国には獣医学部がないので、その点では必要性に説明が付くのかと、ただし、感染症も一義的には県や国による対応であるので、獣医師会の反論を説明しなければいけないんだと。そういうふうに、これは分かりません、この概要だけを申し上げればそうなってきているわけです。
そうすると、一般的に申し上げると、その地域にないという表現になってくるとどうなるかというと、県にないかどうかということになるんです。広域的にという文言が入るというところが非常にポイントになっていまして、この広域的にということを入れることによって、実は、県だけではなくて、その隣の県も全部含めてというところに、広域的にという文言が入ると、ここが最大のポイントなんです。
であったとすれば、藤原審議官、この広域的には、誰の判断で、どういう議論がなされてこの文言が入ったんでしょうか。
○国務大臣(山本幸三君) 広域的にというのは、文科省のそういう意見とか、そしてワーキンググループの委員等の意見も聞いて、あるいは獣医師会の反対意見も考慮して、私が広域的にということを判断して入れたわけであります。
しかし、その広域的にというところは実は定義はかなり曖昧でありまして、別にどこを外したとかそういうことにはなりません。あとは、広域的にというところをどういうふうに考えるかということだというふうに思います。
○櫻井充君 済みません、まず、文部科学省と相談したという話がありました。文部科学省からもう既に文書が出てきていて、文部科学省側から出てきたものをこれは内閣府が修正して入れているわけですから、文部科学省にちゃんとこれは相談があったんでしょうか。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
○副大臣(義家弘介君) 文部科学省としては文部科学省の修正意見をした上で、この間いろいろなやり取りが行われておりますが、結果としてこのような文言が入ったということでございます。
○櫻井充君 済みませんが、ここは大事な点なんですよ。文部科学省がこれは主導したことですか、それとも内閣府が主導したことですか。
○副大臣(義家弘介君) 文部科学省といたしましては、一貫して、この需給に関してしっかりとした説明が出されなければ、これまで需給の観点から獣医学部の新設を認めてこなかったという経緯もありますから、これは文部科学省というよりは、内閣府、あるいは文部科学省的に言えば農水省等々と調整した結果の判断であろうと思っております。
○櫻井充君 要するに、これ主導しているのはやはり内閣府なんですよ。文部科学省として調整したとか、今そうおっしゃいますが、そこは違いますからね。違うことを言わないでくださいよ、これは大事なポイントなんですから。
じゃ、なぜ判断としてここに広域的という文字を入れたんですか。その根拠を教えてください。
○国務大臣(山本幸三君) これは、文部科学省のそういう意見をいただきました。それから、獣医師会の反対意見、そして何とか改革を早く進めようというワーキンググループの委員の皆さん方の意見、そういうのを聞きまして、最終的に私が判断して入れました。
その広域的にというのは、特にここは駄目とかいうような限定しているわけじゃなくて、そこは解釈に幅を持たせるということも含めてやっているわけであります。
○櫻井充君 済みませんけど、すぐに獣医師会の責任にします。獣医師会は元々反対していました。もし仮に、あれはパブリックコメントを求める辺りに、そのときに、もう仕方がないので、もうつくるのなら一校で勘弁してくれということで出てきているだけの話です。獣医師会のせいにするのは、私はずるいと思いますよ。
まず、ここのところになぜ、獣医師系養成大学等のない地域ではなくて、広域的にという文言をわざわざ入れたんですか。文部科学省の、元々のですよ、内閣府から来たものに対する修正点にはこれがないんです。なぜここに対して広域的にとわざわざ文言を入れたんですか。ちゃんと理由を言ってください。誰とどうしたことではない、なぜ広域的にと入れたのか、そこを明確に示してくださいよ。
○国務大臣(山本幸三君) 元々、獣医師系、獣医師系統の大学がないところに限るということを入れて、限定しようという意図でやっているわけでありますが、文科省等の意見の間で、それだけではまだほかにもいろんなところででき得る可能性も出てくるじゃないかと、そういう意味から、広域的ということで少し広げて制限しようということで考えたわけであります。
○櫻井充君 非常に大事なポイントでした、今。これを入れないとほかの大学でできてしまうからと今おっしゃいました。つまり、やはりどうしても加計学園にしたかったわけですよ。京都産業大学、いや、大臣、今そうおっしゃったんですから。この発言は絶対取消しは許しませんからね。
いいですか、ほかの地域にもできてしまうから、だからここに広域的にと入れたんだと。いいですよ、加計じゃなくても結構ですけどね。だけど、ここで何が落ちるのかというと、京都産業大学が落ちるんですよ、この結果。結局、京都産業大学を落とすために、今そういうふうに発言されていることになりますからね。(発言する者あり)いや、もう答弁は結構ですから。
ここは物すごい大事ですよ。つまり、広域的にというのは、ほかの大学が入ってこれないようにするためだと、そうおっしゃいました。つまり、もうこの時点で京都産業大学は残念ながら認められないような文言に修正されてきているんです。
これを、じゃ、要するに、大臣、大臣の責任でこの広域的にという文言を入れたということでよろしいんですか。
○国務大臣(山本幸三君) 先ほど申し上げましたのは、全国、ほかのところでもいろんな、まさに、ないところ以外はどんどんでき得る可能性があるじゃないかと、そういう話もあったわけでありまして、そこで広域的にということを入れて、そして産業動物医師の確保が難しい地域を優先させると、そういうことを考えて、しかも獣医師会等の慎重な意見等を考えて入れたわけであります。
○櫻井充君 まあいいでしょう。その時点で本当に真剣に手を挙げていったのは京都産業大学だけですから。ですから、京産大と加計学園とどっちにするのかという議論になってきていて、結局、この広域的にという文言が入ることによって京産大は残念ながら手を下ろさざるを得なくなった、これが、これが現実ですから。
つまり、ここのところで内閣府側からこういう文言を入れたわけですが、問題はここからです。これは繰り返しになりますが、官房副長官側から、こういうようなことに、この広域的なという文言を入れてくれという話はあったんでしょうか、なかったんでしょうか、改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本幸三君) 官房副長官からそんな話は全くありません。
○櫻井充君 官房副長官にお伺いしますが、今現在、加計学園のどういう役職をお務めでしょうか。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 私、今、加計学園のではありませんけれども、千葉科学大学の名誉客員教授というのを拝命していただいています。
○櫻井充君 その前はこの加計学園系列でどういう役職に就かれていましたか。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 二〇〇九年、二〇一〇年の四月から千葉科学大学で教鞭を執っておりまして、それ以外のことは何もしておりません。
○櫻井充君 地元でも東北福祉大学という大学があります。その大学に宮城県選出の国会議員の方々が客員教授を務められたりとか、それから義家副大臣も東北福祉大の方で今教鞭執っていらっしゃいますから、あっ、ゼミ持っているんでしたか、今は辞めちゃった、今は、そうか、辞めちゃったんですね。前はそういうふうにされていたので、こういう関係があること自体は別におかしくはないんですが、これ、副長官、どういう経緯でそこで教鞭を執るようになったんでしょうか。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 私は文部科学行政に深く関わってまいりまして、政務官も務めておりまして、その中で私学の皆さんとの様々なお付き合いがあって、たまたま落選をして時間ができてしまったときに、複数の学校から、もし時間があるんだったらうちでそういう仕事をしないかということを声を掛けていただいて、この学校のみではないんですけれども、他の学校でも働きましたけれども、その中の一つがこの学校でありました。
○櫻井充君 多分、何も知らないで声を掛けてくるということはほとんどないことであって、それ以前からこの加計学園の理事長とお付き合いはありましたか。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 私、理事長とはお付き合いはございませんでした。
○櫻井充君 しかし、そこで働くようになったからには、それは理事長とお話しすることはありましたよね。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 入学式など、全体行事のときに控室でお会いすることはございました。
○櫻井充君 加計学園グループ全体で獣医学部をつくっていきたいということはもちろん知っていましたよね。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 私、当時はそのことを全く存じ上げませんでした。
○櫻井充君 いつ頃そのことを知りましたか。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 政府に入って、そういう動きが各府省で行われているということで、文科省等々から説明を聞いて初めて承知をしました。
○櫻井充君 千葉科学大学では、あの銚子の地域に獣医学部などをつくっていきたいという構想もあるということは、それは御存じですか。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) いや、存じ上げません。
○櫻井充君 そういうことで、どの時点でかは分かりませんが、少なくとも加計学園に関して、加計学園が獣医学部の新設を行いたいということは承知していただいたということなんだと思います。
さて、そこで、四月の二日に、今治市の課長そして課長補佐の方が首相官邸を訪れているんです。これは、首相官邸を訪れているのはこれまでの委員会で認めてくださっています。これはずうっと質問通告をしておりまして、四月の二日、これは内閣府に行く予定だったんです。内閣府にももちろん行ったんです。内閣府に行った後に、わざわざ一時間半も時間取って首相官邸に行ったと。これは、今治市の情報公開からこの資料が出てきています。
問題はここからなんですが、四月の一日に、四月の一日に急遽日程が変わっているんです。四月の一日に急遽、なぜか分からないけれど日程が変わって、二日に首相官邸を訪れてきています。このときに、今治市の市役所の職員は、首相官邸でどなたとお会いになったんでしょうか。
○内閣官房副長官(萩生田光一君) 参議院の農林委員会でずっと私がお答えしていますので、私の方から答弁させていただきたいと思いますが、平成二十七年四月二日に今治市の職員が総理大臣官邸を訪問したかは、訪問者の記録が保存されていないため、確認ができませんでした。
念のため、私、平成二十七年四月二日当時は官房副長官ではなかったんですが、たまたま農林委員会でこの質疑が出て、今官邸にいるということで調べてこいということで、私が答弁をしております。
○櫻井充君 しかし、ここ本当に大事なポイントなんですよね。例えば、本当に今治市の方に申し訳ないけれど、一課長が官邸に行けるはずがないんですよ、自分一人で。ですから、誰かが官邸の中で、御案内という役というわけではありませんが、連れていっていただかなければ入れない場所だと思っているんです。これはずうっと質問し続けてきていますが、結局のところは記録がないということで逃げられています。森友学園のときと全く同じでして、記録がない記録がないと言って、残念ながらきちんとした答弁をしていただけていないんです。
ただ、ここは、これはもうマスコミの方々にもちゃんと知っておいていただきたいのは、四月の二日に今治市の職員が首相官邸は訪れている、ここは認めてくれているんです。今治市の記録にも残っています。残念ながら、誰と会ったのかということについてはずうっと政府は隠し続けているんだと私は思っていますが、答えていただけておりません。しかも、四月の一日に誰からか連絡が入って、誰からか連絡が入って、その上で行程が変わってきています。
内閣府にずっと問いかけていますが、内閣府ではないということであれば、内閣官房の方から今治市の方にそういう連絡をしたことがあるんでしょうか。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(山本幸三君) 内閣府としてはそういうことは承知しておりませんが、内閣官房については私どもではちょっと今分かりません。
○櫻井充君 済みませんけれど、四月の二日のことについてはずうっと言い続けているんですよ。これ早くちゃんと、ちゃんと調べてくださいねとお願いしていて、内閣府で違うと言うから、ちゃんと答弁できる人にしてくださいと。で、内閣官房なんですかと言っても答えていただけていないんですが、改めてお伺いしておきたいと思います。
内閣官房から今治市の方に日程の変更の連絡をした記録はあるんですか。記録がなければないでも結構です。
○国務大臣(山本幸三君) その点については、内閣官房にも事務方から聞いてもらって、分からないということであります。
○櫻井充君 こうやって、都合の悪いところは分からないということになっちゃうんですよ。でも、総理からの指示なのかどうか、総理の御意向なのかどうか、ここで官邸が動いているかどうかということを本当に調べていく点では、これは一番大事なところなんですよ。
昨日、私は農水委員会でいろいろ指摘させていただきましたが、明らかに今治市はもう加計学園ありきでずうっと動いてきているんです。それから、愛媛県知事は記者会見で、この間、藤原審議官は五月のことだけ答弁されていましたが、四月の段階ではもっと踏み込んで、内閣府から言われて、助言があって、それで半信半疑で始めてみたけれど、あっという間に進んでいったと、こんなに早く進んでいくと思わなかったし、夢のようだという趣旨の発言もされてきていることから考えると、当然、官邸側ではなくても国主導でこのことが進められていったことは私は間違いのない事実なんだと、そう思っています。
そういう意味で、内閣府が主導してきているのか、それともここに書いてあるような総理の御意向で官邸主導になってきているのか、このことが明らかにならない限り、この疑惑は絶対に晴れないんですよ。そういう意味で、総理からの御意向だとかそういうことを、これ、藤原審議官、この文書の中でありますよね、九月二十六日だったかな、ここのところで総理の御意向という言葉使われていますよね。これは事実なんでしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
かねてより御答弁させていただいておりますけれども、委員御指摘のようなこの文書やメール等の有無にかかわらず、昨年秋、九月頃でございますが、文科省の管理職との面談におきまして、獣医学部新設という個別の項目につきまして、官邸の最高レベルが言っているなどとお伝えした、あるいは総理の御意向だと聞いているなどとお伝えした認識はございませんし、また総理からもそうした指示等は一切ございません。
他方、総理は常々、特区諮問会議で、個別の項目や個別のプロジェクトではなく規制改革全般についてスピード感を持って実現すべき旨発言されておりますので、こうした総理の発言を受けて、私ども事務方が特区ワーキンググループやこういった非公式な協議の場などで関係各省との議論を行う際にこうした総理発言に言及させていただくことは十分あり得たというふうに思っております。
○櫻井充君 平成二十八年九月二十六日、藤原内閣審議官との打合せ概要、このペーパーは見付かっているわけですよね。義家副大臣、確認しておきます。
