【ひと】:番場さち子さん=日本復興の光大賞を受けた「ベテランママの会」代表
乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【ひと】:番場さち子さん=日本復興の光大賞を受けた「ベテランママの会」代表
◇番場さち子(ばんば・さちこ)さん(53)
「神様からのプレゼント」。福島県南相馬市で、高校時代の同級生5人でつくった「ベテランママの会」が、東日本大震災の復興に尽力したとして「日本復興の光大賞15」(NPO法人日本トルコ文化交流会が今年創設)の大賞を贈られた。
番場さち子さん
会の結成は東京電力福島第1原発事故から間もない2011年4月。不安を抱える若い母親たちのために専門医師を招き「放射能お話し会」を80回以上開いた。お年寄りの生きがい作りに編みものサークルも作った。「地震、津波、原発事故で失ったものは多いけれど、新しい出会いが財産」
昨年8月、放射線について分かりやすくまとめた小冊子を発行した。データに基づいた「南相馬市の市街地の空間線量は西日本と変わりない」との記述 などに、電話やメールでバッシングを浴びた。「南相馬って人が住めるの?」と聞かれたり、名刺を受け取ってもらえなかったりする。「誤解は根深い」と感じ る。
震災直後、職場から車を運転して自宅に向かった。真っすぐ行くか、右へ曲がるか……。直感的に右へ曲がり津波を逃れた。「生かされたんだ」。中傷にくじけず、活動を続けられたのは、生き残った者としての使命をかみしめてきたからだ。
福島から自主避難する母子らを支援するためのサロン「番來舎(ばんらいしゃ)」を東京都内で昨秋スタート。「南相馬を担う子どもたちを育てること、大人の学び場を充実させること、やりたいこと、たくさんあるなあ」<文・坂根真理 写真・丸山博>
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■人物略歴
福島県南相馬市生まれ。法政大卒。東日本大震災前から同市内で学習塾を営んできた。1女1男の母。
元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【ひと】 2015年02月20日 02:30:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。