平成生まれは英語の筆記体が書けない

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高校生の娘の英語のノートを見ると、ブロック体ばかりが書かれていました。

 

「筆記体では書かないの?」

 

「なに、それ? 学校で習っていないよ」

 

驚きました。中学校でも英語の筆記体は習わなかったとのことです。

 

これは、平成14年に学習指導要領が改訂され、筆記体を教えるかどうかは教師の裁量に任された結果、ほとんどの学校で教えなかったということです。

 

平成14年以降ですから、昭和生まれは筆記体を必ず教わり、平成生まれは筆記体は書けないということになります。

 

 

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《筆記体は必修だった》

日本の中学校では、ずっと、ブロック体(活字体)と筆記体の両方が教えられてきました。

 

昭和37年(1962年)の学習指導要領にには、「アルファベットの活字体及び筆記体の大文字及び小文字」の学習が必修だとされてきました。

 

映画などで外国人がサラサラと筆記体でサインするのって、ものすごくカッコ良く思いました。

 

私も、そんなシーンに憧れて、きれいな筆記体をカッコ良く書こうと何度も練習したのを覚えています。

 

《筆記体の指導は教師の裁量に》

ところが、平成14年(2002年)に改訂・施行された学習指導要領(この要領で『ゆとり教育』が定められた)では、英語の授業時間数が減少し、「文字指導にあたっては、生徒の学習負担に配慮し、筆記体を指導することもできる」と定めました

 

つまり、教師の裁量で「教えたければ教えてもいいよ」ということになり、筆記体が授業で取り上げられることはほとんどなくなったということです。

 

筆記体が必修でなくなった理由としては、『ゆとり教育』による指導内容の削減のほかに、パソコンの普及によって手書きの機会が減少していることや、英語圏でも筆記体が衰退していることなどが考えられます。

 

ただ、英語ではなく数学で、ほんの一部分だけ筆記体を使っています。数式に用いるもので、「6b」が「66 」と間違いやすいため、「b」を筆記体にしたりします。

 

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見事な筆記体で書かれた「アメリカ独立宣言」

 

《平成生まれは英語の筆記体が書けない》

以上のような流れですから、平成元年(1989年)4月以降に生まれた人(中学入学が平成14年(2002年)4月)は、学校の授業では筆記体を習っていないことが普通です。

 

実際には、その2年前からすでに移行措置として「筆記体の指導は省略することができる」という指示がきていましたので、昭和62年(1987年)生まれでも習わなかった人がいることになります。

 

筆記体が書ける人は昭和生まれ、書けない人は平成生まれ、と分けることが可能なわけです。年齢をごまかしても、さらりと筆記体を書いてしまうと・・・。

 

《アメリカも筆記体は衰退》

全米共通学力基準(コモン・コア)は、多くの州で幼稚園から高校までの標準カリキュラムとなっていますが、そこには、ブロック体の手書きとパソコンのキーボードの使い方は盛り込まれていますが、筆記体については触れられていません。

 

アメリカでは小学3年生で筆記体を習うことにずっとなっていましたが、今や、若い人はほとんど使わなくなっているようです。

 

《筆記体の難点》

若い頃にアメリカに遊学していたことがありますが、一番困ったのは、指導員の書く筆記体が読めないことでした。

 

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上のトランプ大統領のサインも、どう読めば「TRUMP」となるのかわかりません。まあ、誰にでもわかるようだったら誰にでも書けるわけで、そうなるとサインの意味をなさないことはわかりますが。

 

また、「m」と書いたつもりがが「n」に、「g」と書いたつもりが「y」に読みとられることが多々ありました。

 

実際、中学1年の時、簡単な単語テストがあってクラス全員が満点だったのに、私だけが1問、×にされました。「map」と書いたのに「nap」と先生は読んだからです。頭にきて、それ以来、筆記体を書くことを止めにしました(笑)。

 

《筆記体の利点》

欧米には印鑑がありません。どんな大金の小切手でも、サインをするだけで現金と同じ価値を持ってきます。

 

このサインをブロック体で書くわけにはいきません。自分のサインは、筆記体をさらにデザイン化して他人に真似されないものを使用するのが普通です。

 

やはり、速く書けることは最大の利点でしょう。メモをとるのには、速い方が絶対的に有利ですし、「筆記体」というくらいですから文章を書くのに適していることはよくわかります。

 

また、筆記体をマスターした生徒は、スペルの正確性や構文の読み取り能力が高いという調査もあるようです。

 

ただ、今の若い人だと、例え筆記体でも、携帯端末を操作した方が速くメモれるのかもしれませんが。

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《まとめ》

日本語の筆記体は、行書体や草書体となります。ですが、日常生活で読み書きすることは全くありません。英語の筆記体が衰退していくのも無理のないことです。

 

しかし、海外に行くと様々な場面でサインをする機会があります。ブロック体というわけにもいきません。このサインくらいはカッコ良く決めたいものです。

 

娘には、自分の名前くらいは筆記体で書けるようにしておけと言っています。

 

以上、『平成生まれは英語の筆記体が書けない』でした。