○副大臣(義家弘介君) 同内容の文書の存在が確認されたところでございます。
○櫻井充君 つまり確認されているんですよ、藤原審議官。藤原審議官、そこの中でちゃんと、まず、平成三十年四月開学を大前提にと。
じゃ、済みませんが、このことはおっしゃっていますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
私ども内閣府は規制改革を推進する立場でございますので、常々できるだけスピーディーにと、先ほど申し上げましたけれども、法令に基づいて規制改革を実行すべきだという考えを持って関係各省との事務的な折衝に当たっております。
しかしながら、文科省との事務的な議論の中で、官邸の最高レベルが言っているとして、平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたいと申し上げたとは認識しておりません。
○櫻井充君 じゃ、要するに、ここに書いてあるペーパーは全部事実じゃないということですか。一つ目の丸ポツは、これは全く違うということですか。
○政府参考人(藤原豊君) 繰り返しになりますけれども、スピーディーにこの規制改革を進めるという立場から、こういった選択肢について様々な議論、ブレーンストーミングを関係各省とさせていただいたことは事実でございます。
○櫻井充君 済みませんけど、これ言ったか言わないか、ちゃんとどっちかで答えてくださいよ。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
繰り返しになりますが、平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたいというふうな、申し上げたことは認識しておりません。
○櫻井充君 ここはすごくうまく逃げているんですよ。逆算して最短のスケジュールとか、そういうことは言っていないかもしれないんですよ。
平成三十年四月開学、この点については言いましたか。
○政府参考人(藤原豊君) 繰り返しになりますが、三十年四月というオプションも当然あるわけでございます。ただ、それを前提にした議論ということは、確定的に申し上げたつもりは全くございません。
○櫻井充君 そうでしょうか。内閣府と今治市のやり取りの中で、情報を共有したいからといってスケジュールを作ってくださいと、これ内閣府主導で出しているじゃないですか。
このメールが正しいものなのかどうか、存在していたのかどうか、今日の記者会見もう一度改めて見させていただきたいと思いますが、なければ、ここもすごくポイントになるんですよ。内閣府の方から北九州市の例を持って、これでタイムスケジュールの表を作ってほしいと、これはあくまで共有するだけだからと。そこの中に何と書いてあるかというと、平成三十年四月とはっきりと書いてあるんです。ですから、内閣府がこれを認識していないはずがないんですよ。
藤原さん、改めてお伺いしますが、平成三十年四月というのは内閣府の頭の中にあったわけでしょう。
○政府参考人(藤原豊君) お答えを申し上げます。
平成三十年四月というのが最終的に内閣府の方で設定させていただいたのは、大臣からも御答弁いただいております、告示のパブリックコメントをさせていただいた、去年の十一月十八日でございますけれども、これはむしろ内閣府、国が、最短の、できれば規制改革をスピーディーに進めるという意味で設定させたものでございまして、それ以前につきましてはそういった議論は、選択肢の一つとしてはございますけれども、それを前提にした議論は行っておりません。
○櫻井充君 まあ本当にひどい答弁なんですよ。
そして、もう一つは、やはりこのモデルになったのは何なのかというと国際医療福祉大学なんですよね。ですから、その国際医療福祉大学と全部比較をして、ここがこういうふうにでき上がっていっているからこういうやり方にしましょうねと、そういう話になってきていて、ここの三省合意について、三省の方針に一校と記載したんだと、成田の場合には。諮問会議としては三省が決めたことなど知ったことではないが、方針を出さないと省としてもたないということで作ったと。しかも、裏では政治的なやり取りがあったと。
つまり、国際医療福祉大学をつくったときにもここに政治的なやり取りがあったというふうに記載されているんですが、これは事実でしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
そういった政治的やり取り等々については全く認識しておりません。
○櫻井充君 つまり、そうすると、このペーパーは存在するけれど、全てが事実と異なるということですね。
○政府参考人(藤原豊君) 内容については、そういった意味で、私ども認識していないところが非常に多いというふうに思っております。
○櫻井充君 これは文部科学省の中で私は官僚の方からお伺いしましたが、国際医療福祉大学には文部科学省、厚生労働省、様々な省庁から天下りの役人の方がいらっしゃるんですよ。その方から、これは政治案件だから、もう文部科学省、あとはつべこべ言わずにさっさとやれと、そういう指示が出ていると。これは前川さんではありません、また別な事務次官の方からそういう電話が掛かってきていて、省内ではこれはもう政治的案件だというふうにして取り扱われていきました。だから、これ、まさしく同じことなんです。ここに書かれていること自体、私は事実だと、今までのことを積み重ねてくると事実だと、そう思っています。
今、こうやって違うというふうに言ってきましたが、義家副大臣、これは本当に文科省の人たちが捏造したものなんでしょうか。全く違うことをここに書いたことなんでしょうか。
○副大臣(義家弘介君) 追加調査におきましては、本文書を作成したと考えられる担当職員からもヒアリングを行っておりますが、官邸の最高レベル等々の文言について、ここに記載されている以上、そうした趣旨の発言があったのだなと思うが、その真意は分からないというヒアリング結果でございます。
○櫻井充君 つまり、ここにちゃんとした発言があったんですよ。あったからこういうメモになっているんですよ。
これは、藤原審議官、改めて、もう時間が来ましたから、これは全部捏造だということで、そういう言い方になっていますが、そういうことでよろしいんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
全部か一部かというところにつきましては私個人的に判断できないところでございますが、何度も申し上げますが、この総理の意向あるいは官邸の最高レベル等々についての発言は全く私どもとしては認識しておりません。
また、この時期でございます、繰り返しになりますが、総理の指示が九月の九日に諮問会議でも行われております。その一週間後のワーキンググループで私も申し上げておりますが、とにかく全体の規制改革を、個別のプロジェクト、個別の分野ではなく、全体で進めていくという観点から、仮に発言をするとすれば、そういった視点から御発言をさせていただいた可能性は十分あると思っております。
○委員長(難波奨二君) 櫻井充君、おまとめください。
○櫻井充君 はい。
時間が来ましたので一言だけ申し上げておきたいんですが、やはりどこかでこれ政治的なものが働いているんだと。国際医療福祉大学のときにもこう発言されていて、ここで当然そんなことを言ったら大変なことになるから隠そうとするのは当然のことなんですが、本当に国家戦略特区を使ってこういう利権が生まれてきているということが僕は明らかになってきているんだと思っているんです。
そういう意味合いでは、まだまだこれ審議尽くしていませんから、これで国会閉じることになるんだろうと思いますが、是非閉会中の審査も求めて、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
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○委員長(難波奨二君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、野上浩太郎君が委員を辞任され、その補欠として中西哲君が選任されました。
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○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
私も、昨日の文部科学省からの文書はあったというこの記者会見を見て驚きました。これまでの私たちの質問に対する答弁は何だったのかと、これまでの答弁に数々の虚偽があったと、これもう言わなきゃいけないような事態になっています。そして、内閣府も、その調査を受けて初めて山本大臣が、じゃ、これに対応する文書があるかどうかの調査を命じたという。
これまでの委員会で、私たち、何度も内閣府こそ調査が求められているんじゃないのかということを求めてきましたが、一切拒否していましたよね。その対応は誤りであったと、まず山本大臣、これ謝罪すべきじゃありませんか。
○国務大臣(山本幸三君) 文科省等の文書については、私どもはその存在について承知する立場でありませんでしたから、それ以上のことはコメントできなかったわけでありますが、ただ、その中で指摘された、私どもの担当者が総理の意向とか官邸の最高レベルが言っていることとかいうような言及がされておりましたので、そこは調べなきゃいけないということで、担当、責任者に調査を命じて、そして聞き取り調査をやってもらって、そうした発言はなかったということを二回にわたって確認して調査をして申し上げたところであります。
○田村智子君 何の反省もないんですよね、結局、その答弁では。
今日、私も、今、櫻井議員が使った、文科省にあったと、藤原内閣府審議官との打合せ概要、昨年の九月二十六日、これ、私も配付資料として配りました。これに沿ってお聞きをしたいんですが、その前提で、この文書がなかったというふうに内閣府の調査結果が先ほど発表になったようなんですけれども、それはそうですよ、文部科学省が作成した文書でしょうから、文部科学省がお届けしない限り内閣府にはないでしょう。
問題は、こういう文書が明らかになったら、じゃ、こういうやり取りをしたのかということを確認したのかどうかなんですよ。山本大臣、確認したんですか。こういうやり取りがあったのかどうか、藤原審議官、佐藤参事官に確認をしたんですか。
○国務大臣(山本幸三君) そういう、その文書についてまだ存在がはっきりしていないところで全てについてやる必要はないというふうに思います。ただ、内閣府の担当者がそういう総理の意思とかそういうことについては、そこはきちっとしなければいけないということで、二度にわたって調査をいたしました。
○田村智子君 じゃ、ヒアリングやっていないということですか。藤原審議官や佐藤参事官にこういう中身での話合いをしたのかという確認していないということなんですか。
○国務大臣(山本幸三君) そういう発言をしたのかどうかということについては、ちゃんと調査をして申し上げたところであります。
○田村智子君 いや、一つ一つここまで具体的なんですよ。具体的だから、一つ一つ確認していかなきゃおかしいと思うんですね。やっていないということでよろしいですね。やっていないんでしょう。答えられる方、答えてください。
○国務大臣(山本幸三君) そういう文書が本当に存在するかどうかということで確認がなければそういうことはできないわけでありまして、それができたということで今回調査をしたわけであります。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
昨日、大臣より指示がありまして、対象者九名、地方創生推進事務局の事務局長以下九名に対して調査を行い、先ほど調査結果を公表させていただきました。その中で、実際に文部科学省側が作成したと見られる、あるいは存在していたというものについて、内閣府について言及のあるところにつきましては、九名全員につきまして、昨日三時以降、私がヘッドになりまして、やり取りがあったか、そういう話が出ていたかというのを確認しましたところ、いずれの職員からもそのような事実はなかったという答えがありましたのでそういう調査報告をさせていただいたところでございます。
○田村智子君 そのような話というのは、全部否定ということですか。この協議自体がなかったということなんですか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
調査報告の中で、特に今委員が御指摘されているんだと思いますけれども、藤原内閣府審議官との打合せ概要というのがございます。それについてまずお答えいたしますけれども、私がヒアリングをして報告書に書かせていただいたことを申し上げますと、まずヒアリング対象者全てがその文書は見たことがないということで、さらに、ヒアリング対象者の中では、この内閣府からの実際の出席者が、文章が、記載が食い違っているとか、そういう正確性に係る疑問も指摘されました。ただ、この時期、第一回今治市分科会が開催された直後であって、関係省庁と様々な調整を行っていたことから、具体的な日時は不明であるけれども、このような会合に出席していた時期であったということは事実であるという回答がございました。
ただ一方で、この中にありますような官邸の最高レベルが言っている等の発言については、ヒアリング対象者の全てが発言していない、聞いた記憶はないと回答しておりまして、さらに、官邸の最高レベルという変わった言い方が実際に行われたのであれば強く印象に残るはずだが、自分の記憶に残っていない点からもこのような発言はなかったのでないかと思うという、そういう発言もございました。
以上でございます。
○田村智子君 これ、中身がよく分からないんで、藤原審議官に私もう直接お聞きします。ちゃんとしたヒアリングやっていないとしか言いようがないですね。
今もお話のあった、まず平成三十年四月開学という言葉を、じゃ使ったんですか、九月二十六日。平成三十年四月開学、スケジュールを作成し、こういう言葉を使ったんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
内閣府としまして、全ての項目でございますが、規制改革を推進する立場ということで、スピーディーかつ法令に基づいて規制改革を実行すべきという考え方を持って関係省庁との事務的な議論をしているところでございます。
文科省との事務的な議論の中で、この時期でございますが、この官邸の最高レベルが言っているということで、三十年四月の開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたいというふうに申し上げたことは認識してございません。
○田村智子君 いやいや、ちょっと、逆算して最短のスケジュールは言ったという意味ですか。もう一度。逆算して最短のスケジュール。
○政府参考人(藤原豊君) 逆算して最短のスケジュールを作成して共有いただきたいなどと申し上げたことは認識してございません。
○田村智子君 待って、待って、ちょっと待って、済みません。じゃ、開学の時期、スケジュールについて、平成三十年四月開学と、こういうことを言ったのかどうかって聞いているんですよ。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
この時期でございますので、各省の役割分担でございますとか、こういった仮に規制改革が実現したときのスケジュール感につきまして議論をさせていただいておりますが、開学時期を明示しながら、あるいは選択肢の一つとして議論したことはあったかもしれませんけれども、それを前提にした議論ということは全くないと思っております。
○田村智子君 いや、口にしたんでしょう、平成三十年四月って。口にしなかったらメモにならないでしょう。
○政府参考人(藤原豊君) そこの会議で何をどう発言したかというのは全く記憶にございません。ただ、申し上げたいのは、これスケジュールにつきましては様々なブレーンストーミングを文科省ともやっておりますので、その中で選択肢として一つ二つ、その中で最短のスケジュールという意味では平成三十年四月のスケジュールというのはあったと思います。
