コインチェックは取引高10兆円でも純資産5億円しかなく、実際はマイナスの可能性がある

引用: CNET Japan https://japan.cnet.com/article/35117367/
取引高10兆円でも儲かっていなかった
2018年1月に約580億円分の仮想通貨「ネム」流出事件を起こしたコインチェック社は、マネックス証券グループに買収されることになった。
マネックス証券は株式やFX、債券、先物などを扱っていて、仮想通貨取引にも進出する。
買収金額は36億円と、コインチェックの取扱高にくらべて、非常に少なかった。
コインチェックの取扱高は2017年12月の3兆8537億円をはじめとして年間10兆円にも達し、1回5%もの手数料を取っていた。
単純に計算すると年5000億円の利益だが、実際にはコインチェック社は赤字経営だった可能性がある。
その理由はまず仮想通貨は「相対取引」でFXに近く、株式のように「取引仲介」ではない。
取引仲介業務では取引高が増えれば単純に手数料収入が増えるが、相対取引はそうならない。
例えばビットコインで「売り」と「買い」が同数の注文なら、業者は両方を注文を受けて、何もしない。
現実にはビットコインには買い注文しかないので、もし注文を呑んだまま価格が下落すると、業者は損失を被る。
そこで相対業者は「売り」と「買い」の差額分だけを他の業者に注文して、押し付けてしまう。
他の業者に注文するときは自分が受けるのと同じ、5%の手数料を引かれるので、注文が偏るとまったく儲からない。
仮想通貨のほとんどは買い注文なので、10兆円注文があっても丸ごと別の業者に発注していた筈です。
儲からない体質だった
こうしてリスクを回避するために他の業者に注文を回すのを、カバー取引と言います。
仮想通貨取り扱い業者の多くが同じ状況で、表面上は「取引高数兆円」と言いながら利益が出にくい。
「売り」「買い」が釣り合っていれば大きな利益が出ていたはずだが、そういう構造になっていない。
マネックスグループは4月6日にコインチェックの財務諸表が初開示し、純資産は5.4億円だった。
2017年3月期の売上高は772億円、営業損益は7億8600万円の黒字、前年度は利益ゼロだった。
2018年3月期にはネム流出の補償金数百億円が差し引かれるが、純資産は減少しないと説明している。
ネムの補償額は460億円にも達したので、どこかから借り入れた筈で、親会社になるマネックスが引き受けるのかも知れない。
このようにコインチェックの財務状況は、控えめに言っても魅力的ではなく、今後損失が増える可能性がある。
マネックスはコインチェック買収に関して「アーンアウト条項」の契約を結び、今後発生するすべての損失を引き受ける。
東芝が米原発工事会社を買収したら、損失数兆円を押し付けられたが、あれと同じ事が起きかねない。
コインチェックは巨額負債を隠しているかもしれず、今後損失が発生するかも知れない。
流出したネムの顧客は外国人も多く、今後外国の裁判で巨額請求されるおそれもある。
そうしたリスクを丸呑みしてでも、マネックスは仮想通貨取引に参入し、海外に顧客を広げたかったとみられる。
引用: CNET Japan https://japan.cnet.com/article/35117367/
取引高10兆円でも儲かっていなかった
2018年1月に約580億円分の仮想通貨「ネム」流出事件を起こしたコインチェック社は、マネックス証券グループに買収されることになった。
マネックス証券は株式やFX、債券、先物などを扱っていて、仮想通貨取引にも進出する。
買収金額は36億円と、コインチェックの取扱高にくらべて、非常に少なかった。
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コインチェックの取扱高は2017年12月の3兆8537億円をはじめとして年間10兆円にも達し、1回5%もの手数料を取っていた。
単純に計算すると年5000億円の利益だが、実際にはコインチェック社は赤字経営だった可能性がある。
その理由はまず仮想通貨は「相対取引」でFXに近く、株式のように「取引仲介」ではない。
取引仲介業務では取引高が増えれば単純に手数料収入が増えるが、相対取引はそうならない。
例えばビットコインで「売り」と「買い」が同数の注文なら、業者は両方を注文を受けて、何もしない。
現実にはビットコインには買い注文しかないので、もし注文を呑んだまま価格が下落すると、業者は損失を被る。
そこで相対業者は「売り」と「買い」の差額分だけを他の業者に注文して、押し付けてしまう。
他の業者に注文するときは自分が受けるのと同じ、5%の手数料を引かれるので、注文が偏るとまったく儲からない。
仮想通貨のほとんどは買い注文なので、10兆円注文があっても丸ごと別の業者に発注していた筈です。
儲からない体質だった
こうしてリスクを回避するために他の業者に注文を回すのを、カバー取引と言います。
仮想通貨取り扱い業者の多くが同じ状況で、表面上は「取引高数兆円」と言いながら利益が出にくい。
「売り」「買い」が釣り合っていれば大きな利益が出ていたはずだが、そういう構造になっていない。
マネックスグループは4月6日にコインチェックの財務諸表が初開示し、純資産は5.4億円だった。
2017年3月期の売上高は772億円、営業損益は7億8600万円の黒字、前年度は利益ゼロだった。
2018年3月期にはネム流出の補償金数百億円が差し引かれるが、純資産は減少しないと説明している。
ネムの補償額は460億円にも達したので、どこかから借り入れた筈で、親会社になるマネックスが引き受けるのかも知れない。
このようにコインチェックの財務状況は、控えめに言っても魅力的ではなく、今後損失が増える可能性がある。
マネックスはコインチェック買収に関して「アーンアウト条項」の契約を結び、今後発生するすべての損失を引き受ける。
東芝が米原発工事会社を買収したら、損失数兆円を押し付けられたが、あれと同じ事が起きかねない。
コインチェックは巨額負債を隠しているかもしれず、今後損失が発生するかも知れない。
流出したネムの顧客は外国人も多く、今後外国の裁判で巨額請求されるおそれもある。
そうしたリスクを丸呑みしてでも、マネックスは仮想通貨取引に参入し、海外に顧客を広げたかったとみられる。
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