優しさってなんだろう?
「にゃんすさんって優しいですよね。」と言われることがたまにある。
それが私の厚意に対する感謝の気持ちから出た言葉のときは、すごく嬉しい。
しかし、ほとんどの場合、「優しさ」というのは違う意味を持つ。
人に対して強い態度を取れなかったとき。
頼まれたことを断りきれなかったとき。
誰かのためというより、ただその場しのぎで甘やかしているような行動を取ったとき。
大抵は、そんな私に呆れているか、便乗して厄介ごとを押し付けようとしているか、人に振り回されている私を戒めようとしてかの発言である。
それは決して褒められているわけではないし、正直言われても嬉しくない。
私自身、人に優しくするのは自分に自信がないことの穴埋めなんだろうかとか、共依存なんだろうかと思って散々悩んだ。
しかし、仕事でもプライベートでも、私が優しいのは「弱っている人(動物)が、助けが必要なほど困っているときだけ」なのである。
担当患畜が重症で入院しているときは、誰よりも親身になって世話しているが、終生飼育するわけではない。
とっとと元気になって退院してくれることが治療の目標である。
人でも動物でも、早く私の手から離れて幸せに生きて欲しいというのが、誰かに手を貸すときにいつも思っていること。
家族や恋人にですら、私がいなきゃ生きていけない時間なんて極力減らしたい。
人に優しくしすぎるということで、悩んでいる方は、一度優しさのゴールを決めてみてはどうだろうか。
私の優しさのゴールは、「私のいない世界で幸せになってくれること」。
私の優しさや、それに伴う知識や専門性はそのためにある。