○田村智子君 もう記憶にないんだったら、文科省の方が記録しているからこれが真実だというふうに考えるしかないじゃないですか。あなたは何をお話ししたか記憶にないと言うんだから。そうでしょう。そうですよね。
○政府参考人(藤原豊君) 繰り返しになりますけれども、最短のスケジュールということで、選択肢の一つとして議論があり得たというふうに思っております。
○田村智子君 じゃ、最短のスケジュールは平成三十年四月だとあなたは口にしたということを今お認めになったと、そういうことだというふうに考えます。
そのときに、確かに、総理の御意向というふうに言ったか、まあ総理のと、官邸の最高レベルですね、ここは。こういう言葉じゃなかったかもしれないが、あわせて、こういう規制緩和は進めることが総理の御意思だということを言ったということなんですよね、先ほどからの答弁は。そうですよね。ここで、国家戦略特区で進めている規制緩和というのは、安倍総理自身の御意思でもあるということを言ったということでしょう。さっきの櫻井さんへの答弁はそういう中身だと思いますが、違いますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
全ての項目、分野につきまして、全般的に規制改革を進めてくれと総論的な御指示を総理からはいつも諮問会議の場ではいただいていると思っています。
そういった総論的な、進めていくべきだというお話を受けて、私どもは各論につきましてもそういった進め方をさせていただいております。これは、いつもワーキンググループ等々でも、民間の委員の方もそうですが、私どももそういった意識で仕事をさせていただいておりますので、そういった意味で、過去にあるいは直近に行われました総理の明確な御指示を受けて仕事をさせていただき、かつ発言をさせていただいたことはあり得たと思いますが、日程は定かではございませんけれども、この会合、こういった打合せの場でそういったことまで申し上げたかどうかというところにつきましては定かではございません。
○田村智子君 もう、ただ、言っていたということですよね、こういう三十年四月開学ということも口にし、そして規制緩和というのは、総論かもしれないけれども、これは常々総理の意思だということもわざわざ文部科学省との打合せの中でこれは述べていたというふうに、今もう認めたというふうに私は思いますよ。
じゃ、次、二つ飛ばしての四つ目の丸のところで、「今治市構想について、獣医師会から文科省・農水省に再興戦略を満たしていないと指摘する資料が届いており、簡単ではない旨の指摘に対し、」と括弧付け。これは、文科省の方から指摘をしたという意味でしょう。獣医師会から意見が来ていて、今治市のでは新たな需要とか、これクリアできていないと、これまでの既存の大学・学部で対応できないこと、そういう中身になっていないと、こういう意見が届いていると、こういう指摘が文科省からあった。
そのときに、藤原審議官は、必要であれば、成田のときには医師会を呼んだと、だから、今治の分科会で獣医師会を呼ぶこともあるんじゃないかという趣旨のことを述べているというふうに書いてあるんですよ。ただし、成田の場合は反対派は呼んでいないが、有識者を呼ぶ回をつくった方がよければやると、こういうやり取りはあったんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
ほぼ一年前に成田市におきます医学部の議論が行われておりましたので、その様々なやり方につきまして、方法論につきまして、幾つかの選択肢を文科省の担当の方々と御議論をさせていただいた時期だというふうに思っております。
ただ、この分科会に医師会云々のくだり、そこまでの議論がここで行われたということは認識してございません。
○田村智子君 文科省から、今治市構想についてこれこれの資料が届いているという御質問はあったということでよろしいんですね。
○政府参考人(藤原豊君) 大変申し訳ございませんけれども、この場でそういったお話があったかどうかということにつきましては定かではございません。
○田村智子君 藤原審議官、知っていましたか、今治市構想について、獣医師会からこういう意見が文科省、農水省に届いている、それは知っていましたか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
当然のことながら、ずうっと告示改正ができなかった問題でもございます。大変長い間、議論を重ねてもできなかった話でございますので、大変文科省の方々も慎重であったことは当然認識しておりますけれども、明示的に、獣医師会からこういった資料が届いておるというふうな御指摘につきましては、私は記憶にございません。
○田村智子君 こんな大切な問題を進めるのに、そこで情報共有ないということですか、文科省との。獣医師会からこういう意見届いていると、情報共有なかったんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げますけれども、管理職レベルでの議論というのは、当時、もう二、三回やったというふうに記憶しておりますけれども、様々なレベルでの議論あるいはやり取りというのをやっておりますので、その中でそういった話があったかもしれませんが、少なくとも私はこの点につきましては記憶にはございません。
○田村智子君 じゃ、このヒアリングの中で、そのまず平成三十年四月開学というのは言葉としてあっただろうと。今治市ということは言葉としてあったんですか、ヒアリングの中で、文科省とのこのやり取りの中で。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
このヒアリングといいますか打合せが、この時点、時期、何分間、どういうメンバーでというところにつきましても定かではございませんけれども、この時期に行われている議論の中で、この獣医学部新設についての議論をする中で、まだ、京都の提案というのも本格的に詳細なものが出てきましたのは十月でございましたので、この時期に本格的にこの議論をするということにつきましては、対象候補の一つとして今治市の議論があったというふうには認識しております。
○田村智子君 今治市の名前も挙がったと。
で、そのもう一つ飛ばしたところに、これも文科省からの問い、他の新設提案者はどうするのかとの問いに対して、成田市の際には三省方針に一校と記載をしたと。こういうやり取りはありましたか。
○政府参考人(藤原豊君) この会議かどうかは分かりませんが、先ほど申し上げましたように、成田市のケースと同じ告示でございますので、成田での進め方というのを一つの参考にしながら様々な議論をさせていただいたということはございました。
○田村智子君 他の提案者との関係はどうするのかと、他の新設提案についてはどうするのかと、こういう問いはあったんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
そういった問いがあったかどうかというところももちろん定かではないのでございますけれども、一般論として、こういった議論、成田のときもそうでしたけれども、私ども、そういったブレーンストーミング、何者もこういった事業候補者が出てくる可能性というのは十分あるわけでございますので、様々なブレーンストーミングをさせていただいた時期だというふうに認識しております。
○田村智子君 この時点でもう他の提案者というのは京都しかないわけですよ。それじゃ、京都というのが出てくるのをどうするのと、成田の場合は一校に限りと書いたから、今治に落ちるようにできるよというやり取りにしか取れないんですよ、これは。
山本大臣、これ、ちゃんとしたヒアリングやっていないじゃないですか。一つ一つ、ここに書かれていることの、じゃ、意味が違うとか、言っていないんだったら何を言って何を言わなかったのか、こんなの確認するの当然じゃありませんか。やっていないんでしょう、それを。
○政府参考人(井内正敏君) ヒアリングの中で個別に、どこについてということではないんですが、内閣府に特に言及をされていて、その問題と今されている点につきましては特に御本人からも詳しくヒアリングをさせていただきましたし、さらに、周りに他の職員がございます、その中にも、こういう発言があったかどうか、そういうことについて詳しく聞いております。そういうところにポイントを絞って、しっかりと調査を実施したことでございます。
○田村智子君 これ、答弁になっていないんですよね。
私は、もちろん官邸の最高レベルが言っていることということを言ったかどうかというのは重大な問題だと思いますよ。だけど、私がこれまでずっと質問してきたということは、内閣府自身が今治市ありきで様々な協議を今治市と行い、そして文科省や農水省を言わば圧力掛けてそれに屈服させてきたんじゃないのかということをずうっと聞いてきたんですよ。前回の質問では、今治市から出てきた平成三十年四月開学、こういう予定を今治市がスケジュールとして持っていたと、そのメールが内閣府にも届いていると、それをお認めになったんですよ。場合というのを付けたけど、平成三十年四月開学の場合というふうにおっしゃいましたけれども、それが最短のスケジュールだという認識が内閣府にあったということを追及してきたんですよ。
ところが、山本大臣は、私の質問に対して何度も何度も、事前に提案者との協議はありません、今治市がどのように判断しているかについて私どもはそれを承知しておりません、さんざんそういう答弁を繰り返しているんですよ。違うじゃありませんか、文部科学省から出てきたのは。ほかの文書だって、今治市という言葉が出てくる、平成三十年四月開学、そういう言葉がたくさん出てくる。今治市とそのスケジュール感を共有して、その今治市に結論が出るように、つまりは加計学園に結論が出るようにと、こうやって文科省、農水省とのやり取りを進めてきた、これ以外に出てきた資料の説明は付かないんですよ。そうじゃないですか。
○国務大臣(山本幸三君) そんなことはありません。
それぞれ、私どもは、まず制度を改正するかどうかを決めるわけであります。つまり、獣医学部の新設を認めるかどうかということをまず制度改正として決めるわけであります。これは、ワーキンググループの有識者のヒアリング、そして区域会議、最終的には十一月九日の特区諮問会議で、そういう、制度を変えて獣医学部新設をやりましょうということをまず決めるわけでありまして、その前段階で今治市ありきなんということはありません。
ただ、今治市が従来から長い間を掛けてそういう提案を熱心にやってきたということは十分承知しているわけであります。そして、ほかのところも手を挙げてきたということも承知しております。
しかし、そういうことを承知しておりますけれども、やることは、まず制度を変えて獣医学部の新設を認めるかどうかということを決めて、それから、今度はパブリックコメント等を経て、そして最終的に一校に限ると。そして、最後の段階で、一月四日に今治市で公募をするということは、それは私が最終的に判断しました。しかし、制度を変える前に、経緯はそれぞれの地域等からもありますけれども、一切その段階で今治市ありきということはありません。
○田村智子君 今の答弁が覆る資料が文部科学省からこれだけ出ているんですよ。そんな言い逃れが通用するはずがありません。
徹底的な審議を引き続き求めて、質問を終わります。
○清水貴之君 日本維新の会の清水です。どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、民進党さんが提出されました国家戦略特区法の適用の停止に関する法律案に関しまして、発議者の皆さんにまず御質問したいと思います。
停止法案なんですけれども、そもそも民進党、当時の民主党さんは、平成二十五年、この法案の審議の際には修正案を出して賛成をされています。今回は停止法案を提出ということなんですが、この意図、先日のこの趣旨説明のときにも説明はありましたけれども、そもそもこの特区制度、岩盤規制を区域を限って打ち破っていくんだというような制度の趣旨そのものに反対、反対といいますか、賛同できないという思いからの停止法案の提出なのか、いや、その趣旨には賛同するけれども、今の運用状況とか、こういったところに納得がいかない部分があると、そういった思いなのか、この辺り、いかがでしょうか。
○委員以外の議員(礒崎哲史君) お答えをいたします。
私どもは、様々な規制改革メニューの活用を通じまして成長力のある日本をつくるという国家戦略特別区域制度の考え方自体、これを否定するわけではありません。改革についてはやはり積極的に進めるべきというスタンスを取っております。
その上で、今回、様々な事由が進んできた中において、その運用の結果として様々な疑義を持たれる案件が出てきたという実態に踏まえまして、やはりそれについては一度立ち止まり、点検をする必要があるのではないかという考えに及んでおります。
文部科学省が絡んでおります今回の加計学園の問題につきましても、これまでないと言っていたメモが実際に昨日は文科省が調べたら改めて出てきたというお話もございましたし、その前で、そもそも前事務次官が行政がゆがめられたという発言もされておりました。
そうしますと、じゃ、本当に行政がゆがめられていたのかどうか、その現実はやはりきちっと調べる必要があるというふうにも思いますので、こうした実態も踏まえて改めて点検をすることが必要だ、その思いで提出をさせていただいた、そういう次第でございます。
○清水貴之君 御党の中のそもそもの議論の中で、廃止法案でもいいのではないか、そういった議論もあったというふうにも聞いているんですけれども、今回は停止法案ということです。廃止ではなくて停止とされたのは、これはなぜなんでしょうか。
○委員以外の議員(礒崎哲史君) お答えをいたします。
今お話がございましたけれども、党の中でもどうすべきかという様々な議論をさせていただきました。
ただ、今回、最終的には、この国家戦略特別区域制度におきましては、今治市におけます獣医学部設置の問題のみならず、ほかにも公正性、透明性に疑いがある事例というのは出ているんだろうと。ただ、それに対しましては様々な影響もいろいろある可能性が、いきなり廃止云々にしますと、いろいろな影響も出る可能性があると。
そうしたことも踏まえまして、やはり適用を一旦凍結をして、その間に改めて区域制度に関する制度の抜本的な見直しを行うと、こういう進め方がやはり適正であろうというふうに考えまして本案を提出した、そうした次第でございます。
○清水貴之君 そもそもの趣旨、考え方には反対するものではないというお話がありましたが、そうしますと、停止された、まあ廃止まではいかないのかもしれませんが、その停止されている間、この岩盤規制に対してどうやって、その間もやはり様々規制緩和というのは進めていくべきだと思うんですが、どう対抗していくのか。若しくは、その後の話ですね、制度の見直しというのをその間に進めたいという話ですが、どういったやり方でこの岩盤規制と向き合っていくのがふさわしいというふうに考えていらっしゃるのか。この辺りの考え、聞かせていただけますか。
○委員以外の議員(舟山康江君) どのような方法で岩盤規制をというお話でありましたけれども、まず、真に壊さなければいけない岩盤規制というのは何なのかというところを考えなければいけないと思います。その規制をなくせば、法の目的である産業の国際競争力を強化させるとか国際的な経済活動の拠点を形成するということにつながるのか、そこが最も大事ではないかと思っております。規制は全てなくせばいいというものではありませんし、真に必要な規制も存在すると、まずここを確認させていただきたいと思います。
その上で、いわゆる本当に壊さなければいけない、これがあるから本当にやりたいことが止まっているんだというその岩盤規制をどう破っていくかということにつきましては、私は、基本的には、国民の代表たる私たち国会議員が議会や若しくは与党内でしっかりと議論をしてチェックをして進めるべきでありまして、やっぱり、間違っても、一部の有識者と言われている方々に丸投げをして、不透明な形で、手順や方法を無視するような形で進められることは決して許されることではないのではないかと思っております。
