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あの子も、大人になっちゃったのかな。
SNSをひらけば、あのとき仲よかった友達も、社会に出て、結婚したり、子どももできたりして。昔はあんなに尖っていたのに、なんだか寂しい。
黒髪って環境に埋もれるので変装もいらず、生活もしやすいし、髪も傷まない上に肌も白く見えるし、痩せても見える。本当にいいことばっか。なぜ今までしなかったのかと自分でも不思議です(TV Bros「あたしアイドルじゃねぇし!」)
18歳だった頃、金髪のツインテールに厚底の靴を履いていたきゃりーぱみゅぱみゅは、25歳になった。カワイイカルチャーを背負っていた彼女も、落ち着く年齢なのだろう。
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期待のリップサービスに応えるにっこりのテック
Why? Can’tさえご法度
息苦しい? 頼もしい?
ないないありえないって言い切れない
ファッション with ちょっとBrave
とがったフルーツみたなグループ
甘いキック キミが好き
4月11日にリリースされる「きみのみかた」は、25歳になったきゃりーぱみゅぱみゅを表すかのような曲だ。
きゃりーちゃん、あなたも大人になってしまうの?
思い切って、聞いてみた。
「きゃりーのモノマネ」は、いつまでたっても金髪ツインテール
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——最近、大人っぽい方向にシフトしてるように見えました。
すべては楽曲とのバランスです。大人っぽい曲だから、ビジュアルを大人っぽくしました。でも、テレビとかの「きゃりーのモノマネ」って、みんな金髪で大きなリボンつけていて、ツインテール。その格好、5年くらいやってないのに!(笑)。でも、私って多分、最初のインパクトが強かったんだろうなと。それは嬉しくもあり……変えていかなきゃなぁと思います。
レディー・ガガもそうですよね。最初は金髪ロングで、フェイスペイントをしている派手なイメージがあったけれど、今はめっちゃナチュラルで、すごく変わった。スタイルは変わっても、やっぱり彼女はレディー・ガガ。そういう姿を見ると、私もその時、自分が好きな格好でいたいなって思います。
——「きみのみかた」って、「同調コメントばっかりで、本当にそれでいいの?」という歌詞が印象的ですよね。でも、いわゆる「大人」って同調したり、迎合したりすることもある。そういうものって感じますか?
感じます。きゃりーぱみゅぱみゅがまさにそう。最初は、名前も変だし、派手だし、「何こいつ?」みたいな感じだったんです。デビューするとき、ご挨拶に行くと、「この世界は厳しいよ」みたいな感じで、全然目を合わせてくれない大人たちもいた。でも、そこからテレビに出られるようになった途端、「きみは売れると思ってた」と言われたりして(笑)。
——手のひら返し!
そう!ワールドツアーに行ったり、「海外から人気!」ってなると、一気に「めっちゃすごいね」ってなった。私自身は、結構普通な気持ちなのに。
——萎えませんか?
萎えます。でも、最初に悔しい思いをしているので、海外でも通用できるような人になりたいなって思います。多分それが、きゃりーの原点にある。
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——デビューしたときは、社会現象にもなりましたよね。
18歳から20歳までは、毎日死ぬほど忙しくて、へとへとになりながらの2年間でした。ライブ、バラエティの収録、ラジオ、イベント……毎日違う仕事をしていて、よくわからないまま過ぎ去っちゃった。
——病まなかったのでしょうか?
病んではなかったです。みなさんに知って欲しかったので。でも、心の寂しさみたいなのはちょっとあった。
「きゃりーぱみゅぱみゅ」はどんどん有名になっていくけれど、「18歳の自分」はすごい遠くでかけ離れていて。家族にも会えなかったりもして。
——どうやってバランスをとっていたのですか?
