Yahoo! JAPANのマルチビッグデータを支える「白河データセンター」の環境対応を体感!新卒研修同行レポート

2018年3月27日

image


こんにちは。linoticeの中のヒトです。

新卒研修で実施した、ヤフーグループとIDCフロンティア(以下IDCF)が共同で保有する東日本地域最大拠点である「白河データセンター」見学に参加してきました。

白河データセンターは、Yahoo! JAPANを支えるシステムや、クラウドサービスおよびハウジングサービスなどの外販棟で構成されており、最新技術を駆使した環境対応型の大規模データセンターです。

今回はその見学ツアーの様子をお伝えします!


まずは、データセンターの基礎知識をインプット!

白河データセンターへは、東京から新幹線とタクシーを乗り継ぎ、約2時間で到着。まずは、ID・パスワードで保護された事前登録サイトで登録した情報と、顔写真付き身分証明書で本人確認と照合する入館手続きを行います。

入館に関しては、非接触カードリーダや指静脈認証システムなどで、5段階によるラックアクセスチェックを行い、アクセスログも保存されます。館内には、監視カメラも400台以上という万全のセキュリティ対策がなされています。

image


受付後は会議室に移動し、データセンターに関する基礎講座や、 白河データセンターの構造について説明を受けました。

データセンターとは、メインフレームやミニコンピュータ、スパコン、サーバーなどのコンピュータや、データ通信などの装置を設置・運用することに特化した施設。空調設備、災害耐性、セキュリティ、大量の通信線、消火設備、電源供給形態などが一般のビルとは違うところです。

白河データセンターは福島の涼しい気候を生かし、最新の外気空調方式と水冷空調方式を組み合わせた環境対応型の大規模データセンターです。需要に応じて建設を行うモジュール方式を採用しています。

image
image


ヤフーはデータセンターを首都圏、関西、北九州、白河およびアメリカに分散配置しており、その中でも主に北九州、白河のデータセンターがメインに稼働しています。

東京と白河データセンター間のレイテンシは3.5ミリ秒前後。東京近郊に位置するデータセンターと同等の応答速度で、東京-大阪間の約1/3、北海道・九州では約1/4、沖縄では約1/10と、物理的な距離に比例しない高速なネットワーク環境を提供しています。

image


データセンターにはコンピュータを数々の脅威から守り、運用を効率化させるためのさまざまな機能や、万が一のために強固に作られた耐震ラック、UPS(無停電電源装置)やGTG(自家発電設備)などの仕組みがあります。

こうした設備を動かすためには膨大な電力を要しますが、白河データセンターは省エネ&環境配慮型の構造で電力を節約しているのです。

image
image


白河データセンターは冷たい外気を中に取り込んで、サーバーから発生する熱を自然の力で冷やし、暖まった空気は屋上のチムニー(煙突)から排熱する構造となっています。日本のデータセンターの平均PUE*は1.74(日本データセンター協会調べ)なのに対して、1.2以下を達成しています。

※PUE:データセンターの効率をあらわす指標。数値が1に近づくほど、データ処理以外に必要な電力消費が少なく効率が高い。

image
image


こうした省エネや環境配慮への取り組みは、さまざまな団体や自治体に評価され、ASPICアワードベスト地域貢献賞(2013年)と総合グランプリ(2016年)、第32回福島県建築文化賞 特別部門賞(2016年)などを受賞しました。

また、建物の最適デザインやエンジニアリングに対しては、2015年度グッドデザイン賞、第53回空気調和・衛星工学会賞 技術賞(2015年)、第16回JIA環境建築賞(2015年)、第6回サステナブル建築賞(2016年)といった表彰もいただいています。

image


約15分の概要説明の後、いよいよ二組に分かれてデータセンターの見学へ。

まずは、白河の涼しい外気を室内に取り入れる設計となっている サーバールームに向かいます。

image


ラックにはYahoo! JAPANのサービスを支えるサーバーがぎっしり詰まっています。こちら側は涼しいのですが…。

image


サーバーの裏側は熱い空気が排熱されて、暑いのです。でも、その熱い空気は天井を通り、チムニー(煙突)から外に排出されます。

image


外気の通り道は 一人しか通れない幅で、通路は歩いてもよい場所がわかりやすいように黄色の線が引かれています。 通路の下に通る冷却水のパイプが見える構造になっていました。壁の右側には外気の取り入れ口、左側には外気と環気の混合室への入り口があります。

image
image


この通路では、壁面のダンパーが開いて建物の外から冷たい外気を取り込む実演をしてもらいました。この仕組みで、空調の年間負荷の9割を外気で冷やすことができているのだとか。建物全体が側面から外気を取り入れて上部から排気する空調設備となっているので、呼吸するデータセンターとも呼ばれているそうです。

image
image


空調の制御パターンは、外気・還気・冷却・再熱・加湿・除湿とあり、サーバーが稼働しやすい最適な温湿度に自動制御されるようになっています。サーバーにやさしい構造ですね!