実際、残念ながら、表の会議ではない裏の水面下の調整で大事な方針、方向が決まっているという、こんな実態も随分と聞こえてまいりました。そういったゆがんだ状況をまず正して、そしてしっかりとやっぱり見える形で本当に国会の場で議論をするという、こういった手順を踏むべきではないかと思っておりますし、今回の見直しの中でそこも含めて検討していきたいと思います。
そうはいっても、今これを一旦停止するとなりますと、新たなものをどうするのかという疑問だと思いますけれども、実際、規制の見直しという意味におきましては、構造改革特区、総合特区は今ちょっと止まっておりますけれども、構造改革特区も決まっておりまして、こちらの方はやはり現場の規制を所掌する行政なども含めて議会のチェックが働く中で動かすことができますので、こういったことも活用しながら埋めていくべきではないかと思っております。
○清水貴之君 あと何点かお聞きしたいと思うんですけれども、これ、「施行後二年以内を目途として、」という、二年という時限を付けていらっしゃるわけですね。このすぐに停止しないその根拠、二年という期間を置いたその理由を聞かせていただけますか。
○委員以外の議員(礒崎哲史君) お答えをいたします。
本法律案につきましては、国家戦略特別区域法の適用について、施行の日の状態で一旦凍結をすると、その間に、法の施行後二年以内を目途として、国家戦略特別区域に関する制度の抜本的な見直しを行うということを政府に義務付けているということで、今御説明をいただいたとおりでございます。
この新規の区域計画の認定等が、公布後から二月を経過した時点で停止をされるということになっております。この点、まずこの二月後としたのは、新規の区域計画の認定等を凍結をして制度の抜本的な見直しを行うという本法律案の趣旨から、本来であれば、これはすぐに、できるだけ早く、なるべく早くすべきだという考えがあります。ただ、その一方で、ある程度手続が進んでいる案件につきましては、規制の特例措置等の適用を見込んで実際にもう活動している方たちもいらっしゃるということもございますので、そうした私人の利益等も踏まえると一定の配慮が必要な場合もあるということをまず考慮したというものでございます。
また、施行後二年というものに関しましては、国家戦略特別区域に関する制度の抜本的な見直しを行う期限のこととしておりますけれども、二年としたのは、国家戦略特別区域に関します個々の制度の抜本的な見直し、これもできる限り早く行うべきという考えは持っておりますが、一方で、相当広範囲、また多岐にわたる分野においての詳細かつ慎重な検討が必要となろうということも考慮をいたしまして、ある程度の、二年という期間を置いたということでございます。
○清水貴之君 今の制度との兼ね合いでいろいろ配慮をされたというふうに理解をしています。
ただ、やっぱり現場は混乱するんじゃないかなという懸念も持っておりまして、これ最後、残り二つ通告させていただいています、これ一緒に聞かせていただきたいというふうに思います。
制度の面と人の面ですね。事業というのは、今お話ありましたように、もう既に進んでいる事業がもうたくさんあるわけですね。進めようと思って向かっている事業もあるわけですね。そこが急にこれ止まる、ちょっと待ってくれとなりますと、現場は混乱するんじゃないかと、それに伴って既に雇用されている方々もいると。今回の改正法のように、新しく農業へ人材をという話もあります。それに向けて動いていらっしゃる方、若しくは農家の皆さんで、人手が足りなくて、ああ、これできたら助かるなと思っていらっしゃる皆さんも困惑されるということも考えられるわけですね。
この事業の面での混乱、また人の面での混乱、これが懸念されるんじゃないかなというふうに思いますが、これについてはどのように考えられますか。両方一緒にお答えいただけたらと思います。
○委員以外の議員(礒崎哲史君) お答えをいたします。
第一項におきまして、本法律の施行の際、区域計画が認定されている案件につきましては、そのまま特例措置の規定を引き続き適用することになっておりますので、今動いているものについてはそのまま継続ということですので影響はないと、そのように考えております。これは、いきなり停止あるいは凍結というものをしてしまいますと、当然社会的、経済的影響が大きいということを踏まえたことでありますので、まずそういう対応を取っているということで御理解をいただきたいと思います。
また、第二の規定については、見直しを進んでいるときにはその時点で一回止まってしまうわけですけれども、まさに今、清水委員言われました、既に進んでいる事業にも影響があるということ、これは十分配慮をする必要がありますので、その見直しについては、事業者利益等にもこれ十分配慮をして行うことは必要ということですので、実際に見直しを行う過程において、その点についても同時に検討をし、必要な措置が講じられるものと、そのように承知をしてございます。
また、事業だけではなくて、今、人の面ということでもお話がございました。
人のことにつきましては、やはり先ほどと同じように、現行動いているものについてはそのまま継続をいたしますので、まずその点については人への影響というものは発生しないと、そのように私どもは考えております。
また、実際の見直し作業の点につきましても、先ほどの事業計画と同じように、この点については様々な見直しによってある程度の影響が発生するということは十分考えられますので、その点については、先ほどの事業と同じように、その点にも配慮した様々な見直しが必要になってこようというふうに思っております。
先ほど、農業の点を例ということでお話をされました。ただ、農業等につきましては、ほかの分野もあろうかと思いますが、人材不足というのは特区制度の中だけで起きている現象ではないということも考えれば、ほかの手だてをしっかりと、全国的に見直しをどのようにしていくか、こういう観点での様々な検討をしていく必要もあろうかと思いますので、そうした対応も必要ではないかと、そのように考えております。
○清水貴之君 国家戦略特区、岩盤規制を打ち破る、その趣旨は守りながら、制度を何とかいいものに変えられないかというその思いというのは非常によく伝わってきました。どうもありがとうございました。
発議者の皆さん、ここで質問終わりですので、もしお許しいただけましたら、退席いただいて結構です。
○委員長(難波奨二君) 発議者のお二人、御退席いただいて結構でございます。御苦労さまでした。
○清水貴之君 続いて、獣医学部の問題に関して、私も一、二点お聞かせいただきたいと思います。
やはりこういった制度、公平で公正でなければいけないというのは、私もこれはもう本当に基本的な部分だというふうに思っています。この問題、私、これまで積極的に質問してきた立場ではないんですけれども、様々皆さん方の、今日も、これまでの質疑を聞いていても、やはり内閣府もここに来て調査するというのは、僕はもっと早くできたのではないかなというふうに思いますし、皆さんがされている資料の要求とか、答弁聞いていても、やっぱりなかなかすっきりいかない部分がお持ちになるというのは、これは理解できるんですね。ですので、この辺りは大臣、やっぱり制度が公平公正であるためのもう一番大事なところですので、情報はなるべくオープンにして、正しい使い方をしていっていただきたいというふうに思います。
官邸の意向がという話もある一方で、私が一個気になっていたのが、獣医師会ですね、もう既得権を持った団体というのがいろいろなところにありまして、獣医師会だけじゃなくて世の中いっぱいあって、そこと闘っていくのがこの国家戦略特区、山本大臣の非常に重要な役割だというふうに思います。
今回も、獣医師会の反対がというような話というのはもういろいろなところで、大臣の口からも出てこられていますし、いろいろなところから話があります。その獣医師会の反対、獣医師会というのは、自分たちの既得権があって、獣医師が増えると商売がというような思いがあるんだと思うんですが、これが本当に正しい、先ほど民進党の発議者の皆さんからありましたが、必要な規制だったらいいと思うんです。でも、やっぱり自分たちの本当に既得権を守りたいがためだけのその防衛策といいますか、その結果、本当だったら愛媛だけじゃなくて京都にもできていたのかもしれないという、こういう制度のゆがめ方がされたら、これはこれで問題だというふうに思うんですね。
大臣も獣医師会との話もあったのではないかと思いますけれども、その獣医師会が反対する意思、思いというのは、適正な思いで、規制を掛け続けてくれというふうな思いだというふうに大臣は受け取ったのか、それとも、やはり様々な既得権を、自分たちの権益を守りたいという思いを強く持っているなというふうに感じたのか、大臣はどのように感じましたか。
○国務大臣(山本幸三君) 獣医学部の新設については、かねてより日本獣医師会は、獣医師の総数は不足していない等の理由から慎重な立場でございました。昨年の九月七日にも、そしてまた十一月二十八日にも、日本獣医師会から、獣医学教育や獣医師の現状、将来の在り方について十分検証の上、真に国民全体の利益につながる適切な判断、対応を求める旨の要請書をいただいたところであります。
そのときに付随していろいろお話を伺ったのですが、公務員獣医師や産業動物獣医師が不足しているのは、それは待遇が悪いからだと、彼らはそういう主張でありました。みんないわゆるペット診療の方に小動物獣医師として行くんだと、その際に、それはそちらの方が収入が高いからだと。獣医師会の方々もデータで示しておりましたけれども、一つの施設で五千万円以上の収入があるのが三割以上に当たると、そういうことも言っておられました。
私はそういう議論を聞いていて、これはやっぱりおかしいと。やっぱりそっちのペット診療のところは価格が明らかに高止まりして、それは獣医師会の皆さん方からすればハッピーかもしれません。だけど、その診療を受ける側、ペットを持って病気になったときに診療を受ける側から見れば明らかに高いという感覚があるわけで、これは私も地元でいろんな奥さん方からそういう話を聞きました。具体的な例もたくさん聞きました。
そうすると、私の考えからすれば、それはやっぱり需要曲線の中で価格が高止まりしてるので、本来ならばもっと新規参入者が出てきて価格はどんどん下がっていって、そして一定の均衡をというところに至るのが当然ではないかと。その均衡は、消費者も生産者も供給者もそこで大体満足できるというところが均衡点に達するわけですけれども、それはやっぱり、もうまさに経済学が教えるとおりの状況になっているのではないかと私は感じて、これはやっぱり規制を改革してそういう方向に持っていかなければならないというように強く感じたところであります。
○清水貴之君 その結果がおよそ五十年ぶりの獣医師学部の新設ということにつながったんだと思うんですが、ただ、一方で、獣医師会は、これも会報の中で、自分たちの粘り強い要請活動が実り、何とか一校限りと修正されたということで、二校から一校に、何とか守るところは守れたんだというような、こういったもう発言といいますか見解も出しているわけですね。
やっぱり獣医師会というのは、学会というのは一つの既得権団体だと思うんですけれども、そこから応援されている議員もいると思います。様々な業界団体から応援されているそれぞれの議員なんかもいると思います。そういうところからもういろんな圧力が掛かったりということになるとは思うんですが、やっぱり、大臣、そういうところも様々、これは獣医師学部、今回の件だけじゃなくて、やっぱりもう本当にフェアな目でどんどん闘っていっていただきたいと思うんですね。
そういった思いで、今後も、国家戦略特区というのは本当にフェアな目で、でも既得権団体を、この権益を守るわけではなくて、やはり世の中の利益のためという思いでやっていただきたいというふうに思いますけれども、改めてその考えを聞かせていただけますでしょうか。
○国務大臣(山本幸三君) 国家戦略特区は、地域を限定することで長年実現できなかった岩盤規制改革を行い、我が国の経済社会の構造改革を実現しようとするものであります。
改革を進める上では、現行の規制と関わりの深い既存業界の方々から慎重な意見があることは当然でありますが、新しい産業や雇用を創出して経済社会の活性化につなげるには大胆な規制改革が不可欠であり、それが規制改革担当大臣の使命だと考えております。規制改革には抵抗勢力が必ず存在しますが、岩盤のように固い規制に挑戦すればするほど、既得権益を握る勢力の激しい抵抗は避けられませんけれども、規制改革を担当する大臣として、いかなる抵抗勢力にも絶対に屈しないという決意で岩盤規制に立ち向かってまいりたいと思っております。
○清水貴之君 そういった意味で、もう一点、ライドシェアについてお聞きしたいと思います。
これもやはり業界団体という意味ではタクシー業界の皆さんなんかは強く今反対の意見を示していらっしゃいます。これもやはり、もう安心、安全が大前提、利用者のですね、が大前提であることはこれは間違いないんですけれども、ただ、その規制緩和という部分でいろいろ議論を深めていくことはいいのではないかなというふうに私自身は考えています。
そもそも、幾つかお聞きしたいんですが、政府答弁で、このライドシェアというもの、運行管理や車両整備などについて責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としているというふうな答弁がこれまでありました。この前提とは何をもって前提としているのかなというのを聞きたいと思います。これから、私としては制度をつくっていくべきではないのかなというふうに思うんですが、何をもってこの既にこういうある程度の形といいますか前提ができ上がっているのか、教えていただけますか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
例えば、海外でライドシェアサービスを提供しているウーバー社、このホームページを見ますと、利用規約として書かれていることでございますけれども、ウーバーは利用者とドライバーを仲介するのみであり、ウーバーはいかなる場合においてもドライバーの過失等に起因する損害に対して責任を負わない旨が記載をされております。我が国においては、運送事業者は自動車損害賠償保障法の下で、運行供用者として、自らの管理下にあるドライバーの起こした事故に関して厳格な民事上の責任を負うこととされております。このような責任を負う主体がウーバー社のホームページを見る限りは不在であるということを踏まえて、こういった自家用車ライドシェアについては自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としているものと判断をしているところでございます。
○清水貴之君 ウーバーの場合は責任を負わないという話です。ということは、責任を負う、逆に言えば、主体をしっかりつくって運行すればこの今の懸念材料というのは解決できるのではないかなというふうにも思うわけですね。その責任を負う主体、まあ何でもいいです、そういうちゃんとした団体をつくってもいいですし、そういうプラットフォームみたいなところですね、組織をつくっていくということも、で、そこがしっかりと、ドライバーも責任を負うんでしょうし、そういった団体、組織が責任を負うという形をつくれば、またウーバーとは違う形のライドシェアというのも実行できるんではないかなと私は思うんですけれども、これについてはいかがですか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
我が国においては、自動車を使用して有償で旅客運送を行うに当たっては、運行管理や車両整備管理等について責任を有する者を選任をし、運行管理及び車両の整備管理についての措置を的確に実施することが義務付けられております。国土交通省は、事故を未然に防止するためのこれらの措置を講じるための体制が整備されているかについて事業許可等を行う際にチェックを行い、実際にそのような措置が適切に実施されているかについて監査等によって確認を行っているところでございます。
