【4月12日 AFP】(更新)ロシア国防省は12日、シリアの首都ダマスカス近郊の東グータ(Eastern Ghouta)地区にある反体制派最後の拠点ドゥマ(Douma)にシリア国旗が上がったと発表した。政府軍が東グータ地区を完全掌握したことを示しているという。

 インタファクス(Interfax)通信によると、ロシア軍のシリア和解調停を取りまとめるユーリ・エフトゥシェンコ(Yury Yevtushenko)少将は「今日、シリアの歴史における重大事件が起きた。政府軍の旗がドゥマの町の建物の上にひるがえり、政府軍がこの町(ドゥマ)を掌握し、その結果、東グータ全域を掌握したことが示された」と述べた。

ロシアのテレビは、シリア政府が国旗と定める緑の星が2つ並んだ赤・白・黒の水平三色旗が建物の上にたなびく光景や、空爆で破壊された市街地で旗を振り歓声を上げる人々の姿を放映した。

 ロシア国防省によると、ロシア軍の憲兵隊が既にドゥマ市街のパトロールを開始している。ロシア軍はドゥマの情勢について平常化したと説明。これまでに計16万6644人が「人道回廊」を通ってドゥマから避難したとしている。

 また、在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は同日、東グータに残っていた反体制派の武装勢力「ジャイシュ・アル・イスラム(Jaish al-Islam、イスラム軍)」の戦闘員が、東グータのドゥマで重火器をロシア軍の憲兵隊に引き渡したと述べた。しかし一方で、同監視団によると、指導者のエッサム・ブワイダニ(Issam Buwaydani)氏を含む武装勢力の幹部らは11日にドゥマを離れ、反体制派が掌握している北部地域に入ったという。(c)AFP