親友の存在が大きいです。高校の同級生のボンちゃん。彼女と一緒に松屋とか丸亀製麺に行って本来の姿を取り戻す。好きなんですよ、そういうご飯。ボンちゃんは、普通にOLやってるんですけど、一緒にInsta Liveやったりするくらい今も仲いいです。
ひとつのカルチャーが終わっていく
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——そういえば、きゃりーさんがよく表紙を飾っていた雑誌『KERA』とか『Zipper』が休刊した時に、悲しいとTweetしていたのが印象的でした。
やっぱり、自分の原点の雑誌だったので。そこに登場しなかったら、きゃりーぱみゅぱみゅっていう存在もできていなかったし、こんなにファッションに興味持つことも絶対になかった。そこが終わっちゃうのは寂しい。
女の子のファッションも、みんながモテる女優さんみたいになってる気がします。個性派な感じがどんどんなくなってきてる。最近、原宿を歩いていても、ロリータの人たちが全然いなかったりして。「あのときの原宿 IS DEAD」って感じですね(笑)。
——原宿はカウンターカルチャーの街ですからね。
学校にいても、家にいても、「変わってるね」って常に言われてたんです。私、全然変わってないんですよ。でも、ずっとビジュアルが変な子って思われてた。
原宿に行くと個性的な人たちばっかり。「全然変じゃないじゃん、私」って自信をもらえた。原宿は、「馴染めない人たち」の心の拠り所的な街ではあったと思います。
私もそうですし、年齢を重ねてもずっと同じ格好をし続けることは、まずない。でも、ゴシックとか、そういう文化を知らない子たちが、これから増えていく。
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——去年、きゃりーさんが紅白に出ていなかったのも、すごく衝撃を受けたのですが……。
今までは、デビューしてからずっと当たり前に紅白に出てたんです。それが普通だった。でも、「今回は出られないんだよ」となったときに、挫折じゃないですけど……今まで上がりっぱなしだったけど、はじめて気がついて。そうじゃないこともあるって。
衣装を作ってくれる人もスタッフさんも、紅白はすごく力を入れていたし、楽しみにしてもいた。だからみんなに「すみません」って気持ちがすごいでちゃったんです。でもスタッフさんたちは「全然いいよ」って言ってくれた。
私、もっとがんばりますねって思いました。それまでは本当にふわふわして、何も考えなかったし、向上心もなかった。「わからない人にはわかってもらえなくていい」って感じだったんですけど、最近は「どうすれば、私のことをあんまり知らない人でも”きゃりー”に興味持ってくれるんだろう?」と考えるようになりました。
大人になると、派手な服はもう着れないの? 落ち着かなくちゃいけないの?
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——大人になると、ファッションも派手なままでいくか、落ち着いた感じにシフトするか悩みますよね。芸能人だと、特に迷ってしまいそうです。
迷いもありました。でも、ラジオで美輪明宏さんと対談した時にアドバイスを貰ったんです。
私が「派手な服を着ようと思わなくなった。年齢が上がったからでしょうか?」って聞いたら、美輪さんは「女性は年を重ねて、肌がくすんでシワも出てきてから、やっと宝石がマッチするの。若い頃からアクセサリーつけるのはToo Much。肌がくすんでいるからこそ、明るい色を着なきゃダメ」と言ってくださって。このアドバイスは、心にしまっています。
——迷いが晴れた?
派手な服は引き続き着るけれど、いろんなことをやってみたいと思うようになりました。昔はヒールなんて興味がなかったけれど、厚底じゃなくてパンプスを履いてもいい。リュックじゃなくて、小さなバッグを持ってみてもいい。それが「大人っぽい」ように見える理由なんじゃないかなって思います。私的には、派手なのも、落ち着いたのも楽しみたい感じ。
——実際、ヒールは買いましたか?
買いました。でも、めっちゃ足が痛むので履かなくなっちゃった。基本的にいつもTOKYO BOPPERです。やっぱりヒールはすごく不安定で、足が超疲れる。結局、BOPPER履いちゃうんですよね。
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今回のMVでは、ヒールを履くっていう選択肢もあったんですよ。すっごく高いやつ。でも、撮影は長い時間かかるので、厚底になりました。
——メイクはどうですか? 口紅とか。
そんなに変わってないかも……でも、カラコンとつけまつ毛を変えましたね。サイズをちょっと小さくした。特に理由があったわけではなくて、たまたまいつも使っているカラコンが売り切れだったので、変えただけだったんですけど(笑)。
——時代も変わって、自分も年齢を重ねて。その変化を楽しんでいる?
そうですね。日本って「若さこそが価値」とする謎の文化がある。海外だと、60歳の女優さんが「美」として評価されているのに、日本はまだそんなにない。その雰囲気を変えたいとは思いますね。
でも、「きゃりーちゃん」って呼ばれる存在ではあり続けたいと思ってます。「きゃりーさん」じゃなくて「きゃりーちゃん」。
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——「ちゃん付け」は、若さの象徴のような気もします。
単純な「若さ」ではなくて、少女性っていうか。大人になっても無邪気な女性でいたいなって思うんです。この前、八代亜紀さんにお会いした時に、「きゃーりちゃんっ」って、笑いながらお話してくださって。芯はしっかりありながら、天真爛漫な少女っぽさがある人って素敵だなって。
何歳になっても無邪気さがある女性……無邪気を作っていくわけじゃないですけど、遊び心を大切にしていきたいなと思います。
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最後に、「セルフィーを撮ってくれませんか?」とお願いすると、慣れた手つきでアプリを開きながら、小さく呟く。
「SNOWで撮っちゃうんですよね。そっちの方が恥ずかしくないんだよな」
たくさんの雑誌の表紙を飾ってきても、ワールドツアーを回っても、自撮りをするときにはちょっぴり恥ずかしくなる。
黒髪になったきゃりーぱみゅぱみゅの足元は、ヒールではなく結局履いちゃうTOKYO BOPPERの靴だった。