例えば、先ほど申し上げましたウーバー社のホームページには、このようにも記載されております。ウーバー社が利用者とドライバーの間の契約の当事者となることはなく、ライドシェアの質についてはドライバーの責任となると記載をされております。
これを見る限り、今申し上げたような運行管理、車両整備等について責任を負う主体が置かれているとは言えないと考えておりまして、これは他国で行われている自家用車のライドシェア、こういった事例においても全てウーバーと同じような考え方でやっている、むしろ責任を負わないということを前提にこういったマッチングサービスというのを動かそうということだと認識しておりますので、そういった面で、こういった責任主体がいないと、それは問題であるということを申し上げているということでございます。
○清水貴之君 そうなると、責任の主体をちゃんと置く新しい組織をつくって運行することは、そういうやり方だったら可能なわけですか。
○政府参考人(藤井直樹君) 今は事業許可の下でタクシーの事業者がそういった運行管理あるいは車両整備についての責任を負うということになっていますので、そういった事業主体として私ども許可をしているわけでありまして、それであれば、タクシーの事業許可を取ってそれで運行していただくということが現行法の下では適切なものであると考えております。
○清水貴之君 現行法はそうなんです。それで新しい制度を考えていくというのが必要じゃないかなというふうに思っているわけですね。
もう一点、相乗りマッチング事業、これも、これまでにも質問が出ましたけれども、この態様の運送は、自家用車のドライバーが自分と同じ目的地に向かう他人を空き座席についでに乗せることを念頭に置いていると、この運送により利潤を得ることは認められていないことから、この広がりには一定の限度があるものだと考えるというふうに過去の答弁をされております。
お聞きしたいんですけれども、その利潤なんですけれども、二点あります。
マッチングサイト、これ調べると、もういっぱい出てきます。何種類もあります、GO RIDEとかnottecoとか。そのマッチングサイトというのは、利用者からお金は取らないかもしれないけれども、広告収入とかいう形で運営をしているんだと思います。これは利潤に当たらないのか。
あと、ドライバーですね、ドライバーが同じ目的地に一緒に乗る人を募集しますよというだけならいいんですけれども、これ調べますと、やはり明らかに利潤を得ているようなドライバーというのもいるわけですね。
例えば、これ調べたんですけれども、一キロ二百円で乗せます、最大七人乗せますという人がいるんですね。一キロ二百円、今、東京、タクシー一キロ四百十円ですから、それより安いんですけれども、これ七人乗せると一キロで千四百円、明らかに非常に高い料金を取るような形になるわけですね。こういった人もいれば、例えば、もうこれ百回以上ライドシェアというのを募集していて、これ東京―大阪間を何回も往復している方なんですけれども、これも料金で見ますと、明らかに普通の利用料を単純に分割しているだけではないんですね。明らかにそれより高い値段を取っている方もいるわけです。こういったところは利潤ではないかなと思うんですけれども、こういったところにはしっかりとチェックは入っているんでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
御指摘の相乗りマッチング事業、これは自家用車のドライバーが自分と同じ目的地に向かう他人を空き座席についでに乗せるということを前提としてドライバーと利用者のマッチングサービスを行うものであるという認識をしております。この場合に、自家用車のドライバーは、ガソリン代、高速道路料金等に加えて任意の謝礼を受け取るということが認められているということでございます。
まず、利潤ということについてでありますけれども、今申し上げましたのは全てドライバーが受け取る利潤ということでありまして、そのマッチングサービスを行う者が例えば仲介手数料のような形を取る、このことについて、現行法上、特段の規制はないという理解をしているところでございます。
さらに、今申し上げたようなドライバーが収受できるお金というのは、ガソリン代、高速道路料金のような、そういった最小限の費用に加えて任意の謝礼ということになっておりますので、この範囲を超えて自家用車のドライバーが対価を得ている場合には、道路運送法上、必要な事業許可等を得ていないということになります。こうなりますと、これは同法違反ということで罰則の対象になるということでありまして、さらには、国土交通大臣は、このような自家用車の使用を制限又は禁止することができるということとされておるところでございます。
現在のところ、私どもとして、こういった違反に当たるような事例というのが具体的に出ていると、そういった状況を認識をしておりませんけれども、もしそのような事態が生じた場合には、今申し上げたような考え方に従いまして厳正に対応してまいりたいと考えております。
○清水貴之君 このライドシェアに関しては、やはり民泊と同じような感じを私は受けておりまして、民泊も、もう法整備とかルール作りが進まないうちに実態はどんどんどんどん広がっていて、後手後手に回ってしまった。その結果、近隣住民とのトラブルが起きたりとか摘発される業者の方がいたりということで様々混乱が、今やっといろいろ法整備も進んできていますけれども、もうやっとそれができてきて、でもやっぱり後手に回ってしまったような感じがするんですね。
ライドシェアに関してもそうで、やっぱりもう現状は広くこういう形で、いろんな形で広まりつつあるけれども、やっぱりルール作りが遅れている。ですから、全てをやはり全否定をするわけではなくて、もう、いい制度にして、本当に使い勝手のいい制度をつくるべきだと思いますので、そういったことを、これも民泊のようにならないように、いろいろ制度設計というのを進めていってほしいなという思いを持っております。また改めてこれに関しては質問をさせていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
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○委員長(難波奨二君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、石井準一君及び櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として自見はなこさん及び矢田わか子さんが選任されました。
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○山本太郎君 ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。
もう声がかれちゃっていますね。皆さん、大丈夫ですか、頭動いていますかというぐらいの睡眠不足の中の委員会の質疑だと思います。よろしくお願いします。
これ、文科省の再調査を受けて内閣府が調査していただいて、ありがとうございますということなんですけれども、それが、先ほど委員会始まってからその内容というものが配られました。で、急遽その内容について御質問させていただきたいということで、藤原審議官、今日いらしていたので、そのまま残れませんかということを聞いたら、快くオーケーしていただきまして、ありがとうございました。
で、今さっと、時間がない中、斜めに見たりとか途中で作業止まりながらという感じで確認させていただいたんですけど、対象者九名いらっしゃったと。このうちの審議官一と書かれている、ヒアリングをしたと言われる調査対象者九名のうちの審議官一というのは藤原さんでよろしいでしょうか、確認です、藤原さんということでいいですか、これは。
○国務大臣(山本幸三君) 本人は対象者ですから私の方からお答えいたしますが、対象者の一人です。
○山本太郎君 ありがとうございます。
で、個別の文書についてというようなことが書かれているんですけど、この調査結果に、ヒアリング対象者の全てが文書一は見たことがないと回答していると書かれているんですよね。文書一って何ですかというと、藤原内閣府審議官との打合せ概要と書かれた、獣医学部新設について、これ文科省と内閣府がお話しになった内容のことですよね。この文書を確認されなかったというのは、先ほど田村委員も言われていました、内閣府にこの文書がないというのも、別にそれ、文科省がそれメモったものなんだから当然じゃないかという話なんですよね。
要は、その中身についてやり取りがあったかということまでしっかりとヒアリングしたのかという部分なんですけど、平成三十年四月開学を大前提にという部分に関して田村委員からも突っ込みがありました。で、これ、先ほど藤原さんは、選択肢の一つとして申し上げたというようなことをおっしゃっていたんですけど、じゃ、このときには平成三十年四月開学以外の選択肢はほかにも示されたということでいいですか。示されたのなら、平成三十年四月開学以外の選択肢はどんなものだったんでしょうか、教えてください。
○政府参考人(藤原豊君) 御答弁申し上げます。
先ほど申し上げましたけれども、この二十六日かどうかというところにつきましても、まだ私どもの中では定かではございません。その中で、三十年四月開学ということは一つの選択肢というふうに申し上げましたけれども、当然のことながら、そこに間に合わないスケジュールの可能性というのも十分あるわけでございまして、選択肢の一つ、あるいはそれが満たされない場合につきましてもブレーンストーミングをさせていただいたという会合がこの時期に行われたということは記憶にございます。
○山本太郎君 いやいや、そうじゃなくて、ブレーンストーミング、ブレーンストーミングしたということは、じゃ、平成三十年の四月開学という選択肢以外の選択肢も、じゃ、一番いきたいのは平成三十年の四月だけれども、これが駄目だった場合に平成三十年九月だとか平成三十一年の四月だというような選択肢もほかに示されたということでいいんですか。示されたのか、示されていないのか、聞かせてください。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
先ほどもちょっと御答弁させていただきましたけれども、私ども、規制改革をスピーディーに進めるという立場で仕事をしておりますので、三十年四月という場合があり得るかというところにつきましての議論、そして、それがあり得ない場合というところにつきましても、当然のことながら議論があるいはブレーンストーミングがあったというふうに考えております。
○山本太郎君 じゃ、ほかの開学予定というものも示されたということでいいですね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
示す示さないということではなくて、こういった、何か資料を使って議論をしたということでもないので、私どもの中で、この開学時期の話、前例もございますし、さらに、同じ告示で一年前に議論したこともございます。また、これは文科省さんとも当時、この一年前にもさせていただいたわけでございますし、また、各省の役割分担でございますとか今後の進め方、一般に、大変何時間も議論していないわけでございますので、そういった意味で、様々な議論を当時からさせていただいたという記憶がございます。
○山本太郎君 おかしいな。平成三十年四月開学が選択肢の一つとして挙げられただけで、それ以外の選択肢は挙げられたのかということに対してお答えにならないんですね。
これ、同様に、ここに書かれている調査結果、官邸の最高レベルが言っている等の発言をした者がいないことも、ヒアリングの結果、確認されたと書いてあるんですよね。むしろ激しいことを言っていると言われているんですよ、文科省側のメモでは、官邸の最高レベルが言っていること、括弧、むしろ激しいことを言っていると。できないという選択肢はなく、事務的にやることを早くやらないと責任を取ることになるということまで書かれているんですよ。これについて、そんなことを言った覚えないと言っているんですね。理由は何だ、じゃ、どうしてこういう言葉が出てくるんだろうといったときに、ちゃんと言い訳も書かれているんですよ。スピード感を持って実現するという旨の発言をされていることから、これ、総理ですよね、総理がふだん言っていることを私たちはおもんぱかって、関係省庁との議論を行う際にこうした総理の発言に言及することはあったという意味合いの回答をされているんですよ。
ということは、これ、どう考えたってトップダウンじゃないですか、本当はね。総理の御意向はあったという文書見付かったと言っているじゃないですか、文科大臣。なのに、それがないという話にしようとしているわけでしょう、内閣府の調査。でたらめじゃないですか、こんな調査。トップダウン、間違えないようなトップダウンだった、これ、かなりこういう疑義が生まれているわけですよね。トップダウンとされていたものを自分たちでそんたくのレベルまで引きずり下ろしたわけですよね。いいお仕事されていますね。
藤原さん、これ、いいんですか。これ、事実ということで間違いないんですか、それとも、もう安倍政権と心中することを決めたんですか、自分の中で。いかがでしょう。
○国務大臣(山本幸三君) 総理の意向だ、そんなことはない……(発言する者あり)私が決めて、指示しているわけであります。
○山本太郎君 覚悟が決まっているのは大臣だけと。俺が責任取るって言ったんですか、じゃ。
じゃ、大臣、この後々この追及が深まっていった場合、もしも何か責任を取らなきゃならない場面が生じたとしたら、これ、大臣辞職ということじゃ済まないですよね。議員辞職まで考えられているんですか。
○国務大臣(山本幸三君) 仮定の質問についてはお答えできません。
○山本太郎君 御都合のいい話ですね。ずうっと仮定で、国会という場はずうっと仮定で進められる世界なんじゃないんですか。こうなったらどうなる、だからこういう法律を作ろうとか、こういう岩盤規制を行ったらどうなるということで進めてきた話なんでしょう。で、自分の進退については、これだけ世間を騒がし、これだけはぐらかし続けて、この内閣委員会だけじゃなく国会を愚弄した上に、これ、イコール国民がなめられているという話になるんですよ。野党のばかをはぐらかして、結局、どんどん審議時間が削られたということで終わる話じゃなくて、これ、イコール国民がばかにされている話なんですよ。
もしも、御自身、この先この追及が進んでこれ進退問題になったときに、大臣辞職だけで済まない話でしょう、これ。議員辞職もなさるおつもりでしょう。いかがです。
○国務大臣(山本幸三君) これは国民経済のためにやっていると、私は信念持ってやっております。
○山本太郎君 まあまあまあまあ、そうですか。
大臣、今日で国会が閉じれば、次回国会、秋ぐらいになりますかね。その頃、加計学園問題というのは、この疑惑というのは風化されている、そう思います。
○国務大臣(山本幸三君) そのような質問には答えられません。
○山本太郎君 質問には答えられませんって、当然、今のは私、事前に通知していませんよ。だって、大臣に対して事前に告知したって、官僚が作ってきた文章を読むだけじゃないですか。御自身の気持ちで答えていただきたいから、私は細かい通知はしません、告知はしません、当然ですよ。だけど、それは一国会議員として、一大臣としてお答えができる範囲でしか聞きませんよ。
先に進みますね。
大臣、内閣府では、まあ調査、こういうふうにしていただいたんですけど、元々は調査しないというものが一転調査することになったと。これは本当にありがとうございますと、その調査結果がどうあろうとということなんですけどね。
これ、大臣、やはり憲法六十二条の国政調査権ということももちろん尊重してくださった上で、誠意を持って対処をしてくださったと私は思っています。そういうことでよろしいですか。
○国務大臣(山本幸三君) 国政調査権については、それは個人というよりは委員会等が決めるような話でありますが、いずれにしても、文科省においてそういう調査が行われ、内閣府の関係が示されましたので、それに対応する調査をやらなければいけないと考えたわけであります。
