悲痛な反論5時間

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「裏切り者」にされた森社長の悲痛な反論5時間(3)

 オフィス北野の森昌行社長(65)が、ビートたけし(71)独立をめぐる一連の騒動に反論する。昨年9月に計上した500万円の赤字は、「アウトレイジ最終章」(昨年10月公開)製作にともなう“時差”だったが、これをたけしは納得せず。さらには、たけしのギャラの取り分について、オフィス北野と「T.Nゴン」とで“1対9”にするよう要求されたという。今年2月11日にたけしの自宅にて話し合いの場が持たれたが、そこで森氏はガダルカナル・タカやダンカンら軍団からの追及を受けることとなった。

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 結局、たけしさんの自宅での話し合いは、怒号が飛んでくるものとなり、私は自分の持ち株を軍団に贈与するよう迫られました。彼らは、私が〈経営を私物化〉(軍団のブログより)したから株を寄越せという態度でした。つまり軍団側は、私が我欲のために持ち株比率を高めたり、映画祭にお金を注ぎ込んでいると指摘したわけですが、その主張は到底納得できるものではありません。私を泥棒扱いしたも同然でしたから。

悲痛な反論5時間

 しかし、軍団が居並び、たけしさんも「(軍団に対して)お前ら、黙ってんのか!」と荒れた様子で、10人程度に囲まれた私はかなりの圧力を感じざるを得ない環境に置かれていました。正直に言って、その場から早く逃れたかった。そのため、不信感を与えたのだとしたら自分の責任であると謝罪し、軍団への株式贈与と、その贈与税も私が負担する旨の書類にサインして、拇印も押してしまいました。そうしなければ収まらない、恫喝に近い強いプレッシャーを感じたからです。また、私にとって大事だったのは、何とか事を丸く収めることだったからでもあります。

ブログで足を踏んづけておきながら…

 こうしたいきさつがありながらも、前述の通り(※第1回参照)3月26日には再度軍団と話し合い、残ったメンバーでやり直そうということになった。それなのに、今回、私ひとりを悪者にするブログを公表。ブログで足を踏んづけておきながら、また握手しましょうと言われても、私も人間ですから無理です。これから、どうやってオフィス北野で一緒にやっていこうというのでしょうか。

 オフィス北野の売上げの8割を占めていたたけしさんが独立し、規模を縮小しながらどう会社を存続させていくか、力を合わせて頑張っていこうとしていた矢先だったのです。そのタイミングで、軍団が今回のような行動を取ることによって何が解決するのか、つまり彼らの行動が会社および彼ら自身にどんなメリットをもたらすのか、理解できかねるのです。事実、会社に残ると言ってくれていた従業員が、今回の軍団の行動を受け、会社を去りたいと言い出しているという話が聞こえてきています。スタッフがいなくなって、軍団はどうやって仕事をしていくつもりなのでしょう。

 繰り返しになりますが、経営者である以上、私に責任があるのは確かです。その点はこれまでも謝罪してきました。しかし、たけしさんの独立も含め、一から十まで全て私が悪いというのは、いくら何でも……。

 たけしさん、軍団とは30年間一緒にやってきました。なぜ私ひとりを悪者にし、しかも誰も得をしないこのタイミングで公然と私の批判を展開したのか。底知れぬ虚しさを覚えます。今後の彼らの動き次第ではありますが、これ以上、私への誹謗中傷を繰り返すようであれば、法的措置を考えざるを得ない事態になってしまうかもしれません。重ね重ね、残念で寂しい限りです。

「週刊新潮」2018年4月12日号 掲載