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政府は2018年4月13日、著作権侵害サイトを巡る法整備に取りかかることを決めた。2019年の通常国会で法案提出を目指す。さらに法制度が整うまでの臨時的な措置として、インターネット接続事業者(ISP)が、削除や検挙が難しい著作権侵害サイトへの接続を遮断する行為は違法には当たらないとする見解を示した。
政府は13日朝に知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議を開き、著作権侵害サイトへの対策を協議した。同会議での合意事項は大きく二つある。
一つは、緊急対策の決定だ。著作権侵害サイトが窓口などを設けておらず削除要請や検挙などによる権利の保護が難しい場合、仮にISPが利用者の同意を得ることなく接続を遮断(ブロッキング)しても、違法性はないとする方針を決めた。刑法第37条が定める「緊急避難」の要件を満たし得るという。
政府は削除要請などが難しく、ブロッキングによる対処が適当な著作権侵害サイトとして、「漫画村」「AniTube!」「MioMio」を例として挙げた。特定サイトのブロッキングを巡っては、通信の秘密などに抵触するとの指摘があるが、政府は法整備までの緊急かつ臨時的な窮余の策として、ブロッキングを認める。
もう一つは、対応策に関する進め方の合意である。政府は短期的措置として、知的財産戦略本部に協議会を新設。ISPによるブロッキングの運用などを協議する。先に挙げた三つのサイト以外にも、同様の著作権侵害サイトが次々と登場した際の対応策を議論する場にすると共に、ブロッキングの濫用を監視する役割も果たすとみられる。
今後、早急に法制度を整えて法的根拠を準備することも確認した。2019年の通常国会で、関連法案を提出することを目指す。