「作り手が、観る人を上手に騙すことができたらそれは勝ちなんですね。われわれの業界では。そそって、理性を眠らせて、絶対に起こりっこないようなことをスッと受け入れて、次の更なる興奮に繋がるように頭を仕向けさせれば勝ちだし。受ける側が『こんなバカなことないよ!』とか言い始めたら成立しないんだけど、皆さんどんどん乗るようになりまして、特に大人なんか『んなバカなことないよ!』と言ってもおかしくないようなことを、平気でみんな肯定し始める。『良かった!』とか『泣けた!』とか言ってね。非常に精神が衰えてるんじゃないかなと、私は思う」(アーサー・ビナードとの対談 )