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「Ryzen 7 2700X」「Ryzen 5 2600X」評価キットが4Gamerに到着。第2世代Ryzenは8C16Tの最上位モデルで税別329ドルに
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印刷2018/04/13 22:00

テストレポート

「Ryzen 7 2700X」「Ryzen 5 2600X」評価キットが4Gamerに到着。第2世代Ryzenは8C16Tの最上位モデルで税別329ドルに

 「Pinnacle Ridge」(ピナクルリッジ)という開発コードネームで知られていた第2世代Ryzen,Ryzen Desktop 2000(以下,Ryzen 2000)シリーズ。本シリーズに属する「Ryzen 7 2700X」「Ryzen 5 2600X」の評価キットが4Gamerに届いた。

Ryzen 7 2700X(左)とRyzen 5 2600X(右)
Ryzen

 段ボールの中には,Ryzenロゴの入った灰色の箱と,AMDロゴの入った黒い箱の2つが入っていたが,さっそく中身をチェックしていきたいと思う。

Ryzen 2000シリーズの評価キット。届いた段ボールの中にこれらが入っていた
Ryzen


8コア16スレッド対応のRyzen 7 2600Xと,6コア12スレッド対応のRyzen 5 2600X


 Ryzenロゴ入りの相対的に小さな箱を開けると,CPUのアピールポイントが英語で書かれたシート,そしてCPUの製品ボックスが入っていた。

左は灰色の箱を開けたところ。箱には「レビューおよびテスト専用」という但し書きがあった。シートの奥に2個のCPU製品ボックスが見える。右は製品ボックスを取り出したところで,ぱっと見,第1世代Ryzenと変わらない
Ryzen Ryzen

 Pinnacle Ridgeは,「Zen+」マイクロアーキテクチャを採用し,GLOBALFOUNDRIESの12nm LP(Low-Power)プロセス技術を用いて製造されるCPUだ。「Zen」マイクロアーキテクチャの改良版を採用し,第1世代Ryzenが採用していたGLOBALFOUNDRIESの14nm LPP(Low-Power Plus)プロセス技術の光学的微細化版にあたるプロセス技術を用いたプロセッサ,という紹介も可能だろう。
 マイクロアーキテクチャ面でもプロセス技術面でも着実に進化したとも,両面で劇的な進化は果たしていないとも言える。

 さて,AMDは正式発表に先立って,以下のとおり,製品ラインナップを明らかにしている。

  • Ryzen 7 2700X
    8コア16スレッド対応,定格3.7GHz,最大4.3GHz,共有L3キャッシュ容量16MB,倍率ロックフリー,Wraith Prismクーラー付属,北米市場におけるメーカー想定売価329ドル(税別)
  • Ryzen 7 2700
    8コア16スレッド対応,定格3.2GHz,最大4.1GHz,共有L3キャッシュ容量16MB,倍率ロックフリー,Wraith Spireクーラー付属,北米市場におけるメーカー想定売価299ドル(税別)
  • Ryzen 5 2600X
    6コア12スレッド対応,定格3.6GHz,最大4.2GHz,共有L3キャッシュ容量16MB,倍率ロックフリー,Wraith Spireクーラー付属,北米市場におけるメーカー想定売価229ドル(税別)
  • Ryzen 5 2600
    6コア12スレッド対応,定格3.4GHz,最大3.9GHz,共有L3キャッシュ容量16MB,倍率ロックフリー,Wraith Stealthクーラー付属,北米市場におけるメーカー想定売価199ドル(税別)

 現在のところ,メモリコントローラなどの詳細は未定だが,それにしてもインパクトのある価格設定と言っていいだろう。第1世代Ryzenの最上位モデルだった「Ryzen 7 1800X」だと,発表当初の北米市場におけるメーカー想定売価は499ドル(税別)だったので,なんと170ドルも安価だ。

AMDが明らかにした,第2世代Ryzenのラインナップと主なスペック,北米市場におけるメーカー想定売価。税別329~199ドルのレンジとなる
Ryzen

Ryzen 7 2700X。OPN(Ordering Part Number)は「YD270XBGM88AF」だった。CPUパッケージが汚れて見えるかもしれないが,製品ボックスから取り出した時点でこんな感じだった
Ryzen
 ちなみにZenマイクロアーキテクチャでは,1基あたり容量512KBのL2キャッシュを持つCPUコアを4基と,これらCPUコアで共有する容量8MBのL3キャッシュをまとめてCPUモジュール「CPU Complex」(公式略称「CCX」,以下略称表記)を構成していた。それを2基束ねることでシリーズ最上位モデルであるでは8コア16スレッド,共有L3キャッシュ容量16MBを実現しているわけだが,それは上に示したスペックを見ても分かるように,Zen+でも変わっていない。

