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2018.03.31.Sat. 

[] “宇宙よりも遠い場所Add Star



f:id:LJU:20180331230046j:image:w300:right



 南極を目指す女の子4人の物語。
 全13話、万遍なく良質。
 キマリ/報瀬/日向/結月の4人はそれぞれ個性的でしっかりしたキャラクター造形。4人のリズミカルな掛け合い、役割語に依存しない等身大の台詞が作品の魅力の大半を占めている。
 この点、声優の演技力による貢献も非常に大きい。特に報瀬。信念と筋を持ちつつも、人見知りで、抜けてる部分も随所にある、という起伏の激しいキャラをとても良く演じている。
 主人公に位置付けられているのはキマリだけど、「南極に行きたい」という強い願望と動機を持つ報瀬がストーリーの全体を牽引し、軸となっている。
 居場所が不安定で帰属先がはっきりしない4人が共通の行き先を目指して旅する、というのが基本的な構図。
 各話どれもよくできていて、すべて見終わって残るのは爽やかで前向きな気持ち。

 人物絵が少し独特で、ハイライト描写がとても目立つのが特徴。放映前の止め絵だとすごくはっきり認識されてたんだけど、本編見始めると気にならなくなってたのは不思議。でもこれ、潜在的に躍動感を与える効果があったのではと思ったりしている。



[その他メモ]

  • 3話『フォローバックが止まらない
        • キャラクターたちのコメディ会話劇の良さが最初に炸裂した回。それでいて最後に泣ける部分(手を伸ばす結月)もあるという、作品全体の基本的なつくりが凝縮されて示されている。

  • 6話『ようこそドリアンショーへ
        • 上げて落とすみたいな報瀬の扱われ方。

  • 8話『吠えて、狂って、絶叫して
        • 「ちょっと外行ってみたいですね…?」
          荒波のデッキに出る4人。毀誉褒貶あるみたいだけど、自分としてはすごく良かった。全体通してもかなり好きなシーン。

  • 11話『ドラム缶でぶっ飛ばせ!
        • 日向と報瀬には他の2人とはまた少し異なる強い関係がある。

  • 12話『宇宙よりも遠い場所
        • 「結局、人なんて思い込みでしか行動できない。
           ……けど、思い込みだけが現実の理不尽を突破し、不可能を可能にし、自分を前に進める」
        • 無数の未読メールを受信するところ。
          記憶に残る名シーン。
          時間と思いとが詰め込まれたような表現。(メールの流れるところとか、映像ならではのものだと思う)

  • 13話『きっとまた旅に出る
        • 「本物はこの一万倍綺麗だよ」「知ってる…!」
        • 報瀬ってもちろん観測船「しらせ」から取られている名だけど、「報せ」でもあるわけだ。序盤からの報瀬のこの一方通行のメールが物語上とても重要な要素。
          最後に吟を介してついに双方向での通信が達成される、というのはほんとうにきれいに物語ができていると思う。







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“でも、これはごまかしよ、ね。つかまったと思ってるだけ。ほら。わたしがここに合わせると、あなたはもう環 (ループ) を背負ってない”
―Angela Mitchell