○山本太郎君 やらなあかん空気になったからやったというだけの話なんですか、じゃ。国会で幾ら求めても情報は出さない、法律に基づいてと言って。でも、国会という場所は、一番守らなきゃいけないの憲法なんだよって。
六十二条に基づいた国政調査権、やっぱりここは尊重して認めていかなきゃいけないということの責任感もこの調査という部分には含まれているものじゃないということなんですね、じゃ。そういう理解でいいですか。
○国務大臣(山本幸三君) そもそも憲法六十二条に基づく国政調査権は、国会議員個人に与えられた権利ではなくて、衆議院及び参議院の両議院に付与された国政を調査する権利であります。
しかし、国会からの御要請にはできる限り対応すべきものと考えております。これまでにも、内閣府としては、諮問会議取りまとめやその議事要旨などをホームページ等で公表するとともに、取りまとめに至るやり取りの時期や相手方のプロセス等にはできるだけ詳細に説明してきたところであり、可能な限り情報は公にしております。
今回、文科省の文書の再調査を、追加調査ということでありましたので、その中で文書の存在があったということでありますので、しかも内閣府との関係もありましたので、それに対応する調査はやる必要があるというふうに判断したわけであります。
○山本太郎君 もちろん両院に与えられたものですよ。でも、その両院にあるそれぞれの委員会、網羅的に数々の資料、求められているじゃないですか。一つの委員会から、あなたから求められたって、そんなもの、それ国政調査権という部分には入りませんよ的なお話でしょうけど、今のは。出先機関扱いですか、その中の一人扱いですか。違いますよ。網羅的にほとんどの委員会から求められているんじゃないんですか、この問題に関して。
はい、分かりました。なかなかそういう部分を分かっていただけないようですね。
これ、委員会の求めに応じて、内閣委員会では、恐らくこの調査に関する調査が出たから、これに関する閉会中の審査というものが行われると思うんですね。この調査に関して快く大臣も応じていただけますよね。まさか与党側の理事に対して下請のように、それ何とかもうごまかすようにしとけみたいなことはないですよね。快く受けていただけますよね。
○国務大臣(山本幸三君) そのことは国会で決めることだと思います。
○山本太郎君 失礼という話がありましたけれども、今までの国会運営の流れを見ていれば、スキップしなきゃならないところはしっかりスキップするということを、委員会、国会と行政と、しっかりと三権分立できているかといったら、なかなかそこはできていますねとは言い難い部分があるじゃないですか。失礼も何もないんですよ、現実を言っているだけです。
有権者が許してくださるなら、大臣、あと何年現役の議員としてやりたいというような、自分の中でありますか。
○国務大臣(山本幸三君) そういうこと、そういう質問に対しての答弁は差し控えさせていただきます。
○山本太郎君 これ、大事な話なんですね。どうしてかというと、国家戦略特別区域諮問会議運営規則第八条を見れば、議事録は四年間公表されないんですって、四年間も。これは勝手に諮問会議で決めているんでしょう。どうして四年なんですかって。精査する期間四年も必要ないですよ。で、これ、四年後も大臣を含めた関係者がまだ現役であった場合を考えると、これ、不都合と思われる部分、先回りして隠したくなりませんかという話なんですよ。要は、四年の間に私人に戻られたりとか、いろんなことがあればいいですよ。でも、四年を超えても御自身がまだ続けられているという可能性ありますから。
これ、一番楽なというか、一番いい方法は秘密指定することじゃないかなと思うんですね。国家戦略特区に係る議論、資料などが先々秘密指定されるということ、大臣、あるんですかね。
○国務大臣(山本幸三君) ちょっと考えにくいと思います。
○山本太郎君 考えにくい。というのは、じゃ、国家戦略特区などで、国家戦略特区に関わるワーキンググループだったりいろんなところで話し合われた内容、それに使われた資料などは特定秘密に指定されるような内容ではないという理解でいいんですよね。
○国務大臣(山本幸三君) それは公で議論される話のものだと思いますので、ちょっと考えにくいというふうに思います。
○山本太郎君 ごめんなさい、何言っているか、声が小さ過ぎてよく聞き取れなかったんですけど。
まあ別に秘密指定されなくても、もう既に秘密指定されているぐらいの勢いで出てこないじゃないですか、何もかもが。だけど、一番大事なのは、四年後のこの議事、議事録とかいろんなものが出てきたときに、中にまずいものがあったとしたら隠したくなるだろうなと思って。その隠すためにはどうしたらいいだろうなと考えたときに、あっ、特定秘密というやり方あるよなと思って。でも、そういうことは考えにくいと。ないということでいいですよね、大臣、これはね。
じゃ、本法案の中身について聞いていきますね。
大臣、どうして今この日本で外国人人材が必要だと思われますか。
○国務大臣(山本幸三君) この特区の外国人材については、一般的な外国人労働者の受入れというのは私の所管外なんですけれども、特区としてお答えしたいと思いますが、これは、未来投資戦略二〇一七にあるとおり、移民政策と誤解されないように配慮しながら、我が国の将来の形や国民生活全体に関する問題として、国民的なコンセンサスを踏まえつつ、政府全体で検討していく必要があるものと認識しております。これが基本的な姿勢であります。
一方で、日本経済の更なる活性化を図り、競争力を高めていくためには、これに資する専門的、技術的分野の外国人の受入れは重要と認識しております。このために、国家戦略特区担当大臣としては、日本経済の活性化の観点から外国人家事支援人材の受入れ事業を推進するとともに、現在提出中の改正国家戦略特区法案に盛り込んだ強い農業を実現するための農業外国人材の受入れや、クールジャパン・インバウンド分野の外国人材の受入れを進めてまいりたいということであります。
○山本太郎君 どうして今外国人人材が日本に必要なのかということに関して、景気良くするためにも必要なんだよと、人が足らないんだよという意味合いのことを言われたのかなと、ちょっとよく聞き取れなかったんですが。
どうして今外国人人材が必要なのかという部分を考えるならば、やはり私、これ、今までの国家戦略なき政治の失敗、この結果、尻拭いということでこのような外国人人材をこの国に引き入れなきゃいけない状態になっているんじゃないかなと思うんですよ。大臣、そう思われません。
○国務大臣(山本幸三君) 技能実習生についてはいろいろな問題があることは承知しておりますので、そうではない専門的な人材については、一方で、先ほど申し上げましたように、経済の活性化の観点から、あるいは強い農業をつくるというような観点から必要でありまして、そうした弊害を除くような措置をしながら入れていくことは大事なことだというふうに思っております。
○山本太郎君 済みません、何かいろいろ答え用意してもらっているみたいですけど、なかなかマッチしないですね。大臣のお言葉で聞きたいんですよ、書かれている文章じゃなくて。そう思わないんだったら、そうは思わないでいいと思うんですね。
でも、私は、今ここで外国人人材を日本の中に引き入れなきゃいけないというのは、人口減少対策というものがしっかりと行われてこなかった、その一方で雇用破壊というものが行われたりとかして、その中で、やっぱり賃金、余りにも低くなり過ぎるようなところにはそういう人たちを来てもらうしかないような状況がある。それを雇用の調整弁として、労働の調整弁として、表向きには技能の移転という形にしながら、実際はそのような雇用の調整弁、労働の調整弁として実習制度を使っているという現実があると思うんですね。
ちょっと話が違う感じにしていきたいと思うんですけれども、大臣、持続可能な国づくりって絶対必要だと思うんですね。政治って、それは絶対、そのために政治があると言ってもいいと思うんですよ。今、真っ先に日本が取り組むべき事柄って何でしょう、持続可能な国づくりのために。
○国務大臣(山本幸三君) 日本の最大の問題は少子高齢化ですね。この点について、最大限それをストップさせる、あるいは改善させる政策を一番先にやらなきゃいけないと思います。同時に、そうしたことが可能になるためには、経済をしっかり回復させて、そしてそうした子供を産み育てということが可能になる、そしてそれを増やしていくことが可能になるような、そういう経済の実力を上げるということが大事になると思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
もう大臣の御経験と御知識の中から、今一番大切なものは何だ、もちろん経済成長も必要だけれども、それと恐らく両輪で、その人口、少子化対策、この国が抱えている問題、ここを解消しなきゃいけないという御見識が聞けたと思います。ありがとうございます。
で、持続可能な国づくり、これをするために国家戦略として真っ先に取り組むべき課題何だろうって。しかも、この法案、本法案と関係するところで考えると、二つあるのかなと思うんですね。一点目がちょっと二つになっているようなところもあるんですけど、まず一点目、少子化、人口減少対策とそれに係る雇用破壊の歯止めという部分が必要になると思います、これが一点目だと。
随分前から少子化になること分かっていましたよねって。大して有効な施策って打たれなかったんじゃないですか。逆に、一人で生きるだけ精いっぱいで、子づくりなど考えられないほどの生活環境を若い世代にも強いてきた、そういう状況ないですかねって。本当の意味での国家観、国家戦略を持ち合わせない政治によるツケが回ってきているのが現在とここからの未来ではないかと。
このツケに対する将来的な支払、これ安価な外国人労働者による埋め合わせという形で行われるんじゃないでしょうかと。外国人労働者が必要になった理由の一つとして、これまでの政治において有効な少子化対策、人口減少対策がなされていなかったからだと。
これ、大臣としてはいかがお考えになりますかね。もうちょっとしっかりと対策しておくべきだったと思われるのか、これは、これなりのことだったんじゃないか、どう思われますか。
○国務大臣(山本幸三君) その点については、私は、もっとしっかり早めから取り組んでおく必要があったし、その点がまだまだ十分ではなかったということは感じております。これは改めて、私の担当ではないところもありますけれども、是非内閣挙げて取り組んでいかなきゃいけないと。そのために、少子化担当あるいは一億総活躍担当大臣もつくってやるようになったんだと理解しております。
○山本太郎君 現在、国家戦略特区で外国人の就労を認めた又は認めようとしている分野というのは、家事支援、農業人材の二つですよね。この先検討が予測されるであろう、予想されるであろう就労解禁分野というのは何かあるんですかね。どんなものがあると考えられますか、大臣。
○国務大臣(山本幸三君) 今回の法案でもクールジャパン人材というのが入っております。
○山本太郎君 それは具体的に何かの業種というものが限定されるという考え方ではないということですよね。要は、クールジャパンに係るようなそういう人材をという話なんですよね。なるほど。
でも一方で、秋からは介護に関する実習生、これ受け入れるようなんですね。確かに介護人材というもの、不足しているし、全産業で見ても非常に低い給料だという部分もあるんですけれども。国家戦略特区でもこの先、外国人の人材、これ解禁に向かっていく可能性というのはありますか、介護人材に関して。
○国務大臣(山本幸三君) 特区は各自治体あるいは事業者等から強い要請が出てきて取り組む話でありますが、現状のところはそういう話は聞いておりません。
○山本太郎君 今の仕組みで考えると、国家戦略特区でやるのか、若しくは実習制度で、国交省がやったように、オリンピック建設で人手が足らないからと、緊急措置などと位置付けて、元々の制度の在り方をゆがめて延長できるようにするかというようなことが考えられると思うんですけど、これ、ほかに何か方法あるのかなと思うんですよね、ここが一番手っ取り早い入口なんじゃないかなって。ということは、秋から始まる介護分野に対する実習生の部分というのも、恐らく先々検討がなされるのが国家戦略特区なのかなというふうに思ったんですよね。
これまで国家戦略特区の、国家戦略特区の中でいいんですけど、中以外でも聞きたいかな、とにかく、これから外国人人材をどういうふうに解禁していくかとかという部分に関して、どの分野まで広げていくのかということに関して、これ国家戦略特区だけじゃなくていいんですけど、岩盤規制に穴を開けるということを恐らくずっと話し合われていると思うんですね、どこに開けるかということ。その中の外国人労働者、どういうふうに解禁していくべきなのか。で、大事なのは、どんな分野にまで拡大していくのかということは、安倍総理との間でお話とかされることありましたか。
○国務大臣(山本幸三君) 直接そういうテーマで話したことはありませんけれども、従来から、高度の専門人材は是非入ってもらって活躍してもらわなきゃいけないということで、その点について、例えば点数をあげるとか、あるいは永住権について期間を短くするとか、そういうことは取り組んできております。
そういう意味では、是非そういう能力のある外国人材はどんどん日本に入ってきてもらって活躍してもらいたいと、そういうことは考えているつもりであります。
○山本太郎君 これ、最初は限定的なんですよ、どれも、限定した職種だけ入れるとか。先ほど高度人材というお言葉がありましたけれども、これで何がまずくなっていくかといったら、最初限定的に始めていたものが拡大されていくという部分に一番危惧をすると。当然ですよね、最初は高度人材だけだよと言っていたものが、これ、どんどん開かれていったとしたら、これ、日本の労働環境というのは将来的に破壊されるおそれがあると思うんですね。先々、なし崩し的に外国人労働者の解禁、業種拡大されるおそれというものを危惧しています。
だから、岩盤規制に穴を開けるといったって、その先の未来、その先々のことがどうなっていくかというシミュレーションも併せて恐らく考えてくださっていると思うんですよ。じゃなかったら、むちゃくちゃなんですよね。岩盤規制に穴開けるといって、じゃ、小さな穴を開けてその先拡大していったことって今までたくさんありましたよねって。
資料の一、経団連、日本経済団体連合会がこれまで提言したほんの一部。ここにあるもの、ほぼ政治の場でほとんどかなえてさしあげていませんかって。
一番上、派遣法の改正もかなえてさしあげましたよね。我が国の雇用労働政策、労働者の直接雇用、大原則だった。けれども、一九八五年、労働者派遣法が制定時、このときにもまだ守られていましたよね、大原則。派遣業務は通訳、翻訳、速記、秘書、添乗など専門職十三業務に限定されていたが、その後、八六年に十六業務、九六年には二十六業務になった。原則、直接雇用は守られていた、このときは、派遣労働はあくまで例外だったと。無制限に派遣労働者の人数増えないようにして雇用と労働者を守ってはいた。
ところが、二〇〇一年以降、小泉総理の規制改革の下、経済財政諮問会議、総合規制改革会議などで労働環境の改悪が進んだ。翌二〇〇二年、宮内さん、オリックスの方ですね、議長を務める総合規制改革会議、労働者派遣及び有期労働契約の拡大を内閣に答申と。二〇〇三年六月、この答申取り入れて、製造業務での派遣解禁、二十六業務は三年から無期限、それ以外の業務では派遣受入れ期間一年から三年に延長、改正労働者派遣法が成立と。僅か二、三年の間ですか、これ、派遣労働者激増する環境つくられたんですよね。入口ちっちゃかったのに、どんどん大きくしていったねって。
まあ、民主党政権下では、一応改正でこれ何とか少しましなものにしようと日雇労働を禁止するなど若干の改善が行われましたけれども、またこれ、二〇一五年、安倍政権で労働者派遣法、再び改定した。それまで業務単位、原則三年しか派遣労働者は使えなかったのに、全ての業務で三年ごと、人さえ替えれば永遠に派遣労働を使い続けることになった。