製品ボックスに封をするような格好でスペック(など)の書かれたシールが貼ってある。このあたりは第1世代Ryzenから変わっていない。なおキャッシュ容量表記は「L2とL3の合計」だ
Ryzen
ちなみにこちらは製品紹介シート。Ryzen 5 2600Xが16MBになっていたが,これは誤りだ。うっかりL3キャッシュ容量のみを記載してしまったのだろう
Ryzen Ryzen

プロセッサパッケージは1331ピンPGA(Pin Grid Array)のAM4で,これは第1世代Ryzenと同じ。対応ソケットがSocket AM4なのも変わらない
Ryzen
 デスクトップPC向け「Raven Ridge」(レイヴンリッジ)こと「Ryzen Desktop Processor with Radeon Vega Graphics」で初めて採用となった「2000番台のモデルナンバーを持つRyzenの新機能」である「Precision Boost 2」の効果かどうか,Ryzen 7 1800Xと比べて定格クロックは100MHz,最大クロックは300MHz高くなっている。

Ryzen 7 2700X製品ボックスの内容物
Ryzen
 Ryzen 7 1800XになかったRyzen 7 2700Xの特徴としては,標準でCPUクーラーが付属している点を挙げられよう。製品ボックスに入っていたのはLEDイルミネーション機能を搭載する新型「Wraith Prism」(レイスプリズム)で,CPUパッケージに密着する4本のヒートパイプが熱をヒートスプレッダ部へ移動させ,それを100mm角のファンで冷却するというトップフロー型の構造となっていた。

Wraith Prism。LEDを制御するため,ファンカバー部に追加のケーブルを接続する必要がある(左,中央)。クーラーの固定法はリテンションを使う,AMD伝統の方式だ
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Ryzen 5 2600X。OPNは「YD260XBCM6IAF」だ
Ryzen
 一方のRyzen 5 2600Xはおそらく第1世代Ryzenの6コア12スレッド対応モデル最上位だった「Ryzen 5 1600X」の後継だろう。Ryzen 5 1600Xと比べると,定格クロックはそのままに最大クロックが200MHz上がっている。

 CPUクーラーは「Wraith Spire」が付属していた。第1世代Ryzenだと「Ryzen 5 1500X」などの製品ボックスに付属していたのと同じものだ。CPUの熱を受ける部分に銅が採用されたアルミ製ヒートシンクを100mm角のファンで冷却するトップフロー型で,静音指向という位置づけのクーラーである。

Wraith Spire。こちらはマザーボードにネジ留めする仕様だ
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「ROG CROSSHAIR VII HERO(WI-FI)」と「X470 AORUS GAMING 7 WI-FI」,2枚のX470マザーボードが付属


F4-3400C16D-16GSXW。グリス汚れが付着していたので,おそらくAMD側でテスト済みということなのだろう
Ryzen
 続いて黒い箱のほうだが,中に入っていたのはG.Skill International製で,DDR4-3400(≒PC4-27200)の16-16-16-36設定を1.35Vの電圧で実現するDDR4 SDRAM 8GBモジュール2枚セット「F4-3400C16D-16GSXW」と,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)製の「X470」チップセット搭載マザーボード「ROG CROSSHAIR VII HERO(WI-FI)」(以下,CROSSHAIR VII HERO)……と思ったら,CROSSHAIR VII HEROの製品ボックスの下からGIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)製の同じくX470チップセット搭載マザーボードである「X470 AORUS GAMING 7 WIFI」(以下,X470 AORUS GAMING 7)も出てきた。
 なぜ同じチップセットのマザーボードが2枚入っているのか,AMDからこれといった説明はない。

黒い箱を開けると,「Bring Your Imagination to Life. 2nd Gen Ryzen The Intelligent Processor」と書かれたカバー的なものが出てきた
Ryzen Ryzen Ryzen
左はCROSSHAIR VII HEROの製品ボックスを取り出したところで,X470 AORUS GAMING 7の製品ボックスがその下にあった。右は黒い箱の内容物一式。レビュワーに向けてAMDからのメッセージが入った紙」などはない
Ryzen Ryzen

