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吉見で670日ぶり勝率5割

2018年4月13日 紙面から

中日-ヤクルト 勝ち投手の吉見は試合後、ファンとハイタッチで喜ぶ=ナゴヤドームで(小沢徹撮影)

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 かつてのエースが復権へ大きな1勝を挙げた。中日は12日、ヤクルト戦(ナゴヤドーム)で今季初登板の吉見一起投手(33)が6イニング1失点の好投。9-4で連勝を4に伸ばしたチームは、森繁和監督(63)就任から2シーズン目で初、670日ぶりの勝率5割となった。

 1球1球に意図を込め、一つ一つのアウトを積み重ねた。吉見が勝った。「最後まで緊張してましたけど、集中は切れなかった。18メートルの空間をどう使うか、しっかり考えながら投げることができました」。試合後、濃密な96球を振り返った。

 立ち上がりから丁寧に低めにボールを集めた。6イニングで7安打を打たれながら、粘り強くゴロを打たせた。18個のアウトのうち、ゴロで奪ったアウトが11個。併殺打も一つ。テンポよく、要所を締めた。吉見らしい投球で1失点に抑えた。

 味方の大量援護にも助けられ、昨年8月13日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)以来となる白星を手にした。「4連勝で慎之介(小笠原)につなぐことをモチベーションにして投げました」。バトンをしっかり、13歳下の後輩に渡した。

 2度の最多勝に輝き、竜の黄金期を知る右腕。だが2013年にトミー・ジョン手術で右肘にメスを入れて以降の5年間で計13勝。今季は「ダメなら終わりだと思ってる」と常に口にする。

 春季キャンプの練習試合、オープン戦でなかなか結果が出ない中、ふと手に取った1冊の本がヒントになった。日本ハムの吉井投手コーチが書いた「投手論」だ。「全力ではなく8割の力で投げることの重要性を再確認した」。制球と駆け引きで打ち取る自分のスタイルを心に刻み直した。

 「結果より過程を大事に」。自らに言い聞かせるように話していた吉見の心が揺らいだ瞬間がある。3月25日のオープン戦ロッテ戦(ナゴヤドーム)。「ここで抑えれば開幕ローテに入れるかもしれない」と欲が出た。「先を見てしまった」と2イニングで4失点。開幕ローテを逃した。「きょうも先を見そうになったんですけどね」。投球中に顔をのぞかせた欲を今度は抑え込んだ。

 

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