これ、始まり、ちっちゃかったですよ、限定的でしたよ。でも、最終的には最大限まで広げているじゃないですか。これによって得したの誰ですかって。雇う側と派遣する側。これ、先行き分からず生活不安定になるの、働く人々ですよ。全体の労働者から見たらほんの少しだと言うかもしれないけど、その働き方に穴を開けてしまえば、ほかの業種にも影響及ぶに決まっているじゃないですか。非正規労働者、全労働者のうちの四割、女性は五割、失業前提の雇用ですよ、失業前提。つまり、半年後、一年後の人生設計も立てられないような働き方を政治が積極的に旗を振った。
多様な働き方、言葉の裏でやっていることは、雇用の流動化、不安定化だろうって。長時間安い賃金で働く労働者をより多く企業側に提供するがごとく、経済団体が望む提言どおりの政策を実現しているって。政治の場で全部ルールチェンジしているじゃないですか。大企業に対する大減税も、減った税、財源補填する消費税も、全部経団連求めているとおりですよ。二〇二五年までに消費税一九%にしろみたいな、頭が沸騰しているとしか思えないようなことまで提言していますよね。公務員、国家公務員、全体の奉仕者ですよ。だけど、組織票とか企業献金くれる者たちには特別親切ですねって。専任の奉仕者になっていませんかって。
で、先ほどの一覧表見ていただいても、外国人労働者ということをもうずっと言ってきているという状態ですよ。これって本当に何のために政治があるのか分からないという状態だと思うんですよね。
で、経済良くなるはずないでしょうって。二枚目見ていただきたいんですよ、大臣、資料ね。貯金ゼロ世帯ですよ。大臣、経済にお詳しいから分かりますよね。国民所得決めるのは何だって、総需要だって。総需要は何だといったら消費ですよね、一番は。で、投資、政府支出。で、消費、個人消費六割ですものね、GDP。と考えたときに、貯金ゼロ、これ民主党時代より悪くなっているんですよ、安倍政権。貧困も一六・一%、子供六人に一人貧困。単身女性、二十歳から六十四歳までの方は三人に一人が貧困。こんな状態で景気回復なんてできるはずないですもんね。
という状況の中、一方だけは物すごく過去最高益を上げるような状況になっていて、一般の方々はどんどん生活が厳しくなっていっているのがこれアベノミクスの現状だと思うんですね。
で、この状況を変えていくというか、今までの政治のツケが結局ここまで来ちゃったということだと思うんですよ。持続可能な国づくりということをしてこなかった。結局、人が部品のように入れ替わっていくということを企業側に提供した結果がこれだと思うんです。その一方で、企業側には大減税がなされ、租税特別措置とか、ただでさえあの税率で払ってないですよ、八十を超えるような税の割引サービスが存在したりとか、余りにも不公平で、持続可能ではなく、一部の人たちだけしか潤わないような状況にされているじゃないですかって。
アベノミクス効果はあったと思いますよ、三四%内部留保が増えたから。でも、みんなの給料は三四%増えていないです、消費税分も増えていない。こんな状況の中、更に外国人労働者を、外国人の人権侵害が、侵されるというような状況が残ったままで……
○委員長(難波奨二君) 山本君、おまとめください。
○山本太郎君 はい、まとめますね。
これ解禁しちゃったら、先々、世界中の低賃金競争に日本の労働者が巻き込まれるような状況にならないですか。
先ほどお伺いしたら、業種についてとか、いろいろそういう規制緩和に関してこの先どうしていくかということは深くは話していないというお答えだったと思うんですよ。そんなことで岩盤規制されたら困るんですね。長いスパンで物事を見てどうなるかということをシミュレーションされた岩盤規制ではないということが加計学園のことからも、この外国人労働者のことからも分かると、これ修正案出さなきゃいけないということで、後ほど発表させていただきます。
ありがとうございました。
○委員長(難波奨二君) 他に御発言もないようですから、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に対する質疑は終局したものと認めます。
国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案の修正について山本君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本太郎君。
○山本太郎君 私は、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
これより、その趣旨について御説明いたします。
国家戦略特別区域は、我が国の経済成長を妨げる岩盤規制に改革の突破口を開き、世界一ビジネスのしやすい都市の形成等を目指すものであると政府は説明し、既得権益の突破を掲げております。しかしながら、今般の国家戦略特別区域を活用した獣医学部の設置をめぐり改めて問題点が明らかとなったように、本来であれば規制緩和にはなじまない分野の事業であるにもかかわらず、内閣総理大臣とお友達というだけで、官僚がその意向をそんたくし、さらには、官邸からの指示、圧力を受けて、そのお友達が実施しようとする事業の展開ありきで認められ、特定の地域、特定の者の利益のために規制緩和が行われている疑いがあります。
そもそも、国家戦略特別区域計画や規制改革メニューなどの重要事項について調査審議、決定を行う国家戦略特別区域諮問会議の公平性、中立性を確保する上では、会議に付議される調査審議事項について直接の利害関係を有する議員については、審議及び議決に参加させるべきではありません。しかしながら、現行の制度では審議等への参加の判断は諮問会議が任意に決めることとされており、特に有識者議員については、今春からスタートした家事労働外国人の就労解禁に続き、本法律案に盛り込まれている農業外国人の就労解禁などの規制緩和によりビジネスチャンスを得るような人物が公然と諮問会議に参加することが認められており、利益相反防止の実効性が担保されておりません。
岩盤規制、既得権益の突破口を開くとしながら、恣意的な特区の指定や特定の者への利益誘導により新たな既得権を生み出してはいないでしょうか。特に、諮問会議の議員については、大臣も有識者も規制緩和推進派ばかりで慎重派が一人もいないということ、規制を所管する大臣が諮問会議の構成員から除外されていること、諮問会議の議事録公開が四年経過後とされているなど情報公開が不十分であり透明性が確保されていないことなど、国家戦略特別区域制度には構造上の問題があります。
国家戦略特別区域で実施する特定事業等について定める国家戦略特別区域計画は、区域ごとに設置される国家戦略特別区域会議が作成し、内閣総理大臣に申請し、認定を受ける仕組みとなっております。この区域計画の作成には、区域会議の全員の合意が必要であり、住民を代表する関係地方公共団体の長も会議に参加していることから、当該地域の声が一応反映される形となっております。しかしながら、特区に指定された地方公共団体の意思決定により、規制緩和の影響を直接受け、国民、住民が本来持つべき権利が侵害されるおそれがあっても、国民、住民が区域計画に対して直接意見を表明する機会は与えられておりません。国民、住民や第三者の視点を入れる必要があるのではないでしょうか。
国家戦略特別区域における農業外国人の就労解禁については、問題の多い外国人技能実習制度と地続きになるおそれがあります。帰国させ一定のインターバル期間を設けることとされているものの、技能、技術の移転を目的としている技能実習制度の在り方をゆがめるばかりか、技能実習二号修了後の外国人が引き続き安価な労働者として働かされる懸念があります。
技能実習制度の下で指摘されている低賃金や長時間労働など劣悪な労働環境、人権侵害に対処するための外国人材の保護措置については、法律ではなく、内閣総理大臣が作成する指針に定めることとしていますが、内閣総理大臣すなわち内閣府は国家戦略特別区域におけるビジネスを推進する立場であり、実効性に疑問があります。農業支援外国人受入れ事業と同様の仕組みで既に受入れが始まっている家事支援外国人受入れ事業における外国人材についても同様の事態の発生が懸念される中、新たに農業分野で受け入れようとするのは時期尚早ではないでしょうか。
そこで、こうした問題に対処するため、本修正案を提出いたしました。
修正の要旨は、次のとおりであります。
第一に、内閣総理大臣は、区域計画に定められた特定事業が、特定の者が特別の利益を得ることとなるものであると認められる場合には、区域計画の認定をしてはならないものとしております。
第二に、内閣総理大臣は、区域計画の認定の申請があった場合には、透明性を確保しつつ、区域計画の認定の厳格化等により認定を適正かつ厳格に行うようにするため、直ちに区域計画を公表し、広く国民の意見を求めなければならないものとしております。
第三に、国家戦略特別区域諮問会議の有識者議員は、利害関係のある議案について、その議事に加わることができないものとしております。
第四に、国家戦略特別区域農業支援外国人受入れ事業に係る規定は、別に法律で定める日までの間、適用しないものとしております。
第五に、政府は、国家戦略特別区域家事支援外国人受入れ事業及び国家戦略特別区域農業支援外国人受入れ事業において受け入れる外国人の権利利益の擁護の在り方について早急に検討を行い、その結果に基づいて法制上の措置その他必要な措置を講ずるものとし、この場合において、当該検討を行うに当たっては、我が国において外国人の権利利益の擁護を図るための活動を行う民間の団体その他の関係者の意見を聴くものとしております。
以上が修正案の趣旨でございます。
何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
ありがとうございました。
○委員長(難波奨二君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○神本美恵子君 民進党・新緑風会の神本美恵子であります。
私は、会派を代表して、国家戦略特区法及び構造改革特区法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
国家戦略特区法案は、安倍総理の意向におもねる官邸関係者たち及び竹中平蔵氏に代表されるような民間有識者とされる利害関係者によってトップダウンで決定され、与党議員や関係省庁もその決定過程から排除されていることが審議の中で明らかになりました。
民進党の調査チームが五月十七日と十八日に示した文書について、文科省は昨日、再調査の結果を発表しました。官邸、内閣府、文部科学省がなかったことにしたかったがために、菅官房長官は怪文書とまで呼び、内閣府は記録も記憶もないと言い、文科省は確認できない、出所不明として答弁を避けてきた文書のほとんどが存在し、総理の御意向、官邸の最高レベルの発言を示す文書も存在していたのです。
加計ありきの疑念が国民の間に高まる中、その追及をかわすために、政府・与党は、状況の変化を理由に強引に審議不十分ないわゆる共謀罪法案を中間報告で強行採決するという奇策に出ました。加計隠し以外の何物でもありません。
総理の御意向が当初からあったことは、二〇一六年九月十六日開催の国家戦略特区ワーキンググループヒアリングで内閣府の藤原審議官が、獣医学部の新設問題で、総理からもそういった提案課題について検討を深めようというお話もいただいていると発言していることからも明らかです。政府は約一か月間、加計学園の追及を避けるために時間稼ぎをしていたとしか思えません。
内閣府、官邸、存在が明らかになった文書について本日、調査結果を公表しましたが、全く不十分であります。義家文科副大臣の、勇気ある内部告発を行った文科省の職員を処分するかのような発言もありました。調査で明らかにされるべきは、どのような圧力によって行政がゆがめられたのか、その結果責任は誰が取るべきなのかを明らかにすることであります。文科省、内閣府、官邸は、処分をちらつかせて隠蔽を図るのではなく、公益通報者保護の立場を明確にして真実を明らかにすべきです。
加計学園問題の本質は、官邸と内閣府の圧力によって公平公正であるべき行政がゆがめられ、その結果、一つ、京都産業大学の獣医学部の新設提案がアンフェアな扱いを受けて不当に排除されたこと、二つ、競合提案を排除することにより、国家戦略特区諮問会議の議長である安倍首相がお友達の加計学園に便宜供与、利益誘導をすることになったこと、三つ、競合提案の排除は既存の十六獣医学部で定員を満たしたい学部にも及ぶことになり、岩盤規制を打ち破るどころか、利益誘導のために広域的に一校に限ると他を排除する規制を行ったということであります。規制を打ち破る突破口にするという基本方針とは真逆の恣意的な排除決定となったというところに問題の本質があります。
加計学園ありきだったことは、山本大臣のいわゆる石破四条件に対する説明を聞けば明らかであります。科学的根拠のない開き直った答弁の繰り返しであり、国民の疑問に応えるものでは全くありませんでした。獣医師の需給に関し神の見えざる手論を持ち出し、需要の見通しは困難だと強弁できる大臣の下で、特区として教育の場である学校・学部の設置を行い、教育を実験場にするような法案を認めるわけにはいきません。
民進党は、特区制度が地域や民間の団体の創意工夫から提案され、そのための規制改革が行われ、結果、地域住民に歓迎され地方創生につながるものであるなら決して反対するものではありません。しかしながら、以上のように、不公正、不透明なトップダウンのプロセスで行政がゆがめられ、その結果、利益誘導、便宜供与により一部の人ばかりが得をするような国家戦略特区制度を認めるわけにはいきません。
今後とも、加計学園問題について、国会が閉会してもしっかりチェック機能を果たし、国民の期待に応えるべく疑惑を解明していくことを申し上げ、会派を代表しての反対討論といたします。
以上です。
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の改正法案に対し、反対の討論を行います。
まず、法案の採決について意見を述べます。
国家戦略特区の制度改正として決定した獣医学部新設が首相官邸と内閣府によって初めから今治市ありきで進められたことを示す資料が文科省に存在していることが昨日明らかになりました。これまでの大臣と内閣府の答弁が虚偽であったことを示す重大な資料です。一方で、加計学園と明記された文書については存否を明らかにしないとの文科省の発表であり、また内閣府の調査は全く不十分であることも本日の質疑で明らかとなりました。
法案を継続審議とし、これまでの国家戦略特区の決定が公正であったのかを含め、議会として厳しく検証すべきであったということを申し上げたいと思います。
法案に反対する第一の理由は、小規模保育所の対象年齢の拡大が、子供の成長、発達への影響を全く考慮しない、やってはならない規制緩和だからです。
ゼロ歳から二歳児、定員十九人以下という小規模保育所に三歳から五歳児の受入れを認める理由として待機児童の解消が挙げられていますが、待機児童が最も深刻なのは一歳前後の乳児であり、問題の解決どころか、むしろ育休明けの待機児童をより深刻にしかねません。しかも、東京二十三区など待機児童数の多い大都市部では、ビルやマンションの一室で園庭もない小規模保育所がほとんどであり、今でもスペースの不十分さが指摘をされています。ここに幼児を受け入れることが子供の成長、発達にどういう影響を与えるか、大変心配です。
ところが、私の質疑で強く求めたことにもより、やっと明らかになったワーキンググループの議事要旨では、確かに一人の面積は減るけれども、小規模というのは妥協の産物、まずは実験的にできるのではないかなど、保育の質に関する真面目な議論は皆無です。子供を実験対象とするかのような規制緩和が許されるはずがありません。
第二に、農業支援外国人受入れ事業が、農業の人手不足を口実に、雇用の調整弁として外国人労働者を受け入れる突破口になることです。
特定機関が派遣元となり、農業経営体に外国人労働者を派遣することになりますが、派遣元との雇用契約は派遣労働法に基づくだけ、つまり三十一日以上であればよく、二か月の雇用契約で農繁期には反復更新、仕事がなければ派遣切りをして母国に帰すことも可能となります。