X470チップセット
Ryzen
 第2世代Ryzenに合わせて登場したX470チップセットだが,CROSSHAIR VII HEROとX470 AORUS GAMING 7のマニュアルを読む限り,AMDがかねてより予告していたように,第1世代RyzenとRyzen Desktop Processor with Radeon Vega Graphicsは両マザーボード上で問題なく動作する。
 一方,ASUSもGIGABYTEもすでに既存の300シリーズチップセット搭載マザーボード用として第2世代Ryzen対応UEFI(≒BIOS)を公開しているため,対応UEFIを導入すれば300シリーズチップセット搭載マザーボードで第2世代Ryzenを利用することも可能だ。
 チップセットレベルのUSBおよびSerial ATA(以下,SATA)サポートは,USB 3.1 Gen.2が2ポート,USB 3.1 Gen.1が6ポート,USB 2.0が6ポート,SATA 6bpsが6ポートで,このあたりもX370から変わっていないようである。

 ならX470マザーボードを選ぶメリットは何かだが,AMDは「StoreMI Technology」(以下,StoreMI)を推している。AMDはストレージを高速化する技術としているが,両マザーボードのマニュアルを読む限り,X470マザーボードで2基あるM.2スロットを使ってRAID 0/1アレイを構築するもののようだ。

AMDが謳う「X470チップセットの効能」。第2世代Ryzenの高い動作クロックに向けた最適化と,(おそらくはM.2スロットが2系統あったりすることなどの)新しいマザーボードデザイン,そしてStoreMIのサポートがアピールポイントになっている。右はStoreMIの概要説明だ
Ryzen Ryzen

 といったところを踏まえ,以下,2枚のマザーボードを順に見ておきたい。


CROSSHAIR VII HERO


 黒い箱で上段に入っていたCROSSHAIR VII HEROは,ASUSが展開するゲーマーおよびオーバークロッカー向け製品ブランド「Republic of Gamers」(以下,ROG)の新製品という扱いだ。ASUSは第1世代Ryzen用に「X370」チップセット搭載マザーボード「ROG CROSSHAIR VI HERO」という製品を展開しているが(関連記事),その後継という理解でいい。

CROSSHAIR VII HERO
Ryzen

Ryzen
CROSSHAIR VII HEROの裏面側。補強板的なものはない,シンプルな見た目だ
Ryzen
SLI HB Bridgeのほかにも,製品ボックスには無線LAN用アンテナや大きなステッカーシートなどが付属する
 物理的な拡張スロット構成はPCI Express(以下,PCIe) x16 ×3,PCIe x1 ×2。NVIDIAの2-way SLIおよびAMDの3/2-wayマルチGPU構成をサポートしており,製品ボックスには標準で「SLI HB Bridge」が付属する。

 3本あるx16スロットのうちCPUから近いほうの2本はCPU直結のGen.3仕様で,レーン構成はx16+x0およびx8+x8,x8+x4のいずれか。「x8+x4」という仕様を不思議に思うかもしれないが,CPUソケットに近い,ヒートスプレッダ付きのM.2ソケット「M.2_2」にPCIe 3.0 x4接続のSSDを差した場合にはCPUから遠いほうがx4接続になる。CPUに直結の4レーンはチップセットに近い「M.2_1」のほうなので,セカンダリM.2スロットの4レーンをPCIe 3.0 x4で確保するためにこのような仕様になっているのだろう。

 CPUから遠い1本はチップセットにつながったGen.2仕様となっており,内部的にはx4接続だ。

拡張スロット周り。PCIe 3.0接続になる2本のx16スロットには,ASUSが「SafeSlot」と呼ぶ金属製ガードを装着している。PCIe x1スロットには切り欠きがあるため,性能を求めなければx4やx8接続のカードを取り付けることができる点も注目しておきたい。M.2スロットはPCIe 3.0 x4接続のM.2_2がType 2242/2260/2280対応,PCIe 3.0 x4もしくはSATA 6Gpps接続のM.2_1がType 2242/2260/2280/22110対応
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 SATA 6Gppsポートは6つで,いずれもX470直結。4本のメモリスロットはマザーボードレベルでDDR4-3466設定まで行えるようになっているという。

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SATA 6Gbpsポートは6つ。いずれもX470とつながっている
Ryzen
4本のメモリスロットはDDR4-3466アクセス設定が可能とのこと

