「首相案件備忘録」よりスゴい安倍内閣がひた隠す決定的文書 公開の可能性
誰がウソをついているかは、すでに明らかではないか。
【資料公開】首相案件備忘録より怖ろしい「復命書」
斎藤健農水相は13日、学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画について、愛媛県の職員が首相官邸で首相秘書官と面会した後に作成した「備忘録」が、農水省内で見つかったことを発表した。斎藤農水相は記者会見で、「調査の結果、職員1名が文書を保有していました」と説明した。
備忘録には、当時の首相秘書官である柳瀬唯夫経済産業審議官が、「本件は、首相案件」などと述べたことが書かれている。柳瀬氏は面会の事実について「自分の記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありません」と否定している。
備忘録の存在が発覚したことで、国会は大荒れだ。安倍首相は衆院予算委員会で繰り返し追及を受けたが、「愛媛県が作成した文書については、コメントを差し控えたい」などと答弁を拒否。面会の事実を否定する柳瀬氏の資質について問われると、「信頼している」と述べ、一貫してかばう姿勢を見せた。
だが、こういった“ゴマカシ”は、もう限界かもしれない。実は、15年4月2日の面会については、今治市にも職員が書いた「復命書」という名の出張報告書が残されているからだ。
復命書の存在は、市民団体「今治市民ネットワーク」の村上治共同代表による情報公開請求によって一部明らかになっている。ただ、政府側の出席者の名前や面会の内容については黒字で塗りつぶされていて、全文は判明していたない。村上氏は、その中身についてこう推測する。
「復命書には、柳瀬氏や愛媛県職員が残していたメモと同様のものが残されている可能性が高い。出席者の名前には柳瀬氏の名前もあるでしょう。復命書は公文書であるため公開が当然で、そうなれば柳瀬氏の言ったウソが明らかになるはずです」
だが、復命書の全文公開は、今治市が拒否している。むしろ、以前よりも情報公開に消極的な姿勢を示している。村上氏は言う。
「昨年11月14日に林芳正文科相が獣医学部の新設を認可したことで、16年12月に国が審議中であることを理由にほとんどを非開示としたことの根拠が消滅しました。そこで、あらためて情報公開請求をしたのですが、昨年12月に今度は全文が非開示になったのです。黒塗りの文書すら出てきませんでした」