上場を目前に控えたメルカリの福利厚生がホワイトすぎると話題になっている。
昨今、多くの日本企業は働き方改革を実践するため、残業時間の規制などに取り組んでいるが、根本的な誤解も多い。新興企業に過ぎないメルカリがなぜホワイトな環境を構築できるのか。その理由を考えることで、働き方改革の本質が見えてくるはずだ。
フリマアプリを手掛けるメルカリは、自社サイトに労働環境や福利厚生に関するページを設けている。その内容は、一般的な日本企業を基準にするとかなり先進的だ。
同社はコアタイム方式のフレックスタイム制を導入している。大企業であればフレックスタイム制を導入しているところは少なくないので、この制度そのものは珍しくない。だが、メルカリのコアタイムは正午から午後4時までとなっており、一斉に拘束される時間が短い。これだけの余裕があれば、柔軟に1日のスケジュールを組むことができるだろう。
社員の業務環境も良好だ。それぞれが希望するスペックのPCを自由に使うことができ、最新のPCが発売されれば、すぐに交換できる。ディスプレイを2台並べて使いたい希望があれば、それもOKだという。
スマートフォンの支給についてもちょっとした工夫がある。OSがAndroidのスマホを持つ社員にはiPhoneが支給され、iPhoneを持つ社員にはAndroidのスマホが支給される。要するに、両方の環境で日常的にスマホを使うことを推奨しているわけだ。人はどうしても自身が所有するデバイスの価値観に偏りがちなので、ネット企業としては合理的な制度と言ってよいだろう。
社員が有料セミナーに参加することも可能で、レポートを共有すれば、費用は全額会社が負担してくれる。語学についてはオンライン英会話など複数の学習環境が提供されている。このほか、副業は全て自由で、会社としてはむしろ副業を推奨している。細かいところではドリンクが無料で飲める。
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