外部インタフェース部。CMOSクリア用のボタンやUSBフラッシュメモリからBIOSアップデートを行うための「USB BIOS Flashback」用ボタンも搭載する
Ryzen
 外部インタフェース部は,各社のマザーボードで最近流行している,いわゆるバックパネル一体側。CPUに直結となる青いUSB 3.1 Gen.1 Type-Aポートが4,X470チップセットにつながり,やはり青いUSB 3.1 Gen.1 Type-Aポートが4,ASMedia Technology(以下,ASMedia)製コントローラ「ASM3142」によるUSB 3.1 Gen.2 Type-AおよびType-Cポートが各1,それにUSB 2.0 Type-Aポートが2と,非常に充実している。

 マザーボード上のヒートシンクやカバー類を外してみると,まず,電源部は12フェーズ構成のようであることが分かる。

CROSSHAIR VII HEROからヒートシンクとカバーを取り外したところ
Ryzen

 MOSFETとしてはドライバICもまとめてワンパッケージとしたInfineon Technologies製「IR3555M」を採用し,フェーズごとに1基組み合わせた構成になっていた。

整然と並んだ電源部。デジタル電源回路の制御用チップが見当たらないと思ったら,マザーボード背面側にASUS独自の「DIGI+ EPU」チップがあった
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 CPUのオーバークロック設定に寄与する「TPU」(TurboV Processing Unit)や,ASUS独自のLEDイルミネーション制御機能である「Aura Sync」の制御用チップといった具合に独自チップを複数載せてきているのは,ROGブランドの製品らしいところだ。

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CPUから最も遠いPCIe x16スロットの近くにTPUがある。その近くにはROGロゴマーク入りのチップも見えるが,これはTPU関連だろうか
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「AURA」と入っているのでAura Sync用と思われるチップと,Cortex-M0ベースのSTMicroelectronics「STM32F072CBU6」。後者もおそらくAura Sync用だろう

写真中央がES9023P。HD Audio CODECは「SupremeFX」カバーの下にある。写真左端に見えるのはIntelの1000BASE-T対応LANコントローラ「I211-AT」だ
Ryzen
 オンボードサウンドにはROGマザーボードでお馴染みの「SupremeFX」という名前が付いている。HD Audio CODECはRealtek Semiconductorの「ALC1220」ベースとなる「SupremeFX S1220」だが,注目したいのはオーディオ製品にもよく使われているESS Technology製OPAMP(オペアンプ)統合型D/Aコンバータ「Sabre Premier Stereo DAC with 2Vrms Op-Amp Driver」(ES9023P)を採用している点だろう。チップレベルのダイナミックレンジは112dBなので,アナログのサウンド出力にはかなり期待できそうである。

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こちらは製品名のシルク印刷近く。Integrated Device Technology製クロックジェネレータ「9VRS4883BKLF」や,PCIe 3.0用に十分な駆動電流を確保するためのバッファである同社製「9DB8633AGILF」,ASMedia製PCIeスイッチチップ「ASM1480」の並びが見える
Ryzen
外部I/Oインタフェース近くにはASMedia製USB 3.1 Gen.2コントローラ「ASM3142」を搭載する。複数のデバイスを接続したときでも帯域を無駄にしない「Multiple INs」をサポートし,高速なデータ転送を実現するというハイスペックモデルだ


X470 AORUS GAMING 7


 GIGABYTEの新しいゲーマー向け製品ブランドである「AORUS」(オーラス)の名を冠するX470 AORUS GAMING 7は,X370マザーボード「GA-AX370-Gaming K7」の後継的な製品だ。

X470 AORUS GAMING 7
Ryzen

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背面は外部I/Oインタフェースの近くを,橙色の差し色入り金属板が覆うデザイン。3本あるPCIe x16スロットのところを見ると,CPUに近いほうから最大16,8,4レーンとなっているのが分かりやすい
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無線LAN用アンテナやロゴ入りベルクロテープ,ステッカーシート,SLI HB Bridgeなどが製品ボックスに付属。評価キット版だとマニュアルは中国語だった
 拡張スロットは,PCIe x16 ×3にPCIe x1 ×2という構成。3本のx16スロットすべてに補強とノイズ対策用の金属製シールド「Ultra Durable PCIe Metal Shield」が取り付けられている。
 CPUとGen.3接続しているのはCPUに近いほうの2本。付属の中国語マニュアルに詳細が書いていなかったので推測だが,SLI HB Bridgeが付属している以上,おそらくレーン数構成はCROSSHAIR VII HEROと同じくx16+x0あるいはx8+x8になるはずだ。残る1本はPCIe 2.0 x4接続だが,こちらはCPUから遠い側の,PCIe 2.0 x4接続もしくはSATA 6Gbps接続のSSDに対応したM.2スロット「M2B_SOCKET」と排他になっている。

