11日に衆議院にて予算委員会が行われた。この予算委員会で立憲民主党の枝野幸男代表が質問した際、麻生太郎財務大臣は「読んでいない書類に決裁のはんこを押すことがある」と答弁をし、批判の声が上がった。
太田理財局長の答弁に議場が騒然
2017年2月22日に財務省の佐川宣寿前理財局長や国土交通省の担当者らが菅義偉官房長官に森友問題の経過説明をした際の状況について、立憲民主党の川内博史氏が質問を行った。
この時に同席していた中村稔・理財局総務課長について、川内氏は「森友学園の特例承認の本省の担当課長だった」と指摘。菅官房長官への説明時点で、決裁文書に安倍昭恵首相夫人の名前が記されていたことを認識していたかを財務省に尋ねた。
これに対する財務省・太田充理財局長の答弁はこうだ。
「本人に確認しました。『責任はありますが、正直に言うと、そこまでちゃんと見ていなかったので、覚えてませんでした』というのが、彼の正直な発言です」
太田氏は「決裁に判子を押す、ついた人間は、書類を把握しておく責任がある」とも述べたが、議場は騒然となった。
立憲民主党 川内議員と太田理財局長のやり取り動画
麻生財務大臣も「書類はすべて読んでいない」と答弁
財務省職員が決裁文書に安倍昭恵氏の名前があることを把握せず押印した件について、立憲民主党の枝野幸夫代表は「役所として、たがが外れている」と批判した。これに対し、麻生財務大臣は「全文書を全部読んでいる自信はない。そういうこともあり得るだろう」と述べた。
「全部読んでいるかと言われれば、私も自信がない」。麻生太郎財務相は衆院予算委員会で、行政文書に関して、中身を熟読せずに決裁する場合があるという“ぶっちゃけ”答弁をした。「(すべて)読んでいないというのはあり得るかなと思う。読んでいないものにも、はんこを押していることはある」と述べた。
枝野幸男代表と麻生財務大臣のやり取り動画
枝野代表は「決裁権者として中身をきちんと判断し、決裁しなければならなかった人が、読んでもいなかったと公然と認めた。当然、懲戒処分に向けた対処をはじめますと最低限そうならないとおかしい。もはやこの国の行政機関の建前が崩壊しているんじゃないか。」と批判した。