外国人労働者の受入れは専門的な職業に限るとしてきた我が国の入国管理の規制をなし崩し的に緩和することは許されません。関係自治体、関係府省の出先機関でつくる適正受入れ管理協議会が、二重派遣、派遣元での業務に従事させるなどの違法行為について監督指導できるのかも極めて曖昧です。
既に、特区を突破口として農地の株式会社取得の規制緩和が進んでおり、日本の農業が株式会社、営利企業、そして派遣会社の食い物にされかねない重大な改悪だと言わなければなりません。
希望の会提出の修正案については、国家戦略特区の運用について評価できる部分がありますが、農業支援外国人受入れ制度の導入そのものを否定していないものであり、反対であることを申し上げ、討論を終わります。
○山本太郎君 私は、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案の原案に対して、反対の立場から討論を行います。
今回の改正の目玉とされる農業外国人材受入れが可能になる部分、その外国人の要件として、農業に関して一定の知識、経験を持つ者とされていますが、一定の知識、経験を持ち、自国で生産活動を行う者がわざわざ日本に出向いてくるということが現実的ではなく、実際は外国人技能実習生二号修了者をスライドさせることが目的ではないかと考えます。国交省においても、緊急措置と称し、オリンピックの人手不足を、技能の移転との建前がある実習制度をねじ曲げ、雇用の労働力の調整弁に使っている現在、今後そのような方法でねじ曲げられる可能性は否めません。
外国人技能実習生制度においては数々の課題が指摘されてきました。その問題点の一つ、送り出し機関が実習生から徴収している保証金と手数料。技能実習生の送り出しがビジネスとして展開されており、実習生は来日前に送り出し機関に対し多額の渡航前費用を支払うことが当たり前になっている。渡航前費用には渡航前手数料や費用として百万円を超えるというケースもあり、技能実習の経験者の中には、送り出し機関に対し、ビザやパスポート費用、手数料として計九十一万円、更に渡航前研修時の学費や生活費で約六万五千円、また保証金として約五十五万円など、合わせて百五十万円以上を払っていたという人もいるとのことです。
このような現状でも、日本に来ればもうかるんだとだまされ、多額の借金をして来日、来日後の低賃金では返済が回らない状況で、多くの実習生が苦しむ現実が存在します。ほかにも逃亡したとかという話もありますが、その原因がこの事前に背負わされる借金という部分にもつながっていくということを加えて言っておきたいと思います。在留資格認定証明書交付申請書においてそのようなことがないか確認しているそうですが、それで改善することはできないようです。
政府は、六月六日、ベトナムとの技能実習における協力覚書に合意しましたと報道で発表。その覚書の中には、技能実習に関連し、保証金の徴収その他の名目の理由のいかんによらず、両国の法令に反し、技能実習生等、その親族又はそれらの者の関係者等の金銭その他の財産を管理する行為と、送り出し機関に保証金などで実習生やその家族の財産を管理することを禁止しています。
しかし、現地での実情は、保証金の徴収だけでなく、手数料やいろいろな理由を付け金銭を徴収しているのが現状。ベトナムとの覚書にも、技能実習生又は技能実習生になろうとする者から徴収する手数料その他の費用について、算出基準を明確に定めて公表し、当該手数料その他の費用の詳細について技能実習生等に十分に理解させるために説明することとありますが、あくまでも説明してくださいねレベルの話です。
保証金だけではなく、いろいろな名目で徴収される手数料についても、何度も指摘されておるにもかかわらず、いまだ改善の兆しは見られない。ほかにも、異常な低賃金、実習生を働かせる問題については、日本人と同等又はそれ以上の賃金と言っていますが、このことを担保できる条件、ほとんどありません。どうやって確認するんでしょう。
このように、外国人技能実習生制度において問題とされたたった二つ、これを例えに出してみても課題が全くクリアにされていない状態である現在、新たに特区で外国人労働者を受け入れていいはずがありません。受入れ体制ができていないのに、受入れ人数の拡大や業種の拡大が行われていいはずがありません。部品を仕入れるように、部品を取り替えるように人間をまたやり取りするならば、人身売買国としての汚名をまた世界に広めることになります。
国連からは、女性差別撤廃委員会、人身売買に関する特別報告者報告、移住者の人権に関する特別報告者報告、人種差別撤廃委員会、自由権規約委員会からは二度指摘され、性的虐待、労働に関係する死亡、強制労働となり得る状況に関する報告がいまだ多く存在することを懸念するとともに留意すると言われている。アメリカ国務省人身売買報告書では、人身取引を示す実質的証拠があるにもかかわらず、政府はこの制度における強制労働の被害者をこれまで一人も認知していないと二〇〇七年から一六年まで毎年指摘されていました。
これで広げる、あり得ないと思います。国連人権理事会としての意識、そろそろ持つ頃ではないでしょうか。まずは、人権侵害が起こらない本当の体制ができるまでは受け入れることを一旦やめるべきではないでしょうか。
以上、私の本法案への反対討論といたします。ありがとうございました。
○委員長(難波奨二君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
それでは、これより国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
まず、山本君提出の修正案の採決を行います。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(難波奨二君) 少数と認めます。よって、山本君提出の修正案は否決されました。
それでは、次に原案全部の採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(難波奨二君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、清水君から発言を求められておりますので、これを許します。清水貴之君。
○清水貴之君 私は、ただいま可決されました国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用等について遺憾なきを期すべきである。
一 国家戦略特別区域の新規指定及び国家戦略特別区域における追加の規制改革事項の決定に当たっては、特別の関係に配慮して特定の地域や企業等に利益を誘導したとの疑念を国民に持たれることのないよう十分留意し、情報公開の徹底により、その指定及び決定に至る過程の透明性・公正性を確保すること。また、国家戦略特区ワーキンググループを始めとする各種の会議の議事要旨について、少なくとも追加の規制改革事項のうち法改正を行う事項に係るものについては、会議の終了後速やかに公表するよう努めること。
二 国家戦略特別区域諮問会議の中立性を確保する観点から、民間議員等が私的な利益の実現を図って議論を誘導し、又は利益相反行為に当たる発言を行うことを防止するため、民間企業の役員等を務め、又は大量の株式を保有する議員が、会議に付議される事項について直接の利害関係を有するときは、審議及び議決に参加させないことができることとすること。
また、各国家戦略特別区域において特定事業を実施すると見込まれる者を公募する場合には、十分な募集期間を設けるなど、手続の公正性・公平性の確保に留意すること。
三 現在国家戦略特別区域に指定されている十区域の評価結果を踏まえ、個々の事業の進捗状況や規制改革メニューの活用が不十分であるなど、評価が著しく低い区域に対しては、その改善に向けた取組の状況に進展が見られない場合には、指定の解除を含め、厳格に対応すること。また、可能な限り定量的な評価を行うため、国家戦略特別区域計画にあらかじめ数値目標を定め、その達成度を測るなど、国民に対して分かりやすい形で評価を行うとともに、事業の進捗については、数値目標を活用したPDCAサイクルにより管理するよう努めること。
四 各国家戦略特別区域において、規制改革メニューの活用ニーズを把握し、新規事業を掘り起こすなど、事業の具体化を図る上で、特区の活動を支える人材の重要性に鑑み、特区推進共同事務局の活用や国と関係地方公共団体との人事交流の推進等により、人材の育成・確保を支援すること。
五 国家戦略特別区域小規模保育事業の実施に当たっては、満三歳以上の子どもの保育に関し、同年齢の子どもとの触れ合いの中で協調性や社会性を育む重要な段階であることに配慮するとともに、限られた空間の中で活動量の異なる異年齢の子どもが集団で保育を受けることになることに鑑み、安全管理対策に万全を期すること。
六 新たに国家戦略特別区域限定保育士事業の指定試験機関となる法人について、試験実施機関としての適格性・公正性の確保に万全を期すること。また、政府は、待機児童問題の解消に不可欠な保育士の更なる確保に向け、保育士の処遇の改善を始めとして、いわゆる「潜在保育士」の再就職支援のための取組を一層強化すること。
七 国家戦略特別区域農業支援外国人受入事業の実施に当たっては、外国人技能実習制度において指摘されている諸課題も踏まえ、外国人材に対する人権侵害行為を防止すること、日本人就農者と同程度の賃金水準を確保すること、労働時間や休日、休暇等の適切な就労環境を確保すること、これらにより就労期間中の失踪を防止すること、特定機関等による不当な利益追求を防止すること等、事業運営の適正化を確保するため、適正受入管理協議会を核に、特定機関及び農業経営体等に対する監督及び指導を徹底すること。
また、本事業の全国展開については、国内全産業における賃金や就労環境の低下につながらないよう見極めるとともに、地域社会や日本人就農者に与える影響等について慎重に検討した上で判断すること。
八 国家戦略特別区域内に、情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方であるテレワークの推進に向けた相談拠点を整備するに当たっては、テレワークによって従来の働き方よりもかえって労働時間が増加するなど、労働環境の悪化を招くことのないよう、ガイドラインの策定やセミナーの開催等、事業主・労働者に対して、適切な支援を実施すること。
九 我が国の成長戦略、第四次産業革命を牽引する、自動車の自動運転及び小型無人機の遠隔操作等の高度な産業技術の社会実装を世界に先駆けて実現するため、迅速かつ集中的に実証実験を行うことができるよう、日本版レギュラトリー・サンドボックス制度を速やかに創設すること。
なお、実証実験に際しては、地域の住民等の理解の下、その安全の確保に万全を期すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(難波奨二君) ただいま清水君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(難波奨二君) 多数と認めます。よって、清水君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、山本内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本大臣。
○国務大臣(山本幸三君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(難波奨二君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────
○委員長(難波奨二君) 次に、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
提出者衆議院内閣委員長秋元司君から趣旨説明を聴取いたします。秋元衆議院内閣委員長。
○衆議院議員(秋元司君) ただいま議題となりました青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。
本案は、スマートフォンやアプリ、公衆無線LAN経由のインターネット接続が普及し、フィルタリング利用率が低迷している状況に対応するため、フィルタリングの利用の促進を図るための所要の措置を講ずるもので、その主な内容は次のとおりであります。
第一に、携帯電話インターネット接続役務提供事業者等は、契約の締結等をしようとするときは、あらかじめ、当該契約の相手方又は当該契約に係る携帯電話端末等の利用者が青少年であるかどうかを確認しなければならないこととしております。
第二に、携帯電話インターネット接続役務提供事業者等は、契約の相手方が青少年である場合にあっては当該青少年に対し、契約に係る携帯電話端末等の使用者が青少年であり、かつ、当該契約の相手方がその青少年の保護者である場合にあっては当該保護者に対し、青少年が青少年有害情報の閲覧をする可能性がある旨及び青少年有害情報フィルタリングサービスの利用の必要性等について説明しなければならないこととしております。
第三に、携帯電話インターネット接続役務提供事業者等は、携帯電話インターネット接続役務の提供と関連性を有するものとして携帯電話端末等を販売する場合において、契約の相手方又は当該携帯電話端末等の使用者が青少年であるときは、その青少年の保護者がフィルタリング有効化措置を講ずることを希望しない旨の申出をした場合を除き、当該携帯電話端末等についてフィルタリング有効化措置を講じなければならないこととしております。
第四に、インターネット接続機器の製造事業者にフィルタリング容易化措置を講ずべきことを義務付けする規定の対象となる機器について、携帯電話端末及びPHS端末もその対象に含めることとしております。
第五に、OS開発事業者は、フィルタリング有効化措置及びフィルタリング容易化措置が円滑に講ぜられるよう、OSを開発するよう努めなければならないこととしております。
第六に、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するとともに、第一から第三までの義務の範囲の拡大を含め、青少年が青少年有害情報の閲覧をすることを防止するための措置の在り方について検討条項を設けることとしております。
以上が本案の趣旨及び概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(難波奨二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(難波奨二君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
秋元衆議院内閣委員長、加藤内閣府特命担当大臣は御退席いただいて結構でございます。御苦労さまでした。
─────────────
○委員長(難波奨二君) これより請願の審査を行います。
請願第一二五号マイナンバー制度の中止・廃止に関する請願外二百二十件を議題といたします。
本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧のとおりでございます。
これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることになりました。
以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
─────────────
○委員長(難波奨二君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
内閣の重要政策及び警察等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────
○委員長(難波奨二君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(難波奨二君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十三分散会