 グラフィックスカードを差したときにカードのクーラーで隠れる場所のSSDスロット「M2A_SOCKET」はCPUとPCIe 3.0 x4で直結する仕様。外排気タイプのグラフィックスカードを組み合わせた場合はここに熱が籠もる可能性があるので,この点は注意が必要だろう。GIGABYTEとしては,WINDFORCEシリーズのクーラーを搭載したグラフィックスカードと組み合わせれば,クーラー側のファンがもたらすエアフローでSSDもきちんと冷却できますよということなのかもしれない。

拡張スロット周り。M.2スロットはPCIe 3.0 x4接続のM2A_SOCKETがType 2242/2260/2280/22110対応,PCIe 2.0 x4もしくはSATA 6Gpps接続のM2B_SOCKETがType 2242/2260/2280対応だ
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 SATA 6GbpsポートはX470直結のものが6つ。外部インタフェース部は,これまたカバー一体型だ。USBポートはCPUに接続された青いUSB 3.1 Gen.1ポートが4つと,X470につながる黄色いUSB 3.1 Gen.1ポートが2つ。黄色いポートはUSB接続型サウンドデバイスに向けて電源出力の最適化が可能な「USB DAC-UP」仕様になっている。

 ASMedia Technology製のUSB 3.1 Gen.2コントローラによりType-AとType-Cを1ポートずつ提供するのはCROSSHAIR VII HEROと同じだ。

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SATA 6Gbpsポートは6つ。いずれもマザーボード基板に対して平行方向を向いている
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外部I/Oインタフェース部。USB DAC-UP仕様の黄色いUSB Type-Aポートが目を惹く。写真左端に見える2個のボタンはATX電源用とCMOSクリア用だ

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電源部のヒートシンクはかなり大きい。ただ,CPUクーラーを取り付けやすくすべく,CPUソケットに向かって切れ込んだ斜面にしてあった
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メモリスロットの間にはLEDが埋め込んである。なお,メモリアクセス仕様は中国語簡易マニュアルだとDDR4-2933までだった

 X470 AORUS GAMING 7でもここからはヒートシンクとカバーを取り外してみるが,さすがはハイエンドモデルいったところで部品点数が多い。外部I/Oインタフェース部の一体型カバーが着脱式だったのはちょっと面白いと感じた。

X470 AORUS GAMING 7のヒートシンクとカバーをすべて取り外したところ
Ryzen

 電源部についてGIGABYTEは公式に「10+2フェーズ構成」と製品ボックス上で謳っているのだが,実際,電源部の並びは確かに10+2フェーズのように見える。フェーズごとにドライバICとMOSFETを統合したInfineon Technologies製「IR3553M」を1つずつ組み合わせ,同社製のデジタルマルチフェーズコントローラ「IR35201」から制御するという仕様だ

ハイエンドマザーボードらしい,整然とした電源部である
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 オンボードの主要なコンポーネントは以下のとおり写真で紹介してみたい。

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製品名シルク印刷のすぐ近くにIntegrated Device Technology製クロックジェネレータ「9FGL1214AKLF」を搭載
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M2A_SOCKETの近くにはNXP Semiconductors製PCI Express 3.0スイッチチップ「CBTL04083B」が並んでいる
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オンボードセンサー類を司る「ITE8792E」(左)と,LED制御用となる「IT8295FN-56A」(右)。いずれもITE Tech.製だ
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外部I/Oインタフェース部の近くに,Intel製1000BASE-T対応LANコントローラ「I211-AT」(左)とASMedia製USB 3.1 Gen.2コントローラ「ASM1143」がある

サウンド周り。チップ以外も豪華な印象だ
Ryzen
 オンボードのサウンド機能としては,Realtek Semiconductor製HD Audio CODEC「ALC1220」に,OPAMP統合のESS Technology製D/Aコンバータで,ハイエンドのオーディオ機器でよく採用される「SABRE32 Reference 8-Channel Audio DAC」(ES9018 / SABRE9018Q2C)を採用している点が見どころだ。ここもさすがにハイエンドモデルと言っていいのではなかろうか。


現在テスト中。結果にご期待あれ


 マザーボードが2枚も付属していたので長くなったが,現在4Gamerでは,CROSSHAIR VII HEROを組み合わせてRyzen 7 2700XとRyzen 5 2600Xのテストを実施中だ。結果はそう遠くない将来にお届けできると思うので,期待してほしい。

Ryzen

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