image

▲室内の温度や湿度によってダンパーが開閉し、外気を取り込んで空気を調整


こちらはサーバーの排熱を逃がすモーターダンバー。冷たい外気を壁吹き出しでサーバールームのコールドアイルへ送ってサーバー機器を冷却し、暖まった空気はホットアイルを通してチャンバーから還気するかチムニー(煙突)へと排気する循環構造になっています。

image


この黄色い装置は、無停電電源装置(UPS)。停電や万が一の商用電力停電時には、サーバーダウンが起こらないようにこの装置からのバッテリー給電に切り替わります。また、同時に起動される非常用自家発電設備(GTG)の定期的な試運転点検も行っているとのこと。

監視カメラで判別しやすいようにフロア別に色を塗り分けているのだそうです。鮮やかな黄色はたしかにわかりやすそうですね。

image
image


外の階段を上って屋上へ。地上から天井まで設備が見渡せるようにすべてスケルトンな構造になっています。高所恐怖症な私はブルブルでしたが、外の眺めやデータセンターの構造が見渡せるため、見学チームは興奮しながら楽しそうに上っていました。

image

▲屋上へはデータセンターの外からスケルトンの階段を上っていきます


image

▲階段も通路もすべてスケルトン仕様です


image

▲天井のチムニー(煙突)を下から見上げたところ


屋上のチムニー(煙突)部分まで登ってきました。排熱は外に抜けるようになっていますが、雨や雪がサーバー室に入り込むことを防ぐ構造になっているので、台風が来てもサーバールームに水滴が入ることはないのだそう。避雷針も監視カメラも設置してあり、防災やセキュリティ対策も万全です。1号棟の裏手にある3号棟と管理棟までの眺めも絶景でした。

image


その他にも、 サーバールームから暖かい空気を送るチムニー(煙突)や、

image


ターボ冷凍機で作った冷水をためるための冷水クッションタンクなども見学させていただきました。

image


続いては、2018年3月末竣工予定の新棟、5号棟の建設現場へ。建設規模は1棟約1,400ラック規模で、ヤフーが保有するマルチビッグデータを活用するための処理基盤強化や、 IDCFのクラウドサービス・外販などの利用を予定しています。

image
image


こちらは中央監視室。ラックごとに監視ができるようになっており、全国の各データセンターとのやりとりも可能です。24時間365日体制で運用サポートメンバーが常駐しているので、万が一のトラブル対応も万全の体制で臨めます。

image

▲24時間365日体制で監視しています

image

▲各モニターでデータセンター全体の監視を行っています。異常が発生すると警報が鳴ります。

image

▲透明のガラス壁越しに見学する研修チームの面々


国内最大規模のトラフィックをお客さまにストレスなく提供するために、多種多様のネットワーク機器を導入しています。中には数千万円以上する機器もあるとのこと。物理面の悩みとして筐体(きょうたい)の長さがそれぞれ違うので、設置時にはかなり工夫しているそうです。

各種ケーブルやサーバーパーツなどの備品も大量に備蓄されていました。

image
image
image
image

▲サーバー機器についての講義を受ける研修メンバー


Yahoo! JAPANのサービスでも利用しているサーバールームへ。各種ケーブルは用途ごとに色分けされ、きれいに整線されています。配線のきれいさも運用者としての技量が問われるとのことでした。

image
image
image


こちらには、スパコン省エネランキング「GREEN500」で世界第2位を獲得した ディープラーニング特化型スパコン 「kukai」が運用されています。温度管理やどのような液体を使っているのかなど、興味深く質問が飛び交う姿が見られました。

ヤフーが作ったスーパーコンピュータが、省エネ性能で世界第2位に!──スパコン「kukai」開発の担当者に聞く

image
image


これにて、データセンター見学は終了。日本のインターネットユーザーの約80%が利用するYahoo! JAPANや、企業や個人ユーザーを利用するさまざまなサービスを支えるデータセンターの省エネやサービスを絶対に止めない運用への取り組み、今後増大を続けるマルチビッグデータに対応する高い技術力などを見学したことで、参加者たちの意気も上がったようです。彼らの今後の活躍が楽しみです。

データセンター見学ツアーなども随時開催されているので、自分の目で見てみたいという方は、ぜひこちらもご覧ください。

* データセンター見学ツアー

Yahoo! JAPANコーポレートブログ
コンパスページ